ビリー・ワイルダー監督、『失われた週末』 1945アルコール依存症、いわゆるアル中の苦悩と葛藤を描いて、その年のアカデミー賞で作品・監督・脚色・主演男優賞を獲得。 カンヌではグランプリと主演男優賞。 ほか、NY批評家協会賞、ゴールデングローブ賞などでも主要賞を獲得している、名匠ビリー・ワイルダー監督の作品です。【The Lost Weekend】 アメリカ 1945
監督・脚本 ビリー・ワイルダー 原作 チャールズ・R・ジャクソン 脚本 チャールズ・ブラケット 撮影 ジョン・F・サイツ 音楽 ミクロス・ローザ 出演 レイ・ミランド / ジェーン・ワイマン / フィリップ・テリー ほか 以前、『The 25 Most Dangerous Movies / 最もアブない映画』 と言う記事をアップしてるんですが、この映画もその記事に名を連ねていた作品です。 30過ぎの売れない作家、ドン・バーナム (レイ・ミランド) は重度のアルコール依存症。 献身的に尽くしてくれる恋人ヘレン (ジェーン・ワイマン) と兄のウィック (フィリップ・テリー) が居るにも関わらず、隙を見つけて一杯あおる始末。 週末を、兄と過ごす保養地に出かけるはずだったバーナムでしたが、何かと言い訳を見つけ酒を飲もうとします。 なじみのバーでも彼の酒好きは知られていて、飲むのを諌められる事もしばしば。 いよいよ酒代が無くなったバーナムは、作家の命であるタイプライターを質に入れて金を都合しようとします・・・。 アル中を演じたレイ・ミランドが熱演を見せます。 質屋がどこもかしこも閉店していて、酒代を都合できなくなり街をさまよう姿なんぞは、もう迫真の演技。 この役の為に体重を落とし、プライベートでも酒びたりで過ごしたと言われるほど、その鬼気迫る演技は凄い。 でもこういうシリアスなテーマにも関わらず、そこはビリー・ワイルダー監督。 バーナムとヘレンが出会うオペラの劇場。 コートを取り間違えたことで仲が結ばれるというロマンチックな演出と、ラストには希望が窺える作りで締めています。 しかし話の内容は悲惨です。 酒代を都合するために、レストランで隣の席の婦人のバッグを盗み、果てはバーに駆け込み、「一杯でいいからおごってくれ」と泣きこむ始末。 映画中盤で、依存症患者が収容される病棟などのシーンなどは、ホントに希望も無くなるほど悲惨ですね。 いよいよ自分に嫌気がさしたバーナムは恋人のコートを持ち出し、質に入れた自分の銃と交換して貰いうけます。 そして遺書を書いて自殺の道を選ぶのですが・・・。 娯楽的な要素は感じられない深刻なテーマなのですが、そこはさすがビリー・ワイルダー監督。 一気に見せてしまう卓越した映画作りはさすがです。 小道具にも気を配る監督らしく、窓の外に吊るし隠したボトルなどはユニーク。 主人公の心理的葛藤を描く、ニューロティック (異常心理) 映画 のハシリと言われる作品ですが、これ以後、アルコール依存症の映画としては、ブレーク・エドワーズ監督の 『酒とバラの日々』 ('62)、近年ではニコラス・ケイジ主演の 『リービング・ラスベガス』 ('95) などがありますね。 確かにこの映画は、"アブない映画" でしょう。 |

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