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暇な時、時々、テレビの春の選抜高校野球を観ていた。
何回か、敦賀気比高校の試合を見る機会があった。
その度に、不思議に思っていたことは、敦賀気比の選手たちが、感情をあまり表に出さないことだった。
つまり、チャンスが来て、得点しても、ピンチになって、失点しても、その表情がほとんど変わらないことだった。
松山選手が、連続満塁本塁打を打った時も、丁度、観ていたが、三塁を回ったところで、わずかに、右手の拳を突き上げただけで、その表情を見ていると、普段と変わらない静かな顔をしていた。
高校生というと、多感な年ごろだからなのか、或いは、監督が選手たちを、ムードに乗せて、試合を有利に運ぼうとしているせいなのかわからないが、
他の多くの学校では、チャンスが巡ってきたり、点数が入ったり、或いはリードされていた試合を、ひっくり返して、逆転したりすると、
本人ばかりでなく、ベンチにいる、他の選手たちも、躍り上がって喜んだり、拳を何遍も空に突き上げたりして、喜びを爆発させたりしていた。
それが普通だと思っていたら、敦賀気比高校の選手たちは、そうではなかったのである。
その謎が解けたのが、今日(4月2日)の読売新聞の2面、「顔」というコラムだった。
コラム「顔」の写真は、敦賀気比の東哲平監督(34)が、選手たちから胴上げされて様子であり、そしてそのタイトルは、「選抜高校野球で初優勝を飾った敦賀気比の監督」というものだった。
「謎が解けた」と言ったのは、ほかでもない、その記事の中で、東監督が、次のようなコメントをしているのを知ったからである。
東監督は、次のように言っている。
「春夏3度の甲子園で得た教訓は『大切なのは技術よりも精神力。感情制御できれば必ず力は出せる』と。
この言葉を聞いて思い出したのは、剣道でいう「残心」という言葉である。
天風先生は、「真理のひびき」という本の中で、「残心」とは、
「闘う前の心構えと、闘う最中の心構えと、闘い終わったときの心構えに、いささかも差別があってはならない戒めなのである」と。
そして、何故かというと、
「人生に最も注意すべきことは、得意の時に一しお心の備えを緩めぬよう心がけることである」と言い、
「勝った、という得意感を心が感じた際は、たいていの人がたちまち有頂天になって、その結果として心の備えを緩めがちである。」と言い、
「勝った!という得意感が生じると同時に、心の備えに緩みが生じて、武道家の最も怖れる隙というものが付随して生じるからである。この隙というものは、心理学的にいうと、『放心から生ずる有意注力の欠如』という心理現象なので、この心理現象が精神生命の内容に発生すると、心のもつ変応可能な自在性という大切なものが委縮される」
「だから『残心』というのは、事前事後いかなる場合にも隙を作らぬよう心に備えをもてということなので、いいかえると、古諺(こげん)の訓える『終わりを慎むこと初めのごとくあれ』というのと同様のことである」
「有意注意力」とか、「心のもつ変応可能な自在性」とか言われても、天風先生を専門に研究している人でなかったら、わからないと思うが、
要は、くだけた言い方をすれば、日常生活の中で、勝ったとか、負けたとか、を含めて、何か事がある度に、感情や感覚のまま、心を揺るがせていては、いざという時に、臨機応変に事に対処することができなくなる、という意味である。
特に、野球などの勝負事は、ピンチとチャンスが、それぞれ交互に波が打ち寄せるように、やってくる。
その時、チャンスだといって、その度毎に、心を躍らせたり、点数が入ったといって、有頂天になっていては、逆にピンチになったら、心が震え、足がすくんでしまって、冷静な判断が出来なくなる、という意味である。
だから、「残心」というのは、特に、剣道の中で使われる特別な言葉のように見えるが、剣道の試合だけでなく、剣道に特に関係のない私たちの、日常生活の中でも言えることである。
よく天風さんは、絶対の積極精神、或いは究極の積極精神を、「虚心平気」という言葉でもって表すが、
「虚心平気」とは、
「事あるも事なきときも、常にその心が、泰然不動の状態であるのをいう。要約すれば、何事があろうが、たとえば、病難に襲われようと、運命難におちいろうと、心がこれを相手とせず、いいかえるとこれにそれに克とうともせず、また負けようとも思わず、超然とした心の状態」と言っているが、
剣道や、野球をする人に限らず、私たちも、日常の生活の中で、小さな感情や感覚に、一喜一憂、心を躍らしていては、事あるも事なきも常に心が泰然不動という心には決してなり得ないのである。
敦賀気比の東監督が、どんな指導をしているのか、コメントして残された、わずかに「大切なのは技術よりも精神力。感情制御できれば必ず力は出せる」だけでは、知る由もないが、
少なくても、日頃、練習をする時から、或いは、日常生活の中でも、彼は「勝ったとか、負けたとか、その度に、小さな感情や感覚の波に、一喜一憂してはいけない」と生徒たちに教えている、と思って間違いなさそうである。
この東監督が、監督を務めている限り、敦賀気比高校は、今後も、常連校として、常に甲子園に、出場して来る事は、間違いないと、思う。
予言めかしいことなど、めったにしない私であるが、敢えて、ここに、断言しておく。
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