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書庫クラシック映画

1960年代より以前に製作された映画を一応この書庫に入れてあります。
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白鯨

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アメリカ文学最高峰に位置するハーマン・メルヴィル原作 『白鯨』を、巨匠ジョン・ヒューストンが製作、監督を努めた骨太で渾身の一作。

出演に、"白鯨に憑かれた男" エイハブ船長をグレゴリー・ペックが鬼気迫る演技で見せます。
そして物語の語りべとなる船員イシュメル役に、『道』('54) のリチャード・ベースハート
ほか、レオ・ゲン、あのオーソン・ウェルズなどが出演。
脚色に『華氏451』 ('66)などでお馴染みのSF作家、レイ・ブラッドベリが担当。1956年製作の映画です。

1814年、マサチューセッツ州ニューベドフォード。イシュメイル(R・ベースハート)は安宿で知り合った銛打ちと意気投合し、老朽の捕鯨船ピークォッド号に乗り込む。その船の船長エイハブ(G・ペック)はかつて“白鯨”と呼ばれる巨大なクジラに片足を喰いちぎられており、その復讐に燃えている。

この航海の目的もそれで、今度こそ "白鯨" の息の根を止めるつもりのエイハブの目には既に狂気に似たものがあった。“白鯨”を倒す執念に憑かれたエイハブの凶行は、次第に船員たちの命までも危険に晒していくのである・・・。
   (allcinema ONLINE 参照)


個人的には原作より、こちらの映画化作品の方が好きです。イラストなど掲載して解説書的な原作も勿論面白かったのですが、映画のほうを先に観てしまったものだから、この "エイハブ船長" のイメージがベストなんです。
原作は "人間の内なる、神と悪魔" 的な感じで書かれていますが、映画は "憑かれた男の執念" に焦点を当てた作品。

当時、グレゴリー・ペック演じるエイハブ船長はミス・キャスト的な言われようでしたが、なんのなんの、この鬼気迫る演技は大したものです。
かつて白鯨に全身をズタズタにされ、鯨の顎骨を義足にしている男、エイハブ。昼間は船長室に閉じこもって出てこず、夜になると甲板を歩く義足の足音が聞こえてくる・・・。白鯨(モビー・ディック)を仕留める事のみに執念を燃やす男の狂気。

このG・ペックの演技は今もって忘れられないものです。『ローマの休日』『アラバマ物語』 などのグレゴリー・ペックも良いですが、この狂気の演技も忘れてはならない存在だと思います。

ラスト、白鯨の身体に巻きついたエイハブの手が手招きをするシーンは名場面。
SFXなどの技術の無い時代の映画ですが、この特撮は結構な迫力を出しています。

ハーマン・メルヴィル Herman Melville

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1819年8月01日〜1891年9月28日

アメリカの作家であり詩人。1819年ニューヨークで貿易商を営む裕福な家に生まれたが、家の没落のため21歳で捕鯨船の船員となる。1842年に南太平洋のマルケサス諸島で脱走し、数週間の原住民とともに暮らした。

その後、船長反逆罪によって逮捕され、再び脱走。1844年にアメリカに帰国。
1846年に原住民との暮らしを描いた小説『タイピー』を発表、文壇に登場する。翌年『オムー』を刊行。
海洋冒険作家として名声を得る。1851年に代表作の『白鯨』を発表。しかし不評で、続く作品群も受け入れられず、1891年忘れ去られて死去した。
しかし1920年代、大学教授によって再評価が始まり、現在ではアメリカを代表する作家となっている。

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グランド・ホテル

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ひとつの場所に集まった人たちの人間模様を描いた様を、『グランド・ホテル形式』 といいますが、これがその語源になった映画。

ベルリンのホテルに集う人々の人生模様を描いて、1932年のアカデミー賞作品賞を受賞した、これぞ懐かしきハリウッド映画といった1932年の名作。

製作は、その名を賞に残す、アーヴィング・G・サルバーグ。監督はエドマンド・グールディング
出演に、スウェーデン出身の大女優グレタ・ガルボ。そしてジョン・バリモアジョーン・クロフォードウォーレス・ビアリーライオネル・バリモア

