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朝の浮気心

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【朝の浮気心】 Morgenschwarm (Morning Flirt) ドイツ 2004  監督:Thomas Frohlich
(ドレスデン国際映画祭 2005 ナショナル部門優秀賞 他)
 
 
ネスレのバリスタを使い始めたのをきっかけにメーカーサイトの無料会員登録をしてるんですが、そこのサイトがバラエティに富んだコンテンツを持っていて、先日そのコンテンツの新コーナーの案内メールがありました。
 
映画で旅する世界旅行』 と題して、世界各国のショートフィルムを無料で視聴できるコーナーなんですよね。
 
そのサイトで観たドイツ映画のショートフィルムがこれ。
 
 
ひとりの中年男性の朝の通勤風景を描いた作品なんですが、ホンの9分間の上映ながら共感とユーモアを感じさせてもらった面白い一作でした。
 
朝、仕事に行くために駅に通う男の話なんですが。
毎日単調な生活のある日、ひとりの綺麗な女性と出会う事になるんですね〜。
 
出会うと言っても、ただ同じ駅を利用するだけ。
言葉を交わすわけでもなく、でも男性はその女生と同じ空間を共有してる時が至福の時なんですね〜。
 
しかし、ある日・・・、ってな感じのストーリーなんですが・・・。
 
これ面白いのはセリフが一切無いんですよね。
流しっぱなしのBGMと演技で、物語に抑揚をつけてます。
 
何より、誰しもこういう経験はあるんじゃないのかな〜?
男性にせよ女性にせよ、通勤時間のちょっとしたロマンス (自分勝手なw) 。
 
ショートムービーって作り手のセンスがギュッと詰まってるから面白いわ。
 
 

ウェンディ&ルーシー

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【ウェンディ&ルーシー】 WENDY AND LUCY アメリカ 2008 (未)
 
監督・脚本:ケリー・ライヒャルト 出演:ミシェル・ウィリアムズ / ウォーリー・ダルトン / ウィル・パットン 他
(第12回トロント批評家協会賞・第80回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、ほか)
 
 
 
 
 
 
相変わらずミシェル・ウィリアムズという女優は "何か" を持ってる人だと、近年はより強く感じてるんですよ。
本作は、仕事を求めて愛犬ルーシーを伴いアラスカへの車旅を続ける女性ウェンディを演じてます。
 
しかし、立ち寄ったオレゴンの街で車が故障。
 
ドッグフードも底をついて、持ち金を少しでも残しておきたい彼女はあるスーパーで万引き。
あえなく従業員に見つかり、警察へ連行されたウェンディは拘留の後に保釈。
 
スーパーの前に繋いでいた愛犬ルーシーの姿も消え、途方に暮れるウェンディ。
そこへ修理に出していた車の高額な見積もりにショックを受けますが・・・。
 
 
 
 
 
 
監督と脚本を努めたケリー・ライヒャルトは女性監督。
90年代前半からのフィルモグラフィーを見ると日本では未公開作品ばかりで (本作もそうですが)、当然馴染みはない方です。
 
本作は、オレゴンの街で右往左往するウェンディを淡々と、そしてどこか温かい目線で描いております。
背景説明などは無く、どうしてウェンディがアラスカを目指すのか、そう言った説明も無い。
姉夫婦との電話の会話でその背景もぼんやりと推測も出来ますが、基本説明なし。
 
いかにもインディペンデントらしい撮り方をしている作品ですね。
 
公衆トイレで顔と身体を洗い、着替えと歯磨きもそこで済まし、ねぐらにしていた車は修理工場。
だから仕方なく野宿する女性なんて、そうザラに居るものではありません。
ましてや、このウェンディの行き当たりばったりなスタイルは自業自得と言われても仕方ない。
 
しかし、その街で出会った警備員のおじさんとの交流はハートに沁みます。
一期一会とよく言いますが、人生は出会いです。
 
先に 「温かい目線」 と書きましたが、それに並行して作品全体に流れるトーンは 「切なさ」。
それはウェンディ自身の "叫び" を表してるんでしょうねぇ。
先の見えない人生旅、そして唯一の友達である愛犬ルーシーを見失った事や・・・。
 
そんな、焦りや葛藤なんかも裏に隠れてる作品だと思いますが。
もちろん、犬好きな人にはタマらん一作でもあるでしょう。
 
製作総指揮には、『ベルベット・ゴールドマイン』  『アイム・ノット・ゼア』 のトッド・ヘインズが名を連ねてます。
 
 
 
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【アンヴィル!夢を諦めきれない男たち】 ANVIL! THE STORY OF ANVIL アメリカ 2009
 
監督:サーシャ・ガヴァシ 出演:スティーヴ・“リップス”・クドロー / ロブ・ライナー 他
(インディペンデント・スピリット賞 ドキュメンタリー賞受賞)
 
 
 
 
 
