明日は明日のクロアチア

「買っても買ってもどこかに行ってなくなってしまう物、な〜んだ?」「リップクリーム」(私の場合)

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前回までの記事で、私が医療事務の仕事に就くまでの経緯についてお話しさせて頂いた(ツマラナイ個人的昔話にお付き合い下さった皆様には、大変恐縮です。読んで下さって、ありがとうございました)。

医療事務と一口に言っても、いくつかの業務がある(受付、医療費の算定、カルテ管理、外来・病棟クラークなど)。私もいくつかの業務を経験したが、最も長く携わっていたのが、入院患者さんの医療費を計算し、患者さんへの請求書と、患者さんが加入している社会保険や国民健康保険への請求書(明細書)を作成する仕事であった。

患者さんに行われた治療内容から医療費を算定し、保険請求のルールと矛盾のない請求書や明細書を作成するためには、実はかなりの専門的知識が要求される。だから医療事務をやって保険請求の仕事に長く携わっていると、医療にかなり詳しくなってくる。勿論、事務屋は通常は医療の現場に立ち会うことはないから、実物を拝見する機会はあまりなく、カルテやデータや本などから得た知識や情報に接しているだけではあるのだが(言うなれば、ペーパードライバーみたいなものである)。

医療事務を始めて3年目、私もかなりの「医療通」になっていた頃だったが、そんなある日の夜中(正確に言うと2003年の6月のことだ)、私は横になりながら、見るともなくテレビを見ていた。適当にチャンネルを変えていると、病院のシーンが映って、医療ドラマらしいものをやっているのだと分かった。それは、NHKで放送されていた「ER 緊急救命室」(以下ER)というアメリカのドラマだった。
私は、ドラマというものをあまり見ない。人間が出てきて問題が起こってゴタゴタして、泣いたり笑ったり心の内面が描き出されたりするのを、改めて見る気が起こらない。そんなモノは現実の世界だけでたくさんだ。大抵の場合、ドラマの登場人物の言動を見ているだけでイライラ(またはウンザリ)してしまう。だから、見ない。

ERにしても、数年前から放送されているのは知っていたし、これまでにも何度か、テレビでチラッと見掛けたことはあったのだ。でも、やっぱりすぐにチャンネルを変えてしまい、通り過ぎていただけの存在だった。
だがこの時、たまたまチャンネルを合わせた時に、登場人物のセリフから、私の知っている薬の名前が聞こえたのだった。「おっ!?」と思ってしばらく聞いていると、私がちょうど最近覚えたその薬の知識に関する事柄が、登場人物の間で議論になっている。ついつい興味を引かれて、その回を最後まで見てしまった。
その薬の話はその回で終わったのだが、1回見たらストーリーの続きが気になってしまい、結局次の週、その次の週と続けて見てしまった。これには理由がある。登場人物の中で、唯一、見ていてイライラしないキャラクターを見付けたのだ。自分と常識が近いというのか、見ていても、「なんでここでそういうコト言う(する)かなぁ!」という事がない。そのキャラクターが他の人物と対立していると、その相手に対して「お前がオカシイんじゃ!引っ込んでろ!」と思う(ドラマがキライとか言ってるわりに、感情移入して見てる)。

ERはシリーズ物で、私は途中から見始めたために当初は分からなかったが、このキャラクターはクロアチア出身のルカ・コヴァッチュ医師。祖国の内戦で妻と子供を亡くし、アメリカに渡って来たという設定で、演じているのはクロアチア人俳優のゴラン・ヴィシュニッチ氏。私がERを見始めてまもなく、この人物、ルカを中心とした一大エピソードが展開したのだが、このエピソードのハイライトと言えるのが、シーズン7の第15話「告白」という回である。この回では、多数の死傷者を出す列車事故が起こり、地獄のような事故現場からの救出作業が物凄い臨場感で描き出されている。ルカは事故現場に向かい、瓦礫に埋もれた事故車両に入っていって生存者を探すのだが、この時彼の脳裏には、クロアチア内戦時の記憶、妻と子を目の前で亡くした悪夢のような過去がフラッシュバックするのだ(興味をお持ちの方は、シーズン7の第13話辺りからご覧下さい)。

これを見た私の衝撃は、相当なものだった。このエピソードに深く感動して心打たれたというのがまず一つ。そしてもう一つ、クロアチアの内戦という、あまり自分がよく知らない過去の事実が、妙に心に残ったのだった。私はいつも、何かを見たり聞いたりして印象に残っても、大抵一晩眠ればすっかり忘れてしまうようなオメデタイ人間なのだが、なぜかこの事は、しばらく経っても同じ鮮明さでもって記憶に残り続けたのだった。

「今さらながら…」という思いで、私はクロアチアの内戦やユーゴスラヴィアの崩壊について、本やインターネットで調べてみることにした。クロアチアで紛争が起きていた当時、私は既に高校生だったはずだが、恥ずかしながら、全くと言っていいほど、このニュースについての記憶が無い。そう言えば、たまに新聞で記事を見掛けたか…という程度だ。これはいかん。この事実について知らなくてはならん!という気持ちが、どういうわけだか突如として強く心に芽生えたのだ。
まず最初に調べたのは、「クロアチアがどこにあるのか」という事だった。そして地図を見たら、クロアチアが海に面しているという事実にまず驚いた。京都に海があるのを知った時以上の驚きだ。クロアチアは地中海の国だったのだ!何となく、「バルト三国の下辺り?」ぐらいに思っていたのだが(ユーゴスラヴィアだって言ってんのに!)。

今から7年前、クロアチアと私との出会いは、こんな風にして始まったのだった。

つづく

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