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11月3日(水) - - - - - - 昨日、結局部屋に帰り着いたのは、夜11時半に近かった。 列車がザグレブの駅に到着したのは9時5分前。計算が合いません。 実はザグレブに戻った後、帰りの列車のコンパートメントで一緒だったおじさんと飲みに行ってしまったのだった。あははは〜♪ まあ、仕事は明日からで、今日はもう1日お休みなので、大目に見て頂くとしよう。 そのおじさんは、ドイツからの帰りだった。 お互いの自己紹介とか、おじさんの昔と今の苦労話とか、例によって私のクロアチア語はガタガタだったけど(聞くのも話すのも)、おじさんは根気よく、時に簡単な英単語を交えながら話をしてくれた。 会話する時の感じ、向き合った感じから、心根のすごく優しい、人情味豊かな人だなぁというのが伝わってきた。 私の会話スキルからして、ロクな話ができていたとも思えないのだけど、おじさんは何故か私のことを気に入ってくれたみたいで、ザグレブに着いたら、トレシュニェヴカ(私の泊まっているアパートメントホテルがある一画の名称)にある店に飲みに行こうという事になった。 列車がザグレブ駅に着いた後、おじさんは駅構内のカフェにいる友達の所で両替。そこで、私にコーヒーをおごってくれた。 このおじさんと知り合った。 その後、駅からトレシュニェヴカまでトラムで行くことにして、さっきコーヒーを(しかも2杯)おごってもらったので今度は私がトラムのチケットを2人分買おうとしたのだけど、おじさんは頑として私にお金を払わせてくれなくて、ここでも私の分までチケットを買ってもらってしまった。 ホテルの最寄りのトラムの駅、トレシュニェヴカ広場で降り、私達が行ったのは、道を一本渡ったところにある小さなバーだった。おじさんの友達がやっている店だという。 中には既に5人ほどお客さんがいて、お店は女性主人が切り盛りしていた。この方がまた、いかにも飲み屋のおかみさん然とした(いや、もうちょっと色気のある感じかな?)温かみのある素敵な方で、すごく懐の深い、優しい人だなぁーというのがすぐに分かった。 ここで私は、「bambus/バンブス」と呼ばれる赤ワインのコーラ割り(クロアチアではワインやビールを色々な飲み物で割るのが好まれる)を飲んだり、「travarica/トラヴァリツァ」という薬草を漬けたラキヤ(かなり強い)をガーッと空けて目が回って口から火を吹きそうになったり、それでご主人が笑いながら出してくれた水と甘いケーキをご馳走になったりしていた。 おじさんや他のお客さん達も、楽しそうに飲んだり喋ったり歌ったり笑ったりしていた。まあ、この辺りの雰囲気は万国共通かも知れない。 それにしても、このおじさん、すっごくいい声、いい喉をしてたなぁ〜!深みのある、ムーディーな声で、歌が上手だった。これはちょっと、特筆物かも知れない。 そうこうするうちに時間は11時を回って、閉店時間となった。 結局ここでも、全部ご馳走になってしまった!!どうしよう、もう会えるチャンスも無いかも知れないのに…。でもおじさんはニコニコして、私から断固としてお金を受け取ってはくれなかったのだ。 私には、心を込めてお礼を言うことしかできなかった。 私達は店を出、ご主人も店を片付けて戸締りをする。「近くだから、またコーヒーを飲みに来ます!」と言ってご主人と別れた。 道の角の所で、おじさんともお別れ。電話番号をくれて、「ザグレブで何か困った事があったら、いつでも電話するんだよ!」と言ってくれた。 道を渡ったところでもう一度手を振って、私は懐かしの我が家(ホテルだけど)へと戻ったのだった。 何だかすごく、いい気分だった(酒のせいばかりではなく)。 - - - - - - と、昨夜はそんな感じだったのだけど、別に二日酔いにもならずに目が覚めた。 雨は降ってないけど、曇り。 この日は一日中外出しないで、部屋でゴロゴロしていた。あ、いや、また明日からの仕事に備えて、英気を養っていた。チャージしてたのだ。 それと、スロヴェニアで撮りまくってきた写真の整理をしたり、下書きのまま途中になっていたブログの記事を仕上げたり…。 食事も買ってあるもので済ませた。シリアルとスープ。 「Lino/リノ」というシリーズのシリアル。この小熊のキャラが可愛い(このキャラの名前もLinoという)。 中身のチョコはパッケージの絵ほどトロトロではなく、断面はこんな感じ。 Linoは、スープや調味料(ヴェゲタが有名)や私のお気に入りのトマトジュースでお馴染みのポドゥラヴカ(Podravka)社のブランドで、チョコレート味の何種類かのシリアルや、ベビーフードといった製品を展開している。 