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11月18日(木) - - - - - - 今日は午前中は時々青空が覗いていたけど、午後はほとんど雲に覆われて白っぽいグレーの空。 この季節はもう、大体ずーっとこんな天気が続くのかなー…。 まあ、だからこそ、たまの青空が殊更嬉しく感じるのだけど。 皆同じように感じるらしく、そんな時は、カフェのオープンテラスは太陽の光を求める人達でいっぱいだ。 私も日本にいる時と比べて、格段に日中の、そして外での活動時間が増えている。もともとインドア派の人間だったが、ここ1年半ほど諸般の事情により徹底的に自室(の布団の中)に引きこもっていた(罪を犯して日向に出られなかった訳ではありません)事を考えると、朝起きて昼間外に出ているなんて、まるで別人みたいだ。そして、毎朝こちらのヨガ教室に通って夜はジムで汗を流し、週末には仲間とサッカーを楽しんでいるのは、私ではなく完全な別人だ。 この生活リズムが、時差ボケを間に挟んで帰国後にどうなるか、見物である。 「日中の活動」についての話題を振った後にこの写真、という意表を衝いた反転。 上の写真は、徒歩5分のビアレストラン「Medvedgrad/メドヴェドグラード」。ザグレブの地ビールが安く飲める店として、過去の記事で紹介させて頂いた。 食べ物の話題が続いてしまって恐縮であるが、とりあえず、この日の夜の一人宴会の模様をお話しさせて頂きたい。 この店で扱う地ビールは5種類。この滞在中に、5種類全てを制覇する所存である(誰に向けての所存なのか)。 既に「ヒグマ」と「黒い女王」を試しているので、今日は「DVA KLASA/ドゥヴァ・クラサ」というのをオーダーしてみる。直訳すると「2つの麦の穂」という意味だが、たぶん、このビールが大麦と小麦から作られていることに由来する名前なんだと思う。 え〜と、大雑把な知識しかないけど、ビールの主な原料って確か、大麦麦芽、だったよね。だからわざわざ「小麦を使った」って説明に書いてあるのだろう。 味や香りは、普通のビールと違うかな?あまりビールを嗜まない私にも、違いが分かるだろうか? どーんといつもの0.5リットルで。色はこんな感じの、明るい茶色(実際はもう少し明るい色で透明感がある)。 早速口を付けて味わってみると、まず感じたのが「クリーミー!」という感じ。泡もそうだが、何となく全体的にマイルドだ。そして、ちょっと酸味を感じる味。 これらの特性は、小麦を使ったビールの特徴なのだろうか?個人的には酸味と苦味が低い方が好みなので、私としては、味と香りについては、前回の黒ビールの方に軍配…だろうか。人によって好みが分かれそうな感じである。 あと、おそらくこのビール、他のビールより冷たく冷やしてあると思う。マイルドさによってぬるく感じられてしまう事を考慮しているのかも知れない。クリーミーだけど、最後までキリッと冷たいビールを飲むことができた。 アルコール度数は4.6%と決して高くないが、何となくいつもより酔いが回っていたような気がする。 が、それはもしかすると、あまりの快楽に脳内麻薬がちぎっては投げちぎっては投げと放出されていたせいかも知れない(後述)。 本日のオーダーは、チェヴァプチチ(右側の肉料理)と付け合せのクロケット。 「チェヴァプチチ」について書いておこう。 元々はトルコ料理の「ケバブ」を由来としていて、「チェヴァプチチ」とは「小さいケバブ」という意味。かつてオスマン・トルコの支配下・影響下にあったバルカン地域の伝統料理で、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの名物とされているが、セルビアやクロアチアなど、周辺国でもよく食べられている。 ご覧の通り、小さい(親指よりちょっと大きいぐらい)俵型のハンバーグといった感じで、これ自体の味付けは塩コショウのみで焼かれている。これだけで食べてもコショウが効いていて十分美味いのだが、ここに独特のソースが添えられる。 皿の上の方に乗っている、赤いやつ。「アイヴァル」と言って、パプリカ、唐辛子、ナス、ニンニクなどの材料をミンチにして煮詰め、ペースト状にした調味料だ。見た目の色ほど辛くはなく、グリルの肉料理によく合う。自家製の物を作る家庭も多いそうだが、スーパーなどでも買う事ができる(「マイルド」と「辛口」の2タイプある)。 アイヴァルの隣に生のタマネギがあるが、これがチェヴァプチチの定番の付け合せである。 それから、今回一緒に頼んだのがクロケット。日本のコロッケとは見た目がだいぶ違うが、まあ、似ていると言ってもいいかも知れない。