 
自分はですね〜ヘヴィ・メタルはあんまし聴かなかったので、このドキュメント映画の主人公である "アンヴィル" というバンドの知識は皆無状態やったんですね。 まぁ、メタル音楽自体疎く、メタリカなど有名どころのグループしか知らないって感じです。(笑)
 
こちらのドキュメントは、1970年代に結成したカナダのヘヴィメタバンドのアンヴィル。
 
50歳を迎えた現在でも現役で突っ走っている、ヴォーカルのリップスとドラムのロブのオリジナルメンバーを中心に、そのホロ苦く、それでいて失わないスピリッツを追った一作なんですね。
 
冒頭は、1984年に日本で開催されたフェスの記録映像で始まります。
スコーピオンズやボン・ジョビなど、名だたるバンドと共にステージに立つアンヴィル。
 
ヴァイブレーターでギターを弾き、独特のボンテージファッションでシャウトするリップス。
なんでもこのアンヴィル、今をときめく有名バンドに少なからず影響を与えたそうな。
 
しかしこの後はヒットも無く、泣かず飛ばずで早や30年が過ぎ。
 
地元のカナダではライブハウスでステージに立つも、客は100人ほどが精一杯って感じです。
リップスもロブも家庭を持ち、バイト仕事で生計を立てるのがやっと。
 
それでも音楽はやめることは考えもせず、50歳になった今でもビッグヒットで返り咲きを夢見てる現状。
 
まぁ〜今まで10数枚のアルバムを出してるみたいなんですが、今の状態ではアルバム製作をするだけの資金もなし。 ラッキーにも入ったヨーロッパツアーでもギャラさえ払ってもらえない扱い。
 
やっとの思いでアルバム制作活動を再開し始めるんですが、感情の激しいリップスはドラマーのロブと衝突。
どちらかといえば寡黙なロブに辛く当たるリップスなんですが、そこにこの2人の稀な友情を見せるんですよ。
 
泣きながらロブに謝るリップスは、さらに音楽への愛情を訴えるんですねぇ。
14歳で出会い、バンドを結成し、人生の大半を一緒に過ごしたリップスとロブ。
音楽が好きなのは充分伝わってきますが、50歳になった現在でも続けてる訳はこの友情ゆえに・・・かも。
 
やっとの思いで完成にこぎつけた新アルバムですが、リリースに向けてレコード会社を回っても全部ボツ。
仕方なく手売りを始めたそのアルバムはやがて日本のプロモーターの知るところになり、20数年ぶりでジャパン・フェスへの招待を受けます。
 
日本で始まり、日本で締めくくるアンヴィルのドキュメント。
 
「ヒットするかしないかは問題ではない。 自分たちのベストアルバムが作れたら、それで幸せ。」
 
こういうニュアンスで訴えるリップスに、真のアーティスト魂を見ました。
そのスピリッツが30年以上バンドを続けてこれた理由でもあるんでしょうねぇ。 ・・・売れなくても。
 
メタル音楽を知らなくても、音楽好きな人なら観て損はないドキュメントですね。
 
監督のサーシャ・ガヴァシ自身もアンヴィルの大ファンだったと言うから、その熱いメッセージも垣間見れる作りとなってます。 この方、来年公開される 『ヒッチコック』 (アンソニー・ホプキンスがアルフレッド・ヒッチコックを演じる) の監督をやってるんですね。
 

 
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【あしたのパスタはアルデンテ】 MINE VAGANTI イタリア 2010
 
監督・脚本:フェルザン・オズペテク 出演:リッカルド・スカマルチョ / ニコール・グリマウド / イラリア・オッキーニ 他
(トライベッカ映画祭審査員特別表彰・イタリア・アカデミー賞助演女優賞・助演男優賞受賞 他)
 
 
 
 
 
 
向かいの窓』 ('03) の名匠フェルザンヌ・オズペテク監督のヒューマン・コメディーとなる一作ですね。
 
本作はタイトルは知ってましたが、この邦題でスルーしちゃってた部分が大きかったんですよね。
案の定、内容的には邦題とはかけ離れたものでしたが。
 
同性愛、家族愛、人生と死などのテーマを含みながら、時にシリアスに、時にコメディ全開に、そして後味の良い締めくくりを披露してもらえた一作でした。
 
 
 
 
 
 
主人公はローマに住む作家志望の青年トンマーゾ (リッカルド・スカマルチョ)。
彼の実家は南イタリアのレッチェで老舗パスタ会社を経営。
 
その会社を継ぐためトンマーゾの兄アントニオ (アレッサンドロ・プレツィオージ) は新社長就任。
その祝いのためトンマーゾは帰郷しますが、胸にはある決意を秘めていました。
 
それは、ゲイであることをカミングアウトして、小説家として自分の人生の指針を公言することでしたが・・・。
 
 
 
 
 