「クロアチア製のシリアルでオススメは?」と社長に尋ねたところ、この「Lino Pillows」というのがイチオシ、との事だったのだ(枕の中にチョコが詰まっているイメージですね)。 私は牛乳が苦手(アレルギーではなく好き嫌いで)なので、シリアルはそのままバリバリ食べる(家畜っぽい)。 この「Lino Pillows」も、勿論お菓子とは違うので、口当たりはちょっとバサバサしている(食物繊維っぽい感じ)。まあ当たり前か。でもボリボリ食べ続けていると気にならなくなってくる。チョコクリームとコーンっぽい味の組み合わせが美味い。割と少ない量でお腹いっぱいになるので、残りは後日食べることに。 あとはスープ。いつもお世話になっているインスタントスープです。 「地中海スープ」。星形のパスタが何とも可愛らしい。無意味にハッピー! 地中海とは言っても、魚介スープというわけではない。動物由来の素材は入っていないと書いてあった。野菜と、地中海のスパイスからできているとのこと。「地中海のスパイス」って何だ?ある種のハーブとかかな? スープの味は、美味い。この星形パスタが結構いっぱい入っていて、まとめて食べるとモチモチしていい感じだ。気に入った。また今度買って来よう。 あぁ、このインスタントスープシリーズもポドゥラヴカが出しているんだった。 今や私の体の細胞の半分はポドゥラヴカでできていると言ってもいいかも知れない。日本に帰ったら、ポドゥラヴカ無しで生きていけるだろうか? さて、明日はまた社長とクライアント回りだ。先週行ったお店をもう一度訪れて、今回は書面で本契約を交わすのだ。
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11月2日(火) 朝8時に起きる。 家が雨漏りしている夢を見た。この原因はたぶん、昨日鍾乳洞で、天井からポタポタと水滴が落ちてくるのを見ていたせいだ。それとつながる記憶が雨漏りだなんて、すっかり「ふるやのもり」がトラウマになってしまった模様。やれやれ… 7階(日本で言う8階)の部屋からの眺め。天気はどうにか持つか…? 残念ながら好天には恵まれなかったが、そうひどい雨にもならないようなので、予定通りブレッド湖へ出掛けることにする。 ブレッド湖まではバスで約1時間半。先にブレッド湖、その後戻ってきてリュブリャナの市内見物、そしてザグレブへ帰ることにしよう。 書き忘れたが、ヤドランさんが手配して下さったこのホテルは「パーク(Hotel & Hostel Park)」という。ここから駅、バスターミナルまで徒歩5分ほどなのだが、ちょっとだけ寄り道して「竜の橋」に行ってみることに。私がどうしても来たかった場所だ。なぜならば、竜が好きだから! 4匹の竜に守られた橋。竜はリュブリャナの象徴で、市章にも描かれている。 カッコイイー!!曇天が背景の方が迫力あるかも…。降り出した雨にも負けず、夢中でシャッターを切る。 背中側の鱗も格好いい。ちなみに、正面顔はちょっと「大巨獣ガッパ」似です。 欄干の街頭は、小さな眷属(?)達が支える。グリフォン…だよね? 鉄道駅のすぐ前にあるバスターミナルで、ブレッド行きのチケットを購入。ターミナル内のパン屋でチョコパイと水を買って、手早く朝食とする。 バスは9時半に出発し、ブレッドへと向かう。市街を抜けてからは、延々のどかな田園風景が続く。畑、牧場、草を食む牛や馬、林、山間の村…。雨にしっとりと濡れた緑が目に心地いい。 いかにもスロヴェニアらしい、美しい緑の風景に見入っているうちにあっという間に1時間20分が過ぎ、ここで湖まで行くバスに乗り換えることに。すぐ前に停車していたバスで、運転手さんが「あれだよ」って教えてくれた。 乗り換えて間もなく、バスはとうとう目的地に到着。バスターミナルの裏手からズンズン坂を下って行けば、いよいよ「アルプスの瞳」、ブレッド湖が目の前にその姿を現す…! 霧の摩周湖…じゃなかった、ブレッド湖… 湖にはカモや白鳥などの水鳥たちがたくさんいて、彼らの鳴き声が静かな湖畔に響いていた。 対岸にそびえ立つブレッド城と聖マルティン教会。天気が良ければ、左手背後に遥かトリグラウ山も望めたはずなのだが… 湖の周りは遊歩道となっており、歩いて一周することができる。所々にベンチ、そして印象的な造形のゴミ箱が。 遊歩道に沿って時計回りに進んでいくと、湖に浮かぶ島(ブレッド島)へのボート乗り場が見えてきた。人がいるので、一応営業はしているようなのだが… ボート達も客待ち顔に退屈そうだ。 