小さく丸めたマッシュポテトを揚げてある。衣はフリッターっぽい感じと言えばいいのかなぁ…ちょっとお菓子っぽくもある食感。中身のマッシュポテトは、モチッとしていて、ジャガイモの自然な甘みが詰まっていて美味い! ダブル断面図。モチッ&ジューシー! 何気なく選んだ、チェヴァプチチとクロケットの取り合わせ。食べ進むうちに、このコンビネーションを選択した自らの判断に、快哉を叫びたくなった。 話が飛ぶようだが、昔、小学校の給食の時にやらされた「三角食べ」というのがあった。牛乳→パン→おかず→牛乳→(繰り返し)という順番で、順序良く、偏らずに食べていきましょう、というやつだ。私はあれが大嫌いだ。大体、牛乳が嫌いな時点で既にアウトなのだが、一口ずつ別の物を口に入れて中でごちゃ混ぜにするなんて、俺の口はミキサーでもなければ生ゴミ用のポリバケツでもないぞ!と思う。そもそも、「ご飯に牛乳」という悪夢のような取り合わせは何なのか。「三角食べ」も「ご飯に牛乳」も、敗戦後の日本に仕掛けられた巧妙な陰謀だったと信じている。現在日本経済の低迷が続いているのも、私のクロアチア語が一向に上達しないのもそのせいではないのか。 えーと、「順番に食べる」という話をしたかったのだった。 まず、チェヴァプチチにアイヴァルを付け、半分ほどかじって食べる。ジューシーな肉汁とグリルされて凝縮された肉の旨味が口いっぱいに広がり、そこにアイヴァルの爽やかなスパイシーさが加わる。 旨味の詰まった肉を楽しんだ後、フレッシュな刺激を求めて付け合せのタマネギを食べる。生なので辛い!これにアイヴァルを付けると少しマイルドになる。これがまたウマい! 辛味で口の中がホットになった後、クロケットを食べる。軽くサクッとした衣の中からほんわりとジャガイモの甘味が口の中に広がって、タマネギの辛さを中和する。 揚げたイモの次には肉が食べたくなる。そしてチェヴァプチチに戻る。完璧だ!!黄金サイクルだ。その上、時々肉の後にビールが入ったりするのだ。完全無欠だ。少しずつ順番に食べる事が、こんな極楽浄土につながる事があるとは思いもよらなかった。ずっとこの黄金の輪廻を彷徨っていたいと思った。この時の私は、自分でも信じられないほどの、今世紀最高の「エエ顔」をしていた。全てを受け入れる慈悲を持った菩薩(もしくは七福神)のような顔だったと思う。 次々と押し寄せる味覚の快感と、このチョイスをした自分自身に惚れ惚れする気持ちと、2つの麦のビールによって、脳内に快楽物質が放出されまくっているのを感じた。 食べている最中も食べ終わった後も、言いようもなく満ち足りた気持ちで、この時ほど世界中の人々に対して優しい気持ちになった事はなかったかも知れない。富める者が幸せなのではない。満ち足りる事を知る者こそが幸福なのだ(酔ってますね)。 もうこの日は、この食事だけで大満足だ。 多幸感と自分自身への酔いに包まれて気持ちよく部屋に帰って、一日を終えた。 食べた事はないが、この店には、チェヴァプチチを使った「熊の手」という名のサンドイッチがある。 |
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11月17日(水) - - - - - - 今日は雲と霧に覆われたザグレブ。 情報収集したい事やら調べたい事やら色々あったので、午前中はベッドでゴロゴロしながらずっとパソコンと向かい合っていた。 あっという間に昼を過ぎ、時刻は午後1時半を回った頃、「今日はピザでも食べにいくか!」と思い立ち、外出の支度をする。 窓から外を見ると、灰色がかった空から静かに小雨が落ちてきていた。折り畳み傘を手に出発。あ、ついでにゴミも出しておこう(建物を出てすぐの所にゴミ箱があって、いつでも捨てられる。いつでも捨てられると思うと溜めこんでしまってなかなか出さない)。 出発、などと意気込むまでもなく、徒歩5分で店に到着。「Karijola/カリヨラ」というピザハウス。以前にご紹介した、皿が見えないほど巨大な薄焼きピザを出すお店だ。 ピザハウス「Karijola」の真向かいにある3つ星ホテル「Laguna/ラグーナ」。ちょっと昔(共産主義時代)っぽい外観(記事とは別の日に撮影)。 しかし中のレストラン(?)を覗いてみると綺麗な感じ。内装は整えられているように感じる。 平日の、まもなく2時になろうかという時間帯。Karijolaの店内は、2階(といってもロフトみたいな感じで、そう広くはないのだが)まで含めてほぼ満席状態であった。なるほど、確かに人気店らしい。 さて、前回このピザハウスに来た時に気になっていて、次の機会にチャレンジしてみようと思っていたピザがあった。