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 ベルナール・スティグレール「象徴の貧困」を再読。
 「象徴の貧困、消費時代における象徴的なものーグローバルな象徴の貧困」が腑に落ちた。

 マーケティングは労働力などマルクスが考えたもの全てを再生産することではなくなり、消費者の需要を再生産し細分化する。
 労働一般は現実原則だ。プロレタリアの労働は全く芸術的ではない。それは欲求不満や欲動を搾取した結果としての荒廃である。
 それはテクノロジーがインダストリアル化したことで、インダストリアル戦争が可能になったからだ。不可避的に労働と労働外のインダストリアル的な分裂がもたらされる。それは生産者と消費者の対立になり、彼らの欲望を抹殺する。だから資本主義によって、最も憂慮すべきインダストリアルエコロジーの問題が生じる。よって、人類のメンタル・知性・情動などの能力がこの資本主義によって大幅に脅かされ、人間のグループが未曾有の破壊兵器を所有する今まさに起こっているのだ!
 このエコロジー的危機は、世界を覆う巨大な象徴の貧困であり、北にも南にも等しくダメージを与えている。この現状は象徴的なものの瓦解を引き起こすにちがいなく、社会的なものの崩壊、つまり全面的な戦争状態へと到るのだ!
 光文社より新装版でトロツキー「レーニン」が刊行されたので、再読した。

 昔の河出の版は文字も小さくて、読みずら買ったが、この新装版は文字も大きくなり読みやすい。

 「序文」
 「レーニンと旧『イスクラ』」
 「一九一七年十月」
 「人間レーニン」
 までが、従来の構成で、これに『付録』として「マルクスとレーニン」など5つのエクリが追加されている。
 
 トロツキーとレーニンとの最初の出会いから、レーニンの死去まで、レーニンを等身大に描き出している。レーニンと言う巨人を映し出す唯一の巨大な鏡であったトローツキーにだけに出来たことだ。
 「人民委員会か、いいじゃないか。革命の匂いがする」(205ページ)
 「レーニンは狂喜し、声を上げたり笑ったり手をこする仕草で喜びを表現した。『うむ、こういうやり方もあるな。権力が取れさえすればいいんだ』」など等。

 付録「4 過剰な熱意ー批判者への反論」に少々取り上げられている、スターリニズムの歴史的歪曲を乗り越えて、プロレタリア革命勝利へ前進する方々には必読の書である。
 本書は闘い、行動する哲学者=ベルナール・スティグレールの愛するということ―「自分」を、そして「われわれ」をの日本語訳版である。

 「自分を愛する」とエクリされているからといって、決してナルシズムに陥ってはいない。

 この『ハイパーインダストリアル』時代、「愛すると言うこと」を喪失し、自暴自棄的になっている

人々に贈られている。

 僕たちや、スティグレールとあまりにもかけはなれたところにある人たち-- 2002年の仏大統領選

挙で極右=ルペンの国民戦線に投票した人たち(彼らがスティグレールの書籍を読むとは到底思えないに

しても)--にさえ呼びかける。

 前半で取り上げられているリシャール・ヂュルンの事件は、記憶に新しい秋葉原連続殺人事件を髣髴と

させる。彼らが絶望せずに戦う気持ちになっていたら、この社会は大きく変わる。

  スティグレールは言う。「第2次世界大戦後、精神の歴史に大きな変化がもたらされた。(中略)そ

れは「彼の死」であり、ヘーゲルやマルクスが「神の死」と示したもの。つまり、産業が意識(良心)を

奪取したということ。」であると。

 <DAS MANN> 私は他の「私」たちとマルクス的なフェティッシュ一般に関わる共通の暦を共有する。マ

ルクスは商品と言うものを本質的にフェティッシュとして考えていた。

 ところで、『私』たちのシンクロとはそれと「われわれ」の差異が抹消されるような全体主義のこと

だ。今日と言うまさに反動主義の蔓延る時において、困難な道のりの始まりにおいて悪を告発するだけで

はなく、「われわれ」が諦めるのではなくて、批判し、新たなものを創造し、取り組んで戦おう!

 スティグレール象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代とあわせて、ぜひ読みたい闘争の書である。
 ジャック・デリダ亡きあとを受け継ぎ、デリダの正等後継者であるベルナール・スティグレール
「現勢化―哲学という使命」を読了。

 本エクリチュ−ルで、スティグレールが哲学者になった契機が分かるが、それは読んでみての楽しみにしておこう。
 スティグレールのアクトは非常に積極的で力強い。いまや、ヨーロッパ哲学界になくてはならない存在である。彼の最近のアクトは多くのウェブサイトで知ることが出来る。

 <ヒュポムネーシスと死にゆく定め>が特に興味深い。
 プロメテウスの例を引いて、「人間に与えるべき特性を忘れられて、彼は火を盗む。それは、根源的欠陥を補う為のアクトへの移行であった。以来、この欠陥・欠如という痛手を与えられているのが、われわれ人間である」と。

 「死すべき存在」であるわれわれ人間は、自らの「死にゆく定め」を意識する存在である。

 その「死」とはいったい何か? ということが哲学的に非常に知りたいわけであるが、それは「死を与えられ」なければ分からない。そのことを考え続けた池田晶子さんも「死を与えられた」

 スティグレールはエクリする「起源には根源的欠陥しかなく、人間は生まれながらの特性を持たない以上、欠如としてしか存在しない」、と。

 要するに人間は人間になってゆく、ということだ。

 人生も折り返し地点を過ぎ(いつ「死を与えられる」か分からないが…)、現在、人生の整理縮小を行っている。物はもう要らない。どしどし捨てよう。本当に必要なのは愛情と友情だと思う。

 ベルナール・スティグレール、今後も動向に注目に値する哲学者である。

 DE JL1UTS 2008.08.28記

 「われわれは、今こそ『資本主義の限界は<資本>そのものの中に存している』というマルクスのテーゼを掲げなおすべきである」
 然り。今や終末期資本主義(後期資本主義)は断末魔の苦悶にあえいでいる。<戦争・貧困・環境破壊>の相互転換および、民衆へそのつけを転嫁しながら。

 資本主義の危機は、不断に新植民地化を推し進め、再帰性の産物ではなく実態的存在という最後の抵抗領域にまで侵食の手を伸ばす。

もはや資本主義に未来は全くない。

 
その内的限界が露呈し、自己の外部にあって糧とすべき実態を全て喰いつくし、もはや何も残らぬ状態に到った時、資本主義は内部崩壊を起こし終焉を迎えるのだ。

 もはや『生き血をすする吸血鬼』たる資本主義には、すする血さえ残されていないのだ。

 (後期)資本主義の自己崩壊を待たず、人民により、その生命に最期的止めを刺し、消滅させるのでなければならない。

 本書P164から167にエクリされている、スターリニズム(スターリン主義)のテロルを乗り越え、今こそ、真のマルクス主義の大道を復権させるのでなければならない。

 例のごとく他のエクリと重複する箇所もあり、ラカン的分析用語のジジェク節が炸裂するが、本書は読みやすくて腑に落ちた。

 マルクス・レーニン主義の先導者であるジジェクに学ぼう。

 DE JL1UTS 2008.08.24記

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