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先月11日、米軍トップ(統合参謀本部議長)もアフガニスタンでの米軍勝利に懐疑的な見解を表明(AFP) 「戦いには勝てない」「交渉こそが戦闘終結への前進」駐アフガン英軍司令官5日付けの英紙サンデータイムズが伝えたところによると、駐アフガニスタンの英軍最高司令官マーク・カールトンスミス准将(Brigadier Gen. Mark Carleton-Smith)は同紙のインタビューで、タリバンとの交渉の可能性を探るべきという主張を展開していたことが明らかになりました。准将は同紙のインタビューに対し、「我々はこの戦いには勝てない。アフガン国軍が対応できる、戦略的脅威とならないレベルまでタリバンの力を弱めるのが目的だ」(1)と答える一方で、「タリバンが政治的解決に向けた交渉の席に着く用意があるならば、それこそが戦闘終結に向けた前進となるだろうし、それならば誰も反対はしないだろう」(2)と、政治的解決の展望を示しました。(要約:時事5日の記事『「タリバンには勝てない」=英軍司令官、交渉を主張』)。 同紙によれば、准将はさらに紛争の解決を「銃器に頼るものから交渉に頼るものへと戦略を変えていきたい」(3)と述べ、タリバンを当事者とした形での政治的解決を目指すべきとする、一部で賛同が増えている考え方に同調する姿勢を見せたそうです。(4)
【個人コメント】
このような考え方については、英軍が担当するヘルマンド州の現場スポークスマンも昨年の段階で同様のことを述べており、軍首脳と現場の見解がこの点で一致していることを示しています。 そもそもアフガン攻撃は米英主導により始められたものであり、国連にISAF(国際治安支援部隊)創設を認められるまでの多国籍軍の統率を行っていたのも英軍でした。現在もISAF内での兵力は米軍の23,550人に次いで随一の規模(8.530名)を誇り、したがってNATO内での意思決定における影響力も、加盟国中最も大きいと見られます。その英軍の統一された見解として「政治的和解」が浮上してきたことは、今後のISAFの戦略に大きな影響を及ぼすことでしょう。 日本はアフガン情勢を見極める上で、こうした現状の推移を注視しなければなりません。海自による過去半年の補給支援実績を一瞥するだけでも、インド洋での給油支援はそのニーズを失ってきていることがよくわかります。2007年移行、「無線照会数の推移:現場海域における不審船等が減少」したことに関する公式な報告も発表されていません。目に見える成果が挙げられていないのです。 過去、日本政府は旧テロ特措法の枠組みでの人道復興支援や地上での支援活動について「現実的ニーズがないため」これらの活動を停止したことを給油支援に特化した新特措法(給油支援法)制定の理由付けにしています。 では、給油支援の「現実的ニーズ」が減ってきたら、日本はどのような形でアフガン情勢への貢献を継続するのでしょうか。ISAFの要である英軍の総意として政治的解決という現実的なニーズが生じているのならば、有効な政策オプションの一つとして、タリバンとの和解推進が急浮上してきているという現状認識が持つことが必要なのではないでしょうか。いつまでもロー・プロファイル(低プレゼンス)な、現地の情勢に殆ど影響しないこと(給油支援)を続けて、それが国際社会のアフガンへの取り組みに参画してることになるという、現地の情勢を無視した誤魔化しの政策は、それこそ「見直し」が必要な段階に来ているといえます。文責:参議院議員犬塚直史事務所 外交政策担当・勝見(※)2008.10.07 追記
※本稿は民主党の公式見解でも犬塚議員の意見でもなく、私個人としての意見です。
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【報道】(2008.10.10)―NATOやはり動きました。艦船の派遣を決めたようです。先のEU理事会の決定(NAVCO)は政治上のGOサインだったようです。ちなみにこの動きの元となる安保理決議1816は、なんと日本が共同提案国に名を連ねています。詳細は下記のWikipediaのエントリを参照。
■NATO、ソマリアに艦船
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/185724/
■ソマリア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2#.E6.B5.B7.E8.B3.8A.E8.A1.8C.E7.82.BA.E3.81.AE.E5.A4.9A.E7.99.BA
2008/10/10(金) 午前 8:55
【補足】NATOの派遣を可能にしたEU理事会のNAVCO発動。
2008年9月15日、EU理事会は同年6月に採択された国連安保理決議1816を受けて欧州連合共同軍事行動の発動を決定。ソマリア沖で監視・警備支援活動を行っている一部の加盟国を支援するため、EU共通海軍行動(NAVCO)を発動して軍事支援活動を展開することになった。