「PIZZA PICANTE」というやつだ。メニューの説明によると、トマトソースベースでベーコンとチリ(唐辛子)が乗った辛いピザらしい。 私は、特別な「辛い物好き」というわけではないのだが、この軽快な食感の薄焼きピザにピリッとした刺激的な辛味、そしてさらにベーコンというのは、実に魅力的な組み合わせではないか? 唐辛子の刺激で食欲も増進され、薄焼きピザの1枚ぐらい、一気に平らげられるであろう。さあ、どんと来いだ! どんと来ました。 皿が見えないのは、どうやらこの店の「仕様」らしい。 惜し気もなく敷き詰められたベーコンの上には原型の青唐辛子が4本。 とりあえず小さめの唐辛子を選んで、小さく切って、試しにそのまま一口食べてみた。 確かにピリピリとした刺激があるが、火を吹くほど辛いというわけではない。むしろ、爽やかな辛味が口の中に広がって、喉の奥で少しカッと来る感じ。全然大丈夫だ。イケるイケる! そういう訳で、唐辛子は小さく輪切りにしてバラ撒き、全て食させて頂きました(このピザ1枚にちょうどいい分量だった)。 ベーコンは厚切りではなく、普通の厚さでスライスされていて、縁はカリッと香ばしく、中の脂はほどよくジューシーである。 生地は相変わらずカリッとした薄焼きで食べやすく、美味しいし、ベーコンの塩気と香ばしさ、ニンニクの香り、そして唐辛子の爽やかな刺激が互いの旨味を引き立てあっていて、全体として「美味くてどんどん食べられるピザ」になっている。あれ、ベーコンってカロリー(塩分も)高いんだったっけ…? そんな時の強い味方、「コカコーラzero」はクロアチアにも存在。ビン入りのコーラって、何か美味しい気がするんだなー。 期待していた甲斐があって、美味しいピザだった♪ 結構軽く(というか普通に)やっつけたかのように思えたのだが、結局この日は夜になっても一向に腹が 空かず。 こちらに滞在していても、日本食を恋しいと思ったことはないのだが(アンチョビーの塩漬けが出た時の白いご飯を除く)、ウーロン茶だけは欲しくなるなー。コッテリした食事の後には、やっぱりウーロン茶が最高だと思う。今回、荷物に余裕があれば持ってきたかったのだが…。 - - - - - - ついでに、最近買ってきて食べた物たちをご紹介します。 シリアル2種類目に挑戦。「Lino」シリーズの「クランチ」。 粒がやや小さくて、ちょうど食べやすいサイズ。前に食べた「ピロー」より食感が軽くてサクサク(ザクザクかな?)している。ミルクをかけずに食べる私には、こちらの方が食べやすいかも… 「自家製バニラロール」という名前だが、「粉砂糖をまぶしたバニラ風味クッキー」という感じのお菓子。 これは以前にも食べた事があって、好きなお菓子の一つ。ちなみに、クロアチアではなく、お隣ボスニア・ヘルツェゴヴィナの会社の製品。甘くて美味しいクッキーだが、開封する時と食べる時、気を付けないと(気を付けても)砂糖が飛び散るのだった。 「しっとり」と「さっくり」の中間の歯ざわりが好き。 チョコレートで有名なクロアチアのブランド「Kraš/クラーシュ」のチョコレートウエハース。これも以前から大好きなチョコ菓子。美味いんだ、コレが!!絶対買って帰る! 28個入り。一つ一つは食べやすい大きさだ。シンプルな美味さで最高! ご覧の通り、個別包装はされていないので、以前買って帰った時、開封後は割とすぐに湿気っぽくなってしまったのだったが…。 今回気付いたのだが、もしかして、こういうお菓子とかって、冷蔵庫に入れておくと湿気らない!?もしくは、湿気にくくなる?? このウエハース1箱、1週間ほどかけて食べたのだが、冷蔵庫にしまっておいたら、最後まで湿気らず、サクサクしていて美味しかったのだ。 だからその後、クッキーとかシリアルとかも、開封したら輪ゴムで留めて、冷蔵庫に入れてある。全然湿気らない。すごいですよ、冷蔵庫って!!(もしかして常識レベルの知識だろうか。今、「アイスって、冷凍庫に入れておくと溶けないんですよ!」みたいな事言ってる人になっちゃってないだろうか?) 我が家では、「湿気り防止のために冷蔵庫へ」って発想は無かったと思う。帰ったら早速家族に教えよう。
