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11月29日(月) - - - - - - 遅れているクライアントからのデータ、まだ来ない…。状況を知らせるメールも来ていない。 本来なら明日までに作業を完成させて、Webサイト制作会社にデータを送る予定だったのに(そしてその後はほとんど自由時間になるはずだったのに…)。 少々予定が狂いそうだ。仕方ないので、データを待ちながら、さらに自分のアイディアで追加したいページを考えてテキストを書いたり、そのための調べ物をしたりする事に。 朝からパソコンに向かって仕事をしていたが、9時半頃にふと窓の外を見れば、きれいな青空が!ああー、空が青いと嬉しい!晴れの日は本当に貴重なのだ。仕事はまだ終わっていないし、データの到着も気になるが、せっかくなので、ちょっとだけ街へ出掛けてみることにしよう。こんな日には外に出て気分をリフレッシュさせてこそ、仕事もはかどるってもんだ(やっぱり日本でのペースと全然違う。こっちにいる時の方が、どう考えても活動的…というか健全である。野菜は不足気味かも知れないが)。 外に出た。これがアパートメントホテルのあるビサチュ通り(ビサチュカ)。通りの名前は、モンテネグロの地名「Bisač」に由来しているのだろうか? 今さらのご紹介で気がひけるが、これがホテルの部屋が入っている建物(真ん中の白いの)。一般のアパートの部屋に、滞在型ホテルとしての設備が整っているわけだ。 空気は冷たいけど、歩いていると気持ちいい。いつものように、街の中心、イェラチッチ広場までやって来た。 広場にある「マンドゥシェヴァツの泉」がクリスマス仕様になっていた! ちなみに、イェラチッチ総督像はいつもと変わらず、今日も凛々しいお姿だった。某チキン店に立ってるおじさんみたいに、この時季サンタの服を着たりはしていない。 広場から階段を上って、青果市場をブラブラしてみる。普段の店に加えて、クリスマスの飾りや大きなロウソクを売っている店も目に付く。 私の場合、日本でこういう街の景色を見ると「クリスマス→年の瀬」という一連のイメージが思い浮かぶが、今ここでは「ああ、クリスマスだなぁ」とは感じているものの、イコール「そろそろ年末だなぁ」とは不思議と意識しないのだ。もしかすると、帰国を拒絶する心が時間の経過を止めたい方向に作用して、無意識に先の事を考えまいとしているからかも知れない。 市場には食べ物だけでなく、日用品やお土産を売る店も出ている。雑貨や民芸品、刺繍にレース…そのような品が並んだ一画を眺めながら歩いていると、突然「あら!こんにちは!」と声を掛けられた。んっ?この笑顔の素敵な黒髪の女性は…ああっ!訪問したクライアントの一つ、「エスノ・スタイル」というお店の娘さんで、前にチョコレートくれたお姉さん、ディアナさんだ!わー、覚えていてくれたんだ!思わずつられて笑顔になって握手し、挨拶をした。 「元気にしてる?ザグレブは楽しい?いつまでこっちにいるの?」などと聞いてくれて、少し話をした。 そうそう、「写真送ってくれてありがとう!返信メールがなぜか上手く送れなくて…ごめんなさいね。でもちゃんと届いたから。嬉しかった!」との事。Webページに載せるスタッフ写真ということで彼女の写真を撮らせてもらい、その時に「撮った写真をメールで送ってくれる?」と頼まれ、教えてもらったアドレス宛に送ってあったのだった。ちゃんと送れたかどうか少し気になっていたんだけど、よかったよかった! 知らなかったのだが、彼女達のお店「エスノ・スタイル」は、以前訪問した店舗だけでなく、この市場にも店を出しているとの事。「ほら、ママよ」とディアナさんが指す方には、初回の訪問時にお会いした、お店の奥さんもいらっしゃった。「まーあ!元気?また会えて嬉しいわ!」とやっぱり笑顔で握手してくれた。 12月16日までこちらに滞在していることを伝え、「日本へのお土産を買いたいので、またお店に伺います」と私が言うと、「是非来てちょうだい。ここでもいいし、お店の方でもいいからね。あなたのためだったら、20%でも30%でもまけてあげるわよ!」なんて言って下さった。あはは、どうしよう。これはもう、民族衣装一揃い、買っていかないとダメかなぁ(笑) とにかく、ありがたい気持ちでお礼を言って、必ずまた来る事を約束した。 彼女達と別れ、市場を後にして街に下りてきた。 まだお腹は空かないんだけど、ちょっと休憩する事にした。広場のソーセージも非常に気になるが、今日はせっかく晴れて少し暖かいので、スイーツ・ショップ「Vincek/ヴィンツェク」でアイスクリームを食べることにする(ちなみに、この日の最高気温は8度。なんか感覚がおかしくなってます)。 1個だけのつもりが、つい口をついて2つ目のアイスも注文してしまっていた。 今日はコーンで。下のアイスは「ダーク・チョコレート」。物凄く濃い色をしている。見た目通り、チョコレートの味が非常に濃厚だ。「一切の妥協を排したチョコレート」と言ってもいい。チョコの甘味と苦味が絶妙のバランスで、「ちょっとお酒入ってる?」と感じるほどの芳醇さがある。かと言って、しつこくまったりする感じではなく、ちょうどいいシャリシャリ感があり、ジェラートのような口当たりで食べやすいのだ。うはは、美味いー♪ そして上の方、見ているうちについ口が滑って(?)注文してしまったのが、店名と同じヴィンツェクという名のアイス。チョコとバニラのマーブルアイスにチョコシロップがかかって、ナッツが入っている。これ、本当にすっごく美味い!!是非皆さんにオススメしたい。いや〜、ウッカリ頼んでよかったわー。前回と同じく、アイスの注文カウンターのすぐそばの立食スペースで立ち食いしてたんだけど、アイスを買う人の多くがこのヴィンツェクを注文しているのが聞こえた。