http://consilium.europa.eu/cms3_fo/showPage.asp?id=1518&lang=ga&mode=g
【コメント】この決定は、今月3日採択されたばかりの追加の国連決議1836によりさらに強化され、今回のNATOによる艦船派遣を迅速化したものと思われます。この政治決定と統一された軍事行動の素早さは、まさにEUでの政治決定と政治軍事機構であるNATOとの連携がいかに緊密であるかの証左です。さて、当の議案共同提出国の日本はいかなる貢献を行うのか。私の知る限りでは外務省は(たぶん防衛省も)まだ何も考えていないようです。情けない限り。
2008/10/10(金) 午前 9:10
【補足】外務報道官談話「ソマリア沖の海賊・武装強盗行為対策に関する国連安保理決議の採択について」(平成20年6月3日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/20/dga_0603.html
1. 我が国は、6月2日(月曜日)午後(米国ニューヨーク時間、日本時間3日(火曜日)未明)、国連安全保障理事会がソマリア沖の海賊・武装強盗行為対策に関する決議第1816号を全会一致で採択したことを歓迎する。
2. 我が国は、先般の「高山」号をめぐる事件等もあり、ソマリア沖及びアデン湾の海賊・武装強盗行為への強い懸念を有しており、本件安保理決議についても、その採択に向けて安保理理事国と緊密に協議し、共同提案国(注)にも加わった。今般の決議が同地域における海賊・武装強盗対策に効果をもたらすことを強く期待する。
(注)共同提案国は、米、英、仏、パナマ、クロアチア、ベルギー、イタリア(以上安保理理事国)に加え、我が国、スペイン、韓国、豪州、カナダ、デンマーク、ギリシャ、オランダ、ノルウェー(以上安保理非理事国)の計16か国。
2008/10/10(金) 午前 9:15
党として動くレベルまだ持って行けませんでしたか・・・
「ソマリア海賊退治法案」を出してれば、いろいろ「政局利用」も出来たはずなんですがね〜
のび太じゃなく、麻生さんだからこそ可能だったんですが・・・
まあ、実際、左からの副作用がきついとは思いますが・・・
2008/10/16(木) 午後 7:04 [ ぬくぬく ]
ぬくぬくさん
本日、衆院本会議で法案提出者として犬塚さんが「テロ根絶法」に関する答弁に立ちます。審議開始は午前10時と午後1時の2回を予定していますが、正確に答弁に立つのがいつ頃かは定かではありません。
これに先立ち、他者によってWikipediaに設置された『テロ根絶法案』に関する項目に、私自身が同法案の要綱・本文などを元に特長・構成・目的などの節を追加し加筆しました。
議論傍聴の際の参考にご利用ください。
■アフガニスタン復興支援特別措置法案 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E5%BE%A9%E8%88%88%E6%94%AF%E6%8F%B4%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%AA%E7%BD%AE%E6%B3%95%E6%A1%88
返信
2008/10/17(金) 午前 9:31
↑ぬくぬくさん他皆様
(上)結局、給油支援法改正案に対する法案(代案)としての提示には至りませんでしたが、どうにかソマリア沖海上阻止行動への参加の是非を国会で新たな争点にすることには成功したようです。
今回、国民の目の前でこの議論が行なわれたことにより、与党政府はこの問題への対応を「優先課題」として検討せざるを得なくなるでしょう。そうなると、ロジスティックス上の問題からも現在インド洋に派遣している部隊の転用を検討せざるを得なくなるはずです。
この新しい取り組みの法的根拠と正当性のついては国際海洋法と安保理決議に求めることになりますが、日本では海賊対策事由での海上行動を可能にする新たな法制が必要になるでしょう。
これで、給油支援法廃止後の代替行動の枠組みが定まってきました。
2008/10/17(金) 午後 4:17
(下)仮に衆院の再可決により給油支援法が成立したとしても、政権を奪取した暁にはこれを廃止し、与野党の合意のもとでソマリア沖MSO(海上治安活動)への転換を図ることができそうです。
※この問題に関する国会での審議については、衆議院インターネット審議中継の「ビデオライブラリ」で民主党の長島昭久議員の質問をご覧ください。17日金曜のテロ防止・イラク支援特別委員会での午後の質疑です。
■衆議院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
2008/10/17(金) 午後 4:18
大変よい質問でした。
長島議員の質問は、政府も重点課題とせざるを得ません。
ただ、実際の行動のためにはそれこそ政界再編(衆院解散ではない)の覚悟が必要でしょう。
2008/10/17(金) 午後 7:31 [ ぬくぬく ]