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11月16日(火) - - - - - - 今回のクロアチア滞在も、いよいよ折り返し地点を迎えた。うぅー、早いなぁー! 残り1カ月、悔いがないように、有意義に時間を使っていきたいと思う。出掛けまくって見まくって撮りまくって食べまくるぞ!(仕事は!?) さて、今日は「美術工芸博物館(Muzej za umjetnost i obrt)」に行ってきた。 博物館外観。この辺りは博物館・美術館密集ゾーンの一つだ。 チトー元帥広場に面して、黄色く輝くクロアチア国立劇場が建っているけど、その道を挟んだ向かいにあるのが美術工芸博物館である。こちらもまた、4階建ての(はずなのだが、外から見るとなぜか3階建てに見える。謎である)立派な建物である。 1880年創立のこの博物館、現在では14〜20世紀のクロアチア内外(主にヨーロッパ)の装飾美術品および手工芸品を収蔵しており、その数は10万点を超えるという充実度!その中から約3,000点が常時展示されている。 この博物館の特徴を言うと、まずは第一に、展示品の多さと多様性が挙げられる。絵画、彫刻、写真、タペストリー、家具、陶磁器、金属、ガラス、服飾などなど、ありとあらゆる美術工芸品が展示されているのだ。コレクションのジャンルが非常に多岐に渡っており、様式もゴシックからルネッサンス、バロック、ロココ、アール・ヌーヴォー、アール・デコまで幅広く網羅している。 第二に、博物館の広さ。2階から4階まで(注.クロアチアで言う1階から3階)のフロアに全部で32の展示室があって、とにかく広い。展示室にはローマ数字で番号がふられているので、順番に見ていくといいだろう。 第三に、展示の仕方および博物館の内装が美しいことだ。全体的に、落ち着いた佇まいでありながら、綺麗でお洒落な雰囲気があり、アンティーク的な展示品の魅力を引き立てている。 また、外国人観光客に向けての説明も親切である。英語に堪能な学芸員(説明係?)が随所に配置されているし、各展示品には番号とクロアチア語の説明が付けられているのだが、対応する英語とドイツ語の説明もある。部屋ごとに、ラミネート加工されたA3ぐらいの大きさの説明書きが壁に掛けてあって、それは取り外して部屋内を持ち歩く事ができ、展示品の番号と対応する場所を見ると、それについて英語で説明が書いてあるのだ。 見やすく、見応えのある博物館として、ここもお勧めである。特にアンティークが好きな人は必見と言っていい。 入場料は30kn(約460円)で、フラッシュを使わなければ写真撮影も可能。 あまりにも展示品数が多く、また、私自身美術品に関する造詣も無いため、とても一つ一つの細かい解説をここでする事はできない。しかしとにかく、博物館の雰囲気の一端だけでも、写真からお伝えする事ができればと思う。 バロックの展示室より。 バロック時代のタペストリー。 「この部屋はロココだな」って、美術史をよく知らない私にも、説明を見る前に分かった。 ディスプレイキャビネット。中には陶磁器がディスプレイされている。 これは18世紀後期〜19世紀前期の「古典主義/ビーダーマイヤー様式」という展示室の一部。美術やアンティークについての素養が無いため、そういう様式があるのを知らなかった。 リアルな足のついたストーブ、再び! 19世紀前半に起こった帝政様式(エンパイア・スタイル)の展示室より。 ビーダーマイヤー様式。19世紀前期にドイツやオーストリアを中心に生まれた文化らしい。展示室の空間もお洒落だ。 宗教美術の展示室も充実している。絵画、木彫りの彫刻、大きな祭壇など…。キリスト教美術の鑑賞には、やはり聖書の知識があった方がいいと思う。勉強したいな…。 キリスト教の源流、ユダヤ教の儀式や祭礼に用いられた銀製の道具、「ジュダイカ」の展示室。 19世紀後半に起こった芸術様式、「歴史主義」の展示室。 過去への憧憬や再評価の機運の高まりから生まれたこの様式は「復古主義」とも言われるそうだ。「リヴァイヴァルブーム」って、昔からあったんですね。 観音開きの祭壇の中がこのようになっているのだ。日本で言ったら、仏壇みたいな感覚なんだろうか? 1882年創立の、ザグレブの工芸学校の学生と教師の作品を集めた展示室。 流れるような曲線的デザインが特徴のアール・ヌーヴォーの展示室。ステンドグラスが顔ハメ看板のように見えたのは気のせいか… 1925年のパリ万博で花開いたアール・デコの展示室。様々な陶器製の人形や小物入れ、また、当時の雑誌や便箋なども展示されている。 19世紀から20世紀前半までのクロアチアを写した写真を集めた展示室より。タイムスリップして、実際にこの一瞬の風景を目の前に見たような不思議な感覚を覚えた一枚。 時計の展示室。壁掛け時計、置時計、腕時計、懐中時計…様々な時計には凝ったデザインの物も多い。 牧歌的な絵が描かれた懐中時計。 象牙彫刻の展示室より。硬い象牙からこんなに滑らかな曲線の彫刻ができるのが不思議だ。 実に様々な工芸品が並ぶ、金属製美術工芸品の展示室。 