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ラ・ピラート

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【ラ・ピラート】 LA PIRATE フランス 1984

監督・脚本:ジャック・ドワイヨン  撮影:ブルーノ・ニュイッテン  音楽:フィリップ・サルド
出演:ジェーン・バーキン / マルーシュカ・デートメルス / アンドリュー・バーキン / フィリップ・レオタール
    ロール・マルサック 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_23?1331097684


『ポネット』 のジャック・ドワイヨン監督が80年代に撮った一作ですね。

主演はジェーン・バーキンマルーシュカ・デートメルス
デートメルスは 『カルメンという名の女』 や『肉体の悪魔』 で見かけたことのある女優さんでしたが、なかなか愛らしいルックスの女優さんです。

この主演の2人は、いわゆるレズビアン関係にあったカップル役なんですよね。
冒頭、車の中でアルマ (ジェーン・バーキン) の帰りを待つ2人の女性。

キャロル (M・デートメルス) と謎の少女 (ロール・マルサック) はアルマが夫を連れ添って帰宅したところを見かけ、こっそり呼び出します。 呼び出したのはキャロル。

久しぶりの再会だったらしく、おもむろに愛の確認を熱いキスと抱擁を行う女性2人。
ここで、この2人が恋愛関係だったことに気が付きます。

アルマは夫 (J・バーキンの実の兄、アンドリュー・バーキン) に隠れ、キャロルを連れ添ってホテルの一室に逃げ出します。 もうこの時点で映画に漂う如何にもおフランスらしいニオイがぷんぷん。

夫は "ナンバー5" と呼ばれる男 (フィリップ・レオタール) を雇い、アルマとキャロルの後を着けさせてるんですが・・・。 そこに謎の少女も物語の主導的役割として絡み、5人5様の複雑な関係の幕を開けます。

って、つまり他の登場人物はアルマひとりを奪うために繰り広げる物語なワケですが。

タイトルの【ラ・ピラート】とはフランスで言う海賊 (女性を指す) で、略奪者の意味合いもあるんですよね。
この物語では、女性が女性を奪う的な意味合いがあると思うんですが、このアルマの個性が複雑なんですよ。

"誰をも愛するが故に、誰も愛せない女" が、ジェーン・バーキン演じるアルマ。

裏を返せば、"誰からも愛されたい" と言うことなんでしょう。
しかし修羅場を迎え、そんな自分を解放したいと切に願う女性でもあります。
この物語では、その解放の結末がラストなんですよね。

ともかく、その情念と言うか執愛と言うか、その表現が如何にも "おフランスチック"。
思いっきり先行きの見えない物語進行、感情表現や行動も予測不可能。(笑)

バーキンとデートメルスのベッドシーンなどエロチックさも入れつつ、ジャック・ドワイヨンの世界が繰り広げられます。 なんだか不条理な思いも残りますが、そこがおフランスですよね、やっぱ。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_24?1331097684

   マルーシュカ・デートメルス (右) の剛毛にビックリしました。

神々と男たち

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【神々と男たち】 DES HOMMES ET DES DIEUX フランス 2010

監督・脚色:グザヴィエ・ボーヴォワ  脚本:エチエンヌ・コマール  撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
出演:ランベール・ウィルソン / マイケル・ロンズデール / オリヴィエ・ラブルダン 他

2010年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ
2010年セザール賞 作品賞・助演男優賞・撮影賞

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141184_29?1328071214


こちら実際に起こった事件を基に描かれた一作でして。

1996年、アルジェリアのチビリヌと言う小さな村において、イスラム原理主義者の武装集団によるフランス人修道士の誘拐殺害事件を描いた作品。

アルジェリアと言えば、1830年から1962年の長きに渡ってフランスの植民地となされた所です。
フランスからの独立後は失政のせいもあり、イスラム原理主義勢力の台頭によって過激派のテロが頻発。
政府と内戦状態に陥り、今現在も不安定な情勢です。

本作は "アルジェリア危機" と呼ばれていたこの時期、1996年にフランス人修道士7名が何者かによって誘拐及び殺害された事件を取り上げたものですが、映画の終わりにクレジットでも出てくるように、その事件の解明はまだなされてません。

殺害はテロリストによるものか? 真相はハッキリしないと言うことです。

この映画の大きなテーマは事件の解明ではなく、修道士たちによる "信仰" を深く考えて欲しいと言うことではないでしょうか。 人それぞれにとって信仰とはどういうものなのか? それを突き詰めた一作だと思います。

イスラム国家アルジェリアにおいて、キリスト教修道士らによる活動は深く地域に根ざしたものを見せます。
コーランの一説を唱え、テロリストらを説得する修道士。
キリストを信仰する彼らでも地元民を理解するには、またその地域に溶け込むには、イスラムの神の教えも勉強する真摯な姿勢があります。

