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11月2日(火) 朝8時に起きる。 家が雨漏りしている夢を見た。この原因はたぶん、昨日鍾乳洞で、天井からポタポタと水滴が落ちてくるのを見ていたせいだ。それとつながる記憶が雨漏りだなんて、すっかり「ふるやのもり」がトラウマになってしまった模様。やれやれ… 7階(日本で言う8階)の部屋からの眺め。天気はどうにか持つか…? 残念ながら好天には恵まれなかったが、そうひどい雨にもならないようなので、予定通りブレッド湖へ出掛けることにする。 ブレッド湖まではバスで約1時間半。先にブレッド湖、その後戻ってきてリュブリャナの市内見物、そしてザグレブへ帰ることにしよう。 書き忘れたが、ヤドランさんが手配して下さったこのホテルは「パーク(Hotel & Hostel Park)」という。ここから駅、バスターミナルまで徒歩5分ほどなのだが、ちょっとだけ寄り道して「竜の橋」に行ってみることに。私がどうしても来たかった場所だ。なぜならば、竜が好きだから! 4匹の竜に守られた橋。竜はリュブリャナの象徴で、市章にも描かれている。 カッコイイー!!曇天が背景の方が迫力あるかも…。降り出した雨にも負けず、夢中でシャッターを切る。 背中側の鱗も格好いい。ちなみに、正面顔はちょっと「大巨獣ガッパ」似です。 欄干の街頭は、小さな眷属(?)達が支える。グリフォン…だよね? 鉄道駅のすぐ前にあるバスターミナルで、ブレッド行きのチケットを購入。ターミナル内のパン屋でチョコパイと水を買って、手早く朝食とする。 バスは9時半に出発し、ブレッドへと向かう。市街を抜けてからは、延々のどかな田園風景が続く。畑、牧場、草を食む牛や馬、林、山間の村…。雨にしっとりと濡れた緑が目に心地いい。 いかにもスロヴェニアらしい、美しい緑の風景に見入っているうちにあっという間に1時間20分が過ぎ、ここで湖まで行くバスに乗り換えることに。すぐ前に停車していたバスで、運転手さんが「あれだよ」って教えてくれた。 乗り換えて間もなく、バスはとうとう目的地に到着。バスターミナルの裏手からズンズン坂を下って行けば、いよいよ「アルプスの瞳」、ブレッド湖が目の前にその姿を現す…! 霧の摩周湖…じゃなかった、ブレッド湖… 湖にはカモや白鳥などの水鳥たちがたくさんいて、彼らの鳴き声が静かな湖畔に響いていた。 対岸にそびえ立つブレッド城と聖マルティン教会。天気が良ければ、左手背後に遥かトリグラウ山も望めたはずなのだが… 湖の周りは遊歩道となっており、歩いて一周することができる。所々にベンチ、そして印象的な造形のゴミ箱が。 遊歩道に沿って時計回りに進んでいくと、湖に浮かぶ島(ブレッド島)へのボート乗り場が見えてきた。人がいるので、一応営業はしているようなのだが… ボート達も客待ち顔に退屈そうだ。 島には興味深い謂れのある聖母被昇天教会があり、是非訪れてみたい所ではあるのだが、今回はパスした。どうせなら天気が良く、眺めのいい時に行ってみたい!既に私は、日を(もしくは季節を)改めてこの場所に再戦する気満々であった。 というわけで、さらに歩みを進めていくことに。 見事に紅葉したツタに覆われたホテルの建物。 湖のシンボル、ブレッド島!何だか深山幽谷として水墨画の世界のようなことに… ブレッド島、ヒキで!ああぁ〜、どう撮っても絵葉書と違う〜!(涙) 口惜しいので、この日のベストショットをどうぞ。 紅葉が綺麗な遊歩道を歩いて行く。湖周辺の景色も美しい。この辺り一帯は、本当に風光明媚な所なのだ。 カメラを持った観光客に混じって、地元の人達がウォーキングしたり、犬を連れて散歩したりしている。こんな所が日常生活の範囲だなんて、何だかすごくうらやましいし、不思議な気がするなー。 この角度から確認できる、教会に続く99段の階段。