ひときわ華やかに光り輝く、ガラス製美術工芸品の展示室。 温かな色の光を放つステンドグラス。やはりキリスト教を題材にした物が多いが、自然や女性をモチーフにした作品もある。 このグラス欲しい!と思ったら、向かって左のグラスのレプリカがミュージアムショップで販売されていた。真剣に悩んだが、720kn(約11,000円)という値段により断念。 硬質さと滑らかさが魅力の、陶磁器の展示室より。 優しい表情と仕草が表現された陶器人形も数多く展示されている。 魚の形をしたボウル。長さ約60cmとかなり大きい。18世紀半ばのスロヴァキア製。 …と、このような感じで32の展示室が続いている。 私は4時間ぐらいかけて回ったが、もっとじっくり見てもよかったと思えるほどだ。 街の中心からも近く、非常に魅力的な博物館なので、ザグレブを訪れたら是非足を運んでみて頂きたい場所の一つである。 最後に個人的な反省点としては、キリスト教や西洋史や芸術様式などについて、もっと深い知識があったら、こういう美術工芸品を見るときの鑑賞ポイントが明確になって、一つ一つの作品が印象に残り、より楽しめるんだろうなと思った。ただ見て回るだけでも綺麗だし、楽しくはあるのだが。
時間を見付けて、少しずつそういう知識も身に付けたいと思った。 |
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11月15日(月) - - - - - - ザグレブにある博物館や美術館を、この機会に見て回ろう! …と勢い込んではみたものの、今日は月曜日のため、その手の施設は軒並み休館日。 じゃあ、こういう日に仕事を進めておくか…という訳で、Webサイトに乗せる文章を抜粋して整えたり、デザイン的な事(なんて言うほど大袈裟なコトじゃないな)を考えながら、参考のために色々なサイトを覗いて、レイアウトや色味なんかを検討したりする。 そうだ。先週の金曜日に、日本の自宅に電話をしてみたのだった。 台風やら嵐やら来ていたみたいだったので、家(の雨漏り)の状況が少々心配だったのだ。 家は吹き飛ばされてはいなかったようで、電話はちゃんと通じた。この時点でまず一安心である。 被害がなかったかどうか聞いてみると、台風の進路が逸れた事もあって、問題は無かった様子。例の「名医」に直してもらった屋根の具合だが、あれ以来一滴も雨漏りしていないという。名医すげえぇぇぇ!!!である。素晴らしい!!ありがたい事である。まあ、建て直すなり引っ越すなり、いずれどうにかしなきゃならない問題である事に変わりはないのだが、おかげさまでどうにかしばらくは時間が稼げそうである。 その節は皆様にも大変ご心配を頂きましたが…(ありがとうございます!!)。 早く何とかして、私が資金を稼がなきゃならんなぁ…。 こっちにはカジノとかスポーツくじとかがいっぱいあるので、一発狙ってみようかな(とか言いつつ、状況が全く分からずコワイので、街中にたくさんあるカジノには未だに入ったことがない)。 それとも、これから冬に向けて、こっちで屋台を引っ張って、たこ焼きとかおでんでも売ってみようか。あるクロアチア人が、「たこ焼きは絶対クロアチアで当たる!」って言ってたし。 クロアチアでたこ焼き、結構ビジネスになるんじゃないの、コレ!(どうしてこう努力の方向がヘンテコなのか)。 中世の情緒や地中海の雰囲気を求めてクロアチアに旅行に来た日本人が、ザグレブの広場とかスプリットの海岸通りとかでTAKOYAKI屋台を見付けてしまった時のリアクションを見てみたいな。 - - - - - - 今日は、「クロアチアでのタブー集・マナー集」みたいな物を書いてみようかと思う。 もっともクロアチアは、大体が良くも悪くも「ユルい国」なので、旅行する上で、それほど身構える必要はないのであるが。自由でのんびりしている分、道徳観念やエチケットについても、あまり厳しいお国柄ではないし。 しかし、国が違えば、習慣もメンタリティも異なることは確かだ。私が知っている範囲で、「クロアチアを旅行する上で知っておくといいこと」について書いておこう。 ◆宗教について クロアチアは約9割がローマ・カトリックの信者という国であり、宗教が生活に大きな意味を持っていると言える。したがって、カトリック教徒の感情を害するような言動は慎むべきである。 教会、修道院、大聖堂などの見学にあたっては、たとえ観光地であっても、そこは第一に宗教施設であるということを忘れず、節度を守った観光を心掛けたいものである(あまり難しく考えなくても、常識に沿って行動し、表記された注意事項さえ守っていれば大丈夫です)。 