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キムチを売る女

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わたしの心がゆっくり死んでいく  『キムチを売る女』

【キムチを売る女】 芒種 (英題:GRAIN IN EAR) 2005 中国・韓国

監督・脚本 チャン・リュル  製作 チェ・ドゥヨン  撮影 ユ・ヨンホン
出演 リュ・ヨンヒ / キム・パク / ジュ・グァンヒョン / ワン・トンフィ ほか

 ◆ 2005年 カンヌ国際映画祭 批評家週間ACID賞受賞

このチャン・リュル監督の作品は初見なんですが、何でも本作は 監督作2作目にあたるという事です。
独特な アーティスティックな映像表現と演出をする方とお見受けしました。

中国北部の田舎町。
朝鮮族のスンヒは粗末な家で息子チャンホと暮らしています。

スンヒは夫が犯罪に手を染めたせいで、母と息子2人で遠く離れたこの土地に来たものの、いつか故郷に帰れることを願いながら、露天商としてキムチを売り生計を立てています。

そんな女手ひとりの身の上、言い寄って来る男はスンヒの体目当ての男たちばかり・・・。



この監督自身も在中3世、韓国系中国人だという事。
延辺朝鮮族自治区もある 吉林省あたりのご出身のようです。

この物語では、その韓国系中国人の女性スンヒが主人公。
年齢は32歳で息子のチャンホと一緒に細々と田舎町で暮らしています。

リヤカーに手作りのキムチを積んで、ひたすら客が来るのを待つ商売。
露天商としての届け出を出していないもんだから、当局の取り締まりから逃げつつ商売をしています。
経済的にも、社会的にも、そして女として "性の抑圧" にも耐えながら暮らす日々です。

同じ朝鮮族の妻子ある男キム、近所の中国人の中年男、警官ワン。
どの男もスンヒを "性的に搾取" する事しか考えてないような男ばかりなんですよね。

やがてスンヒに ある悲劇が襲いかかります。
これを境に彼女の心の中の憎悪は暴走を始めます。


固定された位置でのカメラ撮影。
会話と呼べるセリフも少なく、そこで起こっている事柄の直接的な映像表現も少なめにしか出しません。

唯一、カメラが動き出すのがラストショットのシーン。
家を出て、ヒョロヒョロと歩き出すスンヒの背中を追いかけるカメラ。

個のテロリスト』 をテーマに撮りあげた作品だ、と監督は言います。
朝鮮族としてのアイデンティティーを保ちながら生きてきたスンヒ。
息子にもハングルがしっかり喋れるように教え込むわけなんですよね。

そのアイデンティティーが揺らぎ始めだす頃、心には孤独感に支配されていく様子が窺えます。

この作品 韓国も出資はしてるようですが、大部分が中国映画と言っていいでしょう。
しかし中国では公開もされていない。

物語の顛末を観た当局が 中国での公開を見合わせるのも納得できます。
あの国には表現の自由という思想を求めるのは、いま現在では所詮無理な事。
逆に監督は、そういう自国の有り様に この物語を突きつけたのかもしれません。

アーティスティックな一作ですが、強烈なアピールを感じる作品だと思いました。
欧米で評価が高いのも頷けますね。

・・・しかし、原題の意味を成してない、この邦題はどうしたもんかな〜と思うんですが。
まっ、そりゃ自分も このオネーちゃんがキムチ売ってたら買いますがね。( ̄∀ ̄*)


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"天国には武器を持った天使がいる"  『ゴッド・アーミー / 悪の天使』

【ゴッド・アーミー / 悪の天使】 THE PROPHECY 1994

監督・脚本 グレゴリー・ワイデン   撮影 リチャード・クレイボウ / ブルース・ダグラス・ジョンソン
出演 クリストファー・ウォーケン / イライアス・コティーズ / エリック・ストルツ / ヴィゴ・モーテンセン
    ヴァージニア・マドセン / アマンダ・プラマー ほか

こちらの映画、かなり以前にビデオで見たっきりだったんですが、結構面白くて印象に残ってたんですよ。

クリストファー・ウォーケンの残酷な天使役と、ヴィゴ・モーテンセンの堕天使がカッコよくて。
でも当時は ヴィゴ・モーテンセンと言っても知名度が低かったでしょ〜、今じゃ大スターですが。

