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殺し屋たちの挽歌

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【殺し屋たちの挽歌】 THE HIT イギリス 1984 (未)

監督:スティーヴン・フリアーズ 製作:ジェレミー・トーマス 脚本:ピーター・プリンス
出演:テレンス・スタンプ / ジョン・ハート / ティム・ロス / ラウラ・デル・ソル / フェルナンド・レイ 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_57463192_13?1349929007


『グリフターズ / 詐欺師たち』、『危険な関係』、『ハイ・フィデリティ』 のスティーヴン・フリアーズがイギリス時代に撮った初期の監督作。

なんでもこの作品をセルフ・リメイクとして撮る予定があるとか。
と言うことでオリジナルとなる本作を鑑賞しました。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_57463192_11?1349927702


10年前に組織のボスを売って裏切ったウィリー (テレンス・スタンプ) はスペインの田舎町でひっそり暮らしてるんですね。 狙われる事を警戒して今も警察の護衛付きという身分。

そこへ2人組の男ブラドック (ジョン・ハート) とマイロン (ティム・ロス) が現れます。
男たちの目的はウィリーを拉致して、出所したばかりのボスが待つパリまで連れて行くこと。

この拉致誘拐に巻き込まれた女も一緒に車はスペインからフランスを目指して走り出す事になります。


内容からして、最初はちょっとした血なまぐさい感じを想像してたんですが、良い意味で裏切られましたねぇ。
スペインを舞台にしてる事もあって、乾いた雰囲気を醸しだすロードムービーでした。
まぁロードムービーと言っても相当に異色なメンツなんですけどね。

なんで組織を裏切る事になったのか? どういう背景を持った人物なのか? などなど・・・。
そういう説明は無く物語が進むから、その辺りでも特殊性を与えてる作品とも言えそうです。

殺し屋に拉致された裏切り者役のテレンス・スタンプが、これまた飄々とした個性で "死" を達観しており、どこか悟りを開いたような人物。

組織の殺し屋で兄貴分役のジョン・ハートは口数少なく、クールに物事を進めていくタイプ。

そしてこの仕事が初仕事の、見習い殺し屋役のティム・ロスがエキセントリックなタイプ。
血の気は多いけど、やっぱり小心なところもあり、誘拐した女にたぶらかされそうになる始末。
ティム・ロスの若さと青さにビックリです。(笑)

なんだかんだでスペインの国境付近までたどり着いた所で・・・、って感じなんですが。
最後まで登場人物それぞれの持ち味で見せるクライム・サスペンスでした。

やっぱりスペインと言う土地が雰囲気を最大限に出してる物語ですね。

音楽も聴きモノでして。
冒頭の主題曲をエリック・クランプトンが担当したり、全編に流れる楽曲はフラメンコギターのパコ・デ・ルシアだったり、サントラも非常にイイ感じ。

スティーヴン・フリアーズ自身がこの作品をどうセルフ・リメイクするのか?
それも楽しみとなりました。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_57463192_10?1349929007

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【キナタイ マニラ・アンダーグラウンド】 KINATAY フランス・フィリピン 2009

監督:ブリランテ・メンドーサ 脚本:アルマンド・ラオ 製作:ココ・マルティン 撮影:オデッセイ・フローレス
出演:ココ・マルティン / フリオ・ディアス / マリア・イサベル・ロペス 他

2009年カンヌ国際映画祭 監督賞 (ブリランテ・メンドーサ)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_57278877_3?1347042210


こちらも2011年の「三大映画祭週間」で上映された作品ですね。
三大映画祭関連の作品が続々とDVDリリースされるのは嬉しい限りでございます。

本作は2009年のカンヌ国際映画祭であのタンティーノが "非凡" と賛辞を贈った作品でして、同映画祭で見事に監督賞を受賞しています。

描かれるのは、フィリピンの首都マニラに巣食う裏の世界に足を踏み入れてしまった青年ペッピング (ココ・マルティン) の悪夢のような一夜。

警察学校の生徒でありながら、恋人との間に出来た子供のため結婚に踏み切ったペッピング。
しかし生活は厳しく、サイドビジネスとして軽い気持ちで麻薬の売買で小銭を稼いでるんですよね。
まぁ警察学校の生徒が麻薬売買の片棒を担ぐあたり、それだけでマニラの裏事情が垣間見れます。

ある夜ペッピングは悪友の誘いに乗り、裏稼業を仕切る集団と行動を共にすることになるんですが・・・。
その仕事は麻薬の代金を滞納してるあるコールガールへの拷問殺人なんですね。

家族3人で幸せな生活を夢見るペッピングが足を踏み入れてしまった裏世界。
映画は、二度と普通の世界に戻れないであろうペッピングの苦悩と堕ち様をドキュメントチックに映し出してます。