            
主要登場人物は5人ですが、当時としては大スター級の俳優を集めて作られた贅沢な一作。
ロシア出身のバレエのプリ・マドンナ役にグレタ・ガルボ。 カイゲルン男爵を自称する泥棒にジョン・バリモア。この男爵はガルボ演じるプリマの持つ、真珠の首飾りを狙う悪党なんですが、その人の良さから悪党に成り切れずに手痛い最後を迎えます。

そして会社の合併話が危機にある社長。その社長が雇う速記係の娘。そして、その会社の従業員の独身男、この男は健康を害し、自暴自棄になり全財産を豪華なホテルで使いきろうとやってきます。

この5人の人物がそれぞれに交錯しながら物語りは進みます。
モノクロの映像、ワルツのリズム、うたかたの恋模様などに、現在において鑑賞しても、しばし時を忘れる感じが味わえる作品だとも思います。

原作はヴィッキ・バウムの同名小説を自ら舞台劇に書き直したもの。
しかし、この流れるような物語運びは脚本担当のウィリアム・A・ドレイクの良さでもあるでしょう。

幾分古い映画なので登場人物の役割に感情移入出来ない方も居ると思いますが、その映画が持つ雰囲気は名作と呼ぶにふさわしい価値のある映画だと思います。

現在の映画も勿論良いと思いますが、その合間にこういう古い映画も味わい深くて良いものですね。

               http://www.geocities.jp/jkz203/blog7/grand.jpg

天井桟敷の人々

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常に屈指の名作 No.1として君臨し続け、フランスがその映画史に誇る古典の傑作です。1945年作品。

物語は2幕から成り、1部が「犯罪大通り」2部が「白い男」
時間も3時間以上といった長さですが、ほぼ飽きることなく観られ、その雰囲気、テンポ、人間ドラマの深さ、そして何より劇中の舞台劇の完成度の高さは絶品。

無言劇の役者バチストを演じるジャン=ルイ・バローの流れるようなパントマイムは、感傷的で優雅そのもの。
1人の女性ガランスをめぐり繰り広げられる4人の男たちとの人生絵巻(ロマンティシズム)は、今もなお圧倒的存在を輝き放つ名作たる所以のドラマです。

【天井桟敷の人々】 Les enfants du Paradis 1945 フランス

監督 マルセル・カルネ  脚本 ジャック・プレヴェール
撮影 ロジェ・ユベール / マルク・フォサール
音楽 モーリス・ティリエ / ジョセフ・コズマ
出演 アルレッティ / ジャン=ルイ・バロー / マリア・カザレス / ピエール・ブラッスール

           http://www.geocities.jp/jkz203/blog7/les1.jpg

この映画、第2時大戦時のドイツ軍パリ占領下という困難な時代に、ニースの撮影所に全長400メートルの大オープンセットを建て製作されました。

物語は、19世紀のパリ、犯罪大通りと呼ばれる通り。 その通りにある劇場に役者になりたいといってやってきた男パトリック、その彼が通りで目を止めた美女ガランス、劇場の看板役者の息子バチスト、女優のナタリー、ガランスの友人で犯罪者でありながら詩人を自称するラスネール。 その人々が繰り広げるドラマです。

ともかく、ドラマのテンポが心地よいぐらいに進行して行きます。気がつけば、このドラマであったら6時間ぐらいの長さでも話は作れるんじゃないのかと思いますが、それだけスピード感がある映画だということも言えるでしょう。

それでも飽きることなく観れるのは、ひとえに脚本の巧妙さと、その映像。
4人の男が、1人の女ガランスに抱く想い。4者4様のロマンティシズム。メインはバチストガランスのロマンスなのですが、それを取り巻くそれぞれの想いを想像するだけでも飽きさせない所でしょう。

劇中の無言劇なんかは、他の映画の間に挿入される劇中劇なんかと違って、その完成度はすごい。
その劇中劇だけを観ても、この映画の質の高さを想像できる具合でしょう。

ひとつ不満があるとすれば、美女ガランスの配役。男を夢中にする "絶世の美女" には、ちょっと遠いですね。
しかし、名作中の名作。永遠に語り継がれるフランス映画の傑作には間違いありませんね

