ここから本文です

書庫日本映画

記事検索
検索

D坂の殺人事件

イメージ 1



【D坂の殺人事件】 日本 1997

監督:実相寺昭雄   原作:江戸川乱歩   脚本:薩川昭夫   撮影:中堀正夫   音楽:池辺晋一郎
出演:真田広之 / 嶋田久作 / 三輪ひとみ / 吉行由実 / 岸部一徳 / 大家由祐子 / 六平直政 ほか

1998年日本映画プロフェッショナル大賞 ベスト10 (第7位)

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_8?1296196114


江戸川乱歩の初期を代表する短編 『D坂の殺人事件』と『心理試験』 を脚色した映画化作品。
なんでも乱歩独特の世界観を重視するファンには高い評価を得てる作品だそうで、そう聞けば観ない訳には行きません。 おまけに監督は自分好みの実相寺昭雄ですから。

舞台は昭和初期の東京、団子坂と呼ばれる場所。 今で言うと、地下鉄の千駄木駅周辺らしいとの事ですね。

真田広之演じる蕗屋 (ふきや) 清一郎は、美術品修復家で裏の顔は贋作作りの名人。
その清一郎の元に、古本屋の女将、時子 (吉行由実) が訪れ、伝説の責め絵師 "大江春泥" の原画を持ち込み 清一郎に贋作作りを依頼します。

吉原の遊女をモデルにしたその責め絵は清一郎の興味を惹き、早速依頼に応えます。
しかし、その贋作を仕上げた清一郎は、なんと原本を焼き捨てる。
2つの贋作を描いた清一郎は、原本を焼き捨て、2つのうちの1つを "本物" とするんですね〜。

後日、古本屋を訪れた清一郎はそれを見抜いていた時子を殺害。

そこに登場するのが嶋田久作が演じる明智小五郎なんです・・・。


この映画で扱ってる要素に "緊縛" があるもんだから、もう初っ端から嬉しいシーンが登場します。
上の写真の左側は吉行由実が演じる時子の緊縛シーン。
このシーンは短いカットだけど、もう〜ホンマにエェですよ。(何が?)

そして右側は真田広之演じる清一郎の女装シーン。
もうイッちゃってる真田さんですね。 この真田広之の役作りはお見事でした。

物語はサイコサスペンスの類になるんでしょうが、舞台が昭和初期という事もあって、そのサイコぶりより乱歩独特の耽美的ワールドの雰囲気が充満しています。 カメラのライティングなどにも凝ってて構図的な映像美で楽しませてくれますね。

明智小五郎の推理や謎解きなどもあっさりとした描きだから、あくまで乱歩の雰囲気を楽しむ作品でしょう。
この嶋田久作が演じる明智小五郎もイイですよ、自分結構この人の演技は好きなんですよね。

でまた、助手の小林君が重要な役どころなんですよ。
なかなか口を開かないと思ったら、ラストで映画の鍵にもなる "ひと言" で締めてくれます。
女優の三輪ひろみが演じてるんですが、この小林君の妖しい雰囲気はこの映画にピッタリでした。

緊縛と言う変態ワールド的なネタを、際どいところで乱歩独特の世界観に仕上てる演出は やっぱ実相寺監督の腕の見せ所なんでしょうね〜、自分は結構楽しめましたよ〜。

真田広之の倒錯演技もお見事だったけど、個人的に一番だったのは 古本屋の女将・時子を演じる吉行由実の存在感だったかな。 この方、あっち系のビデオで数多くの出演作がある女優さんです。 ・・・んん、イイんちゃう!