人気があるらしい。手作り感のある深みのある味なんだけど、決して甘過ぎない。滑らかなミルクチョコの味だけど、ミルクっぽさが濃厚という事ではない(ミルクが苦手な私にとっては、この点重要)。チョコとナッツがしっかり仕事をしていて、まろやかさの中にもチョコのビターな味とナッツの香ばしさ(プラス食感)がしっかり生きている。ヴィンツェクに来たら、このアイスを是非食べてみて頂きたい。たとえそれが冬であったとしてもだ(でもケーキも美味しいので、ケーキでもいいです)。 イリツァ通りを渡って、さらに周辺をブラつく。 別名「花の広場」とも呼ばれる(中世からこの場所に花売り屋台が多かったため)ペタル・プレラドヴィッチ広場に来た。フラリと入った本屋は、意外に奥行きがあって、文房具屋と雑貨屋も兼ねている店だった。 クリスマスの飾りがいっぱい。人形、置物、クリスマスカード、クリスマス用の紙ナプキン…宗教的な意匠のものからファンシーなものまで様々だ。 これはクリスマスと関係無い、恐竜や動物やファンタジー系キャラクターのフィギュア。こういうのにヨワイのだ(昔買い集めたのが家にいっぱいある)。見ていたら物欲が再燃しそうになった。 ここで「リツィタル・ハート(Licitarsko srce)」というザグレブ定番の飾り物を購入。今のシーズンならではの雪だるま型だ。 リツィタル・ハート自体は、(いかにもクリスマスっぽい配色ではあるが)クリスマス用の飾りというわけではない。クッキー生地を焼いて蜜蝋などで固め、綺麗に装飾した飾り物だ。元はハート形の物に小さな鏡を付けて(私の心には常に貴方が写っていますよ、というメッセージを込めて)愛の告白として渡されていたようだ。今では親しい人に贈る風習となっており、お土産としても人気がある。形もハートの他、花、鳥、蝶、キノコなど色々な物があり、イースターの頃にはイースターエッグのような装飾の物、クリスマスが近い今頃は、クリスマスツリー、ベル、ブーツ、天使などの形の物も買う事ができる。 尚、クッキー生地でできているとは言え、今売られている物は食べる事はできないので、かじらないで頂きたい(昔のは実際に食べられたそうだが)。それと、材質上長期間の保存が難しいようで、特に引き出しや缶の中などに入れておくと、いつの間にか割れたりボロボロに崩れたりしてしまう(数年間は大丈夫であるが)。どうしたらできるだけ長持ちさせられるだろうか? 広場からイリツァ通りの方向を望むとこんな感じ。 オープンテラスには人が溢れている。晴れてるから。こんな日に青空を求めて表に出てくるザグレブの人達の気持ちが、今なら私にもよく分かる。 頭上のハートは、クリスマスシーズンに入って設置されたイルミネーション。ザグレブは至る所にハートがいっぱいなのだ。尚、左のメリーゴーラウンドはクリスマスとは関係無く、普段からここにある物。 この写真を撮っている時、通りすがりのおじさんが私に声を掛けてきた。これがまた、楽しいおじさん(「おっちゃん」って感じかな)だったのだ。 このおっちゃんです。 向こうから歩いてきたおっちゃんに「よお、あんたは中国人かい?」と訊かれたので「いえ、日本人です」と答えたところ「そりゃあいいや!日本人は中国人よりいいよ、あんた!」と、おっちゃんは急にフレンドリーさ全開の笑顔になった。「サムライ!」とか「嬉しいよ、日本の兄弟!」とか言いながら、握手とハグで挨拶してくるおっちゃん。真っ昼間の広場の真ん中で、楽し過ぎるテンションの二人。 「名前は何ていうんだい?俺はヨシップ、愛称はヨーゾだよ」とおっちゃん、いや、ヨーゾさん。 「ドイツ語ではヨーゼフになるんだ。ヨーゼフ、ジョセフ、ヨシップ、みんな同じ意味なんだよ」と教えてくれた。 クロアチア人の名前というのは、あまり種類が多くない。最近では新しい響きの名前(外国風の)の人もいるけど、多くは古くからの名前、偉人や聖人、あるいは名詞や形容詞由来のものである。だから、どうしても同じ名前の人が多くなる。そこで、多くの人は本名から派生したニックネームを持っているのだ。ヨシップさんの「ヨーゾ」というのもそれである(ちなみに、イェラチッチ総督の名前もヨシップだし、ユーゴスラヴィア建国の父チトーの本名もヨシップ・ブローズである)。 「私はHideっていいます」と答えると、「Hide!そうか、Hide!」「ヨーゾ!」とまた抱き合い、はたから見たら生き別れの身内(どう見ても人種違うが)の再会みたいな事になってきた。 「写真、撮らせてもらってもいいですか?」と聞いたら「撮ろう!誰かに頼んで、一緒に撮ってもらおう」と言って、ヨーゾさんは通りかかった若い女性に「お姫様!(Princeze!)」と呼び掛けていた。あはは!「お嬢さん」って呼び掛けはよく聞くけど、こういう状況で「お姫様!」っていうのは初めて聞いた。調子がいいなあ。 そのお姉さんは快く私達の写真を撮ってくれて、私はお礼を言った。 そしてヨーゾさんと私は、もう一度お互いの名前を呼び合い、「じゃあね!」とゲンコツタッチして、親指を立て、通りの南と北へと別れたのだった。ホント面白い。ああいう人は憎めないよなぁ〜。 そのまま歩いて部屋に帰る事に。帰り道、パンを買って、2時頃に帰宿。あとはひたすら仕事した。 夜はシリアルをザクザク食べて、それで満足してしまった。あー、また野菜が…。 クライアントからのデータは結局届かず、夜はメール書いたりしてこの日は終了。明日データが来なかったらアウトだ。私は締め切り破りの罪人だ…