島には興味深い謂れのある聖母被昇天教会があり、是非訪れてみたい所ではあるのだが、今回はパスした。どうせなら天気が良く、眺めのいい時に行ってみたい!既に私は、日を(もしくは季節を)改めてこの場所に再戦する気満々であった。 というわけで、さらに歩みを進めていくことに。 見事に紅葉したツタに覆われたホテルの建物。 湖のシンボル、ブレッド島!何だか深山幽谷として水墨画の世界のようなことに… ブレッド島、ヒキで!ああぁ〜、どう撮っても絵葉書と違う〜!(涙) 口惜しいので、この日のベストショットをどうぞ。 紅葉が綺麗な遊歩道を歩いて行く。湖周辺の景色も美しい。この辺り一帯は、本当に風光明媚な所なのだ。 カメラを持った観光客に混じって、地元の人達がウォーキングしたり、犬を連れて散歩したりしている。こんな所が日常生活の範囲だなんて、何だかすごくうらやましいし、不思議な気がするなー。 この角度から確認できる、教会に続く99段の階段。この教会で結婚式を挙げるカップルは、男性が女性を担いで(抱き上げて、か)登りきらねばならないのだとか。トレーニングとダイエットに励むご両人、ご苦労な事です。 厚い雲の向こうが、少し明るくなってきた。湖は周囲の全てをくっきりと映し出す。 鏡のような湖面を見ていると、私のような人間は次第に内省的な気分に駆られてきて…「片道切符を買ったのも何かの暗示だったのか?」と物騒な考えが頭をよぎる。おいおい、飛び込むなよ!(寒いし怒られるし、白鳥に頭をつつかれるよ!) 未練がましく振り返ってブレッド島をもう1枚。青い空と湖…やっぱり見たかったなぁ…! 遊歩道から見られる様々な景色。湖に流れ込む川や… 紅葉に色付いた山々… こちらも見事に赤く染まった湖畔の並木など…いずれも美しい。 断崖の上に立つブレッド城への登山口は閉鎖されていた(もう一つの登山口も同様)。 ブレッド湖周辺の景観を一望するためには、残念だが、季節を改めて訪れた方が良さそうだ。 聖マルティン教会。登山口の近くに位置する。 入り口には、物乞いに自らの外套を切り裂いてその半分を与えたという騎士マルティンの逸話にちなんだレリーフが。 教会内のステンドグラスがとてもリアルで、非常に美しかった。 さてさて、湖を見ながらついゆっくりと詩作に耽っていたため(激しく嘘)、もう昼も大分回ってしまった。近くにいくつか食べる店があるので、遅めの昼食にしよう。 訪れたのは「Murka/ムルカ」という店。内装や食器なども可愛らしく、とても雰囲気の良いお店だ。 これはハロウィン仕様の飾りだね。可愛くてお店の雰囲気ともピッタリだ。 木の板に挟まれたメニューもイイ感じ♪ このメニューにはとても感心した。日本では一般的だがこちらではあまり見かけない、料理の写真付きのメニューだ。これはとてもありがたいサービス! サービスのパン(ナッツ入りで美味!)、そしてヌードル入りビーフスープ。これだけでも十分満足してしまいそうだ。 だがメインはコレ!ブレッド湖名物、マスのグリル!オリーブオイルとニンニクとハーブのたっぷり効いたソースをかけてね♪ マスの身は肉厚で、全く臭みも無く、クセのない味。これにかけるソースがまた美味くて、ノンストップで食べてしまう。白いご飯にも、きっと合うよ、これ! ここまで食べ尽くせば、きっとこのマスも成仏してくれたと思う。 大満足の食事を終え、湖畔に戻って少し歩けば、最初の地点に戻って湖一周を達成だ。 この時点で午後3時半近く。ずいぶんのんびりと歩いてしまったので、食事時間や教会の見学時間も含めて、到着から4時間以上経っている。 たくさんのカモや白鳥が湖から上がって、水を飲んだり草を食べたりしていた。 水を飲む白鳥。白鳥の首って、こんな風に伸びるんだなぁ。 何かヘンな写真が撮れてしまった。勿論、背中に乗っているわけではナイ。 今日はあいにくの天気だったので、せめてもという事で、土産物屋で美しいブレッド湖の風景を収めた絵葉書を買う。いつかはこれと同じ眺めを、自分の目で見てみたいと思う。 4時半のバスを待ち、リュブリャナまで戻ると既に6時近く。もうほとんど真っ暗だ! これはもう、リュブリャナ観光は諦めて帰るしかない。朝、竜の橋だけでも先に回ったのは正解だったな。 ただし、これは私が本当に湖でダラダラと過ごしていたためである。「ブレッド湖+リュブリャナ観光」は、やろうと思えば十分1日でできる(勿論、周辺地域までじっくり味わうためには、それぞれに1泊、何ならブレッド湖に2、3泊してもいいぐらいだ)。 リュブリャナの市内観光も次回への持越しとして、そのまま隣接する鉄道駅に向かう。 帰りの列車の時刻を調べてこなかったが(ええーっ!?)、運よく40分後のユーロシティに乗れた。 