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_9?1296196114

開くトラックバック(1)

エロス+虐殺

イメージ 1



【エロス+虐殺】 日本 1969

監督・脚本・製作:吉田喜重 製作:曾志崎信二 脚本:山田正弘 撮影:長谷川元吉 音楽:一柳慧
出演:細川俊之 / 岡田茉莉子 / 楠侑子 / 高橋悦史 / 八木昌子 / 稲野和子 / 原田大二郎 / 川辺久造

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_2?1295801722

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_4?1295801722


この作品で大正時代のアナーキストで無政府主義者の大杉栄を演じた細川俊之
先頃の訃報を受けて再見いたしました。

再見と言っても、昔に観たのは2時間47分 (167分) のカット版。
公開時はプラバシー侵害問題の起訴請求などで、本来3時間46分という長編を短縮しての公開だったそうです。

今回観たのはDVD化されてオリジナル版に近い3時間36分のロング・バージョン
海外、特にフランスでは高い評価を受けてるとも聞きます。

監督は松竹ヌーヴェル・ヴァーグ出身の吉田喜重
同年製作の 『煉獄エロイカ』 同様、この監督作としては自分にとって強烈な印象を残した一作でございます。


春三月縊り残され花に舞うと吟じた大杉栄と 乱調の美の生涯を生きた伊藤野枝の叛逆とエロトロジーについての若きわれわれ・私それともあなたのアンビバランスな加担に至る頽廃の歓びのあるトーキング

映画の冒頭からこういう類 (前衛的) なタイトルが現れます。
これを理解する間もなく物語は動き出します。

昭和40年代の "現代" と、大杉栄とその愛人・伊藤野枝 (岡田茉莉子) が生きた大正時代を交錯させ、アングラ (前衛) な表現手法を用いて綴った愛憎ドラマ。 ・・・これを愛憎と呼ぶのが適切かどうか? 今でも言い得てる表現が見つかりませんが・・・。

フリーラブを提唱して妻のほかに数人の女性と関わりを持った大杉栄が、愛人である伊藤野枝との殺傷沙汰を描いた作品ですから、これを愛憎と呼ぶのも正解なんでしょう。 でも、監督が意図したところは通常の思考の範囲では計り知れないモノなのかも。

個人的な解釈であえて言わせてもらえば、"白昼夢" でしょうか。
それほどこの映画はアングラ・アートと呼ぶに相応しい作りです。

物語とはかけ離れた突拍子も無いセリフ、それに観念的な描写。
現代の若者を演じるパートでは、そのアングラ描写の際立ちようが光ります。

テンションの高い原田大二郎の演技など、いまの時代ちょっとキツいものがあるかもしれません。
しかしこの時代 (昭和40年代)、左寄りに傾くのがファッションだった事を考えれば その風俗描写などは当たり前といえば当たり前なのかも。(それがアングラ表現にマッチしているのかも)

なにより、全編モノクロで撮られた映像美とカメラワークは突出した風格を醸し出しています。

大正時代のパートでの、大杉栄の破綻した愛情表現はまさにアナーキスト。
一歩間違えればエグいほどの自我の強さを、細川俊之の個性と演技がカバーして まさに自由恋愛提唱者に相応しいズルさを見せます。

それに呼応するかのように、岡田茉莉子が演じる伊藤野枝の秘めた嫉妬の演技は迫力もの。
監督の妻として、女優として、常に吉田作品のヒロインであり続けた女優としての演技には文句なしですね。


兎にも角にも、邦画で芸術を観たいと思うなら この作品は一見の価値ありだと断言できます。
・・・3時間36分を我慢できるなら。(笑)

でも時間を感じさせずに観れました、自分は。
吉田喜重、恐るべしです。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_3?1295801722

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54086007_5?1295801722

濹東綺譚

イメージ 1



【濹東綺譚】 日本 1992

監督・脚本:新藤兼人   原作:永井荷風   製作:多賀祥介   音楽:林光
出演:津川雅彦 / 墨田ユキ / 宮崎淑子 / 八神康子 / 井川比佐志 / 浜村純 / 杉村春子 / 乙羽信子 他

1992年 日本アカデミー賞新人俳優賞 (墨田ユキ)


自分 常々思ってるところ、「人 (特に男) の原動力は "エロ" にあり」 と言う考え方を持っておりまして。
こちらの作品は、まさにそれを体現した作家の物語ではないでしょうか。

