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【嵐が丘】 日本 1988
監督・脚本:吉田喜重 原作:エミリー・ブロンテ 製作:高丘季昭 撮影:林淳一郎 出演:松田優作 / 田中裕子 / 名高達郎 / 石田えり / 萩原流行 / 高部知子 / 古尾谷雅人 / 三國連太郎 1988年日本アカデミー賞 助演女優賞 (石田えり 他2出演作に対しても) エミリー・ブロンテの原作を、松竹ヌーヴェルヴァーグの吉田喜重監督が構想20年以上かけて映画化した一作。 舞台設定を中世日本の鎌倉・室町時代に置き換えて、男と女の恐るべき情念を描き出しております。 とりあえず、原作の長編小説は有名なのでストーリーを書くのは控えておきますね。 この小説、映画化としては1939年のウィリアム・ワイラー監督作、1953年のルイス・ブニュエル監督作など、あと数本の映画化作品があります。 どの作品も舞台設定を製作された国に置き換えられて描かれてますが、こちらは中世の日本が舞台。 火山灰が降り積もる荒涼とした背景を舞台に、鬼丸 (松田優作 = ヒースクリフ) と絹 (田中裕子 = キャサリン) の狂気とも言える情念が渦巻いた、一種特殊な緊張感がある作品でございました。 ロケは御殿場の富士山5合目あたりで撮影したそうなんですが、荘 (しょう) と呼ばれる建物しか無い背景で、あとは霧と火山灰だけ。 この荒涼とした舞台が物語り上でも狂気に似つかわしい雰囲気を醸し出してますね〜。 そして何より、中世の日本人の その話し言葉や立ち振る舞い、所作。 歌舞伎と京劇の雰囲気を兼ね備えたと見える登場人物 (役者) の演技に ただ見惚れてしまいました。 中でも絹を演じる田中裕子の、その能面のような顔つきから漂う妖美とでも言うのでしょうか・・・。 演じる力量も問われそうな役どころを見事にこなしたところは立派としか言いようが無いですね。 鬼丸を演じる松田優作の迫力は言わずともお判りでしょうが、思い起こしたらこの次の年、1989年のアメリカ映画 『ブラックレイン』 が最後の姿になったんですよね。 『華の乱』 と共に、この作品が最後の日本映画出演作となりました。 この映画では、原作の持つ "男と女の狂気の情念" から もう一歩も二歩も飛び越え、日本ならではの グロテスクとも言える怨念と情の物語に仕上がっていたと感じます。 そして美しくもあるのは言うまでも無く。 ただ難点を付けるなら、監督の初の時代劇と言うこもあって 少し "力み" が出たか。 観る人によっては全編にくどさを感じるかもしれない。 自分は興味持って観れましたが。 東の荘 山部一族の絹を演じる田中裕子、西の荘 妙を演じる石田えり、絹の娘を演じる高部知子。 この3名の全裸シーンも男性にとっちゃ嬉しいところですけど。 でもやっぱ石田えりは最高ですなっ。(笑) この時代ならではの "まぐわい" シーンも見物です。 狂気の情念と陰惨さに満ちた物語でございました。 自分は好きですけどね、これ。 |

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