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11月28日(日) - - - - - - 朝起きたらすごい霧…まあ、大体いつものことなのだが。 ちょっとテラスに出てみたら、朝のひんやりとした空気が…なんて言っていられるレベルじゃないな、これは。あまりにも寒いので(部屋着のまま出てしまったせいもあるが)、すぐ温かい部屋の中に戻ってしまった。あー、暖房は偉大だ。何だかこの霧って、空気に氷が含まれているみたいだ。非常に冷たい空気に、一瞬で体温を奪われていく感じ。文字通り、身に染みる寒さだ。 今の時期、ザグレブは朝夕の気温が-3〜-1度ぐらい。氷点下の冷え込みだ。日中もあまり上がらず、最高気温が1〜2度。日本と比べると、やっぱりかなり寒い。 だけど同じ時期、南のドゥブロヴニクでは最低気温が10度ぐらい、最高気温は15〜16度(今日は19度まで上がったそうだ)である。北海道と九州ぐらいの違いがあると言える。 クロアチアは日本よりさらに小さい国だが(面積は九州の約1.5倍)、気候帯の違いにより、国内でも場所によってだいぶ気候が異なる。やはり地中海性気候の沿岸地域が(冬には「ブラ」と呼ばれるアルプスからの冷たい北風が吹き荒れる日もあるとはいえ、)最も暮らしやすいと言えるだろう。台風や梅雨もないし(それらはザグレブにもないが)、全く羨ましい限りだ。 さて、ここに来て仕事が忙しくなっている。 うちの会社のWebサイトにページを追加する必要があって、その元になるデータ(文章や画像ファイル)を作ったり整理したりしているのだが、これに地味に時間がかかる。 ハッキリ言って日本でもできる作業なのだが、これを11月いっぱいで終わらせてWebサイト制作会社の方にデータを渡すことになっているため、どうしても今やらなければならないというわけだ。 しかも、まだいくつかのクライアントから基礎データが上がってきていないので、私のやるべき作業の一部が進められないという事態も発生している。社長を通じて状況を確認したり催促してもらったり、そんなやり取りをしながら作業全体の追い込みをしていて、一日があっという間に終わってしまう。大丈夫なのか、これ。約束通りに、今月中にデータの引き渡しができるだろうか? 朝、市場に行ってみたい気持ちもあったのだが、寒いのと時間が惜しいのとで(行くと絶対にウロウロと見て回ってしまうので)、買ってある物で済ませた。 3種類目のシリアルを開けてみた。 リノのチョコシリアルシリーズの一つ、「クリスプ」。 このシリアル、うまい!すごく食べやすい。 一粒が米粒ぐらいの大きさで、見た目はチョコ味のひなあられ、といった感じ。ザクザクした歯ごたえが楽しい。チョコ味がおいしくて甘いんだけど、ちょっとしょっぱさもあるので後をひくのだ。 それとオレンジジュースで簡単に食事を済ませて、すぐに仕事に取り掛かる。 データをちまちまと作ったりメールのやり取りをしたりしているうちに、時間はどんどん過ぎて、ふと時計を見たらもう3時だ。気分転換を兼ねて、近所に食事に行くことにする。 昼過ぎから降り始めた雨の中、すぐ近くのピザハウス「VIVA」へ。ここももう何度も来ているので、店員さんともすっかり顔なじみだ。 今日は、前から気になっていたパスタを頼んでみた。この店のメニューでは高い方の部類に入る50kn(約750円)の料理。名前からしてゴージャスな一品である。 ジャーン♪「トリュフとプルシュートのホワイトパスタ」!! テレビや本で見た事のあるスライスしたトリュフはかかっていないが、黒っぽいツブツブした物が入ったホワイトソースがふんだんにパスタにからんでいる。そしてプルシュート(ダルマチア名物の生ハム)が乗っている。 トリュフとプルシュート!トリュフだけでなく、なんと、そのうえプルシュートも!トリュフだけでも十分なのに、そこへもってきてダメ押しのプルシュートまでもが!!素晴らしい!盆と正月が一緒に来たような祝祭感に溢れていると言えよう(オーダーした当人が)。 近頃、私の食生活(野菜不足)について皆さんからご心配を頂いている。日本から9,000km離れた小さな国の片隅で細々と生活している私の事を気にかけて下さる方がいるなんて、何だか本当に嬉しくて、ありがたい気持ちでいっぱいである。そして同時に、もうすぐ35にもなろうって男がこんな事でまで皆さんにご心配をお掛けして何やってんだ!子供か!ちゃんとしろ!とも思っている。大変申し訳ありません。 そこで今日は、きちんと野菜も食べることにする。サラダも頼もう。 「海の幸サラダ」!(野菜を食べるという趣旨で、どうして海鮮方向へ行ってしまうのか?) このサラダ、タコメインに見えるが、その下にはルッコラが敷き詰められているのだ。あとは真っ赤に熟したトマトとシャキシャキした根菜(あれ、コレ何だったかな?中身が白いから、赤カブじゃあないよなぁ…)。うーん、でもやっぱりメインはシーフードと言わざるを得ないか。タコ、ムール貝、小エビ、そしてスリミ(カニカマ)である。量がかなり多かった。メインのパスタと併せて完食できるだろうか?(パスタやサラダはさすがに持ち帰りはキビシイだろう。ビニールとかに入れて持ち帰らせてくれたとしても、それはそれでキビシイと思う) さて、肝心の味であるが、まず海の幸サラダは、全体がオリーブオイルで和えてあって、味がよくまとまっている。クロアチアのオリーブオイルは、ホント美味しいのだ。 クロアチアではタコは非常にポピュラーな食材で、様々な料理に使われている。「タコのサラダ」というのも、レストランなどでもよく見掛けるし、家庭(特に沿岸部の)でも作られている料理である。店や家庭によってレシピが少々違うと思うが、小ぶりに切ったタコと、同じぐらいの大きさに角切りした茹でジャガイモをオリーブオイルで和えるのが一般的だ。 そして、トリュフとプルシュートのホワイトパスタ。 実は私は、トリュフって食べた事がなかったのだ。