施設内の写真撮影が不可の場所もあるので、入口に掲示された標識を確認のこと。 あくまでも神聖な場所であるので、肌の露出が多い服装では入場を断られる場合がある(ノースリーブ、タンクトップ、ショートパンツなど)。夏場の観光では注意が必要。ノースリーブでも、大判のスカーフを肩に羽織って肌を覆えば大丈夫である。 ◆民族について クロアチア紛争は1995年に終結し、国の大部分は既に復興しているけれども、未だ人々の記憶の中には残っており、単純に「過去のもの」と言うことはできない。旅行者が不用意に戦争や民族を話題にする事は避けた方が良い。無用のトラブルを招かないためにも、特定の国や民族を敵視したり、逆に肩入れしたりするような発言も控えるべきである。 彼らと心底親しくなればそういった事も話題やジョークになり得るし、尋ねれば気さくに答えて下さる方もいるのは事実なのだが、実際こちらからそのような話題を切り出すのは、親しい間柄であっても、なかなか難しいところである。特に戦闘が激しかった地域では、家族や友人を戦争で失った人達も多いのだ。 ◆一般的なマナーについて 目上の人や初対面の人に対する礼儀や一般的な公共マナーなどについては、常識の範囲内で行動していれば特に問題はない。 クロアチアは喫煙率が高い印象であるが、現在公共の場所での喫煙が法律によって規制され始めている。もっとも、その法律もちょくちょく変わったりするので、煙草を吸われる方は、レストラン、カフェ、ホテル等の屋内の空間においては、喫煙の可否をあらかじめ確認した方がよい。 また、クロアチアの社会では人と人とのコミュニケーションが生きているので、店に入る時や帰り際には、店員さんとお客さんがお互いに挨拶をするのが普通。「ハロー」「サンキュー」「バイバイ」だけでもいいので、声を掛けるようにするとよい。 ◆チップについて レストランでは食事代の10%が相場と言われる(ただし料金にサービス料が含まれている場合には必要ナシ)。 安いレストランなら端数を切り上げてチップとし、カフェでは2〜3knを渡す。 タクシーも端数分をチップとするが、大きい荷物をトランクに積んでもらった場合には、別に5kn程度プラスするとよい。 ホテルでは、ポーターに荷物を運んでもらったら、荷物1個につき5kn。また、ボーイや客室係(ベッドメーキングや清掃に来てくれる人)にも5kn程度のチップを渡す。 ◆まとめ 地域性や個人差は勿論あるにせよ、総じてクロアチアの人は、フランクな人柄と温かいもてなしの心の持ち主である。 人として基本的なマナーや心遣いは勿論大切であるが、萎縮する必要は全くない。クロアチアに来られた際には、あまり気取ったり意識したりせず、自然な気持ち、ありのままのスタイルで過ごすのが一番だ。 そして、ほんの短い会話、笑顔で挨拶を交わすだけでも、クロアチアの人々との交流を持って頂ければ、彼らの笑顔が素晴らしい思い出に一層の花を添えてくれる事と思う。 U??ivajte u Hrvatskoj!(クロアチアを楽しんで下さいね!) ◆おまけ 笑い話の範疇ではあるが、「恵比寿」(またはビールの銘柄の「ヱビス/YEBISU」)という日本語の発音は、クロアチア語の「Jebi se!/イェビ・セ」という言葉に似ている。意味するところは、英語で言う「Fuck you!」なので、状況によっては注意した方がいいかも知れない。 あと、日本語の「好きです!」は、クロアチア語の「Skidaj se!/スキダイ・セ」(服を脱げ!)に似ている。告白したつもりが「何早まってんのっ!」と言われないように注意されたい。 フラリと入ったカフェでもこんな楽しい出会いがある。それがクロアチア・クオリティ!これはスプリットにほど近い「Sinj/シーニ(スィーニュ)」という町に行った時の写真。ここでチョコレートパフェを食べて…そういえばこの時も、その後ラムコーク2杯、奢ってもらったんだった! 右の用心棒みたいな彼がオッカナイ三白眼をしているのは「わざと」で、この時写真を撮っている私は、カメラを向けながら大笑いしている。本当はメチャクチャ楽しくて優しい兄貴だった。クロアチアって面白い。 |
