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愛の新世界

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【愛の新世界】 日本 1994

監督:高橋伴明  原作:島本慶 / 荒木経惟  脚本:剣山象  音楽:山崎ハコ / かしぶち哲郎
出演:鈴木砂羽 / 片岡礼子 / 杉本彩 / 萩原流行 / 阿部サダヲ / 田口トモロヲ / 荒木経惟 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56241434_19?1333132989


この映画の原作は写真集になんですよね。

島本慶のエッセイと、アラーキーこと荒木経惟の写真で綴った同名写真集。
風俗の世界で生きる女性たちの生の声を綴りながら、写真とエッセイで話題になった原作ですよ。

一度ビデオで鑑賞してたんですが、デジタルリマスター版DVDが出てたので再度の鑑賞でした。

鈴木砂羽のデビュー作だったんですが、当時観た時はデビュー作品と思えない貫禄 (ある意味) だったな。
鈴木砂羽が演じるレイは劇団員でありながら、夜はSMクラブで女王様としてアルバイトしてます。

そんな時、レイが仲良くなった一人の女性が片岡礼子が演じるアユミ。
いつか玉の輿に乗ろうと、せっせとホテトル嬢として稼いでいます。

この女性2人の青春映画と言っててよい作品なんですが、実にアッケラカンとした "性" を描いてるんですよね。

そして今の時代に見返したら、その製作当時の時代 (1994年) が懐かしくもある風景。
なにより "性" を積極的に捉える女性の姿が、邦画ではよくある刹那性を払拭しております。

でもね、個人的には本作はコメディですよ。

萩原流行が演じるヤクザは超M男やし、鈴木砂羽の女王様プレイに喜びの涙を流すような変態です。(笑)
大杉漣杉本彩が演じるSMクラブのママの調教に喜んでるし。
後半になってコメディ要素が強くなっていったかな。

ま、その描写だけがコメディ要素じゃないんですけどね。

でもやはり鈴木砂羽が演じるレイの個性が見所やった。
劇団員の男たちと順番制でヤッちゃってるような女性なんですよ。
そして夜は女王様でしょ。 マジで女王様の調教シーンは迫力ありましたよ。

でもあくまで個人的な好みで言ったら、劇団の練習シーンは要らない。
あぁいう日本的な青春って、なんか苦手やし。
もっとドライな描写が欲しかったなぁ。

鈴木砂羽も片岡礼子も惜しみない脱ぎっぷりとヤリっぷりは賞賛ものだけどね。(笑)

全編に挿入されるアラーキーによる鈴木砂羽のスチールショットがナイスです。



十九歳の地図

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【十九歳の地図】 日本 1979  監督・製作・脚本:柳町光男 原作:中上健次 出演:本間優二・蟹江敬三 他
 
 
実際の暴走族をドキュメントした 『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』 でデビューした、日本映画孤高の巨匠・柳町光男監督の劇映画一作目となる作品です。
 
主演の本間優二は 『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』 に続き、映画デビュー作となる一本。
 
この本間優二って役者さん、知ってますか? この後、80年代は映画などで活躍した方なんですよ。
暴走族ブラック・エンペラー3代目総長ってコトで、けっこう話題をさらってた方だと記憶してます。
 
ちなみに、宇梶剛士さんはブラック・エンペラー7代目総長ね。
 
個人的にこの映画、当時観た時はかなりアブない映画だと思ってたけど、やはりそれは今でも変わりませんね。
 
主人公の吉岡 (本間優二) は地方から上京して、住み込みで新聞配達の仕事をしてます。
毎朝、新聞を投函する家をひとつひとつチェックして、自前で地図を作成し、その家にバツ印を付けるんですよ。
 
あの家の主人は気に入らないから、バツ2つ。
あの家の犬がうるさいから、バツ3つ。
 
やがて、吉岡はバツ印を付けた家へいたずら電話をかけて、日ごろの鬱憤を晴らそうとするんですが。
 
世の中にやり場の無い怒りを抱き、余りあるエネルギーの使い道を知らない青年の物語なんですが、その主人公に関わる登場人物たち、特に負け犬30歳男を演じる蟹江敬三のキャラクターが秀逸ですよ。
 
誰からも疎まれ、ただひとり自分を優しく扱ってくれる娼婦じみた女を "かさぶたのマリア" と呼び、恋焦がれる。
でも、その女の身体に抱きつきながら、枕の下の1万円札をくすねていく男。
 
このマリア (沖中秀子) は脚に障害を負いながら、社会の底辺で生きている女です。
吉岡に罵倒され、慟哭するシーンは圧巻ですね。
 
ともかく、この作品はリアルです。
人間関係もそうなんですが、いち青年が抱くダークサイドの描写がヘンに胡散臭くないところが素直で良い。
こういうストレートなテーマは、ひとつ間違ったら偽善くさい押し付けになるんですが、本作はそれが無いですな。
 
