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【SWEET SIXTEEN】 Sweet Sixteen イギリス・ドイツ・スペイン 2002
監督 ケン・ローチ 製作 レベッカ・オブライエン 脚本 ポール・ラヴァーティ 出演 マーティン・コムストン / ウィリアム・ルアン / アンマリー・フルトン / ミッシェル・クルター 他 2002年 カンヌ国際映画祭脚本賞受賞 (ポール・ラヴァーティ) ケン・ローチ監督の作品には、移民や労働者階級の人々のドラマを描いてることが多々ありますが、どれも「真摯な眼差しで見つめた・・・」と言う社会派が特徴ですよね。 言い換えれば、ちょっと真面目すぎるきらいもあるんですが。 こちらは、スコットランドの片田舎に暮らす15歳の少年の想いや叫びを描いた一作。 主役の少年リアムを演じるのは、これがデビュー作となったマーティン・コムストン。 この後、『明日へのチケット』 ('05) でもジェムジー役で出演してましたね。 この15歳の少年リアムの置かれた環境が過酷といえば過酷。 母親ジーン (ミッシェル・クルター) は、ヤクの売人である恋人スタン (ゲイリー・マコーマック) のせいで服役中。 少年リアムは友人のピンボール (ウィリアム・ルアン) と共に学校へも通わず、闇煙草を売りさばいて好き勝手に過ごしてるんですね〜。 一緒に暮らす実の祖父も、母の恋人スタンとつるんでヤクを売りさばき リアムにツラく当たる毎日。 スタンたちと仲違いしたリアムは家を飛び出し、姉シャンテル (アンマリー・フルトン) の元で世話になるんですが、この姉は母親ジーンを嫌って独立したシングル・マザー。 弟リアムの無茶な行動に釘を刺す役目を担ってますが・・・。 リアムの想いは、またその行動は一貫して、"母親と共に、一家揃ってひとつ屋根の下で暮らしたい" という気持ちなんですね。 15歳と言えば、思春期と言えど まだまだ甘えたい年頃。 母親の愛情を求める年齢ですよね。 そんなリアムは、母親が出所したら共に暮らす一軒家の購入を思い立ち、もっと金を稼ぐためヤクの売買に手を染めます。 このあたりが直情的と言うか何と言うか・・・しかしこういう環境で育てば、その道に行くのが通常の事かも知れない。 でも賢い姉のシャンテルは違うんですよ。 母親ジーンの本性を理解してる故に家を飛び出し、シングル・マザーとして子供を立派に育てようとしてます。 そして弟リアムの行動に危惧を抱くわけなんですが、やがて姉の危惧は現実のものとなるのです。 どこの世界でもヤクに手を染めたら半分人生は終わったも同然。 リアムは、母親ジーンと恋人スタンを反面教師として見るだけの余裕も無かった。 ただ普通の少年と同じで親の愛情を求める気持ちだけだった。 リアムの場合はその想いが強すぎたんですね。 機転が利くリアムに嫉妬して、自分を哀れむだけでしか居られない友人のピンボール。 バカで哀れなピンボール。 こういうヤツも居るんですよ、実際。 でもその友情関係も判る。 ここに描かれてることは全部、リアムの行動や気持ちは理解できるだけにイタい。 胸が張り裂けそうになると言っても大げさじゃなかったドラマでした。 姉のシャンテルがリアムにいう言葉、『もっと自分を大切にしなさい』 これよく聞く言葉ですが、言い換えれば 『自分を愛しなさい』 と云う事なんですよ。 自分のことを愛していれば、無茶したり 自分を哀れんでいる暇なんかありません。 より良い人生を送ろうと、思考もおのずとプラス方向に行く。 そんな無軌道な若者へ向けたケン・ローチ監督のメッセージが含まれた作品だと思います。 ホンの、ホンの僅かに残る "希望" が垣間見れるラスト。 その日がリアムの16歳の誕生日と言うのが、なんともツラいものがありますが・・・。 |

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