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天使の宿り木

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飾り窓の娼婦と少年の純愛  『天使の宿り木』

【天使の宿り木】 MON ANGE フランス 2004 (未)

監督・脚本 セルジュ・フリードマン 製作 クローディー・オサール / ジャン=リュック・ヴァン・ダム
出演 ヴァネッサ・パラディ / ヴァンサン・ロティエ / エドゥアルド・ノリエガ / クロード・ペロン 他

こちらの作品、パトリス・ルコント映画の脚本を何作か手掛けた脚本家セルジュ・フリードマンによる監督作。
橋の上の娘』 のヴァネッサ・パラディと再度組んだ純愛映画。

ベルギーの "飾り窓" の娼婦であるコレット (ヴァネッサ・パラディ) は同業の見知らぬ女から、孤児院にいる息子・ビリー (ヴァンサン・ロティエ) を自分の代わりに引き取りに行ってほしいという依頼を受けます。

嫌々ながら引き受けたコレットは孤児院でビリーを引き取り、母親との約束場所へ連れて行きますが、そこで目にしたのは母親死亡の知らせでした・・・。




ジョニー・デップとの間に2人目の子供をもうけて以来、初の主演映画となったヴァネッサ・パラディ、映画の冒頭から 飾り窓で客を待つランジェリー姿を披露。 相変わらずスリムな肢体ですね。(・ω・)bグッ

その娼婦コレットが見知らぬ女から電話を受け、服役中の自分に代わって息子を引き取りに行ってほしいと頼まれます。 断りきれなかったコレットは嫌々ながら孤児院へ足を運びます。

その息子であるビリーは思春期を迎えたぐらいの年齢。
出所する母親との約束場所へ連れて行ったのですが、その母親は列車から身を投げ出し死亡。
その死因も、娼婦たちを支配する顔役の影が・・・。
やむなく、コレットとビリーは逃避行の旅をすることになります。

その旅をする間の、"娼婦と少年" の間に起こる心の変化をメインに描き出してるんですよね〜。
その心の変化が "愛情" になるなんて、どうしてもイメージが湧かないところだったんですが ・・・。

男に捨てられた孤独な娼婦と、母親に死に別れた孤独な少年という 心に寂しさを抱えた2人ならではの説得力があるような ・・・ はたまた無いような。( ̄∀ ̄*)

わりと淡々と盛り上がりが少なめで進む物語ですが、観終わって 何故か 『まぁ、こういう話も良いんじゃないか』 という感じになっちゃいます。 観てる間は そんなに面白いとは感じませんでしたが、けっして悪い感じが残らない作品。

『橋の上の娘』 ほどの味わいはありませんが、あちらは何と言ってもルコント監督作品。
脚本家セルジュ・フリードマンの監督作としては、そこそこイイ感じのラブストーリーではないでしょうか。
ベルギーの綺麗な風景なども見どころですかな〜〜。


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ペルセポリス

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体制に左右されない生き様 『ペルセポリス』

【ペルセポリス】 PERSEPOLIS フランス 2007

監督・原作・脚本 マルジャン・サトラピ   監督・脚本 ヴァンサン・パロノー
製作 マルク=アントワーヌ・ロベール / ザヴィエ・リゴ
声の出演 キアラ・マストロヤンニ / カトリーヌ・ドヌーヴ / ダニエル・ダリュー 他

 2007年カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞
 2007年セザール賞 新人監督作品賞・脚色賞受賞

2007年のカンヌ映画祭で話題だった長編アニメ。
このアニメ、イラン出身でパリ在住マルジャン・サトラピの自叙伝的グラフィック・ノベルなんですね。
それをマルジャン・サトラピ自身が監督と脚本を努め、アニメ映画化した作品。

イラン革命直前からイラン・イラク戦争を経て 現在に至る激動の時代を、ひとりの女性の成長物語をメインに イランの社会背景を重ね合わせ描かれたアニメーションです。




フランス製作のアニメ映画なので、当然のごとく全編フランス語で製作されております。

まぁしかし、良いにつけ悪いにつけ 国際政治情勢のダイナミックさを感じました。
1978年親米であったパーレビ国王が支配する独裁政治体制下のイラン。
翌年イラン革命が起こり、イスラム教シーア派による支配で その独裁も終焉を迎えます。

宗教者ホメイニ師の指導で "イスラム共和制" なる政治体制が始まり、保守派への粛清の嵐の中、厳格な抑圧政治が始まります。 そして1980年、イラン革命の混乱に乗じて 隣国イラクが奇襲攻撃を開始。 8年間に渡る "イラ・イラ戦争 (イラン・イラク戦争)" の幕が切って落とされます。