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11月14日(日) - - - - - - 日曜日、先々週も訪れたブリタンスキ広場のアンティークマーケットに再び足を運んでみる事にした(もう先々週か。やっぱり2週間なんてあっという間だな!) せっかくだから、何か記念になる物が欲しい。大きい物や割れ物を持って帰るのは無理だから、いかにもアンティークっぽい小物で、そんなに高くない物…。何かないか。 値札が付けられている物はほとんどないので、売っている人に聞くしかないのだけど、私はこういう時に物怖じする性格である。「聞くだけ聞いて買わないのは申し訳ないんじゃないか」という気がして、声を掛けられない。 大抵こういう所では、値引き交渉がある事を前提で値段が付けられているらしいので、みんな普通に値切るものなのかも知れない。「まけて!」とか「2個買うから安くして!」とか。 私にはできない技術である。これは日本にいてもできない。関東人だから(?)。 そもそも、「値切ろう」という発想があまりない。書いてある値段を見て、「これはこの値段」と思って、その通りの金額を支払う事に何の疑問も感じない。だからいつも言い値で買ってしまう。チョロイ客である。 さて、この日もアンティークマーケットには多くの人が集まり、たくさんの品物が所狭しと並べられていた。 食器類と並んでテーブルに巨大なハエという挑戦的なデザイン(これ、何に使う道具?) あっ、三猿だ!どこで作られた物だろう? こういう、「買ってどうするんだ!」というような動物の像に、つい興味を引かれてしまう傾向がある。 こういうのとか。馬と鹿の組み合わせが、何かを暗示して私にメッセージを放っているように思えてならない。 クリスマス用の飾りも見受けられるようになってきた。 色々と、小さい物も売られてはいるのだが…。どれだ!?声なき声で私に呼びかけている品は、一体どれだ!?(左下のポケモンカードは絶対に違うと思う) ぬいぐるみも可愛いと思うのだ。お手製の人形だったりすると、そこにドラマがありそうなのだが…。 結局この日も、残念ながら、私を選んでうちの子になってくれるものを見つけ出す事はできなかった。 まあ、こういうのものも出会いである。こちらにいる間にまた足を運んで、のんびりと見てみようと思う。 そういうわけで、ちょうど昼になったことだし、今日は旧市街のレストランで食事をしようと思う。 トカルチッチ通り(トカルチチェヴァ)を上って行った所にある、「Ivica i Marica/イヴィツァ・イ・マリツァ」という店。Ivicaは男性名、Maricaは女性名で、「Ivica & Marica」という意味だ。イヴィツァとマリツァというのは、物語やジョークの登場人物名としてもよく使われる、クロアチアの典型的な名前の一つである。 この店では、クロアチア、特にザグレブ周辺地域の伝統料理が食べられる。しかも、オーガニックな素材を使ったヘルシー志向のレストランとして地元の人にも評価が高いようだ。 お店の内装も、古民家風の落ち着いた雰囲気の中にも可愛さとお洒落さがあって、非常にムードがある。 前菜のパンもお洒落。蒸したチキン(たぶん)とニンジンなどの野菜を和えたトッピングに、素材を活かした味付けを感じる。 今日ここで食べてみたかったのは、「七面鳥のパスタ添え」。代表的なクロアチア料理の一つだ。 ずっと食べてみたかった料理。今回初挑戦! 七面鳥のローストに添えられているのは、ムリンツィというパスタの一種。練った小麦粉を薄く伸ばして焼いたものを、お湯で戻して使う。七面鳥や鶏、アヒル、ガチョウなどのローストに添えられる事が多い。ムリンツィ自体にも塩が練りこまれているが、七面鳥などの鳥肉をローストした際に出る焼き汁と和えられているので、これだけ食べてもすごく旨味があって、美味しいのだ。 七面鳥自体も、「脂が少なすぎてパサパサしている」なんて事はまるでなく、ほどよくジューシーにローストされていて最高である。決して強い味付けではないのに、すごく旨味があって美味しい。事前の期待値がかなり高かったのだが、それを越える満足度だった! この時、一緒に頂いていたのが、「マラスキーノ」というサクランボのリキュール。これも非常に有名だが飲んだ経験がなかったので、今回試してみることにしたのだった。メニューには「0.03リットル」って書いてある。0.03リットルって…ええと、1デシリットルのさらに10分の3?…だよね。随分少ないね? その「少ない理由」をよく考えるべきだったのである。 一見、空のグラスのようにも見えるが…。これで、出てきたままの状態。グラスの底に、わずかに注がれた透明なリキュール…。 「ロックにしますか?」と聞かれたのだけど、せっかくなのでじっくり味わってみたいと思い、ストレートで頼んでしまった。 そしたら、かなり強かったのである。甘味のある独特の風味が、余計に強く感じさせるのかもしれない。文字通り舐めるように飲んでちょうどよかった。この量でちょうどいいワケだ。 しかし、確かに美味かった。次の機会には、氷を入れてもらってロックにも挑戦してみたいと思う。