さあ、懐かしのザグレブへ帰るとするか!(わずか1泊だったが、なぜかそんな気分) 帰りの車窓は真っ暗だった。 2日間、初めて訪れたスロヴェニアで、色々な事があり、色々な物を見た。 リュブリャナの街、洞窟城、ポストイナ鍾乳洞、ブレッド湖…人が作った物、自然が作ったもの…。 食べ物の美味しさにも驚いたし、真面目で親切なスロヴェニアの人々と言葉を交わすこともできた。 そして、ヤドランさんとの出会いは、自分にとって非常に大きな意味を持つものになった。 スロヴェニアとクロアチア、とても近くて似ているけれど、でもやっぱり確かに違う。明らかな一線がある…そんな事を肌で感じた。これは実際に来てみなければ分からなかったことだ。 しかしまだまだ、ほんの入り口を見ただけだ。スロヴェニアにはまだまだ美しい場所があるし、ブレッド湖にももう一度訪れてみたい。 「また来なきゃならんなぁ…」
私はこの2日間の事を思い出しつつ、早くも再訪を決意していたのだった。 ありがとう、スロヴェニア!! |
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11月1日(月) - - - - - - 今日と明日の2日間、事前に休暇をもらってある。1泊2日、列車でスロヴェニアに出掛けるのだ! リュブリャナを起点に、1日目はポストイナ鍾乳洞、2日目はブレッド湖へ行く予定。どちらも、スロヴェニア観光において外すことのできない名所として有名である。日本からのツアーでは、クロアチアのツアーに組み込まれていることも多い。だから、自分も絶対に見ておきたいと以前から思っていたのだ。 ただ今回、天気予報によるとこの2日間に限って雨が降ると予報されており、その点が気がかりではあるのだが…。 実は今回スロヴェニアを訪れるにあたり、私にはもう一つ目的があった。 何と、このYahoo!ブログにおいていつもお世話になっているヤドランさんとお会いできることになっているのである! - - - - - - ◆ヤドランさんのブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/aki_jadran ◆ヤドランさんのホームページ:http://freeweb.siol.net/hasega/index.html スロヴェニア、クロアチア、アドリア海の美しい風景、素晴らしい写真が満載です。是非ご覧下さい!! - - - - - - ヤドランさんはユーゴスラヴィア時代から37年スロヴェニアに在住。ガイドのライセンスをお持ちで、旅行のお仕事をされている。 今回の滞在中、是非ともお目にかかりたい…!という私の厚かましいお願いを快く聞き入れて下さり、その上、リュブリャナのホテルまであっという間に手配して下さったのだ。 また、これは全くの偶然で、直前に分かった事なのだが、ヤドランさんの奥様とうちの社長が、何とこの秋に同じ仕事に携わっていて、面識があったのだった。不思議なご縁である。 かくして11月1日の朝。 曇り空の下、私の乗った列車は、一路リュブリャナの駅へと出発したのであった。 ザグレブ中央駅。ここから列車に乗るのは初めてだ。 国際路線のチケット売り場は、10、11番窓口。 後で気が付いたのだが、ここで失敗をやらかす。往復で買えば安かったものを、何の気なしに片道で買ってしまったのだ。あぁぁ〜!!(後の祭り) 乗るのはこの列車、インターシティ。2等は6座席のコンパートメントだ。 およそ2時間20分でリュブリャナに到着の予定である。 定刻通り9時にザグレブを出発し、まもなくクロアチア出国のパスポートコントロール。パスポートに押されたスタンプに「Savski Marof/サヴスキ・マロフ」とある、これがクロアチア側の国境駅だ。 その後検札を挟んで、今度は「Dobova/ドボヴァ」というスロヴェニア側の国境駅に停車し、入国のパスポートコントロール。やっぱり、出国よりも入国の方がちょっと厳重な感じ。 私のいるコンパートメントに来たのは女性の審査官。イカツイ制服にキビキビした動作、口元をキリッと上げる笑顔とかがカッコよかった。私はパスポートを見せ、「ツーリストですか?」と聞かれて「はい」と答えただけ。それでめでたくスロヴェニア入国のスタンプを押してもらえた。 スタンプに汽車の絵が描いてある。さっきのクロアチア出国のスタンプにもだ。以前のスタンプ(日本から来た時にザグレブ空港で押された物)をよくよく見返してみると、こちらには飛行機の絵がついている。なるほど、これで国境を越えた手段が一目で分かるわけだ!へぇ〜、知らなかったなぁ! 車窓の風景は、緑豊かな眺めがずっと続いていた。