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【愛、アムール】 AMOUR フランス 2012
(セザール賞・作品、監督、主演男優、主演女優、脚本賞 ゴールデングローブ賞・外国語映画賞 カンヌ国際映画祭・パルムドール アカデミー賞・外国語映画賞受賞 他)
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ 出演:ジャン=ルイ・トランティニャン / エマニュエル・リヴァ / イザベル・ユペール 他
冒頭に "死" を見せ、その後の展開 (正確にはその前の出来事) を想像できるように構成された一作。
予想通りに、元音楽家の老夫婦ジョルジュ (ジャン=ルイ・トランティニャン) とアンヌ (エマニュエル・リヴァ) の、人生における最終章を描き出だしたスタイルですね。
これはミヒャエル・ハネケ監督作としては観る側にずいぶん優しい。
というより、"こちら側に歩み寄ってくれた"、・・・と言う方が適当なのかな。
もちろん扱っている題材とテーマゆえに、こういうスタイルになってるところもあるんだろうけど、それが各国の映画賞で絶賛される要因にもなってるところでしょう。
ま、でも自分から言わせると、「今頃になって、やっとアカデミー賞受賞か」 ですが。(笑)
謎だらけで観る側を突き放すような前作の 『白いリボン』 とは対極の位置にある作品だと思います。
まぁ前作に限らず、ほとんどのハネケ監督作品がそうなんだけど。
この作品では "突き放し加減" も優しい。 (ホントは突き放しじゃなく、観る側に解釈を委ねる表現なんだけど)
でもれっきとしたハネケ映画には間違いはないですよ。
エンドロールも含め、BGMを排除したスタイル。(この映画では、ピアノ演奏シーンの音が唯一のBGM)
固定カメラによる撮影&長回し。 淡々と、そしてシーンを引っ張らないカットの数々。
本作では、そのどれもがまさにハネケ監督作。
けど先に書いたように、この題材とテーマ性ゆえに、それまでの過去作品では難しかった "共感" が見える。
自分はハネケ作品では、いつも "傍観" です。
リアリティを超えた表現に、ただ傍観するしかない想いに終わってしまいます。
それが本作では、観る側の背景や年齢によっては、"共感" または "痛感" が加わる。
いずれやってくる "老いと死" に真正面から向き合うことを余儀なくさせられ、その心構えを教えてくれる作品であることは間違いなしですね。
ハネケ監督は本作のヒントを自身の奥様の介護から得たと聞いたけど、ここまで昇華させる力量はただ見事。
ぐうの音も出ないホドです。
それを見事に演じきった名優2人、ジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァは素晴らしいのひと言。
オールドファンのみならず、昔のフランス映画を観てる方ならきっと複雑な思いで本作を観る事になると思いますが、どっちにせよ この演技は俳優人生の集大成とも言い切れるのではないかなぁ。(個人的には、ね)
ストレートな原題 【AMOUR】 ならではの物語でしたよ。
以後のミヒャエル・ハネケ監督作品がまた楽しみになってきました。
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