 
冒頭は祖母 (イラリア・オッキーニ) の若かりし頃から始まるんですよ。
ウェディング衣装着て、ある男の元へ駆けつけますが、その手には銃が。
 
なにやら只事ならぬ事態なんですが、その祖母の回想シーンを所々に折込み、いろんな要素を盛り込んだヒューマン・コメディに仕上げてました。
 
監督自身もゲイだと言うコトで、そして映画のクレジットには "父へ捧げる" とあることから、内容的には真情こもった物語だったんでしょうか。 でも時には軽快に笑わせ、ゲイであることの苦悩もシリアスに描き、そして祖母の "人生" をバックボーンとして据えた手腕はお見事です。
 
個人的には祖母の物語が本編中では浮いてしまう・・・というかシックリこない異質なものとして感じました。
物語上で大事なテーマ性を与えてるのは分りますが、祖母自身の描きこみがもう少し欲しかったかな。
 
しかし、それを補って余りあるのがラストの締めくくりでした。
 
"世代を超えた" 登場人物が一同に介し、幸せそうなダンスシーンで締めくくってくれるのが良い。
この南イタリアの街レッチェという場所も大いに魅力として見せてくれますね。
 
前半のサプライズとして、兄アントニオの秘密暴露で物語りは一気に興味深くなりますし、パスタ会社の共同経営者の娘アルバ (ニコール・グリマウド) とゲイのトンマーゾの親密さも面白い。
 
 
 
    
    中盤の笑わせどころ、アルデンテ・ボーイズw (?)

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宇宙飛行士の医者

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【宇宙飛行士の医者】  BUMAZHNYY SOLDAT ロシア 2008 (2008年ヴィネチア国際映画祭・銀獅子賞)
監督・脚本:アレクセイ・ゲルマン・ジュニア  出演:チュルパン・ハマートヴァ / メラーブ・ニニッゼ / アナスタシア・シュベレ
 
 
 
 
 
去年、<三大映画祭週間2011>において公開されたロシア映画の一作ですね。
 
アレクセイ・ゲルマン監督を父に持つ息子アレクセイ・ゲルマン・ジュニアの作品でありますが、あいにくこの父親の監督作品は未鑑賞なので比べてどうこう言うコトはなりません。

描かれるのは、世界初の有人宇宙飛行を数週間後に控えたある医者の苦悩。

宇宙飛行士候補の健康管理の責任者となった医師ダニエル (チュルパン・ハマートヴァ) 。
候補生たちに友人のように接して、なるべくストレスを与えないよう姿勢で健康管理に気を使っていました。
しかしなにより、医師ダニエルが我慢ならなかったのは、国策として彼らの若い命が犠牲になる事でしたが。

時代は1961年ですね。
アメリカとの競争でいち早く有人宇宙飛行を成し遂げたソビエトでしたが、その裏にある人々の葛藤や苦悩を "宇宙飛行士の医者" に焦点を当てて描いた作品でした。

とは言いましても・・・、"宇宙飛行士" で思い浮かぶのが 『ライトスタッフ』 だと思いますが、こちらのロシア映画はその対極にあるよう作品でありました。

医師ダニエルは、同じ医者の妻がありながら2人の女性と関係を持っております。
任地カザフスタンの女性ヴェラと、もう一人の女性。 でもダニエルはこの女性たちをさして愛していない。

妻はそれを知りつつもダニエルにキツく当たることはしませんでした。
その理由としては、宇宙飛行士たちへの同情的な気持ちを共有してるから・・・だったかも。

スターリン時代に両親を収容所で亡くした過去を持つダニエルは国に対して反感を持っています。
この時代、ソビエト共産党書記長と言えばニキータ・フルシチョフ。
スターリン時代と変われど、その憎悪にも似た気持ちは癒される事はなかったんでしょうね。

おまけに、この有人宇宙飛行計画には身体に有害な物質を長期間に渡って浴びなければならない疑いもあったとか。 そのせいでダニエルが健康を害していく過程が描かれてます。

訓練の最中、ある仕官は事故で命を落としてしまいます。
友人のように接していたダニエルは酷く落胆。 国家の発展と引き換えになる若い命。

打ち上げ間近には、その候補はユーリー・ガガーリンに絞られる事になります。
その時にはダニエルの葛藤も極限状態、そしてあまりにも哀しい結末が・・・。

と、こういう内容でかなり興味深いことが描かれているんですが、演出としては、ごく淡々と描いております。
故に感情移入などは皆無な鑑賞状態。

世間をシニカルな眼差しで捉えるダニエル、いわゆる厭世観とでも言いましょうか。
その表現に徹したかのような、また沈鬱に満ちた一作でした。
そのせいで、こういう興味深い事実を感じ取れない危うさをも持った作品だったかな。

娯楽映画好きな方にはお勧めできない作品ですが、映像美を含めた世界観は観る価値あった一作でしたねぇ。
 
 
 
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