高価な食材だと聞くし、正直、そんな高い金を払ってまで食べなくてもいいや!と、あまり興味もなかったのだ。 しかし、クロアチアの西、イストラ地方という場所はこのトリュフの有名な産地で、「クロアチアのトリュフ」というのは、かなり有名らしいのだ(ちなみに、クロアチアではトリュフを探すのは豚ではなく犬だそうだ。勿論、訓練を受けた犬)。 だから、今回の滞在中に一度は食べておこうと思っていた。12月にイストラへ行く予定があるので、是非本場のトリュフを賞味してみようと考えているのだが、ちょっとフライングで、ここでも食べてみる事にした。トリュフソースとは言え、750円でそれが味わえるのなら安い物だし、ザグレブと本場イストラで食べ比べてみるのもいいだろうと思ったのだ。 で、初めて味わったトリュフ。確かに美味かった!ソースなので、香りだけだけど。時間帯が中途半端で周りに他のお客さんが誰もいなかったのをいいことに、思わず何回も鼻を近づけて香りを思いっきり吸い込むという行動に出てしまった。 750円という値段からして、おそらく、使われているトリュフの量はそんなに多くないと推測できるのだが、それにしても非常に特徴的な香りである。からめられたホワイトソースのせいもあるとは思うが、とても濃厚でまったりとした味と風味だった。何に似ているとか、言葉で表現するのが難しいのだが…。 強いて説明するなら、このパスタを食べている時に私の頭に思い浮かんでいたのは、なぜか「とんがりコーン」というスナックの事だった。それの、「香ばしバター味」というやつ。こんな事を言うのは世界中で私一人しかいないかも知れないが、このコーンの焼き菓子の香ばしさとバターの風味が、何となく記憶の中でつながったのかも知れない。とんがりコーン<香ばしバター味>の塩味を抑えて、バターのコクとまろやかさ、そして香ばしさをアップさせ、全体の芳醇さをググッと増した感じ。いやいや、やっぱりこの説明は乱暴すぎるな。とにかく素晴らしい香り、風味だった!この濃厚なソースが、幅広のパスタにとてもよく絡むのである。 そして忘れてはならないのがプルシュートの存在だ。カリッと焼かれてベーコンっぽい食感になっているプルシュートの塩辛さと、そしてこれも独特な香ばしさが、まったりとしたソースの中で、非常に贅沢なアクセントになっている。ダルマチアとイストラを代表する味覚の夢の競演である。これは本当に食べてよかった!という大満足のパスタだった。かなり濃厚で結構重いはずなのに、どんどん箸ならぬフォークが進んで、あっさり食べきってしまった。 ちなみに、プルシュートの無い「トリュフのホワイトパスタ」というのもあって、こちらは10kn安い40kn(約600円)となっている。 サラダまで全て完食した時にはさすがにリミットを超えて満腹の状態だったが、とにかく全部食べた。野菜も食べた。とにかく、初めてのトリュフが思いのほか美味しい物であったという事に驚いた。 あとはイストラに行って、是非本場のトリュフを試してみたいと思っている。トリュフを削って入れてくれるような、本格的なトリュフ料理を一度ぐらいは味わっておきたい。勿論財布と相談して、分相応な範囲で…という事だが。お勧めのレストランがあるかどうか、社長に訊いてみよう。 濃厚なトリュフソースの誘惑に負けずにワインも飲まずに帰ってきて、仕事を再開。 灰色の空のまま日が暮れて夜になったが、勿論夕食はパス。お腹いっぱいだ。 メールをチェックするも、データも連絡もまだ来ていない。これが来ないと、私としてはどうする事もできないのだが、Web制作会社の人に対して責任を感じる所ではある。
早く自分の仕事を完成させて、クロアチアでの貴重な自由時間を楽しみたい(本音が出た!)。 |
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11月27日(土) - - - - - - ああ、滞在もついにあと20日間だ。残り3分の1だ!到着の日に時間を巻き戻したい。 今月末までに仕上げないといけない仕事があって、それがもうすぐ終わるから、最後の2週間少々、また色々な場所に行ってみたいと思っているのだけど。しかし天気が良くない日が続くみたいなのが残念である。 雪景色も私には珍しいから昨日は浮かれていたけど、やっぱり旅行に行って街や風景を見たり写真を撮ったりする事を考えると、天気がいい方が嬉しい。雨や雪が降ると、機動力も落ちるし…。という訳で、やっぱり晴れてくれる事を望んでいるのである。 当たり前のように晴れの日が続くと、別に何とも思わない。曇りや霧の日が続くと、「晴れないかなぁ」と思う。雨の日が続くと、「曇ってもいいから、雨さえ降らなきゃいいのに」と思うようになる。そして雪が降り始めると、「雨ならいいけど、雪だけは勘弁してほしい」と考えるのである。このうえさらに雹が降ったり竜巻や猛吹雪が起こったりすれば、「雪だったらまだよかったのに」と思うことだろう。 厳しい現実を前に贅沢を言っていられる状況ではなくなり、次第に差し迫った立場に追い込まれて、エスカレートした妥協と譲歩の果てに思ってもいなかったものを掴まされ、それによってまた苦境に立たされるのだ。恋愛も結婚も就職も同じだ。 さて。私の恨み節が天に届いたのかどうか知らないが、今日は朝のうち曇りだったが、11時過ぎから青空が見えてきた。晴れた!なんだー、じゃあ、今日ヴァラジュディンに行けばよかった?…いや、今日は土曜日だ。博物館が早く閉まってしまう。ヴァラジュディンには3つの博物館があって、是非ゆっくり回ってみたいと考えているのだ。だから、行くなら平日に行きたい。 しかしまあ、せっかくの青空だ。とりあえず街に出てみよう! ホテルの部屋が入っている建物を出ようとして、昨日まで無かったはずの「お知らせ」が貼り出されている事に気付いた。 