読書ノート

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昭和29年の造船疑獄(贈収賄、財から政管への賄賂です。)
昭和31年に可決された売春防止法をめぐる汚職
事件をスクープした読売新聞記者の不当逮捕事件。
検察庁内部の派閥抗争。

全部本当にあったことらしいです。
これら終戦後の昭和史にかかわる史実の中に、巧みに織り込まれたフィクションが『昭和』という時代を鮮やかにあぶりだしています。
昭和30年代というと、『三丁目の夕日』のような古き良き時代を連想して、
「あの頃はよかった。皆が貧しかったけれど、幸せだった』などと思ってしまうけれど、暗い影の部分や隠された汚い部分もあったんだということも、
忘れずにいたい・・・。
フィクションではあるけれど、フィクションを超えた作品です。

13階段〜高野和明〜

二人暮らしの老夫婦が惨殺された。
逃走時の事故により、犯行時刻前後の記憶を失い、自分が本当にやったのかさえわからないまま、容疑者は死刑を求刑され、確定する。
彼の冤罪を晴らすべく、調査を開始する二人の男。
処刑までに残された時間はあとわずか・・・。
2001年の江戸川乱歩賞受賞作です。
一番衝撃を受けたのは、死刑執行の場面でした。
いくら極刑とはいえ、あまりにむごくて。
死刑をなくして、終身刑にしたらいいのに・・・。
どうしても死刑をなくせないのなら、せめて絞首刑ではなくて、注射のようなものに変えて欲しい。
面白かったけれど、それ以上に考えさせられた小説でした。

半落ち〜横山秀夫〜

先に映画のほうを観てしまい、読んでいなかったのですが、
先週の土曜日にテレビ版の放映があると知り、
その前に読みたくなりました。

梶聡一郎 49歳、警察学校の教官。アルツハイマーの妻に殺して欲しいと
懇願されて、手にかけてしまい、3日後に自首。
空白の2日間、何をしていたか、決して語ろうとしない・・・。

取調官、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、看守。
彼らは、それぞれの立場からこの事件を通して、自分を見つめる。
仕事に対する熱、保身、家庭...。

最後の章で明かされる、真相。
静かで深い感動。
2時間ほどの映画やドラマでは、とても伝えきれないと思います。
読んでよかった...。

スキップ〜北村 薫〜

いま、会いにゆきますのヒロインの澪は、車にはねられて、
7年後の未来へ飛ばされました。愛する夫と幼い息子の待つ、自分が死んだあとの未来へ、
記憶を失ったまま。
このすきっぷのヒロインの真理子さんも未来へ飛ばされました。
夫と娘のいる25年後の自分の中に、17歳の記憶を持ったまま、心だけが。
作者の北村薫さんは、1949(昭和24)年生まれ。
真理子さんも作者と同じ世代で、17歳の真理子さんのすむ世界は、昭和40年代の初め。
40年くらい前の女子高生は、30年くらい前の女子高生(=私のことです。)の目から見ても、
初々しくて潔くてきれいです。
初めて読んだのは、2年くらい前、娘が高校生のとき。
以来手放せない一冊です。
映画を見て、いつか原作も読んでみたいと思っていました。
とてもきれいな、切ない大人の童話。
映画で共演したふたりが結婚したのも、この映画の魔法のせいかな?なんて考えてしまう。
(長くは続かなかった魔法ですが)
この話に出てくるたっくんと澪さん、ご自分と奥様がモデルみたいですね。
(ヤフーブックスで検索したら、それらしいエッセイが紹介されてました。
機会があったら読んでみたいな。)
恋愛モノ(純愛モノ)は活字で読むと背中がむずむずしてくるので、あまり読まないのですが、
先に映画を見ていたので、読んでいてチョットこそばゆいくらいで済みました。
読んでよかったです。

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