闘病記(改)

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この闘病記を締め括るに当たって、父母と乳癌で亡くなった妹のことを書きます。

今回は父母のことを、次回に妹のことを書いて、この闘病記は終わりにします。

【父母のこと】

「薬の副作用で死んでも、絶対に癌では死なない!」

抗癌剤の副作用が特に厳しかった当時の想いです。

自分と同じ胃癌で、54歳で亡くなった母親の敵討ちの気持ちでもありました。

母は、貧乏な家庭で苦労して6人の子供を育てました。

やっと少しホッとすることが出来始め、これからは父と二人で慎ましやかに過ごそうと思ったところで、胃癌で亡くなりました。

癌に身体が蝕まれ始めた時、母は大きな病院には行かず、田舎の診療所で検査も受けずに胃薬を処方してもらう程度で済ませていました。

病院に行けなかったのではなく、私と同じように臆病だった母は、自分の身体を蝕んでいる真実を知るのが怖くて病院に行かなかったのです。

多分、母は「もしかしたら?」と薄々自覚していたのだろうと思います。

父にも辛いとかは言わず我慢をしていたようです。

私が帰省した際にも変わりなく振舞っていたし、近くに住んでいた妹たちや当時はまだ家にいた弟も気が付きませんでした。

そして、身体が悲鳴を上げて入院した時には、既に手遅れの状態でした。

私の入院前と何となく似ています。

違うのは、私は寸でのところで助かったことです。

母は、手術はしましたが、開腹しても結局何も出来ない状況に至っていました。

父も、主治医に頼んで色んな手を打ってもらった(丸山ワクチンとか)のですが、効果はありませんでした。

私は手術も出来たし、腹膜播種で余命宣告も受けましたが、抗癌剤の効果もあって一命を取り留めることが出来ました。


私は典型的な母親っ子でした。

母親が亡くなった時、母の命を奪った癌と言う病気に対して憎しみのような気持ちを抱きました。

そんな想いもあって、私が母親と同じ胃癌になった時、「薬と刺し違えてでも絶対に癌では死なない。」と思ったのです。

苦労ばかりを掛けた母でしたが、何のお返しも出来ず仕舞いでした。

もう少し長く生きていてくれたら、親孝行の真似事くらいはして上げられたかもしれません。


父は、母が亡くなって1年後くらいに脳下垂体に腫瘍(癌ではなかった)が見つかりました。

手術をして暫くは元気でしたが、神経に絡み付いて取り切れなかった腫瘍のせいか、それとも手術後の治療のせいか(多分、複合)、少しずつ痴呆の症状が現れ始め、

やがて身体も衰弱し、母の死後から5年目の61歳で亡くなりました。

当然、父にも苦労ばかりを掛けましたが、母と同様に何の親孝行も出来ず仕舞いでした。

私は、幸運にも母と同じ病気を乗り越えられました。

来年は、父が亡くなった歳と同じ61歳を迎えます。

親でありながら、心の中に浮かぶのは自分より年下の母の顔と自分と同じ歳頃の父の顔です。

妻の父親は7年前に亡くなりましたが、享年は83歳でした。
義母は、今年米寿を迎えました。

私の母よりも年上です。

義母は、足腰は弱りましたが、曾孫たちにも囲まれて楽しく義兄一家と暮らしています。

長生きの義父母を羨ましく思ったりもしました。

今も義母に会う度に、「自分の母も生きていてくれたらなぁ!」と思いますが、

今は、元気だった頃の笑顔を思い浮かべることしか出来ません。


閉じる コメント(5)

今回のお話、読んでいて泣けました。私の母も胃がんで64で亡くなりました。父はすでに亡く、私は33で親無しになりました。その数年後、小学生になった娘が突然「パパは子供だけどママは子供じゃないね。」と言うので「なんで?」と聞くと「パパはお父さんお母さんがいるけどママにはいないから。」と言われ、子供の感性に驚くと共にとても悲しく思ったものです。卍郎さん同様、私も奇跡的に助かりました。親の思いが生かしてくれてると思います。卍郎さんとは同じ歳ですよね?お互い運良く生き延びたのですから長生きして親の無念を晴らしましょう*\(^o^)/*

2015/11/12(木) 午後 3:51 [ たんこ ]

> たんこさん
偶然ですね!
自分も、父親が亡くなったのは33歳の時でした(母親は28歳の時)。
先のことは分かりませんが、人様並みに年金生活も楽しみたいものです。

2015/11/12(木) 午後 9:47 まんじろう

心にしみる記事に感動しました。
ご両親の命、これからも一杯頂いてください。

2015/11/15(日) 午前 5:36 aoi

顔アイコン

> aoiさん
今度の3連休は帰省して、父母と妹の墓参りもして来ます。
3人の分も長生きしたいとは思うのですが、この先どう言う運命が待っているのやらです。

2015/11/17(火) 午後 9:57 まんじろう

妹さんの記事見せて頂きました。

いつも、妹さんへの心配り、感服です。
きっと生前に、お気持ちは届いていたと思います。
高齢者の仲間入りして、先のことが読めないことは、日々感じております。
が、日々大切に生きねば……と、理屈はわかるのですが、気持ちと体と現実は、見事にバラバラです。
帰省お気をつけて。
美味しいものを食べて、お楽しみのお土産も沢山お持ち帰りください。

2015/11/18(水) 午後 11:03 aoi


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