2010年11〜12月の雪かきスケジュール へぇ〜。建物の住人やテナントが、当番制で雪かきをするらしい。日本でも、雪国ではこういう制度があるのかな?町内会とかで。 念のため「お知らせ」を読んで確認したが、私(アパートメントホテルの宿泊客)にはこの義務はないようだ。当番表に入っていなかったから。 「雪かき用のシャベルと塩は廊下に置いてあります」って書いてあるけど… …あ、あった! シャベルはともかく、「雪かき用の塩」というのがよく分からない。 後で調べてみたら、雪かきの後には「塩まき」をして残った雪を溶かし、凍結を防ぐのだそうである。雪国の人には常識なのだと思うけど、私は今日に至るまで全く知らなかった。 それにしても、管理人名義で右側に書いてある文章が気になる。「住人同士で当番日を交換する場合は、管理人に連絡して下さい」というのはまあいいとして、「今年、雪かきのスケジュールが守られなかったり少数の人しか作業をしてくれなかった場合は、その労に対して共同積立金から報酬を支払う事を検討します。このような(昨年のような)隣人同士の非協調関係は、もはや意味をなさないので」…だって! 去年は雪かき当番をサボる人続出だったのだろうか?管理人さんもなかなか大変そうである。お疲れ様ですと言いたい(当番を務めて下さる方にも)。 外に出ると、青空から明るい日差し。雪解け水が雨どいを伝い落ちる音があちこちから聞こえる。 街の中心まで行くのにいつも通っているアジーナ通りを歩いていく。道の雪はもうすっかり溶けているので、歩くのに支障はない。 山が白っぽく見えるのは、木々に積もった雪のせいだろうか。 今クロアチアに来ていて、周りにいるのはクロアチアの人ばかり、聞こえてくる会話はほとんど聞き取れず、食事もこちらの物ばかり…という状況にありながら、実はそんなに「異郷にいる」とか「遠くに来ている」という実感が無い(図々しいね)。 でも、ザグレブの街を歩いていてこのように山が目に入る時、「ああ、家から離れた所に来ているなぁ」という事を思い出したように感じるのである。 思えば遠くへ来たもんだ(サヴァ川南岸からの眺め。ザグレブの街のさらに北に見える山が「Medvednica/メドヴェドニツァ」。 私は生まれてこの方、ずっと関東平野の只中で暮らしてきた人間なので、普段「山」という風景を見ることがない(近所の裏山ぐらいはあるが)。だから、日本国内でも、山地のそばや盆地地帯に行くと、その風景を眺めて「あー、家じゃない場所にいるなぁ」としみじみ思うのである。私にとって「異郷」のキーワードは「山」である(それと、「日本語でもクロアチア語でもない言葉しか聞こえてこない場所」というのも同じく「異郷」を強く感じさせるが、それはどちらかというと「疎外感」かも知れない)。 ブリタンスキ広場で毎週日曜日にアンティーク・マーケットが開かれている事は以前書いたが、土曜日にも半分の規模で店が出ている。土曜日は広場の半分で普通の市場、もう半分で蚤の市が開かれているのだ。土曜日にしか出ていない店もあるらしいので、ちょっと覗いていくことにした。 やっぱり、ブラブラ見ているだけでも楽しい。ただ、一見して古い物やユーゴスラヴィア時代の物と分かる品は別として、アクセサリーや飾り物などを見ていても、新品なのか新しい中古品なのか、それともいわゆるアンティークなのか、イマイチよく分からなかったりする(目が節穴)。お店の人に聞けばいいのだろうが、話しかけて買わないという展開が気まずいので、どうしても声をかけられない(これは日本でも同じ)。 そんな中、今日ついに蚤の市で買い物をしてしまった。飾り物を2つ。全然高い物じゃないし、掘り出し物でも何でもないんだけど。値切りのスキルも無いので、言い値で買いました。 小さな木彫りの、ザグレブの民族衣装の男女(上の赤いのは傘)。10kn(約150円)。どこかにぶら下げよう。 手の平に乗る大きさのハト(?)の置物。「いろんな色に光ってキラキラして綺麗だから」というカラスのような理由で目を付けただけ。30kn(約450円)。 こういう素材の置物は見た事あるような気がするが、何製と言えばいいのだろうか?色も非常に綺麗なのだが微妙で、説明や表現が難しい。雨上がりのガソリンスタンドの前の水たまりのような(綺麗さ台無し)、貝殻の内側のような…。 また割れ物が増えたが、気を付けて持って帰って、家に飾ろう。 イェラチッチ広場に来てみると、大きなクリスマスツリーの設営中だった。 これはかなりの高さ!夜に見に来てみたいね!点灯はいつからかな? 広場に「ソーセージ・バー」みたいのが設置されていた!ソーセージとかホットドッグとか食べられる店らしい。ザグレブの冬の風物詩なんだろうか?今度行ってみよう。 この時、広場でソーセージを食べなかったのは、今日の昼食を既に決めてあったから。 先日マリオさんとミラさんに教えてもらった、「チェヴァプチチが美味しいレストラン」に行くのだ! トカルチッチ通り(トカルチチェヴァ)を上って行って左手にある、「MIRNI KUTIĆ/ミルニ・クティチ」という店。 店内より。「アッシジの聖フランシスコ教会」が見える。この辺りは「カプトル」と言って、中世には宗教都市だった場所。 この店は、肉のグリル料理がメインなようだ。あとはピザ。メニューには非常に魅力的な料理ばかりが並んでいるが、今日はマリオさん達オススメの一品を食べてみたい。 この店では「チェヴァピ」(トルコの「ケバブ」を語源としている)。「チェヴァプチチ」とは「小さいチェヴァピ」という意味なのだ。 ほら来た!これ、1本の長さは私の中指よりも長い。 このジュージューとアツアツな感じ!肉汁のしみ出すジューシーさと表面の香ばしさ!