給油支援法廃止の理論づけが全くないですね。
憲法違反との見解も実質放棄した民主党。
海上治安活動を日本が本気で乗り出し国際的協調を図り各国で協力しながらやるとなると当然それに伴う支援として海上給油が必要になる。
今の新テロ法の位置づけから法律としてどう転換するかは別として、経済的に海上治安活動を展開するならば海上給油は活動に伴う必要な支援になるでしょう。
現在の新テロ法施行後防衛省発表ではアメリカ艦船への給油は2回程度です。
ほとんどがフランスとカナダとパキスタン艦船です。
これはOEF‐MIOの実質的活動国が米国より移換されているということですよね。
新テロ特法下での海上給油活動はまさに、以前民主党がこだわった油の転用や艦船の補給後のミッションの不明確さなどでしたが、現状今までで一番明確に純粋なるOEF‐MIO活動艦船への補給が出来ているのではないですかね。
2008/10/19(日) 午後 2:21 [ seigi552007 ]
続き>
OEF‐MIOよりも広い視点、任務内容、地域になるであろう『海上治安活動』には余計に海上給油という任務自体(法的位置づけは別として)は必要度合いが増すことはあっても無くなることはないと考えますけどね僕は。
メンツの問題は捨てるべきですよもうこの際は。
与党の考えは海上給油ありきと反対者は批判をよくしますが、海上給油廃止ありきの考えですよねそちらも。
OEF‐MIOより一旦離脱後、
『日本はインド洋湾岸〜ソマリア沖一帯での海賊取り締まり活動及び9.11テロ実行組織潜伏のアフガンへの麻薬密売・武器密輸などテロ行為を助けるであろう行為の取り締まり活動OEF‐MIO参加艦船を総合的テロ・海賊防止策として海上給油で支援する。』
ってことでいいでしょ。あとは自衛隊艦船が海賊取り締まり活動自体を行える法律を一緒に組み込めばいい。
これが一番ですよ!!メンツは捨てましょう与野党ともに!!
2008/10/19(日) 午後 2:21 [ seigi552007 ]
セイギさん、途中のOEF-MIO支援の位置付けが決定的に違いますが「給油支援」を続ける点においては考えは同じですよ。ただどうも党は、給油に留まらない“実質的活動”を立法化する目論みでいるようですが、それならそれで臨機応変に利用させてもらうまでです。こちらはこちらのアジェンダで行動しておりますので。
詳しくは以下、「国際法及び憲法上の整理」をご参照ください。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835559&tid=7fbka1a39bera4kbbbfc0aea4ga49a4aba1a9hbfbpa4ga49a4aba1a9&sid=1835559&mid=55121&thr=55121&cur=55121
2008/10/20(月) 午後 11:50
それから現状認識の面ですが間違いを指摘させていただきます。
×OEF‐MIOの実質的活動国が米国より移換されている
○米国は日本の補給を受けずに独自で補給を行えている。
参考:http://blogs.yahoo.co.jp/ti_r2p4japan/45065286.html
×純粋なるOEF‐MIO活動艦船への補給が出来ているのではないか
△海自の転用チェックに全OEF-MIO艦船が協力的に応えているわけではなく情報開示もできないため国会では確認不可。
○海上給油という任務自体は必要度合いが増す。
→当然です。国会ではMIOへの給油を停止すべきと主張しているだけです。
×海上給油廃止ありきの考え
○MIOへの給油廃止ありきの考えです。だから現在オンステージの部隊のそのままソマリアMSO転用を提案しています。
2008/10/21(火) 午前 0:06
【報道】(2008.10.05)─AFPによると、アフガンのモハメド・ワダック国防相も軍事行動だけでなく政治的解決が必要との見解を示しました。記事によれば、カルザイ大統領自ら過去2年に渡りサウジアラビアを介して和平交渉を持ちかけており、つい先週もタリバンの最高指導者とされるオマル氏に対して和平交渉に応じるよう呼びかけたとのことです。
■"Afghanistan needs more than military action: defence minister"
http://news.yahoo.com/s/afp/20081005/wl_sthasia_afp/afghanistanunrestmilitary
2008/10/29(水) 午前 10:57
【コメント】英軍最高司令官だけでなく現地政府首脳までもが声を揃えて「和平のニーズ」を叫んでいるいま、日本政府はどこにどう使われているか追跡できないロジスティックス支援や経済的支援だけでなく、現地のニーズに応える政策に向けた発想の転換が必要なのではないしょうか。それこそが、アフガン復興支援のステイクホルダー(責任ある当事者)である日本の国際責任です。
勿論、和平の推進は一国のみで果たせる責任ではないので、多種多様なプレイヤーとの連携が必要になります。そのための国際協議を先導する力量がいま日本に求められています。