この、畑と林が続くのどかな車窓の風景って、うちの最寄駅周辺を電車で走る時の眺めによく似ているのだ。ただ、集落を通り過ぎるたびに必ずと言っていいほど見える教会の尖塔が、やはりヨーロッパだなぁという事を思い出させてくれる。 あと、列車に乗っていて気付いたのが、駅停車時の静かさである。「まもなく○○駅…」という車内アナウンスもなく、静かに止まり、発車ベルもアナウンスもないまま、また静かに発車するのだ。 日本(東京近郊)ではウルサイぐらいに親切な案内がひっきりなしに流れ、それに慣れてしまっているので、少々心配になるほどの静かさだった。リュブリャナの駅に着いた時に、ちゃんと気付くかしら? さすがにリュブリャナ駅では降りる人も多く、到着時刻も予定通りだったので、私も無事に下車。 プラットホームに降り立って辺りを見回すと、すぐにホームページのお写真で拝見したヤドランさんのお顔を見付けることができた。 ブログでは何度もやり取りし、直前にスカイプでお話もさせて頂いているが、実際にお目にかかるのは初めて。こうして本当にスロヴェニアでお会いしているなんて、何だかすごく感動だ。ちょっと不思議な気もする。 ヤドランさんの乗り心地抜群の車で、ポストイナまで高速道路を走る。 しかし、降り出していた雨がいよいよ物凄いことになってきた。前が白く煙っていて何も見えない。ちょうど車内で話していた私の将来の先行きと同じ状態だ。昨日まではいい天気だったのに、どうしてよりにもよってこういう事になってしまうのか。 しばらくすると、雨はいくぶん小止みになってきた。 ポストイナのツアーの時間まで十分余裕があるので、途中で昼食を取ることに。 ヤドランさんがよく来るというピザハウスに連れて行って頂いた。 まずはビールで乾杯!このビールがすごく軽くて飲みやすかった。 ピッツァ・マルゲリータ!シンプルにして至高! お店の中の窯で焼かれている。 1枚のピザが大きいので、2人で半分ずつ。大変だ!コレ、私が今まで食べたピザの中で最高に美味いかも知れない!フレッシュなチーズとトマトソースの味わいがすごく爽やかだ。生地は薄焼きで、耳の部分まで焼き加減が完璧(薄焼きとはいってもパリパリ過ぎない食感が重要)。どの部分をとっても美味いのだ。ザグレブで食べたピザと比べたら、完全にこちらに軍配を上げざるを得ない。 マルゲリータとビール、既にこの時点でスロヴェニアの基礎体力の高さを見せつけられた思いだ。 さらに値段も安くて、ビール0.5リットルを2杯とピザ1枚(実質2人前)、これでたったの10.4ユーロ(約1,190円)。嘘みたいだ! ポストイナ鍾乳洞に向かう前に、ヤドランさんはもう一つ面白い場所に連れて行って下さるという。 それは、ポストイナから10km弱しか離れていない場所にある、伝説の盗賊エラーゼムの城、通称「洞窟城」!ヤドランさんのブログで写真を拝見した時、できることなら是非自分の目でこの城を見てみたいと思ったものだが、それが叶ってしまったのだ! 一目見たら忘れられない強烈なインパクトを見る者に与える城。まずはその途方もない姿をご覧頂きたい。 断崖絶壁に、城が…張り付いてる!? 垂直に切り立った崖の高さ128mの位置に、半ばめり込むようにしてこの城はあるのだ。そして城は、背後にある自然の鍾乳洞とつながっている。さすがは伝説の盗賊が根城にしたというだけあって、想像もつかない場所に、想像もつかない在り方で存在している。 城の前には牧歌的な風景が広がる。右側、遥か下に川が流れている。 城は12世紀に建築が始められたというが、一体こんな場所にどうやって足場を組んで建てたのかと驚嘆するばかりだ。 その後増改築を繰り返された城は、16世紀に現在の姿になったとの事。城の中には、当時の部屋や人々の生活の様子が再現されており、見学することができる。所々にむき出しの岸壁が顔を覗かせ、足元はアップダウンが続く。自然の洞窟が城の一部になっているのだ。 城の背後に延びる洞窟… さらに奥へと続く階段!探検気分を刺激される。一体この先には何があるのだろう…? 城を出て、振り返ってその姿をもう一度仰ぎ見れば、まるで冒険映画かファンタジーの世界に迷い込んだかのようだ。何百年も昔の人がその手で築いた城、フィクションを超えた現実がそこにあった。 さて、次はポストイナ鍾乳洞に移動。ここに入るには、決まった時間に行われるツアーに参加する必要がある。 洞窟内では写真撮影禁止。にもかかわらず、フラッシュバシバシ焚いて写真撮りまくっているアホどもがいて参った。すごく気が散って不愉快。勿論、デリケートな洞窟内の環境(何しろ、触っただけでも手に付いたバクテリアによって鍾乳石が変色・変質してしまうほどなのだ)を破壊する行為でもある。