|
11月18日(木) - - - - - - 今日は午前中は時々青空が覗いていたけど、午後はほとんど雲に覆われて白っぽいグレーの空。 この季節はもう、大体ずーっとこんな天気が続くのかなー…。 まあ、だからこそ、たまの青空が殊更嬉しく感じるのだけど。 皆同じように感じるらしく、そんな時は、カフェのオープンテラスは太陽の光を求める人達でいっぱいだ。 私も日本にいる時と比べて、格段に日中の、そして外での活動時間が増えている。もともとインドア派の人間だったが、ここ1年半ほど諸般の事情により徹底的に自室(の布団の中)に引きこもっていた(罪を犯して日向に出られなかった訳ではありません)事を考えると、朝起きて昼間外に出ているなんて、まるで別人みたいだ。そして、毎朝こちらのヨガ教室に通って夜はジムで汗を流し、週末には仲間とサッカーを楽しんでいるのは、私ではなく完全な別人だ。 この生活リズムが、時差ボケを間に挟んで帰国後にどうなるか、見物である。 「日中の活動」についての話題を振った後にこの写真、という意表を衝いた反転。 上の写真は、徒歩5分のビアレストラン「Medvedgrad/メドヴェドグラード」。ザグレブの地ビールが安く飲める店として、過去の記事で紹介させて頂いた。 食べ物の話題が続いてしまって恐縮であるが、とりあえず、この日の夜の一人宴会の模様をお話しさせて頂きたい。 この店で扱う地ビールは5種類。この滞在中に、5種類全てを制覇する所存である(誰に向けての所存なのか)。 既に「ヒグマ」と「黒い女王」を試しているので、今日は「DVA KLASA/ドゥヴァ・クラサ」というのをオーダーしてみる。直訳すると「2つの麦の穂」という意味だが、たぶん、このビールが大麦と小麦から作られていることに由来する名前なんだと思う。 え〜と、大雑把な知識しかないけど、ビールの主な原料って確か、大麦麦芽、だったよね。だからわざわざ「小麦を使った」って説明に書いてあるのだろう。 味や香りは、普通のビールと違うかな?あまりビールを嗜まない私にも、違いが分かるだろうか? どーんといつもの0.5リットルで。色はこんな感じの、明るい茶色(実際はもう少し明るい色で透明感がある)。 早速口を付けて味わってみると、まず感じたのが「クリーミー!」という感じ。泡もそうだが、何となく全体的にマイルドだ。そして、ちょっと酸味を感じる味。 これらの特性は、小麦を使ったビールの特徴なのだろうか?個人的には酸味と苦味が低い方が好みなので、私としては、味と香りについては、前回の黒ビールの方に軍配…だろうか。人によって好みが分かれそうな感じである。 あと、おそらくこのビール、他のビールより冷たく冷やしてあると思う。マイルドさによってぬるく感じられてしまう事を考慮しているのかも知れない。クリーミーだけど、最後までキリッと冷たいビールを飲むことができた。 アルコール度数は4.6%と決して高くないが、何となくいつもより酔いが回っていたような気がする。 が、それはもしかすると、あまりの快楽に脳内麻薬がちぎっては投げちぎっては投げと放出されていたせいかも知れない(後述)。 本日のオーダーは、チェヴァプチチ(右側の肉料理)と付け合せのクロケット。 「チェヴァプチチ」について書いておこう。 元々はトルコ料理の「ケバブ」を由来としていて、「チェヴァプチチ」とは「小さいケバブ」という意味。かつてオスマン・トルコの支配下・影響下にあったバルカン地域の伝統料理で、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの名物とされているが、セルビアやクロアチアなど、周辺国でもよく食べられている。 ご覧の通り、小さい(親指よりちょっと大きいぐらい)俵型のハンバーグといった感じで、これ自体の味付けは塩コショウのみで焼かれている。これだけで食べてもコショウが効いていて十分美味いのだが、ここに独特のソースが添えられる。 