2008/10/29(水) 午前 10:58
【報道】(2008.10.07)─共同によると、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)のカイ・エイダ代表も「軍事的に勝てないことは分かっている。政治手段以外に勝つ方法はない」と述べ、「結果を出すためには対話するしかない」と訴えたそうです。
■タリバンには「勝てない」 国連アフガン代表
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/081007/asi0810070134000-n1.htm
【コメント】これでアフガンに関わる関係者(米政府・ISAF・アフガン政府・国連)全てが一致して同じ主張をしたことになります。アフガン問題をめぐる国際社会のコンセンサスが和平推進に向けた動きに傾きつつあるのは事実のようです。このコンセンサスにより、サウジ仲介で2年前から進められているといわれるタリバンとのアフガニスタン政府の間の和平交渉にも弾みがつくかもしれません。むしろ国際社会がこの交渉を円滑に進めるためお膳立てしたという見方ができるかもしれません。
2008/10/29(水) 午前 10:58
【報道】(2008.10.27)─仏AFPによると、米国のアフガン戦略見直しの中でタリバンとの対話路線が具体的に政策課題として浮上してきたそうです。この記事のネタ元は米ウォールストリートジャーナル紙で、この動きは、先のパキスタン議会での決議が後押ししたものと見られています(毎日記事参照)
■米アフガン戦略見直し、タリバンとの対話路線が浮上
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2533094/3475804
■パキスタン:軍が対テロ戦転換 イスラム武装勢力と対話へ
http://mainichi.jp/select/world/america/news/20081026k0000m030112000c.html
2008/10/29(水) 午前 10:59
【コメント】(上)いよいよアフガン問題の全当事者が和解・対話に向けて一斉に舵を切り始めました。紛争当事者が和平の当事者に転向しようとしている中、日本政府ができることは何でしょうか。かつてブラヒミ特別代表は当時の小渕外相(故人)に「交渉の場を提供するだけでは足りない」と述べたそうです。。日本はより主体的に、アフガンの平和構築に乗り出すべきなのではないしょうか。そしてその機がいままさに熟したといえるのではないでしょうか。
この対話にむけた動きが活発化すると同時に、現地の戦火は激化しています。対話の動きと並行してこのようなことが起こるのは、対話反対(強硬派)派一掃のために軍が一翼を担い始めたからだと思われます。つまり、情勢の主軸は対話であり、これを促進する1つの手段として軍事が活用されるという逆転現象が起きています。このような時に軍事的貢献を深めることが国家として賢明な選択なのでしょうか。
2008/10/29(水) 午前 11:00
(下)現代の外交は、まさに機を見た臨機応変な対応と揺るぎのないプリンシプルのもとに成り立っているといえます。日本のプリンシプルが何であるか、平和立国としては自明の理のはず。その利をなぜ活用しないのでしょうか。そこに、日本の平和貢献の活路が見出せるはずなのに。私はいち日本人として、歯がゆくて仕方ありません。
2008/10/29(水) 午前 11:01
【報道】<ソマリア沖海賊対策>NATO 自衛隊補給艦の派遣求める(毎日)
東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を巡り、北大西洋条約機構(NATO)が日本政府に対し、海賊対策に従事しているNATO軍艦船の給油のため、自衛隊の補給艦を派遣するよう求めていることが16日、分かった。政府は給油活動の可能性について検討するが、補給艦を現地に派遣して給油活動を行うには、海賊対処法改正か新法制定が必要になる。
記事全文はコチラ→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100717-00000004-mai-pol
2010
2010/7/17(土) 午後 3:18
【コメント】本コメント欄で議論されてきた、インド洋沖補給支援活動のアデン湾沖支援への転換について、ついに国際社会側から要請が出されてしまいました。日本政府は、変わりゆく国際情勢の機先を制して支援対象の転換を行うのではなく、いったんは部隊を撤退させてしまったため臨機応変に事態の推移に応じた対応を行う体制を作り損ねました。また法制度的にも、現行法の改正か新法の制定が必要という二度手間となり、国際社会の要請に迅速に対応できる下地を作ることにも失敗しています。これが、安保政策論争を単なる政争の具としてきたこのツケです。
2010/7/17(土) 午後 3:24