後にこの映画 (原作かもしれないけど) を観て、実際の犯行に走った青年が居るとのことですが。
それこそ間違った捉え方ですよね。
 
どうしたって、人間は生きていかなきゃならんのですよ。
この映画では、その人間の凄さと言うものも描かれてると思いますよ。
 
 

田園に死す

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【田園に死す】 日本 (ATG) 1974

監督・製作・原作・脚本:寺山修司  製作:九条映子 / ユミ・ゴヴァース  撮影:鈴木達夫
出演:菅貫太郎 / 高野浩幸 / 八千草薫 / 木村功 / 原田芳雄 / 春川ますみ / 三上寛 / サルバドール・タ
    リ / 蘭妖子 他

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_22?1330664278


かの寺山修司が監督として手がけた第2作目。
ATG (アート・シアター・ギルド) を代表する作品と言っても過言じゃないですね。

この作品は過去に一度だけ観てたんですが、長い間再見する事がなかった作品でした。
それと言うのも、この異質な光を放ち続けるアングラ劇を再見するには相当な理解力が必要と思ってた次第で。

でもそんなに難しくは無いんですよね、アートって。 観る側も自分の感性次第なんですよね。
シンプルで良いのです。嫌いなら黙殺、好みなら絶賛。
理屈っぽく語る必要性は無いと思います、アートって。

どっちにせよ、芸術は作り手と観る側の感性を表現するジャンルやから。


主人公の私 (菅貫太郎&高野浩幸) が少年時代の原体験から抜け出すべく、過去を改変しようともがく様子を現実と虚構を交えて描いております。 舞台は青森県の恐山。

顔に白塗りを施した登場人物。
おどろおどろしい感じさえ受けますが、これらが虚構の記憶だと理解。

村にやって来たサーカス団の狂乱ぶりを垣間見る少年の私。
乱交シーンを見て、「これは地獄だ」 と漏らす主人公。
中でも異質なキャラクターが春日ますみ演じる空気女。

寺山修司の少年時代の記憶 (たぶん) が、こういう表現で描かれるのはまさにアングラ極まりない。
自作歌集を題材にした一作だと聞きましたが、原作も読んでみたい気にさせられます。

それに加えて、映画の大きなテーマとなってるのが "母親の抹殺"。
実際に殺すとかそういうのじゃなくて、自己の存在を否定しかかってる主人公が確認の意味で思うことなんですよね。

演劇、小説、詩などの寺山修司の作品には、こういう "母親" のテーマが見れるそうですね。

表現的には、この時代の描写ならではのモノがキツく見れますが、たぶんにヌーベルヴァークの影響もあるんでしょうね。 それを日本ならではの土着性と言うか、また邦画では類を見ない表現で描かれたところが "寺山修司" ならではの才能なんでしょう。

アングラ描写に気を取られがちですが、案外分りやすい物語構成だと思います。

↓ ラストはちょっとした衝撃を受けますね。(笑)
笑ってる場合じゃないけど、再見して良かった。 これは好きな映画ですね。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_21?1330626162

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最後の忠臣蔵

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【最後の忠臣蔵】 日本 2010

監督:杉田成道   原作:池宮彰一郎   脚本:田中陽造
出演:役所広司 / 佐藤浩市 / 桜庭ななみ / 安田成美 / 片岡仁左衛門 / 山本耕史 / 風吹ジュン
    田中邦衛 / 伊武雅刀 / 柴俊夫 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_13?1325132847


「忠臣蔵」だったら、もう今年中に書いとかないとイケないですね。
鑑賞してから、そのうちにそのうちと思ってたら、もう年末ギリギリになっちゃいました。

この作品アメリカでの公開も囁かれてましたが、残念ながら取り止めになっちゃったとか。
池宮彰一郎の原作小説を、『北の国から』 シリーズの杉田成道が監督をした時代劇であります。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_14?1325132847


物語は、赤穂四十七士の討ち入りから16年後のこと。
赤穂浪士の中にあって、その名誉の死を果たせなかった2人の男を中心とした後日譚なんですねぇ。

佐藤浩市が演じる寺坂吉右衛門は、吉良邸への討ち入りに加わりながらも大石内蔵助 (片岡仁左衛門) の命により、生き証人として討ち入りの真実を後世に伝え、四十七士の遺族の援助を全うする使命を与えられます。

もう一人の男は役所広司が演じる瀬尾孫左衛門
討ち入りの前夜、これも大石内蔵助から密令を与えられ突如姿を消します。
長い間に渡って、逃亡の汚名を着せられながら生き延びてる男です。