「No picture!」って何回言われても絶対やめない。自分の事しか考えていない態度がさらに不愉快。「よそ見して歩いて、鍾乳石の先っぽの尖った所に思いっきり頭ぶつけろ!」と念じながら追い抜かして先に進むことに。アホの相手は疲れるよ。 この洞窟内の風景については、ちょっと語るべき言葉が見当たらない。とにかく、実物を見て頂く事でしかお伝えできないと思う。大自然が、地球が造り出した、この壮大で、神秘的で、繊細で、輝くような数々の石筍や石柱や鍾乳石には、思わず目を奪われ、一つ一つの形状に見入ってしまう。 この鍾乳石、わずか1mm伸びるのに10年以上の月日がかかるというのだから、本当に気が遠くなるような話だ。 そして勿論、今も鍾乳洞は成長し続けている。天井から滴る水で、白く滑らかになっている部分が成長している箇所。一方、くすんだ色になって、成長が止まっている箇所もある。でも将来、その箇所が再び成長を始めることもあるわけだ。大自然の力、ダイナミズムを感じる。 「人間の作った洞窟城も凄いけれど、自然の作ったものはもっと凄い…!」そんなことを話しながら鍾乳洞を後にした。 あっ、最後の水槽でアレを見た。この洞窟のシンボルでもある「類人魚」ことホライモリ達!(コチラの記事の最後を参照) 生きて動いている様子をこの目で見られたのは嬉しい。じっとしているのや、元気に泳ぎ回っているのがいた。思っていたよりスマートで、小さなエラがヒラヒラしていて可愛かった。 再びヤドランさんの車でリュブリャナまで戻る。道々、お仕事の事やご家族の事、今までの事、様々なお話を伺った。私の仕事に関する相談にも乗って頂いた。本当に、私にはあっという間の一日だった。とても貴重な、忘れられない体験をさせて頂いた。ヤドランさん、本当にどうもありがとうございました!! ホテルのチェックインまで見届けて下さったヤドランさんとお別れして、私は部屋へ。 このお部屋で34ユーロ(約3,900円)ですよ!素敵! バスルームもキレイ。 夕食は、ヤドランさんお勧めの店で買ってきたブレク。パイ生地(やや春巻きの生地っぽくもある)の中にチーズや肉を詰めた、バルカン地方の食べ物だ。この店のブレク、本当にウマかった! 肉のブレク。スパイスで味付けされた挽肉が入っている。 盛りだくさんの一日、明日の天気回復を祈りながら終了である。 (続く)
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10月31日(日) - - - - - - 10月の最終日曜日。この日は何の日かというと、サマータイムの終了日なのだ。 夏時間と冬時間が切り替わる日をクロアチアで過ごすのは初めてだ。夏時間(サマータイム)っていうのは、時間が1時間進んでいるわけで、それを戻すんだから、えぇ〜っと、今より時計の針を1時間遅らせればいいわけだ。…だよね!? 夏時間が終了するのは、正確に言うと、10月最終日曜日の午前2時。夜中である。この瞬間、具体的にどういうことが起こるのかというと… 日曜日の日付に変わった夜中の2時、すなわち、夏時間で言うところの3時になった瞬間、時間が1時間巻き戻る…つまり、3時になった瞬間、時計を2時に合わせるのだ。だからこの日は、夜中の2時から3時までの1時間が2回あるということ。すなわち、1日が25時間になるわけだ(サマータイムの開始日には逆のことが行われるから、その日は1日が23時間になる)。 実際には、一般の人達は、前日土曜日の夜、寝る前に時計を冬時間に合わせておくのだそうだ。これを忘れると、翌日の待ち合わせも電車もバスも、全部1時間待ちぼうけだ(サマータイムの開始日を忘れて、自分一人置いて行かれるよりはマシかも知れないが)。 私はこの日、遅くまで起きていたのと、「せっかくだから」ということで、3時になった瞬間に時計を戻し、また2時から3時の1時間が繰り返されるという不思議な「タイムスリップ」を体験してみた。 別に全然、何ということもなかったのだが。 でも、「何だか不思議だな〜」という気はしていた。それに、「1時間得したなぁ!」という気分だった。皆はサマータイムの開始日にマイナス1時間、今日でプラス1時間でプラスマイナスゼロになってるわけだけど、私はサマータイムのない日本から来て、今日1時間プラスになったわけだから、丸々1時間得して…あれ?でも時差があって、来る時は7時間の時差で、帰ったら8時間の時差で…れれれ???…結局どういう計算になるんだ?? 