そういう社会背景の中、このアニメの主人公マルジャン・サトラピの少女時代から大人になるまでの過程が、じつにユニークな視線で描かれてるワケなんですが ・・・ 一市民の視線から描かれてるので、今まで知りようが無かったイラン国民の生活が活写されてる訳なんですね。

と言っても作品を観る限り、このマルジャン・サトラピの家庭はイラン国民の中でも "中流階級の上" といったレベルだと思います。 イラ・イラ戦争が始まり、風紀も厳しく取り締まられるようになったイランに未来は無いと悟ったマルジの両親は、彼女をウィーンに留学させるんですよね。

反抗心と自由な魂を持って育った主人公マルジは、イランに帰国しても その社会体制に批判的です。

頭をすっぽり覆うベールを脱ぎ捨て、闇クラブ踊る彼女たち。
抑圧された日常に疑問を持つ同士が集うクラブなんですが、やはり抑圧は人間そのものをも否定する事になるんですよねぇ。 それを日常として受け止めるか、または反抗心を持って戦い続けるか。

主人公マルジは、このアニメーション製作という形で そのパンクなメッセージを世界に発信したのですね。

ハリウッドのアニメや日本のアニメなどとは、また一線を画するアニメーションでした。
所々、切り絵を貼り付け それを動かすような感じのユニークな手法も見せていて、観る側を飽きさせないアニメーション。 社会派メッセージを、そしてひとりの女性の生き様を独特のユーモアで包んだ興味深い作品でした。


まぁ先に書いたように、その国際政治情勢のダイナミックさ。
各国の思惑が入り乱れ 複雑極まりない状況なので、ひと言で語るのも困難なものです。
このイラン革命も いま現在において影響を与え続け、その国際政治情勢の歴史にリンクされているのですねぇ。
 

ぼくのバラ色の人生

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女の子に ・・・ なりたいかぁー!? 『ぼくのバラ色の人生』

【ぼくのバラ色の人生】 MA VIE EN ROSE フランス / イギリス / ベルギー 1997

監督・脚本 アラン・ベルリネール 製作 キャロル・スコッタ 脚本 クリス・ヴァンデール・スタッペン
出演 ジョルジュ・デュ・フレネ / ジャン=フィリップ・エコフェ / ミシェル・ラロック ほか

 1997年ヨーロッパ映画賞 脚本賞受賞

7歳になる少年リュドヴィックの将来の夢は "女の子になること"。
家族共々、郊外の一軒家に引っ越してきたリュドヴィックは、近隣の住民によるウェルカム・パーティーの場で 化粧して入念なおめかしで登場。

早くも学校で好きな男の子を見つけたり、スポーツより人形遊びに専念するような男の子でした。
そんなリュドヴィックを両親は思いやりのある気持ちで接していましたが・・・。



物腰は モロ女の子で、同世代の少年たちとは明らかに違うリュドヴィックくん。
7歳の少年が、「女の子になりたい」という一心で純粋な気持ちを持ってるから、その行動を責めるワケにも行かないんですよね〜。 でも、その立ち振る舞いが周囲 (近隣の住民) や、その子供たちに影響を及ぼす ・・・ と大人たちは考えるのです

本人にとってみれば、自分が "男" で生れてきたのは何かの間違い。
だから女の子になりたい、それだけなんですよね。 あくまで純粋な気持ちです。

全編カラフルな感覚の映像やら、リュドヴィックのイメージが登場するシーンなんかは、ある意味ファンタジックなところもあるんですが、後半から重い雰囲気が漂ってきています。 家族崩壊の危機であったり、父親の失職やら、母親の感情の爆発、近隣や学校などからの差別などなど、映画は結構シビアな面も描ききってました。

テーマとしたら、やはり "性同一性障害" と、それを取り巻く社会の偏見や差別を描いてるんだと思います。
ここでは少年ですから、あくまで "女の子に憧れる" という意味合いで描かれてますが、テーマは先に書いたような雰囲気がアリアリと感じ取れたんですよね〜。

それを、明るい雰囲気の映像とコミカルさも交えて描くところに "押し付けのメッセージ" を感じさせない作品に仕上がっていたと思います。 なんというかバランスが良いんですよね、この作品は。(・ω・)bグッ

母親役のミッシェル・ラロックは 『メルシィ!人生』 にも出演してた女優さんですね。


・・・ そういや、自分が小学生の時も こういう男の子が居たわぁ〜〜。( ̄∀ ̄*)


