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【23年の沈黙】 DAS LETZTE SCHWEIGEN 2010 ドイツ (未)
監督:バラン・ボー・オダー 原作:ヤン・コスティン・ヴァークナー 脚本:バラン・ボー・オダー 出演:ウルリク・トムセン/ヴォータン・ヴィルケ・メーリング/カトリーン・ザース/ブルクハルト・クラウスナー セバスチャン・ブロムベルゴ 他 この監督はこれがデビュー2作目になるそうですが、本国ドイツでは期待を集めてる方らしいのです。 原作はドイツではベストセラーとなった、ヤン・コスティン・ヴァークナーの 『沈黙』。 クライム・サスペンスとなる一作ですが、ちょっと興味を惹く作品だったので書いてみました。 物語は1986年7月8日に起こった性犯罪から始まります。 13歳の少女ピアは自転車で麦畑を通りかかった時、男から暴行を受け命を絶たれてしまいます。 犯人は2人組、しかし手を下したのはゾマー (ウルリク・トムセン) というマンションの管理人をしている男。 もうひとりの男、ティモ (ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)はその犯行を傍観してしまったんですね。 その罪深さに耐え切れず、ティモは町を去ります。 結局、この事件は未解決。 それから23年後、犯行が起きた同じ日にまた麦畑で少女ジニカの失踪事件が起こります。 ジニカの乗っていた自転車は、やはり23年前と同じように麦畑で見つかります。 23年前の事件を担当して、今は警察を定年退職してるクリシャンは同じ犯人だと直感。 現職の刑事ダーヴィッド (セバスチャン・ブロムベルゴ) に事情を話し、捜査依頼を持ちかけます。 23年前に町を去ったティモは、現在遠くの町で建築家として妻と子供2人と平和に暮らしてます。 しかし、その事件をニュースで知ったティモは居ても立ってもおられず、再び事件の起きた町に帰還。 23年ぶりに町へ帰ってきたティモは、あの時の相棒ゾマーと対面します。 まず、完璧と言っていいぐらい計算された映像美に惹き付けられました。 麦畑の情景、静かに見つめ映し出す登場人物の顔、上から見つめた俯瞰撮影のシーンを時折に挿入しつつ、この手の内容にかかわらず派手さは一切無いクライムドラマです。 事件を捜査する警察側や、23年前の事件の被害者の母親、そして現在の失踪事件の被害者少女の両親。 そこに犯人ゾマーとティモ。 この登場人物のそれぞれの事情も並行して描きあげてるので、もう一種の群像劇スタイルなんですよね。 刑事のダーヴィッドは5ヶ月間に妻を亡くしたばかりで情緒不安定。 そこに降りかかる少女失踪事件。 現在の少女失踪事件の真相は? また犯人は? この映画においては、個々の登場人物の心理描写も緻密なんですよ。 明確な説明は無いんですが、その心理を読み解く興味深さは抜群だと思います。 映画の締めくくりも賛否を残しそうですが、この心理状態を読み解く "深さ" がこの映画には有ると思います。 そんな余韻を感じさせるラストショットでもあったかな。 小児性愛者の事件を扱った作品ですが、そういう映画特有のイヤらしさは皆無。 堂々たるヒューマンドラマの格も持った一作でしたよ。 この監督、今後期待かもしれんなぁ。 |

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