数字に弱い私は、考えているうちに混乱して訳が分からなくなり、結局1時間得をしたのかしていないのか、答えが出ないまま数字を足したり引いたり、頭の中で時計の針をグルグルさせているうちに1時間を浪費していたことに気付く。1時間得していたとしても、これでパーだ。「1時間儲けた♪」と思い込んで、気分良く、さっさと寝ればよかった。 目が覚めたら朝8時半だった。 今日は午前中に、行ってみたい所があったのだ。 イェラチッチ広場から、ザグレブの目抜き通りであるイリツァ通りを西に10分弱歩いた所にブリタンスキ広場(イギリス広場?)という場所がある(ちなみに、イェラチッチ広場からはトラム無料ゾーン内なので、チケット無しでトラムに乗れる)。 ここで毎週日曜日に、アンティークマーケット(蚤の市)が開催されていると聞いたのだ。 この広場、平日は食料品や生花などが売られる普通の市場が開かれている。土曜日は、広場の半分が普通の市場、もう半分がアンティークマーケットになっているそうだ。そして、日曜日は広場全体でアンティークマーケットが開かれているというわけ。 一年を通じて、毎週日曜日に開かれているそうだけど、前日に何かのスポーツの試合があって、それにクロアチアが負けてしまうと、お店が全く出なくなってしまう(皆悲し過ぎて、商売どころじゃなくなってしまうので!!)のだとか…。社長は一度、取材のコーディネートをした時、当日この状況になってしまって、大変困ったことがあったと言っていた。 でも、今日は大丈夫だった。行ってみたら、ちゃんとマーケットは開かれていた。 半年前にザグレブに来た時、この広場沿いの宿に泊まったので、ちょっと懐かしい場所だ。広場中に広がる店、店、店。並べられた物、物、物…。 広場に着いたのは10時近い時刻だった。お店もいっぱい、人もいっぱい出ている。 あまりにも様々な物が所狭しと並べられている光景に、目がクラクラしそうだ。こういう場所に全く慣れていないので、どこからどう見ていっていいのか分からず、舞い上がってしまう。 とりあえず、どんな物が売りに出されているのか、順番に見ていくことにする。 ガラス製品や陶器の置物、アクセサリー… 古本なんかも出ている。 刺繍の施されたテーブルクロスやレース… コインに紙幣に切手…この方面の趣味の人には堪らないお宝があるのかも(事実、コレクターらしい人が熱心に見ていた)。 食器類に絵画(ザグレブの風景を描いたものが多い)… グルグルと見て回っているうちに、当初の昂ぶるような気持ちは落ち着いてきて、様々な品をじっくりと見て楽しむことができた。こういう「蚤の市」って、話には聞いたことがあっても実際に見たのは初めてだったから、ただ見ているだけでも面白かった。 何かアンティークっぽい小物を買っていきたいと思うのだけど、結局「これ!」という品を決められない。大きな物や重い物は持ち帰れないし、どれもそんなに安くはないし…どういうのがいいだろう? まぁ、まだ帰国までには間があるし、マーケットは毎週開かれているわけだから、また訪れてゆっくり見てみることにしよう。 でも以前の自分だったら、たぶんこんな所に来たら、あれもこれも!ってバッジやコインや飾り物を買いまくっていただろうな…とも思うのだ。 理性が発達したのかも知れないし、色々と消極的になってあらゆる欲求が低下したことの一つとして、物欲も低下したということなのかも知れない。そう、今の私はあらゆることに対して欲望や執着心がなくなっているようなのだ(以前が強すぎたとも言える)。淡泊だ。まるで上質な白身魚のようだ。もしかしたら仙人になりかかっているのかも知れない。 とりあえず、このアンティークマーケットには、また来てみることにする。今度は舞い上がらないで、落ち着いて見られるだろうから…。
あーあ、ここでたまたま買った一品がとんでもないお宝で、それで家を建て直せたりしないかなー…。 ま、無理だね。 |
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10月27日(水)に出掛けたサモボル旅行記の続きです。 - - - - - - 写真を撮りまくったり、古の時代に思いを馳せたり、種々の雑念にとらわれたりしながら、のんびりと歩いていたので、結局3時間ぐらいハイキングコース内をウロウロしていた。 山の中の小路から街の一般道へ出て、また最初の広場に向かって坂を下りていくと… 聖アナスタジア教会を別角度から見ることに。教会手前のスペースは「祖国感謝の公園」。 緑豊かなサモボルの街。遥か向こうに見えるのがサモボル丘陵だ。 さて、街の中心に戻ってきた。 そんなに疲れてはいないけれど、喉が渇いたので、カフェに入って休憩することにしよう。 入る店はもう決めてある。