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青い夢の女

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【青い夢の女】 MORTAL TRANSFER フランス・ドイツ 2000

監督・製作・脚本:ジャン=ジャック・ベネックス 製作:ラインハルト・クロス 撮影:ブノワ・ドゥローム
出演:ジャン=ユーグ・アングラード / エレーヌ・ドゥ・フジュロール / ミキ・マノイロヴィッチ
    ヴァレンティナ・ソーカ / ロベール・イシュル / イヴ・レニエ ほか

       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_58033637_27?1285561571


これ最初に観た時は、ちょっとした官能系のサスペンスで それほど面白いと思わなかったんやけどね。
再見して、「あぁ〜ナニゲにブラックユーモア系だったんやぁ〜」って感じで面白く観れました。

監督は、『ディーバ』、『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』、『ロザリンとライオン』 などでお馴染みのインテリ映像作家ジャン=ジャック・ベネックスさん。 日本公開の作品としては、イヴ・モンタンの遺作となった 『IP5 / 愛を探す旅人たち』 ('92) 以来だったから、当時は約8年ぶり新作だったんですね〜。

って言いながら、この監督この作品を撮ってから劇場公開映画は未だに撮ってないんだけどね。(笑)

ジャン = ピエール・ガノニョー原作の小説を映像化したという事なんですが、やっぱ "ベネックス・ブルー" の映像に彩られてますね〜。 青を基調とした映像美はさすがでございます。


ジャン = ユーグ・アングラード演じる精神分析医ミッシェルの元を訪れた患者オルガ (エレーヌ・ドゥ・フジュロール) は、窃盗癖とマゾヒスティックな性癖を持つ人妻なんですね〜。 そのオルガの旦那は政界、経済界のフィクサーで恐〜いヘンタイさんなんですよね。 早く言えば変態夫婦です。(笑)

精神分析医のミッシェルは、いつものようにソファーに横たわったオルガのカウンセリングをしていました。
夫から受ける暴力で深い快感を得るオルガの話の合間に つい眠りに陥ったミッシェル医師。

目覚めると そこにはソファーに横たわったオルガの死体。
困惑するミッシェル医師は 昏睡状態にあった自分が殺したのかもしれないと思い、慌ててオルガの死体をソファーの下に隠してしまうんですが〜〜。


性交より暴力を受ける方が感じるという "真性マゾ女オルガ" の死体を巡って、ミッシェル医師の滑稽なまでの経緯を描いた作品でございますが、そこはベネックス監督。 最後まで興味を引く緊張感にも満ちた進行と映像美で見せてくれます。

まぁ〜精神分析医が仕事の最中、眠りに陥るというのもオイタなんですが、その精神分析医をカウンセリングする高名な精神分析医までも (ややこしな〜)、つい寝ちゃった! なんて感じで、「何やってんねん」ですわ。(笑)

オマケに死体を移動させようと、凍った道路の上を滑らせたり、墓地でダッチワ○フと頑張ってるイカれ男も登場するし。(笑) ともかく、その滑稽な様子はまさにブラックユーモアですな。

そこにミッシェルの幼少期のトラウマを入れ込み、ドラマは謎が謎を呼ぶサスペンスタッチ。
イメージショットなども取り入れ、一種 迷宮じみた作り・・・でも、最後は。(笑)

人妻オルガの美しい死体は一種の、"性の象徴" と感じましたが、人の奥底に潜む性的な欲望を あらゆる形に転化させ表現したドラマとして観れた次第です。 ・・・ってか、ベネックス監督 そろそろ新作を撮ってもイイんじゃないですかっ。

あ、物語のキーになるホームレスの男役で 『やわらかい手』 のミキ・マノイロヴィッチが出ております。
エミール・クストリッツァ監督作品でもお馴染みですね、この方は。(・ω・)bグッ


              https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_58033637_28?1285566226

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【ブルジョワジーの秘かな愉しみ】 LE CHARME DISCRET DE LA BOURGEOISIE フランス 1972

監督・原案・脚本:ルイス・ブニュエル   原案・脚本:ジャン=クロード・カリエール
出演:ジャン=ピエール・カッセル / デルフィーヌ・セイリグ / フェルナンド・レイ / ポール・フランクール
    ステファーヌ・オードラン / ジュリアン・ベルトー / ミシェル・ピコリ ほか

1972年 アカデミー賞・外国語映画賞
1972年 全米批評家協会賞・作品賞、監督賞
1973年 英国アカデミー賞・主演女優賞 (ステファーヌ・オードラン)、脚本賞

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_58033637_4?1283106170


サルバトール・ダリと共同で作りあげた短編 『アンダルシアの犬』 において、シュールリアリズムを確立させたひとりとして有名な巨匠 ルイス・ブニュエル監督の一作であります〜。


なんて言うんでしょうか、こう "シュールリアリズム" なんて聞くと、それだけで敷居が高いと言うか、「芸術表現は退屈だ」 なんて声も聞こえてきそうな感じですが・・・。