その裏稼業の集団と言うのも殆どが警察関係なんですよ。
そのボスがペッピングに言います。

『警察の給料だけで食っていけると思ってるのか』

だからと言って裏世界の仕事をやってるなんて言い訳にもならないのは当たり前なんですが、貧困が悪を生むという点で、その説得力はじゅうぶん持ちえてる言葉でもあります。

感覚の麻痺というか、精神が病んでると言うか、この男たちにとって拷問殺人なんて日常の仕事なんですよね。
殺す前にレイプをして、その後は遺体を捨てやすいようにナタで切り刻む。

帰りの車の窓から何事も無いように切り刻んだ頭部をゴミ捨て場に放り投げるetc...。
息詰まるようなマニラの夜の雰囲気を、淡々と描写した演出はそれだけでも異色でしたねぇ。

のっぴきならぬ事態に遭遇した人間と言うのは、簡単に "悪" にも成りえるんですよね。
"善と悪" と言うのは表裏一体、人は二面性と言うのも誰しも持っているモノ。

それは簡単なキッカケで、後戻りすることが出来ない "負" の重荷を背負う事になるんですよね。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_57278877_4?1347042210

午前2時の唇

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【午前2時の唇】  Propios y extraños スペイン 2010
監督・脚本:マノロ・ゴンサレス 出演:エレーナ・バレステロス / ジャン・ピエール・ノエル /ミケル・ノエル / ヒョルディ・ビチェス 他
 (2011年レオン映画テレビ祭観客賞)
 
 
はい、いきなりすいません〜。 こちら翔さんのお勧めで鑑賞いたしました〜。
 
 
監督のマロノ・ゴンザレスが、なんでも構想6年をかけて撮りあげた群像劇。
 
深夜のマドリードで始まる人気のラジオ番組。
リスナーからの電話で構成する内容は、普段人には話さないような体験談や悩み。
そして遠く離れたブエノスアイレスでもインターネットラジオで耳を傾ける人が居ます。
 
まぁ、そのリスナーからの体験談や悩みと言うのが・・・、遺体に欲情する葬儀社勤務の死姦男、ゲス野郎狩りの若者たち、学費を稼ぐため売春する女子学生、などなど。
 
この他にも色んなエピソードを盛り込んでいるので登場人物の顔と名前を覚えるのが、ちょっと難儀やった。
でも観ているうちに主要エピソードの登場人物が馴染んでくるので、そこはOKですよ〜。
 
売春をする女子学生はスペインからブエノスアイレスに逃避してきた女性なんですよ。
恋人を置き去りにして遠い地に来てる訳ですが、その大学で新しい恋人を作ってます。
ま、この恋人に求婚されてるワケですが〜、秘密の仕事ではその恋人の父親がお相手。
 
そんな一筋縄では行かないエピソードが満載でございました。
 
ナニゲにエロチックなシーンも多いワケで、ちょっとそっち系に偏った作りかな?
・・・とも思いましたが、エピソード群をラジオに電話してくる人たちにリンクさせていくドラマが面白いです。
 
人それぞれ色んな悩みを持ち、色んな体験をしてるもんだってモンですが、何より普段心の中に隠した秘め事や闇を露にして行くドラマだから、それなりに重みもありますね。
 
重いストーリーが重なり合ってますが、自分は面白く観れました。
 
バスで知り合った男女のエピソードは、間一髪で女性からの電話で救われるなんて洒落てるラブストーリーでしたが、脚本家の男の関わる事件が、これまた重い。
 
ラスト、リスナーのおばあちゃんの言葉が希望を託すよう担って、映画のテーマを示す形かな。
これ、面白いですよ。
 
 
 

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木洩れ日の家で

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【木洩れ日の家で】 PORA UMIERAC ポーランド 2007

監督・脚本・編集:ドロタ・ケンジェジャフスカ  製作・撮影:アルトゥル・ラインハルト
出演:ダヌタ・シャフラルスカ / クシシュトフ・グロビシュ / パトリツィヤ・シェフチク / カミル・ビタウ 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56276135_3?1334511708


劇場で予告を観てから 「これは観なくちゃ」と思ってたんですが、やっとDVD鑑賞となりました。

監督は 『僕がいない場所』 のドロタ・ケンジェジャフスカ
男の子を主役にした前作から一転、今回は91歳 (撮影当時) の名女優を主役に据えたドラマですね。

コントラストを効かせたモノクロ映像を使い、ポーランドのワルシャワ郊外の屋敷にひっそろ暮らす老女アニュエラ (ダヌタ・シャフラルスカ) と、その愛犬フィラとの晩年を静かに描いた作品でした。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56276135_2?1334511708


まずこの愛犬フィラには俳優犬賞をやりたいくらいでしたね〜。
ご主人様のアニュエラばあちゃんの気持ちを理解してるが如くの演技は立派です。
ここまで躾けて撮るのも苦労が要るでしょうね。

