ここから本文です

書庫全体表示

大いなる陰謀

イメージ 1

「説教」 と受け取ったら、もうダメだろうなぁ 『大いなる陰謀』 2007

【大いなる陰謀】 LIONS FOR LAMBS 2007

監督・製作 ロバート・レッドフォード   製作・脚本 マシュー・マイケル・カーナハン
出演 ロバート・レッドフォード / メリル・ストリープ / トム・クルーズ / マイケル・ペーニャ
    デレク・ルーク / アンドリュー・ガーフィールド ほか

『バガー・ヴァンスの伝説』 以来7年ぶりの監督作品のロバート・レッドフォード
『愛と哀しみの果て』 ('85) で、そのレッドフォードとコンビを組んだメリル・ストリープ
そしてトム・クルーズ。  オールスターキャストの社会派ドラマです。

対テロ戦争で疲弊寸前のアメリカ社会に、監督のレッドフォードと脚本のカーナハンが物申した一作ですね。


原題は 『Lions For Lambs』
劇中でも引用されますが、『子羊に率いられたライオン』 という事になりますが・・・。

物語は3つのシーンを同時進行で描き出してゆくパターンです。
野心満々のアーヴィング上院議員 (T・クルーズ) に、アフガンでの対テロ秘密作戦をリークされる女性TVジャーナリストのジャニーン (M・ストリープ) との密室内でのシーン。

大学教授マレー (R・レッドフォード) が教授室に教え子トッドを呼んで語るシーン。
その教授の元教え子で、今は志願兵としてアフガンでの秘密作戦を実行するアーニー (M・ペーニャ) とアーリアン (D・ルーク) の戦闘シーン。

政治に無関心な大衆、怠惰な生活を送る若い世代、資本主義に蝕まれたメディアetc・・・。
アメリカはなぜ戦争をするのか? なぜ戦争は無くならないのか?

そういう構造的な部分をもクローズアップして、切迫感&使命感にも似たロバート・レッドフォードの訴えがヒシヒシと感じ取れる一作でありました。

アメリカ本国の人にとっちゃ、『お前に言われなくても解かってる』『何を今さら』『それじゃ解決策を提示しろ』 と感じ取れる映画かもしれませんが・・・と言うか、高みの見物を決め込んでる世界の人たちの言葉だとも思いますが。

それより何より、声を大にしてこのテーマを扱ったレッドフォードの心意気は個人的に評価したいです。
でも 『クサい事を言うんじゃないよ!』 ってな感じに受け止められる恐れが大きいですね。

その恐れを大きくしたのが、レッドフォード自身が大学教授役で出演してるからだと思いました。
その語りが、"わたしが導いてあげよう的" に取れるからです。 早く言えば、ちょっと尊大。
あの役は他の役者に任せ、レッドフォード自身は監督に徹して表に出てこない方が良かったかも・・・。



映画として言うと会話中心になって少しダイナミックさに欠けるので、ひとつに焦点を絞って (他のシーンは脇として) 、サスペンス性を持たせたヒューマン・ドラマにしてたら、もう少し一般受けしそうな感じかな。
まぁ、個人的に言ってるんですがね、これは。

しかし密室内での出演とはいえ、トム・クルーズの演技は良かったですよ。
野心満々、狡猾ささえ滲ませるアメリカの次期リーダー役は上手かった。
メリル・ストリープのジャニーン役も、政治の道具にされるのを必死で拒む姿などは共感できる演技です。

『手段は選ばない』 と断言するアーヴィング上院議員の言葉は大量破壊兵器の使用をも示唆する台詞。
エスカレートする報復の連鎖をどう断ち切るか? このテーマは重いですよね、ハッキリ言って。

アフリカ系とヒスパニック系の若者が自己の未来を見据え、アメリカ人として誇りを抱き戦地に赴く。
しかし政治を牛耳って国を動かすのは、実戦経験も無い輩たち。
白人の富裕層の若者は政治に幻滅して無関心を貫く・・・。  
メディアの問題も含め、この現状は痛い所を突いてますよね〜。

だから敬遠され反感を買いやすいんでしょうかね、この映画。 
酷評されるような作品じゃないと思いますよ。
『この手の映画はもういいよ』 って、アメリカの国民が今の現状に嫌気が差してるのは察するところですが。

メリル・ストリープ演じるジャニーンがタクシーでアーリントン墓地の横を通る時、哀しげに見つめるシーンが出てきます。 "正義" というまやかしの大義名分のため無駄に死んで欲しくない。
その前にアクションを起こして欲しいんですよ。 それぞれが自問してくれという事ですね。

しかし最初に記してあるように説教されてると感じたら、もうダメな映画かもしれません。
でもレッドフォードは共和党が大嫌いなんだなと、思いっきり解かる描きですなぁ〜。

  • 観客に問いかけるような作風でしたね。好き嫌いがわかれる作品だと思いますが
    個人的には見応えを感じました!が、邦題には納得がいきません^^;
    トラバお願いします!