ずっとDVD化はされてなく、もう一度見ようと思ってもレンタルビデオも見当たらないし。
そんなこんなで再見する事も無かったのですが、最近DVD化になったようなので見ることができました。




監督は 『ハイランダー/悪魔の戦士』、『バックドラフト』の脚本家グレゴリー・ワイデンの初監督作品。

神への信仰が揺らぎ 神父になりそこねた刑事トーマス (イライアス・コティーズ)
ある殺人事件がキッカケになり、天国で天使たちが起こした "2度目の戦争" を知る事になるんですね〜。
その戦争を起こした張本人、大天使ガブリエルを演じるのがクリストファー・ウォーケン

この「2度目の戦争」というのが、存在しない「ヨハネ黙示録・第23章」の一節、"人間の価値を認めない天使たちは ルシファーと同じように神の軍隊に反抗して 天国で2回目の戦争が起きた" という予言。

存在しない23章の一節というのが、これまた面白いんですよ。
早く言えば、人間ばかりを寵愛する神に反抗 (嫉妬) した天使たちが反乱を起こした、という事なんです。

その天国での争いが地上の人間を巻き込み繰り広げられていくんですが、映画のトーンはダーク・スリラーに徹してるんですよね〜。 ウォーケンが演じる天使ガブリエルなんか、もう悪魔ですやん! ってな感じで人間の魂を奪いに来るんですね〜。

そこにヴィゴ・モーテンセン演じる 地獄の堕天使ルシファーが絡んで来る訳なんですが。
このルシファーが人間に助け舟を出すのも面白い発想ですね〜、なんで悪魔が人間に?

ルシファー曰く、『天国での争いが続けば、やがて天国は地獄と化す。地獄は2つも要らない』 と言うワケなんですな〜。




低予算で製作され B級な雰囲気の漂う作りなんですが、クールな演出と天使たちのキャラ設定のカッコ良さ。
このクリストファー・ウォーケンヴィゴ・モーテンセンはファンなら必見だと思いますよ〜。

天使シモンを演じるエリック・ストルツ、争いに巻き込まれる女性キャサリンを演じるヴァージニア・マドセン
ガブリエルに死を止められる女性を演じるアマンダ・プラマーなどなど、役者もナニゲに豪華です。

邪悪な人間の魂が 天国での争いに必要なゆえに、ガブリエルが地上で奔走します。
それにストップをかけようとする地獄の堕天使ルシファーと地上の人間。
3つ巴の構図も ややこしいけど面白いところですね。

このシリーズは第3作まで製作されてますが、今のところDVD化は本作のみのようです。
天使座りも、この作品が元祖だったのか〜ってな感じですな。↓


この道は母へとつづく

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"イタリア人" とあだ名が付いたロシアの孤児 『この道は母へとつづく』

【この道は母へとつづく】 ITALIANETZ ロシア 2005

監督 アンドレイ・クラフチューク 製作 アンドレイ・ゼルツァロフ 脚本 アンドレイ・ロマーノフ
出演 コーリャ・スピリドノフ / マリヤ・クズネツォーワ / ユーリイ・イツコーフ / ニコライ・レウトフ 他

まぁ私事なんですが、じつは自分 幼い時に母親と別れ、顔も知らないまま今に至ってるんです。

だから、あんまし湿っぽくなるのもナンだから この手の映画は避けてきたんですが、この作品はちょっと観る気になりました。

原題の "ITALIANETZ" とは "イタリア人" と言う意味なんですが、これは映画の主人公である6歳のワーニャがイタリア人夫婦に養子に貰われることから、付いたあだ名をタイトルにしてるんですね。



フィンランド国境に近い ロシアの田舎町の孤児院で育ったワーニャは、ある日イタリア人夫婦との養子縁組が決まりました。 数多くの孤児たちが暮らす孤児院では、養子に貰われる事は非常にラッキーな事。

大抵の孤児は、孤児のまま育ってても仕事にありつけず、ヤケになって少年院送りになるか、日の当たらない生活を続けていくのがオチ。 劇中でもストリートギャング化した子供が登場しますが、極寒の田舎町の現実を映画は映し出して行きます。

