【ステイク・ランド 戦いの旅路】 STAKE LAND 2010 (未)
監督・脚本・編集:ジム・マイクル 脚本:ニック・ダミチ 撮影:ライアン・サマル
出演:ニック・ダミチ / コナー・パオロ / マイケル・セルヴェリス / ショーン・ネルソン / ダニエル・ハリス
ケリー・マクギリス 他
2010年トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞 (最高賞)
今年もトロント国際映画祭を目前に控えてますが、ちと去年の受賞作を鑑賞したので書いておきます。
この "ミッドナイト・マッドネス部門" と言うのは、ホラー映画に特化した部門。
「ホラー映画の聖地」とも述べられてることもあってホラーファンには注目の的のようですね。
去年、その最高賞を受賞したのがこのインディペンデント作品。
ヴァンパイアの蔓延る世界で安全な聖域 "ニュー・エデン" を目指して旅をする2人、 "ミスター" と呼ばれるヴァンパイア・ハンターの男と少年マーティンの終わりなき戦いを描いた一作でございます。
ゾンビ映画スタイルとロードムービーの要素を掛け合わしたホラー映画。
最近多く作られてますよね、こういうロードムービースタイルが。
この作品ではヴァンパイアなんですが、基本的にはもうゾンビと変わりありません。
でもラスト近くには知能を使ったヴァンパイアが出現するので、その点ではただ人を襲うゾンビとは違ったところ。
ヴァンパイア増殖のためにアメリカも秩序が崩壊。
大統領は死んでしまい、政治家たちは安全な外国の地へと逃げ出してるんですね〜。
目の前でヴァンパイアに両親を殺された少年マーティン (コナー・パオロ) は、そのとき助けてもらったヴァンパイア・ハンターのミスター (ニック・ダミチ) と行動を共にすることになります。
目指すは、ヴァンパイアの脅威が届かない北の地 "ニュー・エデン" です。
自分、結構この作品は気に入ったんですよねぇ。
何と言っても、その "余計なものを削ぎ落としたスタイル" がいいです。
ヴァンパイア・ハンターの男と少年の旅に焦点を当てて、その他の登場人物のエピソードを絡ませて理屈っぽくしない点も良いです。 旅を共にする女性の登場人物も居ますが、妙に恋愛話を絡ませようとしない点も好感。
敵はヴァンパイアだけかと思ったら、狂信者集団 "ブラザー・フッド" なるものが行く手を阻む事になるんですが、こいつらがまた、思いっきりタチの悪いヤツら。 どさくさに紛れて国を我が物にしようと思ってるんですよね。
自衛しながら秩序を守って暮らしてる人の村へ、なんと捕まえたヴァンパイアを投下爆弾よろしく投げ込み。
壊滅状態にして、後は自分たちの集団で支配しようとするのですねぇ。
ミスターとマーティンは旅の途中で、シスターをレイプしようとした男たちを抹殺。
その男たちがブラザー・フッドのメンバーだった事から命を狙われるハメになるんですね〜。
ヴァンパイア相手だけでも厄介なのに、その上に狂信者集団とも戦わなければいけない事に。
そんな戦いを、あくまで硬派スタイルで描ききったホラー作品。
途中で旅を共にする仲間も5人に増えます。
レイプから救ったシスターと妊娠中の女。 そして海兵隊崩れの黒人。
このメンバーで旅をする事になりますが、これがまた非情なんですよね。
それを躊躇い無く描ききってるところがクールと言やぁクール。
そのシスターを演じるのがケリー・マクギリス。
『トップ・ガン』、『告発の行方』 の美貌はどこ行ったん? と言いたくなるようなオバチャン化ですが。
まぁ、そんなことはどうでもイイことですが。
少年マーティンを演じるコナー・パオロは、『ミスティック・リバー』 ('03) で少年時代のショーンを演じてた子役さんですね。 この作品では逞しいところも見せています。
ヴァンパイア・ハンター "ミスター" を演じるニック・ダミチは監督と一緒にこの作品の脚本も手がけてます。
味のある雰囲気を持った役者さんですね、この人。
監督は俊英のジム・マイクル。
この作品がたぶん2作目になるのかな? 『ネズミゾンビ』 ('06) の監督です。
インディペンデント・ホラーとしてはなかなか上出来だと思いますが。
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