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変態ピエロ

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何にでも 『変態』 を付ければイイってもんじゃないと思うんですが・・・

風邪ひいて 頭が回らない時に鑑賞するには最適の不可解な映画でした。

まぁなんでも、2007年のカンヌ国際映画祭 "国際批評家週間" のオープニングを飾り、観た人がどう反応して良いやら 大いに頭を悩ませた一作と言うから、これまた興味ありますよね〜。

話は、TV局で公開番組の前説でスタジオの観客を盛り上げることを職業とするエンターテイナーの男ピエールが、崇拝してやまない国民的歌手を誘拐・監禁するという物語なんですがね。

ジャケットの解説を読んだら、ユーロ・スリラーの新星だとか、デヴィット・リンチの再来だとか書かれてるんですが ・・・ っていうか、邦題を決める時に困ったら何にでも "変態" って付ければイイのか! って事なんですがね。

原題は "Heros" ですからねぇ〜〜、まぁ困ったもんですが。
でも "変態ファン" の自分としては、どうしても観てしまう一作でありますが。( ̄∀ ̄*)

まぁ作品自体はそんなにブッ飛んだ映画とは思いませんでしたよ。
グロい描写がある訳でなく、主人公ピエールの奇行を (あえて言い換えれば) リンチ風に演出してる訳です。

自分が崇拝してる歌手を誘拐・監禁する男ですから、もうその論理は 訳が分からなくて当たり前、ってなモンでしょうか。 新人監督が張り切ってるなァ〜、っていうのが目に見えて分かります。(・ω・)bグッ

ただ、この映画のラストが気に入ったんですよ、自分は。
まぁ、個人的にはこういう映画は好きな方ですから、「興味があれば観てよ!」ってな映画ですね。


            http://www.geocities.jp/jkz203/blog13/heros.jpg

原題 HEROS フランス 2007
監督 ブリュノ・メルル
脚本 ブリュノ・メルル / エマニュエル・デトレモ
出演 ミカエル・ユーン / パトリック・シェネ / エロディ・ブシェーズ ほか

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写真家アントワン・ダガタの世界観

【ファインダーの中の欲望】 UN HOMME PERDU フランス 2007 (未)

監督・脚本 ダニエル・アルビド   撮影 セリーヌ・ボゾン
出演 メルヴィル・プポー / アレクサンダー・シディグ / ダリナ・アル・ジュンディ / ヤスミン・ラフィッテ

★ 2007年カンヌ国際映画祭出品作品

個人的に写真を撮るのも観るのも好きなので、写真家が取り上げられてる映画というのは好んで観てます。

こちらの映画は、あの世界的な写真家集団 "マグナム MAGNUM PHOTOS" 所属のフランス人写真家 アントワン・ダガタの世界観をヒューマンドラマにした一作。

この写真家、自らもセックスしながら またはカップルを被写体に、その表情や裸体を荒れた粒子にブレた残像、または闇の中の暗いイメージで撮る方であります。 その他の作品もありますが、この映画で取り上げられてるのは、このイメージ。



舞台は中東のヨルダンレバノン
邦題とその宣伝文句から観れば かなりエロチックなイメージの作品ですが、冒頭は社会派ヒューマンドラマを思わす始まりであります。

記憶を無くし、20年以上に渡って中東の国々を放浪する男 (アレクサンダー・シディグ) 。
その男が出会った一人のフランス人写真家 (メルヴィル・プポー)。

写真家の男は、男女の営みをカメラで撮る事を趣味としている男。
金もなく困っている放浪男は、写真家に助手として雇われ 生活費を稼ぐ事になりますが、写真家の男の要求はセックスのシーンをカメラで撮らせて欲しいと言うものでした・・・。

アントワン・ダガタの世界観を表現してる映像と物語なんですが、この写真家のことを知らなければ "ただの変態?"、"だから何?" と言った言葉が飛び出してきそうな作品であります。

記憶を無くした男の失われた過去が明らかになってゆく過程も、この写真家にどう関わりを持つのか?
唐突に幕切れを迎え 解決など示さない物語で、どこか "混沌" とした後味を残す作品ですが、まさにそれがアントワン・ダガタのイメージなのかもしれません。

猥雑、混沌、刹那的・・・ 多くの言葉が浮かんでくるイメージのあるドラマだと感じます。

写真家役に 『ぼくを葬る』 のロマン役メルヴィル・プポー
放浪の男に 『シリアナ』、『24 TWENTY FOUR (シーズン VI)』 のアサド役のアレクサンダー・シディグ


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