この教会で結婚式を挙げるカップルは、男性が女性を担いで(抱き上げて、か)登りきらねばならないのだとか。トレーニングとダイエットに励むご両人、ご苦労な事です。 厚い雲の向こうが、少し明るくなってきた。湖は周囲の全てをくっきりと映し出す。 鏡のような湖面を見ていると、私のような人間は次第に内省的な気分に駆られてきて…「片道切符を買ったのも何かの暗示だったのか?」と物騒な考えが頭をよぎる。おいおい、飛び込むなよ!(寒いし怒られるし、白鳥に頭をつつかれるよ!) 未練がましく振り返ってブレッド島をもう1枚。青い空と湖…やっぱり見たかったなぁ…! 遊歩道から見られる様々な景色。湖に流れ込む川や… 紅葉に色付いた山々… こちらも見事に赤く染まった湖畔の並木など…いずれも美しい。 断崖の上に立つブレッド城への登山口は閉鎖されていた(もう一つの登山口も同様)。 ブレッド湖周辺の景観を一望するためには、残念だが、季節を改めて訪れた方が良さそうだ。 聖マルティン教会。登山口の近くに位置する。 入り口には、物乞いに自らの外套を切り裂いてその半分を与えたという騎士マルティンの逸話にちなんだレリーフが。 教会内のステンドグラスがとてもリアルで、非常に美しかった。 さてさて、湖を見ながらついゆっくりと詩作に耽っていたため(激しく嘘)、もう昼も大分回ってしまった。近くにいくつか食べる店があるので、遅めの昼食にしよう。 訪れたのは「Murka/ムルカ」という店。内装や食器なども可愛らしく、とても雰囲気の良いお店だ。 これはハロウィン仕様の飾りだね。可愛くてお店の雰囲気ともピッタリだ。 木の板に挟まれたメニューもイイ感じ♪ このメニューにはとても感心した。日本では一般的だがこちらではあまり見かけない、料理の写真付きのメニューだ。これはとてもありがたいサービス! サービスのパン(ナッツ入りで美味!)、そしてヌードル入りビーフスープ。これだけでも十分満足してしまいそうだ。 だがメインはコレ!ブレッド湖名物、マスのグリル!オリーブオイルとニンニクとハーブのたっぷり効いたソースをかけてね♪ マスの身は肉厚で、全く臭みも無く、クセのない味。これにかけるソースがまた美味くて、ノンストップで食べてしまう。白いご飯にも、きっと合うよ、これ! ここまで食べ尽くせば、きっとこのマスも成仏してくれたと思う。 大満足の食事を終え、湖畔に戻って少し歩けば、最初の地点に戻って湖一周を達成だ。 この時点で午後3時半近く。ずいぶんのんびりと歩いてしまったので、食事時間や教会の見学時間も含めて、到着から4時間以上経っている。 たくさんのカモや白鳥が湖から上がって、水を飲んだり草を食べたりしていた。 水を飲む白鳥。白鳥の首って、こんな風に伸びるんだなぁ。 何かヘンな写真が撮れてしまった。勿論、背中に乗っているわけではナイ。 今日はあいにくの天気だったので、せめてもという事で、土産物屋で美しいブレッド湖の風景を収めた絵葉書を買う。いつかはこれと同じ眺めを、自分の目で見てみたいと思う。 4時半のバスを待ち、リュブリャナまで戻ると既に6時近く。もうほとんど真っ暗だ! これはもう、リュブリャナ観光は諦めて帰るしかない。朝、竜の橋だけでも先に回ったのは正解だったな。 ただし、これは私が本当に湖でダラダラと過ごしていたためである。「ブレッド湖+リュブリャナ観光」は、やろうと思えば十分1日でできる(勿論、周辺地域までじっくり味わうためには、それぞれに1泊、何ならブレッド湖に2、3泊してもいいぐらいだ)。 リュブリャナの市内観光も次回への持越しとして、そのまま隣接する鉄道駅に向かう。 帰りの列車の時刻を調べてこなかったが(ええーっ!?)、運よく40分後のユーロシティに乗れた。 さあ、懐かしのザグレブへ帰るとするか!(わずか1泊だったが、なぜかそんな気分) 帰りの車窓は真っ暗だった。 2日間、初めて訪れたスロヴェニアで、色々な事があり、色々な物を見た。 