国際刑事裁判所(ICC)と日本

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

原発再稼働と電力会社の経営

野田内閣は、なぜ、原発を次々と再稼働させようとしているのか。

決して電力が不足するからでも電気料金が高騰するからでもない。

再稼働させないと電力会社の経営が破綻に直面するからだ。

「原子力発電施設解体引当金」という制度がある。平成元年に、運転を終了した原発は廃炉にする、ということが決まった。(それまでは決まっていなかった!)

それにより、各電力会社は、原発の廃炉に必要な金額を毎年、年度末に一括して引き当てをすることが決められた。ただし、毎年の引当金の金額は、それぞれの原子炉が運転を開始してから運転を終了するまでの間に発電するであろう総発電量に対して、それぞれの年に発電した電力量に応じて積み立てる。

想定総発電電力量=
出力x40年x365日x24時間x設備利用率
ただし、計算上設備利用率は76%とされる。(現実の稼働率はもっと低い)
総見積額=解体費用+処理処分費用(3兆円/10社:54基)


引当額=
総見積額x(累積発電電力量/想定総発電電力量)−前年度残高

つまり、稼働率が低い原発は、本来引き当てるべき引当金よりも、年度末に引き当てる金額のほうが少なくなる。だから、問題が大きい原発ほど、40年を超えて稼働させないと、引き当てが過小になり、廃炉にするときに損失を計上しなければならなくなる。

ほとんどの原発は、稼働率76%を下回っているので、40年で廃炉にすると、引き当てが足らなくなり、電力会社は損失を出すことになる。だから40年での廃炉を電力会社はむやみといやがる。

それぞれの原発が廃炉にいくら掛かるかは、使用している金属やコンクリートの量などに処分単価を掛けて算出されている。

一番安いのが関電の美浜一号(34万kW)の318億円、一番高く見積もられているのか浜岡五号(138万kW)の844億円。

これが正しいかどうかは検証が必要だ。

各電力会社の23年度末の原子力発電設備残存簿価から廃炉のための引当金以外の引当金等を除いた金額をみると

イメージ 1

それぞれの電力会社の23年度末装荷核燃料簿価(原子炉内の核燃料の簿価)と完成核燃料簿価(原子炉以外に持っている核燃料の簿価)は

イメージ 2
各電力会社が引き当てるべき総額と23年度末までの引当金額、再稼働せずに廃炉にした場合の不足額は

イメージ 3
廃炉を決定した場合に各社が損失として計上するべき金額、つまり(引当金不足額+完成核燃料簿価+装荷核燃料簿価+原子力発電設備残存簿価から廃炉引当金以外の引当金を除いた金額の合計)、各社の23年度末純資産、その差額(マイナスは債務超過)

イメージ 4


ちなみに23年度の十社の売上高合計15兆5,000億円、経常利益−1兆2,000億円、当期純利益−1兆6,000億円。

再稼働をせず廃炉を決定すれば、北海道、東北、東京の各電力会社と日本原電は債務超過になる。残り各社も純資産を大きく減らすことになり、23年度同様の赤字を出せば、債務超過になる可能性が大きい。

この他に、六ヶ所村で再処理工場を持っている日本原燃の経営問題もある。

エネルギー政策の転換には、電力業界の抜本的な立て直しが避けられない。


※本転載では、①計算式や表を見やすくして、②数字を半角にして③「,」を付け、④表内でのマイナス表示を通常の表での表示形式()に変え、⑤全ての統計をグラフで表している以外は、基本全てをそのまま転載しています。

“核の平和利用”という虚像が推進された背景 

原発推進の片棒を担がされた平和運動

今日世界史上初の「原爆の日」にどうしても語らなければならないことがある。
それは「核の平和利用」をどう平和団体が推進してきたか。

核の軍事利用を“否定”し、核の軍事利用としての価値を“相対的に削減”し、核の平和利用を“促進する”―平和団体は、この理念のもと原発推進者となった。

世界連邦運動などの平和団体による原発推進は、元々は平和理念に基づく「反核」としての運動だった。平和利用の促進が、兵器利用の価値を下げると確信していた。

この価値観は、後に核不拡散防止条約(NPT)というひとつのレジーム(体制)の確立により強化される。核の拡散防止のために平和利用促進が是とされたのだ。

核の平和利用が原発ビジネス推進のために国際原子力機関(IAEA)やNPT体制によって支えられた謀略なのかどうか、そこまでは確信を持っていえない。判っているのは、謀略の有無に関係なく、世界連邦運動という国際平和運動は、“国際規模で原発を推進する片棒を担がされてしまった”ということだ。