これでもかとばかりに本能(煩悩?)を刺激する要素満載。 やっぱり付け合せとして生のタマネギ。そして、トマトの左の2つ盛られた白っぽいものは、勿論バニラアイスではない。これは「カイマク」という乳製品の一種で、やはりトルコ由来の物らしい。まあ、クリームチーズと思って頂ければほぼ間違いないはずだが、さらにバターのようなコクもある(脂っぽさは無いが)。前にご紹介したアイヴァル(パプリカや唐辛子などを煮詰めて作るペースト)と同じく、チェヴァピ(チェヴァプチチ)につけて食べる事が多い。 チェヴァピのお供をさらにもう一つ。これは「レピニャ」というパン。 中はこんな感じ。ナンやピタに近いか。 結構厚みがあって、モチモチっとした食感。そして表面はカリッと焼き上がっている。レピニャ自体にもうっすらと味がついていて、アツアツのものを食べると実にウマイ!レピニャだけ食べても十分な美味しさなのだ。 これに肉汁たっぷりでプリップリのチェヴァピを挟み、さらにカイマクを塗って食べるところを想像してみて下さいよ!!くーッ!!この時もう本当に、「夕べに死すとも可なり」と思った。 さすが、マリオさん達がお勧めしてくれた店だ。この店の他のグリル料理も是非食べてみたいものだ。 しかし、それにしてもチェヴァピは美味い。これは絶対に日本人が大好きな料理だ。これを日本に紹介したら瞬く間に人口に膾炙して、全国の居酒屋のメニューにチェヴァピが登場するのではないか?勿論、アイヴァルやカイマクやレピニャもだ。 大体、日本に帰ったらこの味が食べられなくなると考えただけで憂鬱だ。本格的なチェヴァピを料理として日本に持ち込むため、料理人を日本に連れて行くべきではないか?そして全国に普及させたい。日本のどこででもチェヴァピが食べられるようになるために、私の残りの生涯を捧げてもいいとさえ思う。これはビッグビジネスの予感がする。 いや、ビジネスもともかく、この存在、この美味さを是非とも日本に知らしめる必要がある。知らしめたい。とにかく皆に食べてみてほしいのだ。 私は、チェヴァピとカイマクとレピニャの渾然一体となった強烈な美味さを幸福感と共に噛みしめながら、一人妙な義務感に燃えていたのだった。 せっかくの晴天なので、腹ごなしも兼ねてしばらく上の町を散歩して回り、また歩いて部屋まで帰った。 帰る途中で見かけた散歩中のハスキー犬。これなら寒くないだろうと思える立派な毛皮。 結局、この日の夜と翌日の朝まで満腹感が持続して食事を抜くことに(オレンジジュースだけ飲んだ)。 1,200円(飲み物込み)で3食分食べたと考えれば高くはないだろう。 この日はクロアチア語でメールのやり取りをする用事が数件重なったため、夜はほとんどそれだけで終わってしまった。 もうすぐ12月、ザグレブの街にも本格的なクリスマス・シーズンがやって来る。
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11月26日(金) - - - - - - 合格発表当日のこの日。こちらの時間で深夜2時ぐらいになったら、発表のあるWebサイトをチェックしてみよう!と、それまで起きているつもりだったのだが、パソコンをつけたまま、いつの間にか寝落ちしていた…。 意識を取り戻したら、既に朝の4時半近く。勿論、外はまだ真っ暗だ。 日本旅行業協会のサイトを見ると、既に「合格者一覧」というリンクができていた。 東京会場のファイルを開き、自分の番号を確認する… あった!!脱力しかかりながらも、メモしてあった受験番号をもう一度確かめ、パソコンの画面と突き合わせて、間違いがない事を確認する。…よし、大丈夫だ。 あ〜…ヨカッタ!これで本当にホッとした。何かの結果を聞いてこんなにホッとしたのは、一昨年の血液検査で尿酸値が正常値に下がっていた事を医者の先生から聞いた時以来だ(それまでに2回検査で引っかかっていた)。 この試験のために、多くの方々にご協力や応援を頂いた。皆さんにいち早くこのニュースをお知らせしたく、取り急ぎ、試験結果に関する記事をブログにアップする。 合格し、資格が取れた事は勿論嬉しいが、ご心配して下さった方々に、合格の報告ができる事がすごく嬉しく感じられた。 もう一度、この場にて皆様にお礼申し上げます。心にかけて頂き、温かい応援を頂きまして、本当にありがとうございました!! ともあれ、これで資格の所持を堂々とアピールすることができる。この資格は持っているだけでは意味がないので、これを活かした仕事ができるような道や方法を、これから探していくつもりである。新しい武器を手に、頑張ろう。 めでたい、というかとりあえず安心したので、まだケーキを食べるには時間も早いことだし、もう一度寝直すことにする。 目が覚めたら8時半になっていた。 受験の事を知らせてあった方々にも、メールで結果をご報告した。勿論、社長にも知らせて、会社のホームページのスタッフ紹介欄の私の所に、「総合旅行業務取扱管理者資格所持」の一文を付け加えてもらえるように頼んだ。 社長は「公認司法通訳翻訳者」という大変に取得が難しいクロアチアの国家資格をお持ちなので、公文書など法的効力が必要な書類の認証翻訳をする事が認められている。 だからたとえば、私が取った合格証書を社長がクロアチア語に翻訳して押印すれば、クロアチア国内でも、私がこの資格を持っていることが公に証明されるわけだ。 この資格、クロアチア語で何て言ったらいいのかな?たぶん、「Nacionalna kvalifikacija za ovlaštenog nadzornika opće turističke usluge」、かな。 何やかんやで祝賀の機運も高まってきたので(自分の中で)、おもむろに冷蔵庫の中から昨日買ってきておいたケーキを取り出し、「一人合格祝いパーティー」を開くことにする。