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11月16日(火) - - - - - - 今回のクロアチア滞在も、いよいよ折り返し地点を迎えた。うぅー、早いなぁー! 残り1カ月、悔いがないように、有意義に時間を使っていきたいと思う。出掛けまくって見まくって撮りまくって食べまくるぞ!(仕事は!?) さて、今日は「美術工芸博物館(Muzej za umjetnost i obrt)」に行ってきた。 博物館外観。この辺りは博物館・美術館密集ゾーンの一つだ。 チトー元帥広場に面して、黄色く輝くクロアチア国立劇場が建っているけど、その道を挟んだ向かいにあるのが美術工芸博物館である。こちらもまた、4階建ての(はずなのだが、外から見るとなぜか3階建てに見える。謎である)立派な建物である。 1880年創立のこの博物館、現在では14〜20世紀のクロアチア内外(主にヨーロッパ)の装飾美術品および手工芸品を収蔵しており、その数は10万点を超えるという充実度!その中から約3,000点が常時展示されている。 この博物館の特徴を言うと、まずは第一に、展示品の多さと多様性が挙げられる。絵画、彫刻、写真、タペストリー、家具、陶磁器、金属、ガラス、服飾などなど、ありとあらゆる美術工芸品が展示されているのだ。コレクションのジャンルが非常に多岐に渡っており、様式もゴシックからルネッサンス、バロック、ロココ、アール・ヌーヴォー、アール・デコまで幅広く網羅している。 第二に、博物館の広さ。2階から4階まで(注.クロアチアで言う1階から3階)のフロアに全部で32の展示室があって、とにかく広い。展示室にはローマ数字で番号がふられているので、順番に見ていくといいだろう。 第三に、展示の仕方および博物館の内装が美しいことだ。全体的に、落ち着いた佇まいでありながら、綺麗でお洒落な雰囲気があり、アンティーク的な展示品の魅力を引き立てている。 また、外国人観光客に向けての説明も親切である。英語に堪能な学芸員(説明係?)が随所に配置されているし、各展示品には番号とクロアチア語の説明が付けられているのだが、対応する英語とドイツ語の説明もある。部屋ごとに、ラミネート加工されたA3ぐらいの大きさの説明書きが壁に掛けてあって、それは取り外して部屋内を持ち歩く事ができ、展示品の番号と対応する場所を見ると、それについて英語で説明が書いてあるのだ。 見やすく、見応えのある博物館として、ここもお勧めである。特にアンティークが好きな人は必見と言っていい。 入場料は30kn(約460円)で、フラッシュを使わなければ写真撮影も可能。 あまりにも展示品数が多く、また、私自身美術品に関する造詣も無いため、とても一つ一つの細かい解説をここでする事はできない。しかしとにかく、博物館の雰囲気の一端だけでも、写真からお伝えする事ができればと思う。 バロックの展示室より。 バロック時代のタペストリー。 「この部屋はロココだな」って、美術史をよく知らない私にも、説明を見る前に分かった。 ディスプレイキャビネット。中には陶磁器がディスプレイされている。 これは18世紀後期〜19世紀前期の「古典主義/ビーダーマイヤー様式」という展示室の一部。美術やアンティークについての素養が無いため、そういう様式があるのを知らなかった。 リアルな足のついたストーブ、再び! 19世紀前半に起こった帝政様式(エンパイア・スタイル)の展示室より。 ビーダーマイヤー様式。19世紀前期にドイツやオーストリアを中心に生まれた文化らしい。展示室の空間もお洒落だ。 宗教美術の展示室も充実している。絵画、木彫りの彫刻、大きな祭壇など…。キリスト教美術の鑑賞には、やはり聖書の知識があった方がいいと思う。勉強したいな…。 キリスト教の源流、ユダヤ教の儀式や祭礼に用いられた銀製の道具、「ジュダイカ」の展示室。 19世紀後半に起こった芸術様式、「歴史主義」の展示室。 過去への憧憬や再評価の機運の高まりから生まれたこの様式は「復古主義」とも言われるそうだ。「リヴァイヴァルブーム」って、昔からあったんですね。 観音開きの祭壇の中がこのようになっているのだ。日本で言ったら、仏壇みたいな感覚なんだろうか? 1882年創立の、ザグレブの工芸学校の学生と教師の作品を集めた展示室。 流れるような曲線的デザインが特徴のアール・ヌーヴォーの展示室。ステンドグラスが顔ハメ看板のように見えたのは気のせいか… 1925年のパリ万博で花開いたアール・デコの展示室。様々な陶器製の人形や小物入れ、また、当時の雑誌や便箋なども展示されている。 19世紀から20世紀前半までのクロアチアを写した写真を集めた展示室より。タイムスリップして、実際にこの一瞬の風景を目の前に見たような不思議な感覚を覚えた一枚。 時計の展示室。壁掛け時計、置時計、腕時計、懐中時計…様々な時計には凝ったデザインの物も多い。 牧歌的な絵が描かれた懐中時計。 象牙彫刻の展示室より。硬い象牙からこんなに滑らかな曲線の彫刻ができるのが不思議だ。 実に様々な工芸品が並ぶ、金属製美術工芸品の展示室。 ひときわ華やかに光り輝く、ガラス製美術工芸品の展示室。 温かな色の光を放つステンドグラス。やはりキリスト教を題材にした物が多いが、自然や女性をモチーフにした作品もある。 このグラス欲しい!と思ったら、向かって左のグラスのレプリカがミュージアムショップで販売されていた。真剣に悩んだが、720kn(約11,000円)という値段により断念。 硬質さと滑らかさが魅力の、陶磁器の展示室より。 優しい表情と仕草が表現された陶器人形も数多く展示されている。 魚の形をしたボウル。長さ約60cmとかなり大きい。18世紀半ばのスロヴァキア製。 …と、このような感じで32の展示室が続いている。 私は4時間ぐらいかけて回ったが、もっとじっくり見てもよかったと思えるほどだ。 街の中心からも近く、非常に魅力的な博物館なので、ザグレブを訪れたら是非足を運んでみて頂きたい場所の一つである。 最後に個人的な反省点としては、キリスト教や西洋史や芸術様式などについて、もっと深い知識があったら、こういう美術工芸品を見るときの鑑賞ポイントが明確になって、一つ一つの作品が印象に残り、より楽しめるんだろうなと思った。ただ見て回るだけでも綺麗だし、楽しくはあるのだが。
時間を見付けて、少しずつそういう知識も身に付けたいと思った。 |
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2010年11月17日
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