劇中繰り返し映し出されるグレゴリオ聖歌を歌うシーン、忠実に教えを実践する修道士たち。
信仰とは何かを考えずには居られないエピソードの数々。

テロ激化の最中、フランス政府からの帰国要請も撥ねつけ、自らの意思でアルジェリアに地に残る道を選んだ修道士たち。 異教の地で果たすべき事は何かを明確に自己確認したんでしょうね。

映画を観てると、宗教と政治とは何なのかと言うことも考えずに居られません。
イスラムの名において殺害を繰り返す原理主義者たち。

本来、宗教とは人を幸せにするために有るものなのに。

映画は全編に平坦的で、人によっては退屈感さえ覚えるかもしれませんね。しかし、ここまで考えさせられる力強さは確かにあった。

最場の晩餐となった食卓で、『白書の湖』 が流れるシーンは "荘厳" のひと言でしたねぇ。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141184_30?1328071214

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【OSS 117 私を愛したカフェオーレ】 OSS 117: LE CAIRE NID D'ESPIONS フランス 2006 (未)

監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス 脚本:ジャン=フランソワ・アラン
出演:ジャン・デュジャルダン / ベレニス・ベジョ / オーレ・アッティカ 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_9?1324873811


ずぅ〜っと前から気になってたコメディ映画なんですけどね。
ヘンなタイトルやし、2006年の東京国際映画祭でサクラグランプリを獲得してるって言うし。
でもまっ、『あ、そ』 って感じでスルーしてたんですよ。

でもでも、今年アメリカの映画賞を席巻してる 『アーティスト』 のミシェル・アザナヴィシウス監督作だと言うじゃないですか。 主演のジャン・ディジョルダンも出てるし。そう言うコトもあって今回やっと観る気になりました。

観て分るように、『007』 のパロディと言うか、ショーン・コネリーのボンドを芸にした作品です。

主役のフランス人スパイOSS117を演じるジャン・デュジャルダンが、かなり細かいところまでコネリーのボンドを模してるんですよね。 立ち振る舞いとかはそっくりなんで思わず笑いが出るところです。

女性の口説きとかラブシーン (特に最後の方の) なんか、『007 ドクター・ノオ』 です。
胸毛とか、毛の濃さはイマイチ本家に追いついてないけどね。(笑)

映画の舞台は1955年のエジプトのカイロ。
米英露などのスパイが活動するスパイ天国と言われるカイロなんですが、そこにフランスのスパイ "OSS 117" が指令を受け乗り込んでひと暴れするお話。

アメリカ、ヨーロッパによる植民地化をネタとして取り上げて、何と言うか一種シュールでブラックユーモアを効かせた笑いを作り上げています。ナチスのネタなんかもあるしね。

半分ユル〜イ感覚ですが、これがセンスなんでしょうね、フランス系の。(笑)

時々ツボに来る笑いもあったりして (薀蓄垂れ合うシーンとか、ゲイを匂わすシーンとか)、楽しめることは楽しめますが、『だから何?』 的な。(笑)

でも007ファンなら、その細かいところまで似せた笑いを満喫できるんじゃないかな。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_10?1324873811

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恍惚

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【恍惚】 Nathalie... フランス 2003

監督・脚本:アンヌ・フォンテーヌ  原案:フィリップ・ブラスバン  音楽:マイケル・ナイマン
出演:ファニー・アルダン / エマニュエル・ベアール / ジェラール・ドパルデュー 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54634513_8?1322762996


本作のリメイクがアトム・エゴヤン監督の 『クロエ』。
オリジナルのこのフランス映画は未見だったので、ちと鑑賞してみました。

夫ベルナールの浮気がきっかけで妻のカトリーヌ (ファニー・アルダン) は彼の行動が気になり始めます。
妻カトリーヌはあるバーを訪れ、そこで働く娼婦のマルレーヌ (エマニュエル・ベアール) に目をつけます。

報酬と引き換えに夫を誘惑して欲しい。 そうマルレーヌに持ちかける妻カトリーヌ。


このあたりまでの筋はリメイクも同じ。
でもリメイク作で見られたようなサスペンス性や同性愛と言った要素はありません。
あくまで、妻カトリーヌの非日常な感覚を中心に描いた一作でしたねぇ。

と言っても、同性愛的なバックグランドは隠れてたのかもしれない。

妻のカトリーヌと娼婦のマルレーヌの最後の別れの場面で、「・・・もしかして」 と匂わすようなシーンが出ますが、娼婦のマルレーヌはあくまでも「金」目当ての仕事だったとしています。

この作品の原題は 『Nathalie... (ナタリー) 』。
エマニュエル・ベアール演じる娼婦マルレーヌの本名なんです。

妻のカトリーヌがそのナタリーから夫との情事の報告を受けるたびに、妻としての顔から「奔放な女ナタリー」へと感化されていく変貌的な要素で表現した原題なんだと思います。