そんなある日、先に養子に出された少年の母親が孤児院を訪ねてきて 自分の子供を取り返しに来る騒ぎが起こります。 それを見たワーニャは、自分を捨てた母の安否が気にかかって、日を増すごとに その思いは強くなります。

どうしても自分の母親に会いたい、その一心でワーニャは同じ孤児仲間の先輩格にあたる 赤毛の少女イルカの手助けで母親探しの旅に出てしまうんですね〜。

思ったより "泣かせてやろう" という作りではなく、ロシア田舎町の孤児を取り巻く社会の現状を描いています。

多額の報酬を目当てに、孤児の養子縁組をビジネスとしている斡旋業者のマダム。
孤児の逃亡などはビジネスにマイナスであると言う観点からしか見ない大人です。

また貧困な田舎町では、子供を産むと売りに出して金銭を得る親も多いような事が語られます。
『お前は米ドルで売られた』 子供にとってはキツすぎる現実ですよね。

そんな状況の中、子供ながら機転を利かして旅を続けるワーニャ。
このワーニャを演じるコーリャ・スピリドノフ君が、これまた巧いんですよねぇ〜〜。

母親が暮らす町に やっとの思いで着いた時、連れ戻そうとやって来た男を相手に、ワーニャは瓶の破片で自分の左腕を叩きつけ男を威嚇します。 ボロボロになってしてまでも、どうしても母親に逢いたい。

このシーンだけは ちょっとばかしジワッ〜と来てしまいましたねぇ。

ラストカット、ほころびかけようとしてるワーニャの笑顔が印象的に残ります。
こういうテーマの作品は数多くありますが、やはり子供の無垢な想いは普遍ですね。
ナニゲに社会派な 良い映画でした。


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帰らない日々

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テリー・ジョージ監督作品 『帰らない日々』 2007

【帰らない日々】 RESERVATION ROAD 2007

監督 テリー・ジョージ          製作 A・キットマン・ホー / ニック・ウェクスラー
原作 ジョン・バーナム・シュワルツ  脚本 テリー・ジョージ / ジョン・バーナム・シュワルツ
出演 ホアキン・フェニックス / マーク・ラファロ / ジェニファー・コネリー / ミラ・ソルヴィノ
    エル・ファニング / エディ・アルダーソン ほか

『父の祈りを』、『ボクサー』 の脚本、そして 『ホテル・ルワンダ』 の監督、テリー・ジョージによる一作。

ひき逃げ事故で息子を失い、進展を見せない警察の捜査に業を煮やした父親は独自に調査を依頼。
その依頼を引き受けた弁護士は、その事件のひき逃げ犯であった・・・。

ジョン・バーナム・シュワルツの原作、『夜に沈む道』 の映画化ですね。



目の前で息子をひき逃げされた父親イーサン役をホアキン・フェニックス
その妻グレース役をジェニファー・コネリー
ひき逃げした事によって 罪の意識に苛まれる弁護士ドワイト役にマーク・ラファロ

そして、ドワイトの前妻ルース役にミラ・ソルヴィノ
兄を失ったエマ役にエル・ファニングという豪華な顔ぶれのヒューマン&サスペンスドラマですね〜。

弁護士のドワイトは別れて暮らす息子と ひいきのレッドソックスの試合観戦に訪れ、その試合の帰りに息子を前妻ルースの元へ送っていく最中、リザベーション通りで男の子を轢いてしまいます。

ちょっとした不注意で事故を起こしたドワイト。
助手席に乗せていた息子がダッシュボードに顔をぶつけたこともあり、ついその場から走り去ってしまったドワイト。 その事故を反対側の道路から目撃した父親イーサン。

映画は 息子をひき逃げされた事による事件から、被害者遺族と加害者の両者の心理面での葛藤と苦悩を丁寧に描きだした作品でした。

加害者のドワイトは ひき逃げしたから 「悪人」 という観点から描くのではなく、その家庭状況や心理面での描写が主です。 もちろん被害者側家族の苦悩もじゅうぶん理解できる描きなんですが、父親のイーサンが息子を失った痛みから 犯人への復讐という形でを購入するというのが 少し安易な展開だったのではないかと思うわけなんですが・・・。