いや、きっとこの喜びを分かち合ってくれる人達はいるはずだ。皆さん、やりましたヨー! 豪華2点盛り!フルーツケーキとチョコレート・クレムシュニテ♪ 熟考の末選んだ2種類のケーキ。やっぱりお祝いの日はケーキだ! 見た目の華やかさも嬉しいフルーツケーキは、意外なほど甘さが少ない。果物や真ん中部分のベリー系クリームに甘酸っぱさがあって、上の部分のクリームは、甘いというより、むしろそれらの酸っぱさを押さえてまろやかにしている感じ。フルーツの味を活かした、あっさりとしたケーキだった。勿論美味しかったけど、個人的にはもう少し甘くてもいいと思ったぐらいだ(一般にフルーツケーキを選ぶ人は健康志向なのであろう)。 チョコレート・クレムシュニテは、以前サモボルで感動しながら食べたクレムシュニテのチョコレートバージョン。クリームがフルフルなのは同じである。上の薄い色のクリームの方が滑らかで、より甘い。下の色が濃い方は、クリームと言うよりババロアっぽい感じで、違った食感が味わえる。上から下まですくい取って、クリームとババロアを一緒に食べるのが美味しい!すごく幸せ〜♪になる。一番にはサクッとしたミルフィーユの生地。クレムシュニテとチョコレートのコンビネーションなんて、嬉し過ぎるよ! 甘酸っぱいフルーツケーキと、甘くてフワフワのチョコレート・クレムシュニテは、我ながらいい組み合わせだった。ペロリと完食(とは言え、これがこの日の朝食兼昼食となった)。 午後2時頃、日本の自宅にも連絡しておこうと思い、すぐ近くの郵便局前の公衆電話まで行った。 外に出ると、おっ!粉雪が舞っている!! 予報通りの雪。わー、雪だー! 私の住んでいる地域はあまり雪が降らないので、雪を見るとわけもなくテンションが上がってしまう。 とりあえず用事を済ませようと、自宅に電話。試験の結果を伝え、合格証書が届くはずなので、私宛ての郵便物を絶対に捨てないようにと念を押す(母曰く「他の郵便物だって一切捨ててないわよ、失礼ね!」との事)。家の方も問題ない様子。 部屋に戻って、テラスからしばらく雪を見ていた。 雪っ!雪っ!空からどんどん降ってくるなー! ただ雪が降っているだけで嬉しくなってはしゃいでしまう千葉県人がここにいる。最近温暖化の影響で、雪が降るのもめっきり珍しくなったのだ。雪の苦労も知らないので、呑気なものだ。 さすがに寒いので大概にして部屋の中に戻ったが、その後も雪はしんしんと降り続いた。 午後7時。積もった!まだ降ってる… 実はこの後、ちょっと用事があって出掛ける事になっているのだ。寒さの方は着る物で防げるからいいとしても、雪が珍しい地方に住む私は、雪道を歩くのに慣れていないのだ。外の様子はどうだろうか? 木の枝に、車に、そして歩道に…雪は静かに降り積もる。 うーん、降っている雪やフカフカに積もった雪は楽しいけど、足元で水の出た大根おろしみたいにビチャビチャになってる雪は楽しくないー! 歩きにくい。すっ転びそうで怖い。一歩一歩、真上から踏みしめるように慎重に歩くが、足元が暗く、足が冷たい水たまりにはまる。歩いて行くのを諦め、トラムで移動することに決めた。 行き先は、2度目の人形劇劇場。人形劇やこの劇場が気に入ったのと、もう一つ見てみたいプログラムを見付けたので、今回もまた、前もってチケットを買っておいたのだった。だから、キャンセルするのももったいないし、せっかくなので、雪にも負けず夜の街へと出掛けていったのだ。 このプログラムは夜8時からの上演。夜公演のチケットは安いらしく20kn(約300円)だった。 今回の劇は大人向けのストーリー(案内には「小学6年生〜大人向け」となっていた)。演目は、トルストイ原作の「ある馬の物語」である。 知らない話なのだが、劇場のWebサイトで知って「見てみたいな」と思ったのだ。 今回は「狼と7匹の子ヤギ」と違って大人向けの仕様なので、セリフがほとんど聞き取れない可能性が高い。私はネットであらかじめストーリーを予習した上で観劇に臨むことにした。これはかなり重い、見る者の心に非常に重い問い掛けを残すような物語である。 劇場に掲示されたポスター。 今回はやはり、観客の大半は大人だった。若い人が多いようにも見えたが、年配の方の姿も多い。女性の二人連れ、ご夫婦…様々だが、女性の方が多いか。中には、少ないながら、親と一緒に来ている中学生ぐらいの若い子の姿もあった。夜公演のためか雪のためか分からないが、客席は6〜7割ほどの入りである。 舞台は短い歌で幕を開けた。当初の心配が当たり、私には歌詞もセリフも断片的にしか聞き取れない。いきなり高い壁を感じた。やっぱりおとなしく「3匹の子豚」にしておけばよかっただろうか。 しかし…!と私は考えを切り替えることにした。歌舞伎を見ている外国人は、全員日本語のセリフを完璧に理解した上で楽しんでいるのだろうか?そうではないだろう(日本人だって理解していない人もいるだろう)。言葉が分からなくても、芝居を楽しんだり、感激したりすることはできるはずだ。今回は役者の演技、舞台そのものから何かを感じ取ろう!と考えた。 しかし、ストーリーを頭に入れておいたおかげで、今演じられているのがどの場面か、何について語っているセリフか、というのは大体わかった。 この劇では操り人形も使われるが、ほとんどは(馬も含めて)衣装を身に着けた人間による演技である。役者の動きや声の調子から、登場人物のキャラクターや心情が読み取れる。それだけでも、ハッと胸を衝かれる様な衝撃を覚えたり、見る者の心を締め付けるような主人公の老馬の悲しみや一途さを感じたりした。 この物語のあらすじや感想について、詳しい事はここでは書かない。自分にとって、非常に考えさせられる、重厚で多重的なストーリーだったのだ。