フレンチ・ホラーの名作 『顔のない眼』 1958【顔のない眼】 Les Yeux Sans Visage フランス・イタリア 1958
監督 ジョルジュ・フランジュ 製作 ピエール・ローラン 原作・脚本 ジャン・ルドン 脚本 ボワロー・ナルスジャック / クロード・ソーテ 音楽 モーリス・ジャール 出演 ピエール・ブラッスール / アリダ・ヴァリ / エディット・スコブ / ジュリエット・メニエル 他 外科医療とホラー&スリラーを融合させた映画として、後々のホラー作品に大きな影響を与えた一作。 マッド・サイエンティストの登場なんかも、医療系スリラーとしてはこの映画が先駆者的な役割を果たしてるんじゃないかな〜。 これは、もう元祖と言って良いのでは。 監督は短編映画で実績のあったジョルジュ・フランジェの長編2作目。 この作品において 監督の名声は確固たるものになったようです。 フランス、パリ。 皮膚移植手術の権威ジェネシェ博士 (ピエール・ブラッスール) には、自動車事故によって顔に酷い損傷を負った娘クリスチアーヌ (エディット・スコブ) がいました。 世間的には娘はその事故で死亡したと思わせておいて、実は若い娘を誘拐しては顔の皮膚を剥ぎ取り クリスチアーヌに移植手術を施していたんですね。 若い娘を誘拐する役目を担うのは、博士の助手であり秘書のルイーズ (アリダ・ヴァリ)。 ルイーズも過去、傷を負った顔を博士の移植手術で完治させた経緯があります。 クリスチアーヌは2度の移植手術を受けるも失敗。 そんな時、数回にわたる若い女性の失踪事件を不審に思った警察は、博士の病院へおとりとしてポーレットと言う娘を潜り込ませます・・・。 何と言ってもインパクトが大きいのは、クリスチアーヌが付けてる白いマスクの姿。 表情の無い、それでいて物悲しさが漂うマスクには凄い戦慄さが付きまといます。 そのマスク姿で屋敷の中を歩き回ったり、森の中へ消えて行くシーンなどは、静かな恐怖描写としては秀逸ですね〜、モノクロ画面が余計に効果大です。 この時代としては結構過激描写であったと思われる、手術による皮膚の剥ぎ取りシーンなんかもあるのですが、それ以上に詩情的な演出が優れてると思います。 モーリス・ジャールが担当した音楽の効果も大きい。 この博士も、親の愛情として娘の顔の傷を治してやりたいのか? それとも娘はタダの実験台か? 数多く捉えられた犬を実験台として成功してはいるのですが、人間での成功例はまだ。 医師として後世に残る実績を残したい気持ちは分かるんですが、その行為が この娘への愛情ゆえとは考えがたいところも狂気を思わせます。 この博士を演じるのは 『天井桟敷の人々』 のルメートル役の名優ピエール・ブラッスール。 博士の右腕の助手ルイーズを演じるのが 『第三の男』 で一躍有名になったアリダ・ヴァリ。 若い娘を誘拐、その死体さえも平然と後始末するアリダ・ヴァリの貫禄な演技も見物でした。 結末も、この娘のことを思うと遣り切れなく哀しいのです。 言われるだけあっての フランスの名作ホラー系スリラーでした。 |

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