皿の上の方に乗っている、赤いやつ。「アイヴァル」と言って、パプリカ、唐辛子、ナス、ニンニクなどの材料をミンチにして煮詰め、ペースト状にした調味料だ。見た目の色ほど辛くはなく、グリルの肉料理によく合う。自家製の物を作る家庭も多いそうだが、スーパーなどでも買う事ができる(「マイルド」と「辛口」の2タイプある)。 アイヴァルの隣に生のタマネギがあるが、これがチェヴァプチチの定番の付け合せである。 それから、今回一緒に頼んだのがクロケット。日本のコロッケとは見た目がだいぶ違うが、まあ、似ていると言ってもいいかも知れない。小さく丸めたマッシュポテトを揚げてある。衣はフリッターっぽい感じと言えばいいのかなぁ…ちょっとお菓子っぽくもある食感。中身のマッシュポテトは、モチッとしていて、ジャガイモの自然な甘みが詰まっていて美味い! ダブル断面図。モチッ&ジューシー! 何気なく選んだ、チェヴァプチチとクロケットの取り合わせ。食べ進むうちに、このコンビネーションを選択した自らの判断に、快哉を叫びたくなった。 話が飛ぶようだが、昔、小学校の給食の時にやらされた「三角食べ」というのがあった。牛乳→パン→おかず→牛乳→(繰り返し)という順番で、順序良く、偏らずに食べていきましょう、というやつだ。私はあれが大嫌いだ。大体、牛乳が嫌いな時点で既にアウトなのだが、一口ずつ別の物を口に入れて中でごちゃ混ぜにするなんて、俺の口はミキサーでもなければ生ゴミ用のポリバケツでもないぞ!と思う。そもそも、「ご飯に牛乳」という悪夢のような取り合わせは何なのか。「三角食べ」も「ご飯に牛乳」も、敗戦後の日本に仕掛けられた巧妙な陰謀だったと信じている。現在日本経済の低迷が続いているのも、私のクロアチア語が一向に上達しないのもそのせいではないのか。 えーと、「順番に食べる」という話をしたかったのだった。 まず、チェヴァプチチにアイヴァルを付け、半分ほどかじって食べる。ジューシーな肉汁とグリルされて凝縮された肉の旨味が口いっぱいに広がり、そこにアイヴァルの爽やかなスパイシーさが加わる。 旨味の詰まった肉を楽しんだ後、フレッシュな刺激を求めて付け合せのタマネギを食べる。生なので辛い!これにアイヴァルを付けると少しマイルドになる。これがまたウマい! 辛味で口の中がホットになった後、クロケットを食べる。軽くサクッとした衣の中からほんわりとジャガイモの甘味が口の中に広がって、タマネギの辛さを中和する。 揚げたイモの次には肉が食べたくなる。そしてチェヴァプチチに戻る。完璧だ!!黄金サイクルだ。その上、時々肉の後にビールが入ったりするのだ。完全無欠だ。少しずつ順番に食べる事が、こんな極楽浄土につながる事があるとは思いもよらなかった。ずっとこの黄金の輪廻を彷徨っていたいと思った。この時の私は、自分でも信じられないほどの、今世紀最高の「エエ顔」をしていた。全てを受け入れる慈悲を持った菩薩(もしくは七福神)のような顔だったと思う。 次々と押し寄せる味覚の快感と、このチョイスをした自分自身に惚れ惚れする気持ちと、2つの麦のビールによって、脳内に快楽物質が放出されまくっているのを感じた。 食べている最中も食べ終わった後も、言いようもなく満ち足りた気持ちで、この時ほど世界中の人々に対して優しい気持ちになった事はなかったかも知れない。富める者が幸せなのではない。満ち足りる事を知る者こそが幸福なのだ(酔ってますね)。 もうこの日は、この食事だけで大満足だ。 多幸感と自分自身への酔いに包まれて気持ちよく部屋に帰って、一日を終えた。 食べた事はないが、この店には、チェヴァプチチを使った「熊の手」という名のサンドイッチがある。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2010年11月19日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]