    くるみ

    2008/4/21(月) 午後 10:00

  • 政治的なメッセージをも含んだ作品でしたね。ラストは、どう考えるか、どうとらえるか?まさに製作者側の意図なんでしょうが、政治家・マスコミ・若者・・・戦争経験者など、アメリカだけの問題でなく、他の国にもどこか感じるものがあるなぁなんて思いながら観ておりました。TBさせてくださいね。

    [ - ]

    2008/4/21(月) 午後 10:45

  • 顔アイコン

    >くるみさん。邦題を付ける側も一生懸命考えたんじゃないでしょうかねぇ。(^o^;
    客を呼ぶためにも。
    好き嫌いが真っ二つに分かれますね、これは。
    TBどうも!

    Kaz.Log

    2008/4/21(月) 午後 11:32

  • 顔アイコン

    >SHIMAさん。そうなんですよね、これはアメリカだけの問題じゃないんですよねぇ。
    それを感じ取れるかどうかが問題ですね。(^o^;
    まさにメッセージの映画でした。
    TBどうも!(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/4/21(月) 午後 11:34

  • 記事アップしたのでTBさえてもらいますね!

    MINA

    2008/4/22(火) 午後 5:55

  • 顔アイコン

    >MINAさん。おぉ、毎度どうもです!(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/4/22(火) 午後 6:54

  • アバター

    観てきました。「問いかけ」の映画でしたね〜
    アメリカだけでなく、万国共通の問題でもあるように思いました。
    TBさせてくださいね♪

    choro

    2008/4/23(水) 午後 6:35

  • 顔アイコン

    >Choroさん。メッセージの一作でしたね、もろに。(/∇\)
    そそ、このテーマは万国共通ですよね〜。
    TBども!(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/4/23(水) 午後 6:46

  • 最後まで観れました(汗)
    まじめに観たら結構面白く、惹き込まれる内容でしたね。
    メリルもトムも上手かったなぁ。レッドフォードは爽やかさがなくなっちゃ他のが残念だけど(笑)その意気込みとメッセージは受け止めました。
    TBさせてくださいね。

    pu-ko

    2008/4/24(木) 午前 2:08

  • 顔アイコン

    >pu-koさん。惹き込まれますよね、結構。(・ω・)bグッ
    あはは、レッドフォードもいい年ですからね、けっこう説教くさくなっちゃいましたね。(^o^;
    メッセージとしては真摯ですね、当然。
    最後まで観れて何よりです! TBどうも!(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/4/24(木) 午前 2:12

  • アバター

    確かにちょっと説教くさい感じは受けましたが、見てよかったです。
    まぁ、こういう作品はとらえ方で評価が分かれる作品ですね。
    TBお返しさせてもらいますね。

    くみょん

    2008/4/25(金) 午前 1:46

  • 顔アイコン

    >くみょんさん。そうですなぁ〜、個々の捉え方次第ですね、これは。
    でも観て良かったんなら何よりです。(・ω・)bグッ
    TBどうも!

    Kaz.Log

    2008/4/25(金) 午前 1:52

  • これと紀元前とどっち観ようか迷って紀元前にしました〜。これも観たかったな〜(⌒・⌒)

    DORO

    2008/4/30(水) 午後 0:18

  • 顔アイコン

    >DOROさん。これは賛否分かれる一作でしたねぇ。
    まぁ政治的な映画だからね。(^o^;

    Kaz.Log

    2008/4/30(水) 午後 6:53

  • 顔アイコン

    TBありがとうございました。お返ししますね。
    台詞が長くて最初はうとうとしました^^;やっぱほとは上映時間は短かったんですね。
    賛でもなく否でもないです。というか、正直なところ米国こと事体、理解できませんし・・・^^;

    にげら

    2008/5/6(火) 午後 9:10

  • 顔アイコン

    >にげらさん。あはは、そうです〜、時間は短かったんですよね〜。
    まぁ、こういう内容は難しいからね。(^o^;
    アメリカは病んでますよ、ホントに。
    TBどうも!

    Kaz.Log

    2008/5/6(火) 午後 10:17

  • 結構面白く観ることができました。
    確かにレッドフォードが出演したことによって説教くささが増した気がします。監督に徹した方が評価ももう少し上がったかもしれませんね。
    TBお返しさせて下さいね!

    ゆき

    2008/5/17(土) 午前 7:13

  • 顔アイコン

    >ゆきさん。そうですね、自分はそう感じました〜。
    レッドフォードも悪くないんですがね。
    TBどうも!(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/5/18(日) 午前 0:36

  • 顔アイコン

    私は、DVDを見た後、固まりましたね!
    アメリカの話として捉える方が多いようですが、私は無関心の先進国である日本人がみてよく考えてほしい映画だと思いました。

    [ bob ]

    2008/10/9(木) 午後 2:40

  • 顔アイコン

    >そうですね、日本人の若者に考えて欲しいですね。
    特にね。(・ω・)bグッ

    Kaz.Log

    2008/10/9(木) 午後 6:51

開くトラックバック(20)

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事