明日は明日のクロアチア

「買っても買ってもどこかに行ってなくなってしまう物、な〜んだ?」「リップクリーム」(私の場合)

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日本語や英語の文法にはない概念なのだが、クロアチア語の文法では、名詞に「性」がある。この文法上の性には、男性、中性、女性の3種類が存在し、それぞれ名詞自体の活用形が異なったり、その名詞にかかる形容詞や数詞の活用形が異なったりするのである。全ての名詞は必ず「男性名詞」「中性名詞」「女性名詞」のいずれかに分類され、例外も多いのだが、おおよそ次のようにして見分けることができる。

◆男性名詞…子音で終わる
例)grad(町)、student(学生)、pas(犬)
◆中性名詞…oあるいはeで終わる
例)more(海)、dijete(子供)、govedo(牛)
◆女性名詞…aで終わる
例)kava(コーヒー)、studentica(女子学生)、ptica(鳥)

このように、「性」というのはあくまでも文法上の性であるので、実際にその名詞が表すものの性別とは全く別の概念と考えてよい。物体や現象や概念など、とにかく全ての名詞に性があるのだ。

大まかな見分け方としては上記の通りなのだが、この規則には例外が多い。それも、クロアチア語の文法にしては珍しく変則的な例外で、「覚えるしかない」というパターンである。
例えば、aやeやoで終わっても、男性の固有名詞(人名)であるならば、それは男性名詞とされる。例として、Luka、Markoなど。Hideもそうである。
それから、子音で終わる名詞は通常男性名詞なのだが、「子音で終わる女性名詞」というのも結構ある。「-ostあるいは-astで終わる名詞」というのは一つのパターンで、これはtという子音で終わっているものの、女性名詞となるものが多い(mladost(若さ)、strast(情熱)など)。

前述の通り、「文法上の性」と「そのものの実際の性別」とは無関係なのだから、「どうしてこの名詞は子音で終わるのに女性名詞なのだろう?」などと考える必要はないわけである。それでも、見ていると、その理由なり起源なりを勝手に推測したくなってしまうものもあったりする。
ljubav(愛)、draž(魅力)、slast(甘味)なんて、なるほど女性のイメージだ(尚、mast(脂肪)も女性名詞である)。jesen(秋)は「女心と秋の空」、kob(運命)は「運命の女神」、kost(骨)はイヴの起源(アダムの肋骨から作られた)を表しているのだろうか?…なんて具合に。実際の文法的・言語学的な解釈は知らないが、あくまでも勝手に思っているだけである。でもそんな風に自分なりに考えてみるのが楽しくていいのだ。
nemoć(弱さ)は女性名詞だけど、一方でmoć(力)も女性名詞だ。punomoć(権限)もそうだし、vlast(権力、政府、支配権)も女性名詞だ。それって、感覚的にすごくよく分かる気がする(私が人生においてこのような洞察を持つに至った過程についてはお察し下さい)。たぶん、世界の人口の約半分の賛同は得られる気がする。

そう言えば、旧ユーゴスラヴィア地域には、こんな表現があるそうだ。「夫は一家の頭、妻は首」。一見男性上位にも思えるこの言葉、その心は…?「首が向きたい方向にしか、頭は向けない」。あぁ…上手い事を言ったもんだなぁ。

イメージ 1
自由に動く首の持ち主。(写真はシベニクの猛禽類センターで撮影)

イメージ 2
画像元:クロアチア共和国政府
現在のクロアチア共和国首相、ヤドランカ・コソル氏は、同国初の女性首相である。

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