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M

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ここ最近、立て続けに児童が被害に遭う事件が続発していますよね。いったい日本はどうなっちゃったんだろうと、暗い気持ちになる日々です。
子どもをお持ちの方は、いつ何時わが身に・・・なんて考えざる得ない世の中になってしまいました。

そんな事件をニュースで聞くようになり、思い出した映画が、この 『M』 なんです。
子どもが被害に遭う映画はたくさんありますが、なぜか思い出したのがこの犯罪映画の古典といわれる本作。

【M】 原題 M- EINE STADT SUCHT EINEN MORDER (1931) ドイツ

監督:フリッツ・ラング  原作:エゴン・ヤコブソン
出演:ペーター・ローレ オットー・ベルニッケ エレン・ウィドマン 他

          http://www.geocities.jp/jkz203/blog7/M-1.jpg

映画史に名を残す、フリッツ・ラング監督が初めて撮ったトーキー作品です。
1920年代にドイツを震撼させた連続殺人鬼“デュッセルドルフの吸血鬼”こと、ペーター・キュルテンを題材に製作されたサスペンス・スリラーの古典名作で、その凝った作りが現在でも興味深い一作です。

次々に幼い少女の惨殺事件が発生。警察当局の捜査にも関わらず犯人の見当はつかない。人々は独自に犯人探しを開始したその時、盲目の老人の証言が手がかりとなってひとりの男を突き止める。
そして浮浪者の機転により、背中にチョークで "M" の刻印を付けられた男は街の人間によって徹底的に追い詰められてゆく・・・。

といった感じのストーリーですが、犯人の男、警察、街の人々、この3者が絡み合って物語は進みます。
いつも怯えたような顔の男、どこにでも居るような感じの男が犯人。 警察の捜査が進む中、夜の街で商売をする輩たちは事件のため商売を邪魔され、独自で犯人探しをするようになります。

そして犯人を捕まえた輩たちは独自の裁判で犯人を裁こうとします。 この時、犯人が主張するのが "精神不安定" なんです。今の時代でも、こういう犯人が裁判の時に使う常套手段。
「心の中に潜む悪魔」はどこの国でも存在する文句ですが、特に欧米の場合はそれが強いように思えます。

最後は「親は子供から目を離すべきでないのである」の文句で終わります。
犯罪に古いも新しいもないのですが、精神不安定を理由に罪から逃れようとする犯人・・・先見性のある監督の普遍的テーマを扱った名作だと思います。

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ナポレオン

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先日アップした 「ガープの世界」 のレビューですが、あの映画は昔にビデオに録ってあったんです。
数年前に現在の部屋に引っ越してきた時、押入れの奥に片付けてずっと観てなかったビデオテープです。

今回そのテープ(約50本以上)を確認してたら、もう10数年以上前にTV放映で録ってあった「ナオポレオン」が出てきました。 な、なんと懐かしい〜〜。


この映画は1926年製作のフランス映画で、もちろんサイレント映画。
アベル・ガンスという監督が撮った12時間に及ぶ歴史大作を、1981年にフランシス・フォード・コッポラ総指揮の元、父親であるカーマイン・コッポラ作曲の音楽を用い現在に蘇らせた作品です。
上映時間も240分に短縮して、カーマイン自身の指揮でフル・オーケストラの伴奏付き上映でした。


                     http://www3.tcn.ne.jp/~kz344/blog/Napoleon2.jpg


この映画は日本でも、日本武道館などで上映され、チケットも1万円以上という豪華なものだったようです。
それから以後、TVで放映があるという事で、「これは絶対録っておかなければ!」 と、必死こいて録画した映画なんです。
映画はもちろんモノクロでセリフは無し。音はカーマイン作曲の音楽をバックに、ナポレオン・ボナパルトの少年時代からイタリア侵攻までを、多分割画面を取り入れた映像で壮大に見せています。

まぁ、この映画はスクリーンなどの大画面で観る方が絶対迫力ある映画ですが、むかしビデオ録画で映画を録りまくってた時をふと思い出し、懐かしくなったもんだから、ちょっと書かせてもらいました。

・・・現在でも鑑賞に耐えうるサイレント映画はまだまだあるもんですよね〜。
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