リュブリャナの街、洞窟城、ポストイナ鍾乳洞、ブレッド湖…人が作った物、自然が作ったもの…。 食べ物の美味しさにも驚いたし、真面目で親切なスロヴェニアの人々と言葉を交わすこともできた。 そして、ヤドランさんとの出会いは、自分にとって非常に大きな意味を持つものになった。 スロヴェニアとクロアチア、とても近くて似ているけれど、でもやっぱり確かに違う。明らかな一線がある…そんな事を肌で感じた。これは実際に来てみなければ分からなかったことだ。 しかしまだまだ、ほんの入り口を見ただけだ。スロヴェニアにはまだまだ美しい場所があるし、ブレッド湖にももう一度訪れてみたい。 「また来なきゃならんなぁ…」
私はこの2日間の事を思い出しつつ、早くも再訪を決意していたのだった。 ありがとう、スロヴェニア!! |
スロヴェニア
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日本でちまちま仕事をしているのがバカバカしくなりますね。
時間が過ぎるのもゆっくりなんだろうなあ。
先輩からいろいろ学んだことでしょう。
毎日勉強で楽しそうですね。
2010/11/7(日) 午後 11:00 [ おーたく ]
おーたく様
いえいえ、私もこちらでちまちま仕事をしておりますよ(笑)
ザグレブのカフェで過ごす人達を見ても感じることですが、やはりもっと小さな町や村、のどかな田園の風景などを見ると余計に、ゆったりとした時の流れを確かに感じますね。しかも、ずーっと昔からこれが続いているんだろうなぁ…という。自然と調和した生き方、暮らしを目の当たりにすると、自分がすごく異常な生き方をしているようにも思えてきます。うーむ…。
スロヴェニアでの体験は、自分にとって本当に大きかったです。大先輩のお話は、一言一言が自分にとってすごく重みを持つものでした。
でも、ヤドランさんはとても楽しい方ですよ!おーたくさんと、スロヴェニアでの宴会を楽しみにしていらっしゃいます!^^
2010/11/8(月) 午後 4:37 [ Hide ]
あぁ、とっても楽しかったぁぁ!!
若い頃は、とにかくあちこちを巡る、いわゆる観光旅行が好きでした。
好奇心を抑えられなくって。
でも今は、こんな所に1週間くらい留って、ゆっくりと時を楽しめたらと、本当に憧れます。
ところで、「洞窟城」や「竜」や「湖畔の景色」を見せて頂き、
欧州(欧米)ファンタジーやSFの由来をつくづく感じました。
彼らにとっては身近な風景・文化なんですねぇ。
余談ですが、有楽町にゴジラの像があるのはご存知ですか?小さいですけれど。
2010/11/9(火) 午後 9:16
文月様
ありがとうございます。楽しんで頂けて嬉しいです!^^
旅に出たら、町から町へ、たくさんのものを見て回りたいという気持ちも分かりますし、拠点を定めて滞在し、ゆったりした時間を楽しみたいという思いも分かります。
スロヴェニアもクロアチアも、美しくて、時間がゆっくりと流れる所ですから、1週間ぐらいのんびりと滞在を楽しむにはうってつけだと思いますよ!
洞窟城や湖に浮かぶ島なんて、ファンタジー世界からそのまま飛び出してきたような風景なのですが、私は初めてクロアチアに来た時、街を見て感激したんです。街を囲む城壁、大聖堂、竜退治の騎士像…子供の頃ゲームで親しんでいた中世ファンタジーの世界観そのままでしたから。「あの世界が現実にある!」って感じましたよ(ニンジャ・ムービーを見た後日本の城とか見て喜ぶ外人さんと同じレベルですが^^;)。
私、実は怪獣(恐竜も)大好きでして、自宅にゴジラのフィギュアとかたくさんあるんですよね^^;
でも、有楽町のゴジラ像、知りませんでした!早速画像検索してしまいましたよ(笑)日比谷シャンテの前にあるんですね。今度都内に出る時、行ってみます!
2010/11/10(水) 午後 4:36 [ Hide ]