国際刑事裁判所(ICC)と日本

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国際刑事裁判所(ICC)書記局発行の機関紙である『ICCニュースレター』が、ルバンガ氏に対する公開審問の終了を報じました。法廷固有の表現が多く難しい内容でしたが全訳を試みてみました。法廷表現については自信がないので当該箇所の原文をカッコ付けで添えています。問題があれば、刑事訴訟法の専門家・学生さんなどからご指摘を頂ければ幸いです。

トマ・ルバンガ・ディーロ氏に関する初の公開審問が終了


国際刑事裁判所(ICC)は、コンゴ民主共和国(以下「DRC)での事件を捜査する「検察官対トマ・ルバンガ・ディーロ氏」の案件について、ルバンガ・ディーロ氏の容疑確認のための公開審問を予定通りに、2006年11月9日から28日までの日程で執り行った。

審問は、裁判長のクロード・ジョルダ判事(フランス)、第一副所長のアクア・クエニェヒア判事(ガーナ、第一副所長)、シルヴィア・スタイナー判事(ブラジル)の3名により構成されるPTC I(第一予審法廷、以下「第一法廷」)によって執り行われた。

この公開審問では、検察官、弁護人、被害者など、審理に関わった全ての関係者の発言が許された。国際刑事裁判の審理において被害者代表の発言が許されたのはこれが初めて。審問の期間中、第一法廷は数回にわたり、これら被害者及び証人の保護のため審問を非公開で行うことを命じた。認定被害者4名の法定代理人は、冒頭陳述と最終弁論を行う機会を与えられ、審問中は被害者らの補佐に当たることを許された。

公開審問の延期を求める弁護側の要求を棄却した、第一法廷による2006年11月10日の口頭の決定に基づき、OTP(検察局、以下「検察側」)は証拠を提示し、トマ・ルバンガ・ディーロ氏を取り巻く背景情報を提示した。提示された情報には以下のものが含まれた。

  • DRCのイトゥーリ地区において武力衝突の事態が存在する事実
  • UPC(愛国者同盟)とその軍事部門FPLC(コンゴ愛国者解放戦線)が存在する事実
  • 15歳未満の児童を対処とした徴兵が政策として実施されていた事実

    検察側は、ルバンガ・ディーロ氏が個人の責任において担った役割に関する証拠を提示して同氏の容疑を主張。その後、1日にわたり、証人及び国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC)に2003から2004までの間配属されていた現地作業員に対する尋問が行われた。

    審問の二週目からは、Counsel for Defence(被告弁護人、以下「弁護側」)による抗弁が開始され、2日間にわたり証人らに対する反対尋問が行われた。弁護側は主に検察側に立証責任(burden of proof)を求め、検察側が事前に提出した証拠の許容性と証明力の問題(admissibility and the probative value of the evidence)について主張した。また弁護側には、検察側がこれまでに許容性と証明力の問題について提示した点について、無罪を証明する証拠(exculpatory evidence)を提示する機会が与えられ、検察側はこれにたいして対して抗弁を行う機会が与えられた。

    審問の最終日には、検察・弁護側の両者に最終弁論を行う機会が、認定被害者4名のうち3名の法定代理人にも、90分にわたって所見を述べる機会が与えられ、審理の全ての参加者に発言の機会が保証される結果となった。

    最後に述べた所見の中で、被害者a/105/06号(訳注:安全上の理由で匿名にして通し番号が振られた模様)の法廷代理人である(Ms.)Carine Bapita Buyangandu氏は被害者に関する所見を述べるとともに、法廷側に対し、当人が代理を務める被害者のためにも、ルバンガ・ディーロ氏に対する容疑を認定することを望むと述べた。また、被害者/0001/06号、a/0002/06号及びa/0003/06号の代理人である(Mr.)Franck Mulanda氏及び(Mr.)Luc Walleyn氏もそれぞれの所見を述べ、法廷側に容疑の認定を求めた。

    裁判所規則第53条に基づき、第一法廷は2007年1月29日迄に、書面により同法廷の最終判断を下さなければならない。第一法廷の判事らは、本件における検察側のルバンガ・ディーロ氏に対する起訴事実を認定し、同氏に公判に送るかどうかについて判断を下すことになる。
  • 出典:ICC公式機関紙『ICCニュースレター』(2006年12月、第11号)

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