でもこの監督、それだけじゃないんですよね、じつは。

数多くの名作を撮ってますが、『小間使いの日記』、『昼顔』、『哀しみのトリスターナ』 など、正統派な作品も存在する訳でございます。 (耽美的感覚もアリですが)

こちらの 『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』 はシニカルなコメディ映画。
フランスで暮らすブルジョワ階級の人々の、奇妙とも言える日常をシニカルさ満載で描いた作品なんですが。

登場人物たちが招待されたディナーに いつまで経っても有り付けない様を描いてるんですが、これまた夢の中の話に移行しちゃったり、脈絡も無く出現するシ−ンや登場人物にに面喰ったり。 早く言えば、観てる側を煙に巻くって感覚でしょうか。

死を暗示させる・・・というか、そのものズバリに幽霊まで出てきちゃったりして。
有名なのは、↓ 一本道を歩いているシーンでございます。

これも、このブルジョワ階級の人々の "死に臨む様" を暗示させてる訳なんですが、そんな暗示を提示されたって 観てる側は初見で理解できるワケが無い。(笑) イジワルといえばイジワルな作り手でございます。

ま、しかし、こういう作り手の意図を探りながら観ていくのも、これまたひとつの楽しみと言えるでしょうか。

『フレンチ・コネクション』 の麻薬シンジケートのボス、シャルニエ役で強烈な印象を残したフェルナンド・レイや、ヴァンサン・カッセルの親父さん ジャン=ピエール・カッセルなんか、今は亡き人たちの姿も観れますね。

フランス映画界の重鎮ミシェル・ピコリもチョイ役で出てますね。
彼はこの作品が大好きだという事です。

まぁ 筋書きのあるシニカルなドラマを期待するとアテが外れますがね。(笑)


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_58033637_3?1283106170

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ギャルソン!

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【ギャルソン!】 Garçon! フランス 1983

監督・脚本 クロード・ソーテ  製作 アラン・サルド  脚本 ジャン = ルー・ダバディ
出演 イブ・モンタン / ニコール・ガルシア / ジャック・ヴィルレ / ベルナール・フレッソン / マリー・デュボワ


タイトルの "ギャルソン = garçon" とは、フランス語で "少年" って事なんですが、この映画ではレストランの給仕 = ウエイターのことをも指してます。

イブ・モンタンが演じるのは初老のギャルソン、アレックス。
パリの活気ある庶民的なレストランで働くアレックスの夢は、遺産で相続した海辺の土地に遊園地を作ること。

20年前に妻と子供と別れ、気ままな暮らしを続けるアレックス。
束縛されない生活を望むアレックスは、女性との関係も適当な距離を置いて深入りはしない。
快活で気心の優しいアレックスの心は60歳を過ぎた今もまるで少年のよう。



       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54012885_29?1277142371


アレックスの同僚ギャルソンで、ちょっと頼りないジルベーヌ役を演じるのは、『奇人たちの晩餐会』 ('98) で変人フランソワを演じたジャック・ヴィルレ。 彼とアレックスとの友情関係も微笑ましいところです。

このギャルソンたちが働くレストランでのシーンもひとつの見物です。
客で満員になったテーブルの間を、ステップを踏むように仕事をこなすアレックスの姿がなんとも粋です。



       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54012885_31?1277142371


初老でもアレックスは女性に対して積極的です。
英会話教師、離婚寸前のマダムと、じつにチャーミングなアプローチでゲット。

車の一方通行で怒鳴られても、そして轢かれそうになってもアレックスは怒鳴り返したりしません。
いつも笑顔で気の良いところを見せます。

人生60歳をすぎれば、それなりに気苦労があって当然。 背負ってる過去も相当でしょう。
しかし、このアレックスはそういう顔を表に出さず、少年がそのまま育ったようなキャラなんですね。

こういう男って、ある意味男性にとったらひとつの憧れ・・・夢でしょうかねぇ。

監督のクロード・ソーテも、それを分かって物語を作ってるのが心地良いところであります。
大事件とかは無く 日常を描いた人間ドラマなんですが、その粋な (チャーミング) 作りは、さすがの演出。

イブ・モンタン後期の出演作としては、やっぱりこれがその時期の代表作ですな。(個人的には)


       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54012885_30?1277142371

鬼火

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【鬼火】 LE FEU FOLLET フランス 1963

監督・脚本 ルイ・マル    原作 ドリュ・ラ・ロシェル   音楽 エリック・サティ
出演 モーリス・ロネ / ベルナール・ノエル / ジャンヌ・モロー / アレクサンドラ・スチュワルト 他