ああ〜、昼間っから飲んでしまった。でも、全然酔った感じはしないけれど。 青果市場を抜けて帰る事にした。日曜日の昼過ぎなので、もう大体が店じまいしてしまっている。 市場の脇の道をイェラチッチ広場の方へ下りてくる途中に、いくつかの土産物屋がある。今日は日曜日なのでやっていないだろうと思っていたのだが、意外にもそれらの店は開いていた。 ちょっと寄って絵葉書でも買っていこうかと、3軒ほどの店を回ってみた。 これは「ヤスリツェ」と呼ばれるクリスマスの飾り物。馬小屋でのキリスト生誕の様子を再現したもので、このような家庭用の置物から、巨大なジオラマのような物まである。 いかにもクリスマスらしい、天使やサンタや雪だるまの飾りが並ぶ店内には、温かい雰囲気が漂う。 クロアチアはカトリックの国。人々にとって、クリスマスは大切な行事である。主イエスや聖母マリアへの信仰が、ここでは生きているのだ。 土産物屋めぐりは楽しい。 最後に立ち寄ったのは、イェラチッチ広場から聖母被昇天大聖堂へ続く道にある店。土産物が並ぶ店の奥に、ナイーヴアートのギャラリーを備えた店である。 このお店です。広場から上っていってすぐの場所、左手にある。 クロアチアのナイーヴアートというのは、素朴画とも言われる独特の絵画である。元々は、農民たちの冬場(農閑期)の手仕事として始められたもので、専門的な絵画の知識や技法を排した素朴なタッチに、温かで力強い魅力がある。ガラスの裏側から絵具を塗って描いていくのが大きな特徴だ。 ナイーヴアートの一例。このお店のギャラリーには多くの作品が展示されており、もちろん購入することもできる。 作品の題材としては、冬場の情景や… 農村の四季折々の暮らしなどを描いた物が多い。 力強いもの、繊細なもの…。描き手によって、タッチや色使いにも様々な作風があるが、どれも見ているとホッと温かな気持ちにさせられる。 実はここで、面白い出会いがあった。 このギャラリーで、お客さんに説明をする仕事をされていた若い女性がいたのだが、何と日本語が分かる方だったのだ。分かるというか、ザグレブ大学で正式に日本語を学ばれた方!2年前に卒業されたそうだ。おおおぉー!すごい!! それで、「日本語を勉強しているクロアチア人」と「クロアチア語を勉強している日本人」の二人はすっかり話が盛り上がってしまい、自己紹介とか将来の夢とか、1時間ぐらいそこで(勿論、お仕事の邪魔にならないように…だけど)喋りまくっていたのだった(あんまり盛り上がり過ぎたので、写真撮らせて頂くの忘れました)。 カルメラさんという方なのだけど、彼女、まだ日本に行った事はないのだそうだ。でも、来年行きたいと考えているのだとか。とても楽しみだと言っていた。和紙にとても興味があって、将来は、何かそれに関わる仕事ができたら…という夢があると教えてくれた。 ちなみにこの時の会話は、クロアチア語と日本語のチャンポンで行われた。 カルメラさんの日本語は、勿論、日本に何年も住んでいた人(社長とか)と比べたら、そりゃあレベルの差はあるけれど、でもでも、普通に意思疎通する分には支障のないレベルで、敬語も正しい、きれいな日本語だった。まだ日本に行ったことがないのに、すごいよなぁ〜!! カルメラさんは、「ザグレブで何か困った事があったら、いつでも連絡下さい」と言って(あの、列車で出会ったおじさんのように!)、連絡先を書いた名刺を私にくれた。勿論私も自分の名刺を渡して、「日本語や日本の事で何か私が力になれる事があれば、いつでも自由に連絡して下さい。何でも聞いて下さい」と彼女に言った(大きく出たね!)。 これまた、とてもいい出会いに恵まれた。ザグレブ大学に日本語や日本文化の講座がある事は知っていたけど、そこで学んだ人と知り合った事はなかったのだ。もっと色々な事を聞いてみたいと思った。 カルメラさんの方もそう思って下さったのか、どちらからともなく「今度また、コーヒーでも飲みながら話しましょう」という、非常にクロアチア的な話の流れになったのだった。で、お互いの携帯電話に番号を登録して、今日の所は帰ってきた。 面白いなー。思い付きでフラッと立ち寄った店で、こんな出会いがあるなんて! お互いに勉強中の身だと、会話中に言葉に詰まっても何となく気が楽なので、また会って、色々な話ができたらいいなと思う。 人との出会いや付き合いを重く感じることもあれば、こんな風に楽しく感じたり、「知り合いの存在って、やっぱり心強いなー」と思うこともある。我ながら、よく分からない人間だ。こんなんでいいのだろうか? 土産物屋で呼ばれた気がして思わず買ってしまったロバのぬいぐるみ、42kn。かけがえのない出会い、プライスレス。 |




