明日は明日のクロアチア

「買っても買ってもどこかに行ってなくなってしまう物、な〜んだ?」「リップクリーム」(私の場合)

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花粉症の真実

今宵は仲秋名月
初恋を偲ぶ夜

なんちゃって、井伏鱒二氏の厄除け詩集より、「逸題」という詩の冒頭ですが。
そんな風流とは程遠い、私の秋の一日である。

鼻水が止まらないのだ(程遠いというか、対極である。ごめんなさい)。
これは毎年のことで、秋の花粉症。正確なアレルゲン検査はしていないが、多分、ブタクサとかその辺りの雑草だと思う。今年も8月の終わり頃から鼻をグズグズさせていたのだけれど、今日は何だか一日中鼻をすすっている感じである。干した布団の叩きが甘かったのかも知れない。
勉強していると、どうしても頭が下を向く姿勢になるので、鼻水がツーッと垂れ落ちてくる感じなのだ。気が散るし、イヤな感覚である。ズビーッ!

しかし、秋はまだ症状が軽いので、これぐらいどうってことないのである。ヒドイのは春のスギ花粉の季節だ。私のスギ花粉センサーが全力で反応する。異物を見つけたからといって、そこまでして知らせてくれなくていいと思う。
私はその辺の、ポッと出の花粉症とは違う。30年以上のキャリアを誇る、筋金入りの花粉症なのだ。
今の時代はまだいい。花粉症対策グッズとやらもたくさんあるし、何より、腫れた目をこすって涙をボロボロこぼし鼻をズルズルさせていても、「花粉症なんです」と言えば、周りの人は「ああ…」と納得してくれる。昔、私が小学生の頃などは、赤い目をハンカチで押さえてかゆみをこらえている私を見たクラスメイトが心配し、「どうしたの?」と聞いてくれたのはいいが、「花粉症っていって、この季節になるとスギの花粉に反応して…」とか一生懸命説明するものの、「へえ〜…(何それー?)」「ふーん…(変な奴ー!)」みたいな、理解も共感もない反応しか得られなかったものだ。子供だけではなく、大人でもそうだった。皆「花粉症」なんて知らなかったからだ。
受験の時なんて最悪だった。2月から3月の初めにかけて、ちょうど花粉症が一番ひどい時季と重なるのだ。薬を飲めば副作用で眠くなるし、飲まなければかゆみで気が散り、鼻づまりでボーッとする。その辛さを分かち合える同士すらいなかったのだ。

こういう状況において、人は自分だけを不幸だと思い込み、卑屈になっていくものである。子供心に負のオーラを宿した私は密かに念じていたものだ。「みんな花粉症になっちゃえばいいんだ!」
そうしたらどうであろう。それから十数年後、次第に、そして確実に花粉症の人は増え始め、今では石を投げれば花粉症に当たるという世の中だ。「花粉症」という言葉もすっかり市民権を得て久しい昨今である。きっと、私の呪いのような念が実体化してしまったのだと思う。大変、申し訳ない事をしてしまった。

30の声を聞いた頃から、次第に頭皮の状況が危うくなっている。昔は髪が多すぎて困るほどだったのに、今では頭に広場と大通りができている。人の視線と心無い言葉に脅える毎日だ(以前職場で、私の席の後ろで「だいぶ薄くなってきた」とか「もうカミがない…」とか言われているのがすごく気になっていた。しかしそれは、実は私の席の後ろにあったプリンターについての会話(印字の薄れ、用紙切れ)であった。被害妄想か)。
自分が薄くなってくると、人もどんどんハゲろ!と思うものである(ヒドイ奴だね)。実はもう数年前から、「みんなさっさとハゲちゃえばいいんだ!」と念じ続けているのだ。だからきっと、20年後ぐらいにはこれが具現化して、老若男女を問わず、たくさんのハゲと薄毛が闊歩する世の中になっていると思う。石を投げて当たったとしても、怪我(毛が)無いから構わないよね。

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Photo by Michael T. Gilbert

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カエルや魚は、抜け毛や薄毛に悩むということがない。花粉症に泣かされることもない。

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