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11月27日(土) - - - - - - ああ、滞在もついにあと20日間だ。残り3分の1だ!到着の日に時間を巻き戻したい。 今月末までに仕上げないといけない仕事があって、それがもうすぐ終わるから、最後の2週間少々、また色々な場所に行ってみたいと思っているのだけど。しかし天気が良くない日が続くみたいなのが残念である。 雪景色も私には珍しいから昨日は浮かれていたけど、やっぱり旅行に行って街や風景を見たり写真を撮ったりする事を考えると、天気がいい方が嬉しい。雨や雪が降ると、機動力も落ちるし…。という訳で、やっぱり晴れてくれる事を望んでいるのである。 当たり前のように晴れの日が続くと、別に何とも思わない。曇りや霧の日が続くと、「晴れないかなぁ」と思う。雨の日が続くと、「曇ってもいいから、雨さえ降らなきゃいいのに」と思うようになる。そして雪が降り始めると、「雨ならいいけど、雪だけは勘弁してほしい」と考えるのである。このうえさらに雹が降ったり竜巻や猛吹雪が起こったりすれば、「雪だったらまだよかったのに」と思うことだろう。 厳しい現実を前に贅沢を言っていられる状況ではなくなり、次第に差し迫った立場に追い込まれて、エスカレートした妥協と譲歩の果てに思ってもいなかったものを掴まされ、それによってまた苦境に立たされるのだ。恋愛も結婚も就職も同じだ。 さて。私の恨み節が天に届いたのかどうか知らないが、今日は朝のうち曇りだったが、11時過ぎから青空が見えてきた。晴れた!なんだー、じゃあ、今日ヴァラジュディンに行けばよかった?…いや、今日は土曜日だ。博物館が早く閉まってしまう。ヴァラジュディンには3つの博物館があって、是非ゆっくり回ってみたいと考えているのだ。だから、行くなら平日に行きたい。 しかしまあ、せっかくの青空だ。とりあえず街に出てみよう! ホテルの部屋が入っている建物を出ようとして、昨日まで無かったはずの「お知らせ」が貼り出されている事に気付いた。 2010年11〜12月の雪かきスケジュール へぇ〜。建物の住人やテナントが、当番制で雪かきをするらしい。日本でも、雪国ではこういう制度があるのかな?町内会とかで。 念のため「お知らせ」を読んで確認したが、私(アパートメントホテルの宿泊客)にはこの義務はないようだ。当番表に入っていなかったから。 「雪かき用のシャベルと塩は廊下に置いてあります」って書いてあるけど… …あ、あった! シャベルはともかく、「雪かき用の塩」というのがよく分からない。 後で調べてみたら、雪かきの後には「塩まき」をして残った雪を溶かし、凍結を防ぐのだそうである。雪国の人には常識なのだと思うけど、私は今日に至るまで全く知らなかった。 それにしても、管理人名義で右側に書いてある文章が気になる。「住人同士で当番日を交換する場合は、管理人に連絡して下さい」というのはまあいいとして、「今年、雪かきのスケジュールが守られなかったり少数の人しか作業をしてくれなかった場合は、その労に対して共同積立金から報酬を支払う事を検討します。このような(昨年のような)隣人同士の非協調関係は、もはや意味をなさないので」…だって! 去年は雪かき当番をサボる人続出だったのだろうか?管理人さんもなかなか大変そうである。お疲れ様ですと言いたい(当番を務めて下さる方にも)。 外に出ると、青空から明るい日差し。雪解け水が雨どいを伝い落ちる音があちこちから聞こえる。 街の中心まで行くのにいつも通っているアジーナ通りを歩いていく。道の雪はもうすっかり溶けているので、歩くのに支障はない。 山が白っぽく見えるのは、木々に積もった雪のせいだろうか。 今クロアチアに来ていて、周りにいるのはクロアチアの人ばかり、聞こえてくる会話はほとんど聞き取れず、食事もこちらの物ばかり…という状況にありながら、実はそんなに「異郷にいる」とか「遠くに来ている」という実感が無い(図々しいね)。 でも、ザグレブの街を歩いていてこのように山が目に入る時、「ああ、家から離れた所に来ているなぁ」という事を思い出したように感じるのである。 思えば遠くへ来たもんだ(サヴァ川南岸からの眺め。ザグレブの街のさらに北に見える山が「Medvednica/メドヴェドニツァ」。 私は生まれてこの方、ずっと関東平野の只中で暮らしてきた人間なので、普段「山」という風景を見ることがない(近所の裏山ぐらいはあるが)。だから、日本国内でも、山地のそばや盆地地帯に行くと、その風景を眺めて「あー、家じゃない場所にいるなぁ」としみじみ思うのである。私にとって「異郷」のキーワードは「山」である(それと、「日本語でもクロアチア語でもない言葉しか聞こえてこない場所」というのも同じく「異郷」を強く感じさせるが、それはどちらかというと「疎外感」かも知れない)。 ブリタンスキ広場で毎週日曜日にアンティーク・マーケットが開かれている事は以前書いたが、土曜日にも半分の規模で店が出ている。土曜日は広場の半分で普通の市場、もう半分で蚤の市が開かれているのだ。土曜日にしか出ていない店もあるらしいので、ちょっと覗いていくことにした。 やっぱり、ブラブラ見ているだけでも楽しい。ただ、一見して古い物やユーゴスラヴィア時代の物と分かる品は別として、アクセサリーや飾り物などを見ていても、新品なのか新しい中古品なのか、それともいわゆるアンティークなのか、イマイチよく分からなかったりする(目が節穴)。