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12月8日(水) - - - - - - 昨日のバス乗り過ごし事件のダメージを幾分残しつつ起床。 まずは朝食のため、ホテルのレストランへ…今回の宿泊プランでは、宿泊料(1泊30ユーロ)に朝食が含まれているのだ。 パン、ソーセージ、ハム、卵料理、チーズ、果物などが数種類ずつ用意された、王道のバイキングスタイル。よし、とにかく食べて、元気出そう! 肉食獣の食事。 苦手な卵料理と乳製品を避けたら、肉加工品のオンパレードになってしまった。サラダ類が無いな…たまたまタイミングが悪くて切れていたのか? ハムもソーセージも、シンプルだけど、味はどれも美味しかった。それぞれ4種類ずつあって、味や脂分に違いがある。鶏のソーセージ、あっさりしててウマかったな。 ドリンクの表示に日本語の表記が! ココPに見えるのはご愛嬌。 今、日本からの団体さんが来ているようなので、そのためかとも思ったのだが、給仕係の女性に聞いてみた所、この日本語表記は常時出ているとの事。 このホテル、日本人客の利用が多く、冬にもたくさんの日本人が訪れるそうなのだ。 そういえば、ヨーロッパのツーリストは夏のバカンスの時季に集中しているけど、日本人は比較的年間を通じて観光に訪れる…という話をどこかで聞いたような気がする。 部屋に戻って、出掛ける支度を整える。 このホテルにあと3泊するので、荷物は部屋に置いておく事ができる。身軽に移動できるというのは非常に嬉しいポイントだ。 今日の目的地は、イストラ半島の町、ポレチュ。一度、例の32番のバスでリエカに出て長距離バスに乗り換え、そこからポレチュに向かう行程である。 9時半過ぎにホテルを出発。いつ雨が降り出してもおかしくない空模様だ。 32番バスは、昨日ほどではないにせよ、今回も混んでいた。通勤時間帯にぶつかったか?やっとリエカに到着した時には既にグッタリ…30分って、結構長い。 バスターミナルでポレチュ行きのチケットを買った後、付近を散歩したり市場や店を覗いたりして乗り継ぎ時間を潰す。 12時にリエカを出発し、約1時間半でポレチュに到着。 移動の途中で雨が降り出していた。ポレチュのバスターミナルから旧市街へと向かう。 7本の通りが合流する自由(スロボダ)広場。 ポレチュはローマ時代の都市計画に基づいて作られた、古い歴史を持つ町。歴史的遺産を多く残した旧市街は小さな半島状に海に突き出しており、自由広場から西に向かって伸びるデクマヌス通りがメインストリートとなっている。 旧市街への入口、五角形の塔。 この塔は、かつて旧市街が城壁で囲まれていた頃の名残。現在城壁の大部分は失われているが、当時城門の要塞だった塔の部分だけが、こうして現在もその姿を留めているのだ。 旧市街の通りは、ダルマチアの街と雰囲気が似ている。 メインストリートからやや北へ路地を入った一画。周囲の建物と調和して静かに佇む世界遺産… この町最大の見どころ、「エウフラシス・バシリカ」である。 バシリカとは初期キリスト教建築の様式で、6世紀半ばに聖堂を完成させたエウフラシス司教の名が冠されている。 作られた時代や、建築群として価値が高いという点で、日本の法隆寺と似ているかも知れない。法隆寺に金堂、五重塔、夢殿などが含まれているように、エウフラシス・バシリカには聖堂、中庭、洗礼室、大司教邸宅が揃っており、このため「聖堂建築群」とも訳され、その価値が認められている。初期キリスト教建築の秀逸な例とされ、1997年に世界文化遺産に登録された。 聖堂の奥に輝くのは、後陣の内壁に施されたビザンチン時代のモザイク。 上部には中央にキリスト、その左右に12使徒が描かれている。下部、ドーム部分の中央に配されているのは聖母マリアで、左から2番目の黒衣の人物がエウフラシス司教(手に教会の模型を抱えている)。 祭壇の天蓋は13世紀に作られた物で、こちらも庇部分にモザイクが施されている。大理石の柱のアーチ部分には、植物や鳥をモチーフにした美しいレリーフが施されている。 場所柄失礼かとは思ったが、撮影時フラッシュを使わせて頂いた。曇天のせいか、実際は聖堂の中がかなり暗かったのだ。 壁画やモザイクをよく見るためには、窓から光がふんだんに差し込む晴天の日中に訪れるのがよさそうだ。 聖堂入口付近の床に遺されたモザイク。 聖堂外壁に施されたモザイク。 教会敷地内には、聖堂に隣接して建てられた博物館もある。この教会が建てられる以前にあった教会跡が保存されており、そこでもモザイク美術を見る事ができるという話だったのだが… 無情にも閉ざされた博物館への扉。 「事前連絡によって見学も可」のような事が書いてあったので、一応記された連絡先に電話してみた所、「今のシーズンは休館。20人以上の団体で事前連絡があった場合のみ見学可能」との事。ダメだ…。 よく写真で見るこのお魚さんのモザイクが見たかったのに… 回廊と鐘楼。鐘楼の上からはポレチュの街と海が一望できるらしいが、こちらも冬期クローズ。 無念じゃ…。 尚、私が見学している間、他の見学者が一組しかいなかった事を付け加えておく。