1963年 ヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞、イタリア批評家賞受賞


言わずと知れた ルイ・マル監督によるヌーヴェルヴァーグ期の名作とされる一作。
自ら命を絶つと決めた男アランの最後の二日間を淡々と綴った物語です。

初見は10代後半 ・・・ 二十歳前ぐらいだったと記憶してますが、やはりこういう映画は再見してみるものですね。
この映画の主人公アラン (モーリス・ロネ) の年齢を越えた今となっては、アランの行動に "理解しよう" と努める気持ちの余裕が出てきました。 若い時はただ、「何で? 馬鹿らしい」 と一笑に付すぐらいでしたから。

それもこれも、トラウマ気味に残ったラストショットとアランが残すこの文章。

僕は死ぬ。 君らは僕を愛さなかったし、僕は君らを愛さなかった。
僕らの関係は元に戻らないだろう。 僕は君らに消えることのない疵を残す。

アルコール依存になり、療養所で過ごすアラン。
残された2日間でパリへと出向き、かつての友人たちを訪れます。

平凡、凡庸なブルジョワジーの友人。 自らもブルジョワジーと呼べる類の人間。
青春の儚さに未練を残し、大衆に迎合することを否定し、ただ蔑むだけ。
その生きる日々が屈辱だとして、現世から逃避することを選ぶアラン。

アランは不能になってしまってるんですね。
女性に触れても (触れることが出来ない)、身体も心も愛することが出来ません。
でも愛されたいと願うなら、まず愛すること。

それも出来ず、ただ傍観者で居ることはこれ以上ない屈辱でしょう。
それを否定も肯定もしない、ルイ・マルの視線は客観的。

こうと決めた者は、最期の時まで自分で物語を作っているようなもの。
だから周りが何を言っても、それを覆すことは困難。 それこそ傍観者にならざる得ないものなのかも。

自分では「理解した」とは到底思ってませんが、「理解しよう」という気持ちで観れたのが唯一の成長かな。

エリック・サティのピアノ曲、『ジムノペディ』 の調べが、消えかかる命の炎をくすぶらせる感覚で、見事に映画の雰囲気を作ってますね。 でも芸術表現の強い作品ですから、気持ちの余裕を持って鑑賞するほうが良いと思います。

ちなみに、映画の原作となった 『ゆらめく炎』の作者ドリュ・ラ・ロシェルも自ら命を絶って亡くなってます。
そしてアランを演じたモーリス・ロネ自身も、この時期は実際にアルコール依存に悩んでいたそうな。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54012885_14?1276022096

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ラ・ジュテ

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【ラ・ジュテ】 La Jetée フランス 1962

監督・脚本 クリス・マルケル 製作 アナトール・ドーマン 撮影 ジャン・チアボー 音楽 トレヴァー・ダンカン
出演 エレーヌ・シャトラン / ジャック・ルドー / ダフォ・アニシ

1963年 ジャン・ヴィゴ賞、トリエステSF映画祭金賞受賞

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56445124_13?1267034521


全編 (上映時間29分) に渡り、イメージ溢れる鮮烈なモノクロのスチールカットで撮影、構成。
ヌーベルヴァーグの中でも異彩を放つ映像作家 クリス・マルケルによる伝説的なSF映画の1本ですよ〜。

あのテリー・ギリアムがこの作品を原案として 『12モンキーズ』 を製作したのはよく知られたところですね。

冒頭、主人公が少年時代に見た オルリー空港の送迎デッキでの断片的なイメージショットで幕を開けます。
叫ぶ女性、印象に残るその眼差し。 少年はその女性を強く脳裏に焼き付けます。

その直後に起きた第3次世界大戦。
核戦争で廃墟になったパリの地下で生き延びる人々。

勝者側の科学者たちは、"過去と未来" に人類救済の道を求め、捕虜を使ってタイムトラベルを試みます。
この実験に選ばれるのが、大人に成長した主人公の少年なんですねぇ。
彼は過去へと送られ、ある女性と巡り会います。


この作品が製作されたのは1962年
世界はあの "キューバ危機" で核戦争の恐怖をリアルに実感した時代ですよね。
米ソ冷戦の緊張感が頂点にまで高まった時期でもあります。

この時期、『渚にて』、『博士の異常な愛情〜』、『未知への飛行』 など、核戦争の恐怖を描いた多くの作品が誕生しますが、その中でも この作品は得意な地位で異彩を放つ作品ですね〜。

セリフは無し、全編ナレーションだけを使ってモノクロのスチール・ショットで表現されてるんですが、その緊迫感と物語のまとめ方が絶妙。 中盤に一瞬だけ挿入される動画は美しくもあり、またこの物語の切なさを効果的に表現してると言えるでしょう。

SFファンの間では古くから名作として知られていた作品だけあって、現在においての鑑賞にも耐えられるだけの普遍性とセンスを持っていると感じます。 表現的にも芸術性を兼ね備えているのは言うまでも無しです。

ラスト、空港送迎デッキでの衝撃と切なさと儚さは、どんなにリメイクしようと この作品には及ばない。
個人的にはDVDで持っておきたい1本ですね〜。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56445124_12?1267034521
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