夫を演じるジェラール・ドパルデューとの情事シーンも無く、ただエマニュエル・ベアール演じるナタリーの官能的な会話で不思議な世界へ誘うドラマとして成り立っていました。

次第に感化されて行く妻のカトリーヌ。
感情を押し殺したファニー・アルダンの演技が巧いですね。
この女優2人のキャスティングは絶妙だと思います。

監督はアンヌ・フォンテーヌ女史
『ドライ・クリーニング』 ('97) でも官能的な描写を見せてくれましたが、やはりこういう部分は巧い。

貞淑な妻としての顔と、奔放な女の顔。
こういう二面性を静かに暴き出したドラマだったかな。

やっぱり脱いだら凄いエマニュエル・ベアール。  ・・・いや、脱がなくても相当エロいベアール嬢。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54634513_9?1322762996

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君を想って海をゆく

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【君を想って海をゆく】 Welcome フランス 2009

監督・脚本:フィリップ・リオレ  製作:クリストフ・ロシニョン  脚本:エマニュエル・クールコル 他
出演:ヴァンサン・ランドン / フィラ・エヴェルディ / オドレイ・ダナ / デリヤ・エヴェルディ 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54864073_30?1318822780


『パリ空港の人々』 のフィリップ・リオレ監督が、移民政策で厳しい態度をとる自国フランスを真正面から捉え、その態度に異を唱えた一作ですね。 主演の水泳コーチのシモン役には 『すべて彼女のために』 のヴァンサン・ランドン

イギリスに移住した恋人を追って、フランス側からドーバー海峡を泳いでイギリスに密入国しようとするクルド人難民のビラル (フィラ・エヴェルディ) と、中年フランス人水泳コーチの交流を描いております。

「交流」と言っても、そのクルド人青年ビラルの持つ背景は相当厳しく、また近年のフランスが移民に対する不寛容な政策と合いまって、どうしようもない遣り切れなさを感じさせる物語です。 しかしその目線は真摯なものがあります。



   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54864073_31?1318822780


このクルド人難民の青年ビラルは17歳。
イラク戦争で難民となって、4,000キロの距離を歩いてフランスにたどり着いた青年なんですね。

フランスでは同胞のクルド人はどこへ行っても厄介者扱い。
密入国の取り締まりは厳しいものがあり、イギリスへ渡ろうとしても港の検査でアウト。
世界最大の "国無き民 = クルド人" は取り締まりの厳しい中、日雇い労働をして暮らしています。

そんなビラルはサッカーに憧れ、家族で移住許可が出てイギリスで暮らす恋人のミナ (デリヤ・エヴェルディ) に会いに行こうとしますが、クルド人難民である事から入国はシャットアウト。 そして先立つものも当然のごとく無い。

意を決して、泳ぎをマスターして フランスのカレからドーバー海峡を泳いでイギリスへ渡ろうと計画。
その泳ぎの練習でスイミングスクールへ行ったところ、元水泳のメダリスト・シモンと出会う訳です。

このシモンの背景も中年男の寂しさを漂わせたもので人間くさい。
妻は教師として働いてますが、同時にボランティアとして移民たちの世話もしてるんですよね。

最初、シモンは移民たちに特別な感情は持たなかった。
妻をそれを「冷たい男」として非難。 今は別居の身で、もうすぐ調停で離婚が決まると言う時なんですねぇ。

そんな時、スイミングスクールで必死に泳ぎをマスターしようとするビラルと会って心を動かされる訳です。

クロールもろくに泳げないヤツが、10時間も水温10度のドーバー海峡を泳ぎきれる訳が無い。
シモンでなくとも誰しもそう思いますよね。

でもクロールをマスターして、恋人への固い想いを抱き続けるビラルなら泳ぎきれるかもしれない。

クルド人を自宅に泊める事さえ、国の政策に反してるとして処罰の対象になるご時勢。
シモンはそれに逆らってでもビラルの面倒を見ようとします。


今はどうか知れませんが、クルド人の多くはイラクで暮らしてたんですよね。
当時からイラクでも、あのサダム・フセインの圧政によって虐待され続けていた民族なんです。
そしてサダム亡き後、イラク戦争で難民化してしまい ヨーロッパ諸国を彷徨う・・・。

自分、この映画でまず先に目に付いたのが原題の "WELCOME" なんですよ。
一見、映画の内容とかけ離れたタイトルにはフランスのみならず 移民政策で強硬姿勢と取る欧州の国々への痛烈な皮肉が込められていると思うんです。

排除に動き出すより、寛容さで移民たちと向き合う姿勢がどれほど大切か、そして移民たちの尊厳を認める事がどれほど人間的な姿勢なのか。 「真摯」という言葉がこの映画にぴったりだと思います。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54864073_32?1318822780
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