永井荷風の原作小説 『濹東綺譚』 を基に 『断腸亭日乗』 の流れを重ね合わした映画化。
そして映画の主人公を永井荷風本人に置き換えて映画化した一作です。
公開当時、玉の井 (現在の東向島) の私娼お雪を演じた墨田ユキの体当たり演技で話題をさらいましたねぇ。
彼女はこれが映画デビュー作でしたが、墨田ユキと云う芸名もそのままこの映画の役名から付けて貰ったそうな。

永井荷風 (1879-1959)、自分この方の小説は未読なんですが、当時この映画が公開され鑑賞してからずっと興味を持ち続けてる作家なんですね。 文豪としての永井もそうなんですが、私生活での放蕩ぶりに共感する部分があったもんですから。


結婚は創作活動の妨げになるから、という理由で二度の離縁を繰り返し、その後生涯ひとり身を貫いた永井なんですが、この物語は、麻布に "偏奇館" と名づけた我が家を新築してからの物語。

銘酒屋街と呼ばれる私娼窟に興味を持った永井はその界隈の散策中にお雪と云う私娼と出会い、やがてのめり込むように通い始めます。 その時、永井は50半ば お雪は26歳。

倍も年の違うお雪は、なぜか永井に親しみを感じる。 また永井もお雪に離れがたい想いを寄せる。

お雪は私娼としての境遇をはかなんだりし無い。
いつも屈託の無い明るさを持ち合わせた女であります。

その明るさ (若さ) に永井の心が揺れ動いたのかどうかは計り知れませんが、お雪の吸いつくような真っ白な肢体にのめり込むのは容易に想像できる。

58歳、男として女を満足させるのは簡単なことじゃない。
いくら女好きでも女房持ちの男なら、もう家庭 (妻) に納まって良い年齢でもあります。

しかし永井には、芸術創作と言う "大義名分" がある。
大事なのは、意欲を取り戻させてくれる原動力。

そして、お雪からの求婚に戸惑う永井。

「あと俺が10歳若かったら・・・」

と言いつつも、一度はお雪との結婚を約束する永井。
約束の日、迎えに来るはずの永井を心待ちにするお雪。

この二人、そして永井荷風が取った決断は・・・。


これを撮った新藤兼人監督は当時79歳。
初老に達した主人公の永井荷風を演じるのは、この人しか居ないと思うほど見事な演技の津川雅彦

老いと向かいながら、それでも "意欲" を失わない男の生き様を描くにあたり、これほどハマッた監督とキャストは無いとビシビシ感じるほどなんですね。

この映画でエロチック描写が多いのですが、それは必然だから。
性欲 = 意欲、人を駆り立てるエネルギーの根源はこれなのだ、と言うメッセージをも見せてくれる名作でしょう。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54106669_6?1293536010

夢みるように眠りたい

イメージ 1



【夢みるように眠りたい】 日本 1986

監督・製作・脚本・編集:林海象  撮影:長田勇市  美術:木村威夫  音楽:浦山秀彦 ほか
出演:佐野史郎 / 佳村萌 / 大竹浩二 / 松田春翠 / 吉田義夫 / 深水藤子 / 大泉滉 / あがた森魚 ほか

 https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54222474_33?1292871992


ずいぶん前にVHSビデオ版で観て以来、久しぶりの再見となった一本でございます。

私立探偵濱マイク』 シリーズの生みの親、林海象の監督デビュー作品。
そして、俳優佐野史郎の映画初主演デビューともなった一作になんですね。

時代設定はたぶん昭和初期、それとも大正末期の頃。

ゆで卵好きの魚塚 (佐野史朗) は、助手の小林君 (大竹浩二) と共に探偵事務所を営んでおります。
ある日のこと、魚塚はある老貴婦人の月島 (深水藤子) から依頼を受けます。

それは "桔梗" と名乗る娘の誘拐事件に関する依頼。
桔梗を探し出し救って欲しいとの事でしたが、誘拐犯からのメッセージは謎掛けにも似た難しい事件でした。


かなりの低予算で製作された一本でして、予算は500万〜800万程度だったという事でして。
全編モノクロで、フィルム代節約のため、ほとんどのカットを一回で撮りきったそうな。