そして映画なんですが。

やはり、かつてのソ連の衛星国ポーランドと言う背景があるから、この物語にもそれ相応の意味も持ち得るんですよね。

このアニュエラばあちゃんは1912年生まれで貴族出身と言う設定。
共産党時代に政府から強制された間借り人もようやく居なくなり、今は愛犬フィラと余生を過ごす日々。

かつての立派な屋敷も古くなり、あばら家と誹りを受ける現在なんですが、広い土地なもんで隣の住人がその屋敷を買いたいという申し出があるんですね。

生まれ育った屋敷を出る気がサラサラないアニュエラなんですが、なんと息子 (クシシュトフ・グロビシュ) は極秘裏に家の売買を画策していた・・・。

この事実を知ったアニュエラの心のうちは観ていて辛いものがありますね。
少女時代には広い居間でバレエなど踊っていた回想シーンなども織り込み、詩情的な感覚で見せて行く物語。

しかし先に書いたように "ソ連共産党支配時代" と言う背景を持った国ゆえなのかもしれませんが、どこかピンと張った一種の緊張感が漂ってたような気がしましたねぇ。

考えたら、それもそのハズかな。
この映画の原題 "PORA UMIERAC" を邦訳すれば、「死ぬための時間」 というニュアンス。

そのタイトルからでも察しが付くように最後は・・・。

それと同時に、人生の黄昏をどう迎えるか? と言う問いかけを投げかけてるドラマでもありました。
それは人それぞれなんですが、誰にでも平等に幕を下ろさなければならない時期がやってくるんですよね。

アニュエラを演じたダヌタ・シャフラルスカ、さすがの演技でした。


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56276135_1?1334511708

狂気の行方

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【狂気の行方】 MY SON, MY SON, WHAT HAVE YE DONE アメリカ・ドイツ 2009

監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク 製作総指揮:デヴィット・リンチ 他 脚本:ハーバート・ゴールダー
出演:マイケル・シャノン / ウィレム・デフォー / クロエ・セヴィニー / マイケル・ペーニャ / ウド・キア 他

   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_6?1329591117


デヴィッド・リンチが製作総指揮に加わり、『アギーレ・神の怒り』、『フィツカラルド』 のヴェルナー・ヘルツォークが監督を務めた、実話をベースとした一作でありキャストが蒼々たる布陣。

これだけ揃ったら観ない訳にはいかないし、期待も絶大・・・と言うか、こじんまり公開なのを鑑みて過度の期待は禁物ですけどね。

まず原題 (「MY SON, MY SON, WHAT HAVE YE DONE」) からして、何かザワザワさせるものがありますが。

サンディエゴ郊外の住宅街で男 (マイケル・シャノン) が人質をとって民家に立てこもる事件が発生。
覆面パトで巡回中だったハヴェンハース刑事 (ウィレム・デフォー) と相棒 (マイケル・ペーニャ) は現場に駆けつけます。

最初、この刑事らはある殺人事件の為に現場近くに駆けつけたんですが、折りしも立てこもり事件が発生。

この犯人の男はなんと実母を殺害して人質(?)をとって立てこもった訳なんですね。
そこに男の婚約者 (クロエ・セヴィニー) と男が主属する劇団の演出家 (ウド・キアー) も駆けつけ、一緒になって説得を試みようとしますが・・・。

自分、近年のヴェルナー・ヘルツォーク監督作にはハッキリ言って期待は抱いてません。
と言うより、過去の作品がそれだけ強烈だったのもありますが、いわゆる巨匠、異才と呼ばれた監督は往々にして訳の分からない作品を作るもの (年が行けば行くほど)。

この作品もマイケル・シャノンウィレム・デフォーと言う個性派俳優を使いながら、その持ち味を充分に見せつけれてないし。(あるいは意図して抑え気味にさせたか?)

観念的なショットも含ませながら、何か監督自身が郷愁を感じながら撮ってるかのような感覚を受けます。
テーマとしての "神" の存在も何か理屈っぽく、かつマスターベーション的な描き。

観る側がマイケル・シャノンの狂気演技を期待するのは致し方ないと思うんですが、肩透かしもイイところ。
冒頭のウィレム・デフォーのひとり喋りにググッっとさせられるモノがあっただけに。

何故この男が実母殺害に至ったかというのも、マザコンが過ぎたから?
もしくは、劇団で役に入り込みすぎてヤッちゃった?
ペルーでなにがあった?

どれも推測の範囲でしかなく、本当のところを観念的に表現しながら中盤は中だるみ。

でも何故か許せる気分になるから不思議。
それがやっぱりヴェルナー・ヘルツォークだから・・・ってなところか?(笑)
こういうのもあってえぇやん。

派手さも無く、サスペンスとしても中途半端だけど、ヒネた映画ファンなら許せる一作ですよ。(たぶん)
いっそのことウド・キアーをキレキレさせてやったら面白かったのに。
もしくは、クロエ・セヴィニーのもろ肌を・・・。(笑)


   https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/e0/a7/jkz203/folder/1502344/img_1502344_56141253_7?1329591117

このお母ちゃんはリンチ作品キャラ風で不気味でイイ感じだったけど・・・あともう一歩。(笑)
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