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【クローンは故郷をめざす】 The Clone Returns To The Homeland 日本 2008
監督・脚本 中嶋莞爾 エグゼクティブ・プロデューサー ヴィム・ヴェンダース 撮影 浦田秀穂 出演 及川光博 / 石田えり / 永作博美 / 嶋田久作 / 品川徹 / 田村泰二郎 ほか 2006年 サンダンス・NHK国際映像作家賞受賞 (オリジナル脚本・中嶋莞爾) サンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞したこの監督自身の脚本を、同賞の審査員だったヴィム・ヴェンダースがエグゼクティブ・プロデューサーを努め映画化した一作。 この中嶋莞爾監督は自主映画で高評価を得てきた方のようですね〜。 宇宙ステーション建設作業中に不慮の事故で殉職した宇宙飛行士の高原耕平 (及川光博)。 生前の契約により、耕平は合法クローン技術によって蘇えります。 しかし、双子の弟のぼるを事故死させた幼少期の記憶しか持たずに再生してしまう。 戸惑う耕平の妻 時枝 (永作博美) であったが、葛藤しながらでもその現実を受け入れていくことに。 そんな時、記憶の混乱が生じた耕平は病院を抜けだし、かつて家族で暮らした故郷を目指して歩み始めようとしますが・・・。 どこかの説明で読んだのですが、この映画の映像感覚や表現には、あのアンドレイ・タルコフスキーの 『惑星ソラリス』 の影響があるのではないかと。 ・・・監督自身は否定していたと記憶してますが、そう言われるのも本作を観れば一目瞭然。 他のSF映画とは一線を画する、日本独自のテーマ性と哲学性を持ち合わせてるんじゃないでしょうか。 そして美しくもあり 静謐な映像も大きな見どころ。 撮影が素晴らしく良いですね。 クローン技術というテクノロジー一辺倒の説明に傾かず、亡くなったオリジナルの魂がコピーに影響を与える "共鳴" と言う仮設を持ち出してるところが興味深いですね。 早く言えば "霊魂" の存在を肯定してるんですよね。 故郷への帰途、クローン耕平が担いでる宇宙飛行士の遺体はオリジナルの自分なんですが (霊魂)、それを幼少期に死んだ双子の弟と思い込み、ひたすら歩く姿が切なくもあり痛ましいところです。 耕平を演じるのは及川光博。 もちろんミッチー節は封印して、このシリアス演技に挑んでます。 彼の人間離れした端正な顔立ちがクローンの雰囲気と作品のテーマ性を盛り上げてますね。 そして何より、双子の母親 高原洋子を演じる石田えりの存在がこの映画の要。 耕平が目指す故郷は、= 母親と言う事でもあるんですよね。 時には厳しく、我が子の全てを包み込むような大きな愛情を持った母親を演じる石田えりは適役ですなぁ。 アート的に観ても面白い作品でした。 |

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