そして台詞はすべて字幕。 そうです、無声映画なんですね、これは〜。

音を出すのは、効果音とBGM、そして劇中に出てくる活弁士の声のみ。
映画創生期、活動写真の時代に思いを馳せる物語とそのスタイル。

このスタイルには、"奇をてらった" と言う言葉より、"本当に映画を撮りたかった" と言う想いが見て取れました。

物語は中盤まで謎解きサスペンスの様相を呈してますが、後半になると 夢かウツツか・・・一人の女優の想いが、何とも得がたいファンタジーを生み出しているんですねぇ。 タイトルの "夢みるように眠りたい" に納得する内容でありました。

低予算映画と言えど、小道具やロケーション、衣装、美術などは絶品でございます。
そして、桔梗を演じる佳村萌の美しさも絶品でございましょうか。

"想いを馳せる" 作品としては、これは (・ω・)bグッ でした。



赤い橋の下のぬるい水

イメージ 1



【赤い橋の下のぬるい水】 日本 2001

監督・脚本:今村昌平   原作:辺見庸   脚本: 冨川元文 / 天願大介
出演: 役所広司 / 清水美砂 / 倍賞美津子 / 夏八木勲 / 中村嘉葎雄 / 小島聖 / 北村和夫 他

2001年 カンヌ映画祭パルムドール・ノミネート

       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54222474_19?1292388249


個人的には、1980年代以降の今村昌平監督の作品は好みじゃないんですよね。
本作のタイトルはよく聞いて知ってましたが、その内容はまったく知らず。

遅くなったけど、まぁ観てみっかっ! って感じで鑑賞しましたが・・・。


役所広司が演じる笹野は会社をリストラされ 妻とも別居中のホームレス男。
その彼はホームレス仲間だった老人タロウ (北村和夫) から、生前に聞かされていた "話" を思い出し、北陸のとある街を訪ねます。

その街で出会ったサエコ (清水美砂) は、笹野が目的とする "家" に暮らす女性。
笹野はサエコと出会ったその日、身体の関係を持つことになるんですが・・・。


ここまでが映画の導入部なんですが、いやいや〜参りました。
まったくの予備知識を入れずの鑑賞だったもんで、ま、まさか こういう話だとは。(笑)

清水美砂が演じるサエコは、ちとワケ有りな女性。
それも身体の悩みなんですが、・・・それがまさか 潮吹きだとは。(・ω・)bグッ

それも大噴水の如く噴出す "水"!

身体に水がたまるとムシャクシャ、あるいはイライラ、精神的にも良くない。
その水を放出したい衝動に駆られ、笹野と関係を持ち、その快感で噴水を上げるんですね〜

いやいや〜、でも家中がビショビショになるほどの水って。(笑)

笹野がそのホームレス老人から聞いた話と言うのは、「盗んだ金の仏像を、能登半島の日本海に面した赤い橋のたもとの家に隠した」、と言う話なんですよ。 そもそも、その老人タロウが物語のキーパーソンとなる訳ですが。

寓話じみた感覚の大人のラブファンタジー・・・とも言えそうですが、その今村昌平タッチの語りが、ちと肌に合わない方も居そうな感じがします。 個人的には面白く観れましたが、やっぱ特有のクドさが、ちとね・・・。

まぁでも、その反面、共感できる部分も大いにあった訳なんですがね。(笑)

「男の人生は、チ○コが勃ってる時こそが華!」

そういうごもっともな教訓もございます。  これは真理ですよ、えぇ。(・ω・)bグッ
ともあれ、「エロこそ人生なんだ!」 と言う、巨匠の晩年の作品でありました。
・・・あっ、まぁそれだけじゃないけど。(笑)

でもね〜、潮吹きにハマる男 笹野の気持ちは分かりますよっ。
アレは、男としてはけっこう燃えるもんなんですよ。
でもクジラのような大噴水を上げられるたら困るけど。

ちゅ〜か、タイトルの 『〜ぬるい水』 ってのがイヤらしなぁ〜。(´▽`*)アハハ
あぁ〜、漏れちゃう〜。(笑)


       https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_54222474_18?1292388249

開くトラックバック(1)

Kaz.Log
Kaz.Log
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事