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クロアチアの概況や旧ユーゴスラヴィアの近現代史について資料をひもといていった私であったが、それと同時に、素晴らしい演技で私をERの世界に引き込んだゴラン・ヴィシュニッチという俳優さんにも強い興味を抱いた。そこで、ネット上の色々なサイトを見てプロフィールを調べてみたところ、彼は若くしてクロアチアの演劇界で活躍していた役者であり、シベニクという町の出身だった。また、彼の出演した他の作品も見た(日本で見られる限りのものは)。彼がアメリカに進出するきっかけにもなった「ウェルカム・トゥ・サラエボ」という映画は、ボスニア紛争時の実話を基にした1997年のイギリス映画で、秀逸な作品。ボスニア紛争を知りたいという方は、是非ご覧になってみて下さい。 ◆ゴラン・ヴィシュニッチ氏の経歴などについてはコチラ (ここでは「ヴィシュニック」と表記されていますが、原語の発音では「ヴィシュニッチ」が近いです。) 一方、時を同じくして、私はインターネットを見ていて一人のピアニストの存在を知った。マキシムという、私と同い年のそのピアニストは、クロアチアの出身だという。彼の演奏をCDで聴いてみると、たちまちのうちに惹きつけられて、夢中になってしまった。クラシックのクロスオーバーというジャンルも私には新鮮な衝撃だったし、彼の演奏には、何か心を捉えて離さない、不思議な力強さがあるのだ。そこでさらに詳しいプロフィールを調べてみると、驚いたことに、こちらも「シベニクの出身」と書いてある。 ◆マキシム・ムルヴィツァ氏のプロフィールについてはコチラ−プロフィールのタグをクリック! (ここには身長190cmと書いてありますが、正しくは200cm(!)です。) シベニク…クロアチアのシベニク…。偶然の一致だ。私は俄然、このシベニクという町に興味を持ってしまった。調べてみると、シベニクは人口5万人あまりの町。そんな小さな町(日本の人口の感覚で言うと)から2人も世界的なスターが出ているなんて、凄いことなんじゃないだろうか!?(ちなみに、シベニク出身の有名人や偉人は他にも数多い。でも、この時はまだ知らなかった。) 私の中で、「シベニクについて知りたい欲」がメラメラと高まった。どこにあるのか。どんな町なのか。どんな人々が住んでいるのか…。インターネットで調べたり「地球の歩き方」を買ったりしてシベニクの写真を見てみると、真っ青な海、白亜の大聖堂、中世にタイムスリップしたかのような街並み…と、思いもよらない美しい風景にすっかり心を奪われてしまった。それだけではない。ここに行きたい!私を惹きつけた2人の「表現者」が生まれ育ったこの町の景色を、自分の目で見てみたい!そして、ここに住んでいる人達と直接話をしてみたい!…そんな強烈な想いが自分の中に湧き起こったのである。こんな事は初めてだ。飛行機も嫌いだし、外国なんて全く眼中になかったのに…。何なんだ、この激烈な欲求は。シベニクが私の天竺だったのか?自分の中に、こんな情熱と行動力があったなんて、自分でも知らなかった。 「はじめにシベニクありき」、だったのだ、私の場合。「クロアチアを調べていたら、シベニクという美しい町を見つけた」のではなく、「とにかくシベニクの事を知りたくて、そこからクロアチアに入っていった」というのが正しい。だからこそ、「語学留学」という名目で初めてクロアチアに行く時も、3カ月間滞在する場所として、私は迷わずシベニクを選んだ(シベニクはダルマチア地方にあって方言があるため、クロアチア標準語を学ぶためには、普通お勧めされないであるが)。 私の初海外は、3カ月のクロアチア・シベニク一人旅だったのだ。クロアチア語を学んで1年半、まだ片言もいいところだったけれど、初めての国、初めての海外でも、不安は全く感じなかった。私が初めてクロアチアへ飛んだのは、2006年の5月。全ての点が、クロアチアへ向かって一直線につながった瞬間だった。 また、話が前後するが、「クロアチアの(シベニクの)人と交流したい」と思って、クロアチア語を学ぼうと思い立った私だったが、やがて独学に行き詰まってしまった。ちょうどその時に、ある人を通じて「(当時)日本在住で日本語ペラペラのクロアチア人女性」を紹介して頂き、この方が素晴らしい先生となって私にクロアチア語を教えてくれたことも、そのタイミングの良さとその後の展開を考えると、運命的な出会いであり出来事だったのかも知れない。 そのクロアチア人女性こそが、現在の私のボス(社長)である。明日はいよいよ、ボスの待つクロアチアへ出発する。ボスは私を車で迎えに来て、空港で待っていてくれるのだ。そこで私はボスに挨拶をして、日本から持参したポン酢しょう油とお茶とフリスクを渡すのだ。 シベニクの聖ミカエル要塞より、世界文化遺産の聖ヤコブ大聖堂を見下ろす。写真で散々見てきたこの景色を初めて自分の目で確かめた時の興奮と感慨は、生涯忘れられないだろう。 |
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2010年10月18日
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