今の世の中、家族を悪質なひき逃げで失う事例はたくさんあることと思います。
遺族の方にしてみれば そのショックは他人では計り知れないぐらい大きいものかもしれません。
だからこそ映画も もっとそう言った目線で掘り下げて欲しかった気もするんですが。
すぐ銃を取るというのはアメリカ社会らしいと言えば らしいのですが・・・。

映画のトーンも終わりまで一本調子になってしまってる感がありますが、両者の心理面での描き方や演技は素晴らしいものがあるので観ていて飽きはしませんでした。 あくまで "映画的" に考えると、もっと緊迫感を持たせた作品に仕上げる事もできたかと思いますが・・・。

とはいえ、いつ自分の身にも起こるか知れない出来事ですよね。
被害者側にも加害者側にもなりえる危険性をはらんだ世の中ですから。(-o-;


           http://www.geocities.jp/jkz203/blog13/reservation-road2.jpg

悲しみが乾くまで

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スサンネ・ビア監督、ハリウッド進出の一作目 『悲しみが乾くまで』

【悲しみが乾くまで】 THINGS WE LOST IN THE FIRE 2008

監督 スサンネ・ビア  製作 サム・メンデス / サム・マーサー  脚本 アラン・ローブ
出演 ハル・ベリー / ベニチオ・デル・トロ / デヴィッド・ドゥカヴニー / オマー・ベンソン・ミラー 他

デンマークの映画作家、スサンネ・ビア監督がハリウッドに招かれ撮った一作。

この監督の作品は 『しあわせな孤独』 だけしか観てないのですが、あの一作も強烈に印象に残る秀作。
監督としては初めての英語劇になり、起用したキャストも有名どころ。

突然の悲劇に見舞われ、最愛の夫ブライアン (デヴィッド・ドゥカヴニー) を亡くしたオードリー (ハル・ベリー) は2人の子供を抱え悲しみに暮れていました。 葬儀の日、夫の親友ジェリー (ベニチオ・デル・トロ) の存在を思い出し、急いで彼を呼びに走ります。

しかし、敏腕弁護士だったジェリーも今はドラッグに溺れるジャンキー。
そんな亡き夫の親友に対して、オードーリーは一緒に暮らさないかと持ちかけますが・・・。




亡き夫ブライアンは ジャンキーで荒れ果てた生活をしていたジェリーを見放さず、いつも面倒を見てきました。
そんな夫に同調が出来なかったオードリーは、当然のことにジェリーに対して良い感情は持っていませんでした。
そんな彼女が何故にジェリーを家に招き、一緒に暮らそうと言い出したのか?

映画の中盤ぐらいまでは 勝手な彼女の言動が理解できず、どう展開するのか? その事が気になり自然と映画に惹き込まれました。

最後に爆発する彼女の感情で ・・・ 『あぁ、愛する人を亡くすと、こうもなるのか』 ・・・納得。
ジャンキーのジェリーとの関係も、どこかドライなんだけど心底温かい思いやりに変わる。

いつも この監督は映画作りには脚本と原案でも関わってきたんですが、このハリウッド映画は監督の仕事のみ。
脚本を担当したのはアラン・ローブという脚本家で、『ラスベガスをぶっつぶせ』 に続く脚本です。

演出のみに専念したスサンネ監督。
やはりその描写などは 女性監督らしい細やかな心象描写が巧いですね。

ひとりバスタブで物思いに耽るオードリー。 その指の指輪がクルクル回ります。
夫を亡くした妻にかかるストレスの重さを、巧く何気ない映像で表しています。

ベニチオ・デル・トロのジャンキー演技。 しかし根は優しい男だと言う感じを巧く演じてます。
ハル・ベリーも初めての未亡人役だったのでしょうが、彼女のキャラクター作りは良かった。
回想シーンで登場する夫ブライアンの誠実さもデヴィッド・ドゥカヴニーに合っていました。

次回はぜひスサンネ監督自身の脚本でのハリウッド作品を観てみたい気がしますよ〜。
じっくり落ち着いて観れる、人間再生のヒューマン・ドラマでした。(・ω・)bグッ


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