現代アメリカの憂鬱と歪み 『トーク・レディオ』【トーク・レディオ】 TALK RADIO 1988
監督・脚本 オリバー・ストーン 原作・脚色 エリック・ボゴシアン / タッド・サヴィナー 製作 A・キットマン・ホー ほか 音楽 スチュワート・コープランド 出演 エリック・ボゴシアン / アレック・ボールドウィン / エレン・グリーン / ジョン・C・マッギンレー こちらの映画は以前書いた 『オリバー・ストーン監督、ベスト映画』 のなかで取り上げさせてもらった一作なんですが、久しぶりに再見したのでちょいと書きます。 主演のエリック・ボゴシアン (「沈黙シリーズ・暴走特急」、「黙秘」、「ブレイド3」) の書いた舞台劇をオリバー・ストーンと共同で脚本を書き映画化した作品であります。 主人公のバリーはダラスで人気のラジオ番組、『ナイト・トーク』 のDJ。 彼の番組 (ショー) では、毎回テーマを決めて視聴者からかかってくる電話のやり取りを生で流すと言うもの。 過激さと辛辣さが売り物のバリーのトークには問題も多かったが大人気を博していました。 そんなある日、彼は自分の言葉に疑問を持ち始めるようになりますが・・・。 この時期のオリバー・ストーン監督と言えば、『プラトーン』や 『7月4日に生まれて』 などで社会派監督として最も脂が乗り切っていた時期であります。 その最中に撮った一作ですが、こちらは派手なシーンや感動するシーンもなく、どちらかと言えば地味な仕上がり。 しかし、その訴えるところはオリバー監督の映画の中でも強烈な一撃であります。 映画のほとんどを占めるのがラジオ局のスタジオの中。 エリック・ボゴシアンが演じるバリーの過激で辛辣な、しかし的を得たトークが炸裂します。 電話をかけてくる相手は、ユダヤ人であるバリーを攻撃するネオ・ナチ、寂しい女性、ヤク中の青年、などなど、どれも普通とは言えない相手ばかり。 そんな視聴者からの電話を見事にバッサリ斬るバリー。 人種偏見や暴力、キワどいラジオショーのDJですが、バリーは話すことをやめようとしません。 センセーショナルさが売り物のトークですが、それは彼自身の心の叫び。 一地方のラジオショーだった番組が全米に流される事が決定した日、彼の吐いた言葉、彼が攻撃したツケの矛先が自分自身に迫っている事を実感したその日・・・ラストにはまさに思うような展開が待っています。 病んだ現代アメリカの側面を密室劇さながらに描き出したオリバー・ストーンの手腕は見事です。 この時期の彼は、何度も言うようですが社会を見抜く鋭さがあった。 それは映画を観る人々に、共感と何かを訴えかける力量があったからなんでしょう。 それと同時に主演のエリック・ボゴシアンの緊張感溢れた演技も見物です。 舞台劇の本を映画用に脚色した腕前もお見事。(・ω・)bグッ CGや特撮など一切使っていない、まさに演技と言葉で見せる "映画" です。 |

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