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禅では、坐禅するときのコツを、こう教えているよね。上虚下実と。
直訳すれば、意味は、上を虚にして、下を充実させるという意味だが、この場合の上とは、心のことだ、そして、下とは、下腹部、つまり丹田のことを意味する。
では、何を、以ってして、上を虚にしたり、下を充実させたりするのかだが、
勿論、それは、「気」でもって、丹田を充実させたり、心を虚しくしたりするんだよ。
坐禅は、大学時代のクラブ活動でかじったくらいで、あまりしたことがなかったので、上虚下実という言葉も、最近までよく知らなかったが、
瞑想が深くなって、無念無想の状態になると、丹田に「気」が充実してくることに、最近気がついて、「ああ!そういうことか。」と思った次第。
ところで、天風先生の、心身統一法は、大きく分けると、次の三つの部分から構成されている。つまり、
1、 観念要素の更改法
2、 積極精神の集中力養成
3、 神経反射の調節法
上の三つのうちで、だれでも、一番、理解に苦しむのが、神経反射の調節法だろう。
なぜ理解が難しいかというと、もともと、神経反射の調節法というのは、ヨガのクンバハカ密法からヒントを得て、アレンジされたものらしい、からである。
密法、ということからして、当然、言葉では伝えられないことを意味し、
ヨガのクンバハカとは、自分の子供にさえも教えない、自分で体得する以外に、わかる方法はないといわれているからである。
そういうことからして、もともと、「神経反射の調節法」を、言葉でもって、説明しようとすること自体、無理なのであろう。理解が、難しいはずである。
とにかく、天風先生は、「神経反射の調節法」の中で、何らかの、精神的衝撃を受けた時、先ず、お尻の穴を締めて、丹田に力を込め、肩の力を抜きなさい、と教えてくれている。
そうすれば、心が衝撃を受けても、その影響を肉体まで及ぼさない、或いは、その影響を軽減できる、と言っている。現代風に言えば、ストレス解消法だ。
神経反射の調節法は、ともかく、その源流たるクンバハカ密法というのは、別名、ホリーアッティチュウド(聖なる体勢)とも、呼ばれる。
これを体得すると、どんな難行苦行でもできるような、強靭な肉体になるのだそうである。天風先生は、難行苦行をする為に、これをインドで教わった、と言っている。
一方、このホリーアティチュードを、言葉で以って説明すると、「花びんに水を一杯に満たした状態」とも言われる。
何で以って、花びんを一杯にするのかというと、それは、「気」でもって、一杯にするのである。
何遍も言うように、瞑想していると、上虚下実の状態、つまり、頭部から、気が下りてきて丹田にたまり、やがて、体全体が「気」で、満たされたような感じになる。
こんなことからして、これがホリーアティチュウド(聖なる体勢)であり、ヨガでいうところの、クンバハカ体勢と言うのかもしれない。
勿論、この時、丹田には、「気」が充実し、尻の穴は閉まり、肩の力は抜けて、いわゆる「神経反射の調節法」ができている。
何よりもすばらしいと思うのは、こういう状態になると、実に、気持いいのである。快感と言った方がより正確なのかもしれない。
ヨガのホリーアティチュウド(聖なる体勢)がどうであれ、毎朝の一時間半が、やみつきになりそうだよ。楽しくて。
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