はっきり言って、重い。「老いる」とは?「所有」とは?そして「生きる」とは?…それらが自分にとってどういう意味を持つのか、主人公の運命や生き方に自分自身のそれを投影して深く思いを巡らせざるを得ない。 この劇の内容や自分が思った事については、いつかもう少し自分の考えがまとまったら、改めて書いてみたいと思う。 とにかく、主人公の悲痛な叫び、そして悲し過ぎる結末が心に刺さった。見ていて胸が苦しくなり、辛くなってしまった。だけどこれは、本当に見てよかった。今見たという事に意味があるかも知れない。今の私に、もう一度「生きるということ」「生き方」について根本に立ち戻って考える機会を与えてくれた気がする。 役者さん、特に主役の老馬を演じた方が素晴らしかった…と思ったら、最後に馬の頭を取ったお顔を見たら、「狼と7匹の子ヤギ」の狼役と同じ方だった。エースかも知れない。 言葉の聞き取りについては、正直自分には非常に難しく、ついていけたとはとても言えない。この劇は元々シリアスなストーリーなので、笑いが起こる場面と言うのはほとんど無いのだが、所々、ちょっとした笑いを誘うセリフがある。だが私には言葉の理解が及ばず、ついていけなかった。唯一周りと同じタイミングでクスリと笑えたのは、黒子がはける時にセットにつまずいた時と、それでズレたセットを後ろからコッソリ直しているのを見た時だけだった。クロアチア語の劇や映画を見て、自力で理解できるようになったらどんなにいいだろうか。 カーテンコール(「ブラボー!」の声も飛んでいた)を含めて約70分の舞台が終わり、この劇のリーフレットを窓口でもらって外に出た。 少し弱くなってはいたが、まだ雪は降っている。足元があぶなっかしいので、帰りもトラムに乗ることにする。 重苦しく沈んだ気持ちとじんわりとした感動を胸に抱えたまま、冷たい雪の降る夜の街が車窓に揺れるのをただぼんやりと眺めていた。 何だか物を食べようという気も起らず、そのまま帰ってきてしまったが、とりあえず夕食に何か食べようと、近くのパン屋に寄ってサンドイッチを買って部屋に戻った。 悲しく重い気分だったが、初めて買ったこの店のハムサンドがメチャクチャ美味くて、あったかいスープと一緒に食べたら、下がりきったテンションがちょっと回復した。 改めて思い返すと、本当にいい舞台だったな。見に行ってよかった…。 合格、初雪、トルストイ…三題話のようだが、いよいよ冬を迎えたザグレブでの、今日は思い出に残る一日だった。 これが夕食のサンドイッチ。具はハムとチーズのみ!パン屋で温めてもらい、ケチャップとマヨネーズをかけてもらった。黒パンの風味、ゴマの香ばしさにシンプルな具材が凶暴なほどウマイ!! |
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グッドニュースとグッドニュースがある。 まずはグッドニュースの方だが、去る10月11日に行われた「平成22年度 総合旅行業務取扱管理者試験」の合格者が今日(11月26日)発表され、早速確認したところ、合格者一覧に私の受験番号を発見することができた。 合格しました!!! さっき(午前4時半、日本時間の午後12時半)、試験を実施している日本旅行業協会のホームページで確認した。日本を出る時に控えてきた受験番号とパソコンの画面とを何度も照らし合わせたから間違いない(番号を控えてくる時も、受験票とメモを何度も照らし合わせた。ぬか喜びは嫌だ)。 やった!やりましたよ、皆さん…!! 受験勉強に打ち込んだ半年間、思えば長い道のりだった…。 後半はこのブログを始めて、皆さんからたくさんの応援や励ましを頂いてきた。試験直前の焦りやトラブル(家の雨漏り)、そして試験当日の緊張も、皆さんから頂いたお言葉とお気持ちを支えに乗り切ることができた。 応援して下さった皆様に、心からの感謝を申し上げます。本当に、本当にどうもありがとうございました!!! ここに合格の報告ができますことを、本当に嬉しく思います。 受験を通じて、たくさんの方々にお世話になりました。温かいお気持ちで応援して下さった皆さん、受験期間中の仕事の負担ができるだけ軽くなるよう配慮して下さった社長、家庭での環境を気遣ってくれた家族、そして合格までサポートして下さった通信教育の添削の先生方や添削を配達してくれた郵便局の方や私を試験会場まで運んでくれたJRの方なども含め、多くの方の助けと支えのおかげで、合格することができました。 全ての方々に、衷心よりお礼申し上げます。「皆さんのおかげです、ありがとうございました!!」 尚、発表された実施結果によると、今年も合格ラインは例年と同じく各科目満点の60%以上で、合格率は全科目受験者で23.7%(全体では37.1%)。昨年はそれぞれ15.1%と25.5%だったから、今年は随分上がった。昨年は解答形式がそれまでと変わって難しくなったために合格率が下がったが、今年は受験者がそれを踏まえて受験対策を行ったために、合格者が増えたのだろう。 ともあれ、本当に良かった。ホッとした!! そうだ、社長に報告のメールを送って、会社のホームページのスタッフ紹介欄の私の所に、「総合旅行業務取扱管理者資格所持」の一文を追加してもらおう! そうそう、それからグッドニュースの方だが、冷蔵庫の中にケーキがある。昨日の夜、有名な店で買ってきたやつだ。合格発表の後、一人でお祝いしようと思って買ってきておいたのだ。 まだこちらは夜明け前なのでもう一度寝て、起きたらケーキ食べよう!お祝いだー!! こちらでは一人ですが、皆さんと嬉しさを分かち合うつもりでお祝いしようと思います。 11月26日、すっかり寒くなったザグレブにて 現在の心象風景(写真は今月ザグレブ競馬場にて撮影したもの) |