お店の人に聞けばいいのだろうが、話しかけて買わないという展開が気まずいので、どうしても声をかけられない(これは日本でも同じ)。 そんな中、今日ついに蚤の市で買い物をしてしまった。飾り物を2つ。全然高い物じゃないし、掘り出し物でも何でもないんだけど。値切りのスキルも無いので、言い値で買いました。 小さな木彫りの、ザグレブの民族衣装の男女(上の赤いのは傘)。10kn(約150円)。どこかにぶら下げよう。 手の平に乗る大きさのハト(?)の置物。「いろんな色に光ってキラキラして綺麗だから」というカラスのような理由で目を付けただけ。30kn(約450円)。 こういう素材の置物は見た事あるような気がするが、何製と言えばいいのだろうか?色も非常に綺麗なのだが微妙で、説明や表現が難しい。雨上がりのガソリンスタンドの前の水たまりのような(綺麗さ台無し)、貝殻の内側のような…。 また割れ物が増えたが、気を付けて持って帰って、家に飾ろう。 イェラチッチ広場に来てみると、大きなクリスマスツリーの設営中だった。 これはかなりの高さ!夜に見に来てみたいね!点灯はいつからかな? 広場に「ソーセージ・バー」みたいのが設置されていた!ソーセージとかホットドッグとか食べられる店らしい。ザグレブの冬の風物詩なんだろうか?今度行ってみよう。 この時、広場でソーセージを食べなかったのは、今日の昼食を既に決めてあったから。 先日マリオさんとミラさんに教えてもらった、「チェヴァプチチが美味しいレストラン」に行くのだ! トカルチッチ通り(トカルチチェヴァ)を上って行って左手にある、「MIRNI KUTIĆ/ミルニ・クティチ」という店。 店内より。「アッシジの聖フランシスコ教会」が見える。この辺りは「カプトル」と言って、中世には宗教都市だった場所。 この店は、肉のグリル料理がメインなようだ。あとはピザ。メニューには非常に魅力的な料理ばかりが並んでいるが、今日はマリオさん達オススメの一品を食べてみたい。 この店では「チェヴァピ」(トルコの「ケバブ」を語源としている)。「チェヴァプチチ」とは「小さいチェヴァピ」という意味なのだ。 ほら来た!これ、1本の長さは私の中指よりも長い。 このジュージューとアツアツな感じ!肉汁のしみ出すジューシーさと表面の香ばしさ!これでもかとばかりに本能(煩悩?)を刺激する要素満載。 やっぱり付け合せとして生のタマネギ。そして、トマトの左の2つ盛られた白っぽいものは、勿論バニラアイスではない。これは「カイマク」という乳製品の一種で、やはりトルコ由来の物らしい。まあ、クリームチーズと思って頂ければほぼ間違いないはずだが、さらにバターのようなコクもある(脂っぽさは無いが)。前にご紹介したアイヴァル(パプリカや唐辛子などを煮詰めて作るペースト)と同じく、チェヴァピ(チェヴァプチチ)につけて食べる事が多い。 チェヴァピのお供をさらにもう一つ。これは「レピニャ」というパン。 中はこんな感じ。ナンやピタに近いか。 結構厚みがあって、モチモチっとした食感。そして表面はカリッと焼き上がっている。レピニャ自体にもうっすらと味がついていて、アツアツのものを食べると実にウマイ!レピニャだけ食べても十分な美味しさなのだ。 これに肉汁たっぷりでプリップリのチェヴァピを挟み、さらにカイマクを塗って食べるところを想像してみて下さいよ!!くーッ!!この時もう本当に、「夕べに死すとも可なり」と思った。 さすが、マリオさん達がお勧めしてくれた店だ。この店の他のグリル料理も是非食べてみたいものだ。 しかし、それにしてもチェヴァピは美味い。これは絶対に日本人が大好きな料理だ。これを日本に紹介したら瞬く間に人口に膾炙して、全国の居酒屋のメニューにチェヴァピが登場するのではないか?勿論、アイヴァルやカイマクやレピニャもだ。 大体、日本に帰ったらこの味が食べられなくなると考えただけで憂鬱だ。本格的なチェヴァピを料理として日本に持ち込むため、料理人を日本に連れて行くべきではないか?そして全国に普及させたい。日本のどこででもチェヴァピが食べられるようになるために、私の残りの生涯を捧げてもいいとさえ思う。これはビッグビジネスの予感がする。 いや、ビジネスもともかく、この存在、この美味さを是非とも日本に知らしめる必要がある。知らしめたい。とにかく皆に食べてみてほしいのだ。 私は、チェヴァピとカイマクとレピニャの渾然一体となった強烈な美味さを幸福感と共に噛みしめながら、一人妙な義務感に燃えていたのだった。 せっかくの晴天なので、腹ごなしも兼ねてしばらく上の町を散歩して回り、また歩いて部屋まで帰った。 帰る途中で見かけた散歩中のハスキー犬。これなら寒くないだろうと思える立派な毛皮。 結局、この日の夜と翌日の朝まで満腹感が持続して食事を抜くことに(オレンジジュースだけ飲んだ)。 1,200円(飲み物込み)で3食分食べたと考えれば高くはないだろう。 この日はクロアチア語でメールのやり取りをする用事が数件重なったため、夜はほとんどそれだけで終わってしまった。 もうすぐ12月、ザグレブの街にも本格的なクリスマス・シーズンがやって来る。
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