夏には聖堂に入る順番待ちで列ができるほどだと聞くが…。 ゆっくり見学できた事は嬉しかったが、人気がなく、ひんやりと湿った石の匂いがする暗い聖堂は、少し寂しげな気配だった。 その後、地図を見ながら旧市街を一周するも、気が付いたのは、とにかくどこもクローズという事。イストラ半島を代表する観光地だけに、土産物屋もレストランもたくさんあるのだけれど、とにかくクローズ。どこもかしこもクローズ! 水族館!ここは「OPEN DAILY」って書いてあるぞ。 おぉ、ここですな! と思いきや、4カ国語で休館をアピールされる。 クリスマスの装いの地方博物館も… 改装中につきやっぱり休館。 ネプチューン神殿跡も閉まっていたが… 外から写真だけ失礼します。それにしても、観光客らしき人をとんと見かけない。 ぐわあぁぁ!どれも美味しそう…しかし、このレストランも休業中(涙) そしてもう一つ気付いた事は、この街には猫が多い。 街の猫としては精悍すぎる容貌。 小雨の中、気にせず散歩してる猫もいれば、雨宿りしてる猫もいた。 この港の景色も、夏には全く違った様子を見せるのだろう。 晴れ渡った空を映す真っ青な海、そして活気あふれる旧市街の通り…。 ああ、もったいない!来る時季を完全に間違えた。 冬の観光にもそれなりのメリットはあるけれど、私個人の感想では、ポレチュに限って言えば、絶対に夏のシーズン(5月〜9月)に来た方がいい。 惜しい事をした。何より、これ程あらゆる施設が休館・休業しているとは知らなかった。 全然勉強にならなかったのが悔しい(そういう事実も、実際この時季に来てみなければ分からなかった事ではあるのだが)。 ともあれ、必ず季節を改めて、再びこの町を訪れなくては…と、早くも決意する。 さて、こうなればもう、あとの楽しみは食べる事だけだ。 幸い、自由広場近くの「Cotton Club/コットン・クラブ」というレストランは営業中だったので、ここに入る事にした。 パブの奥が食事スペース。とても感じの良いウェイターさんが案内してくれた。 ポロや乗馬をモチーフとした絵画やインテリアが特徴的。 サービスのパンが変わっていて、すっごく美味しかった! 薄いフォカッチャと言えばいいのか。薄いプレーンのピザ生地みたいな感じで、外はふっくら焼けており、中はモチッとしてる。うっすら塩味がついていて、何枚でも食べられてしまいそうな軽さ!これだけでも美味しいが、オリーブオイルをつけて食べると、もうこれだけでお腹いっぱいになってもいいと思えるぐらいに美味いのだ。 メインのシーフードリゾット。いろんな意味で豪快な見た目! 程よく芯の残った米が一粒一粒立っていて、食感がとてもいい。ハーブの効いた濃いめの味付けが食欲をそそる。具のイカや貝も、海鮮やトマトのエキスをこれでもかとばかりに吸っている。美味い!エビも頭から尻尾まで、しっかりと中身がつまっていた。他のお客さんが周りにいないのをいい事に、エビの頭部分を外して、根元から中のミソをジュージューすするというワイルドな(お行儀悪い)食べ方をしてしまった。レモン水の入ったフィンガーボウルを出してくれたおかげで、ためらいなく素手でバリバリ食べる事ができた。 料理の味も店内の雰囲気も良くてスタッフも親切。とてもいいレストランだった。大満足! 観光が不発だったため、せめて絵葉書でも買っていこうと店を探したのだが、営業してる土産物屋が全く見付からない。キオスクはあったが絵葉書は置いておらず、結局買い求める事ができなかった。どこかの町に行って絵葉書一枚も買えなかったなんて初めてだ…。 夕闇が迫り、イルミネーションが灯る。正面に見えるのが、自由広場に面して建つ聖ドミニク教会。 早めにバスターミナルに行って帰りのチケットを買い、そのままバスを待つ。 往路と同じくリエカでバスを乗り換える。タイミング良く19:05発のバスが来て、今度は座る事ができた。 昨日の苦い経験が頭をよぎる。外はもう真っ暗で、景色を見ていても、どこを走っているのかサッパリ分からない。あらー、これはマズい。時間から察するに、到着まであと少しだと思うのだが…。 少々焦りながら、近くの席の初老のご婦人に声を掛けてみた。「すみません、ここ、オパティヤですか!?」 「今オパティヤに入った所よ」との答えと、ご婦人の穏やかで上品な雰囲気にホッとした。私がさらに「自分の泊まるホテルまで行きたくて…ホテル・オパティヤという所なんですが…」と言うと、「ああ、ホテル・オパティヤね。私はその先まで行くから、着いたら教えてあげる。大丈夫よ」と優しく微笑みながら言ってくれた。助かったぁ! 彼女はその後も私に、「もうすぐ着くわよ」、「ほら、あそこの上にホテルが見えた」と声を掛けてくれ、私が降りるべきバス停に着いた時、「ほら着いた。ここよ!」と優しく教えて下さった。 おかげで失敗を繰り返さずに済んだ。どうもありがとうございました!お礼を言って、バスを降りた。 ポレチュ観光には課題が残ったが、最後に温かいご親切を受け、嬉しい気持ちで旅を締めくくる事ができたのだった。
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