実は、このサモボルに来た目的の半分はこのためだと言ってもいい。 「サモボルの名物」を味わうためだ。 サモボルの名物…それは、「クレムシュニテ(kremšnite, 単数形はkremšnita)」というケーキの一種だ。私は今まで、何度も聞いたことはあるけど、実際に食べたことはない。 何でもそのケーキは、カスタードクリームのケーキらしくて、サモボルに来たら絶対にこれを食べろ、と勧められる逸品らしいのだ。また、地元の人達にもこよなく愛されている「ご当地スイーツ」らしい。何しろ、「クレムシュニテの日」とか「クレムシュニテの歌」が作られているほどの愛されっぷりなのだ。日本だったらたぶん、クレムシュニテのゆるキャラが作られているレベルだろう。 これから入ろうと思っている店は、「U Prolazu/ウ・プロラズ」という、広場に面したカフェ。ここは、サモボルでクレムシュニテを出す店の中でも特に美味しいという評判で、この店のクレムシュニテを食べるためにわざわざ遠くから足を運ぶファンもいるほどの人気なのだそうだ。 今日は是非、この店のクレムシュニテを賞味したいと思う。 広場に来れば、店の場所はすぐに分かる。看板でも勿論クレムシュニテ押し。 ちなみに、この「U Prolazu」という店名は、「道すがら」とか「通りすがりに」という意味の言葉。この店の場合には、「通りに面した場所にある」という意味と、「通りすがりに寄っていって下さい」という意味とのダブルミーニングになっているのだ。 明るい女性の店員さんに迎えられて店内に入り、席に着く。時刻は午後3時半を過ぎたところだ。観光シーズンを外れているからか、先客の4組はいずれも地元の人っぽい感じ。 一応メニューを見てみると、色々な種類のケーキやデザートもあったけど、今回はとにかくアレだ。 というわけで、クレムシュニテとオレンジジュースをオーダーですよ! ほどなくして運ばれてきたのがこちら。これがサモボルのクレムシュニテ! まず形。看板の絵と同じく、四角くて、上下にパイ生地の薄い層があり、そこに、プリンのようにも見えるカスタードクリームのケーキがサンドされている。そして、一番上にはサラサラのパウダースノーのような砂糖が隙間なくまぶされている。 そして、そんなに大きくない。ちょうど手のひらに可愛く乗っかるぐらいだろう。 ではでは早速、頂いてみますよ。 !!!!この食感は…! サラッサラの白い粉砂糖の柔らかな甘さと、サクサクッとしたパイ生地の心地よい食感が同時に口の中に広がる(たぶん、この時脳内に快楽物質が出ている)。続いて、真ん中のカスタード部分…これが、出来たてで、ほんのりと温かい!ふるっふるだよ!カスタードのプリンというか、ババロアというか、ムースというか…とにかくふわっふわだよ!夢みたいだ! それで、味がまたすごくいい。卵とミルクと、あとバニラの風味もするかな?自然素材の味。全然しつこさやもたれる感じ、べたつく感じが無い。食感も甘さも、とにかく軽い。ふわっふわ。どんどん食べてしまう。 何だろうなー…。子供の頃、「あのフワフワした雲って、食べたら甘いんじゃないかな?」って空想していた、その雲を本当に食べているような感じ。わー、本当に夢みたいだ!(この「オッサン」と「メルヘン」のガッカリするような取り合わせは一体どうしたものか)。 これは確かに美味しい。そして、愛されるお菓子だ。もう1個ぐらい、あの場で軽く食べられただろう。あの甘さと食感と温かさ、クレムシュニテには、人を幸せな気持ちにする力がある。もし私が誰かからヒドイ事をされて「コイツもう絶対に許さない!!」と思ったとして、もしその相手からクレムシュニテを贈られて「ゴメンネ!」って言われたら、たぶん、大抵のことは許してしまうと思う。 サモボルのクレムシュニテ、是非皆さんにお勧めしたい。ザグレブからバスで30分、このケーキを食べるためだけでも、この町に足を運ぶ価値は十分にありますよ。勿論訪れたら、是非ともこの小さく可愛らしい街の、素朴で穏やかな風情をのんびりと味わっていって頂きたいと思うわけですが…。 サモボルに来て良かった。クレムシュニテは美味しかったし、街も可愛くて綺麗で、秋の山道の散歩も楽しかった。それに、町の人達も素朴でのんびりとした感じで、とてもフレンドリーだった。今日は仕事の合間の、いいリフレッシュになった…。 そろそろ夕方になり、風も冷たくなってきた。そろそろザグレブに戻るとしよう。 ありがとう、サモボル!また来たいと思うよ! もう一度、この町の風景を目に焼き付けて…あっ、絵葉書買って帰ろう! |

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