寺坂は16年間に渡って遺族を訪ね歩き、その役目も果たした時のこと。
京のある場所で見覚えのある男を目にします。
その男とは瀬尾孫左衛門。この2人かつては友として浅野家に仕えた侍。

寺坂は信じられない思いで瀬尾孫左衛門の後を追いますが・・・。


原作は未読で映画の内容しか語れませんが、ひと言で言うと "日本" を文学性豊かな感性で表現した秀作だと思います。 いわゆる武士道精神を頑ななまでに守り抜き忠義に生きた男たちの物語です。

映像的にも、山や竹林や川面などの自然の美しさを意識したカットが多く、色調としても重厚さと落ち着きが上手く合さっていました。

話の軸になるのは、瀬尾孫左衛門が大石より命ぜられた役目。

これはネタバレではないと思うので書きますが、その使命とは大石内蔵助の隠し子 "可音" (桜庭ななみ) を立派に育て上げることなんですよね。

討ち入り前夜に大石から隠し子の存在を聞かされた妹尾は、事件後に厳しくなるであろう浪士たちの遺族への追求から、生まれたばかりの可音を連れその身を隠す事で使命を全うすることを誓うんです。

妹尾と寺坂の再会は、どんな結末を持って果たされるのか?
その一点に興味が集中するところなんですが、結末はやはり武士道ならではのケジメ。

頑ななまでに忠義を守りぬくその妹尾の姿に、武士道の、また日本の美意識を最大限に表現しております。

興味深いのは、可音の複雑な胸のウチなんですねぇ。
可音にとって妹尾は育ての親であるワケなんですが、可音の想いは親であり、恋人であり、また主従関係でもあるところが面白い。

派手な展開はさほどありませんが、見所はちゃんと押さえた憎い映画作りです。

でも少しばかり展開の都合よさも気にかかるところですが・・・、映画的にそれを補って余りある一作でした。
役者の演技も堪能できました。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_15?1325132847

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非行少女ヨーコ

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【非行少女ヨーコ】 日本 1966

監督:降旗康男   脚本:神波史男   撮影:仲沢半次郎
出演:緑魔子 / 谷隼人 / 石橋蓮司 / 大原麗子 / 東野孝彦 / 荒木一郎 / 岡田英次 / 大坂志郎
    佐野周二 / 芳村真理 / 寺山修司 / 小林稔侍 他

         https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_6?1324663877


本作に主演している緑魔子と言えば、個人的な感覚で言えば一種特殊なオーラを発していた女優さんでした。
子供の頃から知ってた女優さんですが、その存在って結構ミステリアスな感じだったんですよね。

この作品、『鉄道員 (ぽっぽや)』 の降旗康男の監督デビュー作。
主人公ヨーコの仲間を演じる大原麗子石橋蓮司谷隼人などが興味深い役どころをこなしております。

なんでも実話を基にした作品だと言うことで、田舎から上京したヨーコが新宿を拠点とする仲間たちとの出会いを通じて、閉塞感漂う青春を表現してますね。


         https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_7?1324663877


冒頭からジャズのリズム。
劇中流されるジャズは、渡辺貞夫、日野晧正などによる豪華メンバーによる演奏。

新宿の街でジャズクラブに通うようになったヨーコが出会う仲間たちは、睡眠薬を服用してバカ騒ぎしてるような奴らなんですよね。 この仲間のひとりを大原麗子が演じてるんですが、これがまた可愛さ満開でそのまま現代に居ても充分通用する感じ。

もうひとりが美容師役の石橋蓮司
オネエ言葉を使い、ナヨナヨした役どころは面白い。

ヨーコと付き合うようになる青年役は谷隼人
この頃は、いわゆるニューフェイスで売り出し中だったんですね。

大人へと変わる過渡期を織り込みながら、ヨーコだけは世間にツッパリ続け典型的な転落を体験する。
薬物依存に売春。 田舎から上京してきた娘の、ホントに典型を描いてます、が・・・。

映画館で観た洋画のワンシーンで南仏のサントロペに憧れ、最後はホントにヨーロッパへ旅立っちゃうって話なんですよね。 しかも貨物船での渡航・・・まぁ金がないのは分るけど。なんでそうなるの?って感じかな。(笑)

閉塞感の打破は分るが、それじゃタダの逃避行なんじゃ・・・?
しかも仲間や親の見送りつきってのが。(笑)

そんな展開に、『おい、おいおい』 ってツッコミも出そうになりましたが、当時の新宿の風俗や風景なんかは面白く観れましたよ。 シーンに写るミラノ座で上映中だったのは、『007 サンダーボール作戦』、『0011 ナポレオン・ソロ』 だったのが "その時代" を感じますねぇ。

でもこの頃の緑魔子さんは、まだ魔性性が薄かったな。


         https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56043346_8?1324663877
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