マージナライズされた反核運動

世界連邦運動などに代表される「平和運動」が「核の平和利用促進」のために原発推進に柁を切った一方で、原水禁などの「反核運動」は、核の兵器利用も平和利用も両方認めないというスタンスで一貫して運動を続けてきた。そしてその頑ななスタンスは、原発推進勢力に政治的に逆利用されてしまった。

非核三原則のもと、核の平和利用は例外的に認めることを国是としている我が国で、核の利用を一体化視して「核の平和利用」をも認めないというスタンスをとることは、国是に反するだけでなく、“非核の精神をも否定する”という論理のすり替えが行われ、反核団体は社会の中でその存在をマージナライズ(矮小化)された。

反核運動が核の兵器利用への反対運動として“のみ”認められる形へとマージナライズされていく一方で、核の兵器利用には反対するが核の平和利用は、“兵器利用の削減のためにも推進すべき”とする平和運動は、その政治的利用価値を高めていき、いつしか、“核の平和利用に反対できない環境”が構築されていった。

つまり、総合的にみれば、平和運動も、反核運動も、両者とも核の平和利用には反対できなくなっていった。日本に核の平和利用に反対する有効な勢力は存在しなくなったのである。しかし振り返ってみれば、これはいま脱原発を主張する多くの国民にとって、非常に大きな痛手であった。

福島原発事故以降、国民の多くが頼りにするようになった情報・データの源(核情報原子力情報資料室、等)はどこだったか。長年、核の平和利用としての原発を問題視してきた反核運動コミュニティそのものではなかったか。たとえばピースデポという自他共に認める核シンクタンクは長年、原発と核開発の一体化構造に警鐘を鳴らしてきた。

だがピースデポの研究・調査内容はあくまで「反核」のコンテクストにおいてのみ有効な情報とされ、「反原発」の部分の価値はマージナライズされたままだった。

結果、原発の危険性、核開発との一体性という危機認識は一般の中に育たず、多くの国民が無知・無関心のまま2011年3月11日を迎えることとなった。

これら一連の平和運動・反核運動の発展の歴史が、原発推進勢力の謀略によって導かれたかどうか、そんなことは、もはやことの本質とは関係がない。問題は実態であって、背後に何があるかではない。

本質は、いずれの運動も「核の平和利用」に反対しにくくなったということだ。
だが、それはもう過去の問題であることは周知の通りである。

もはや現体制では“核の平和利用”は不可能 

核の平和利用=原発が抱える問題の本質とは

現在日本が抱える「核の平和利用」の問題の要は、その管理体制と意識にある。遡れば、地震列島日本に原発を建設すること自体に問題があるが、これは多くの国民が巧みな情報操作によって「安全」と信じ込まされ、「容認」してきたこと。問題はその後にある。

安全性は確保されてきたのかということだ。

311以後、多くの国民が認識したのは、仮に原発が完璧に運営されていても、そこに“厳格な安全基準(設計と運営の両方)の運用と、明確な危機管理意識と、それを明文化した対応、厳格な訓練が行われ、常に改善が繰り返されるような体制”がなくては、「原発の安全性は確保されない」という事実だ。

これは今年初め、「終末時計」を1分進めた理由としても指摘されている。

2012: "safer nuclear reactor designs need to be developed and built, and more stringent oversight, training, and attention are needed to prevent future disasters;"
より安全な原子炉が設計及び建造されなければならない。また、将来の災害を防ぐために、より厳格な監督、訓練が行われ、かつ十分な注意が払われる必要がある

原発事故から1年以上が経った今も、これらの改善はなされていない。民間・国会事故調の両方により「人災」認定されても、行政監視機関の国会は、新設する原子力規制委員会の人事の状況を見ても、「人質」(じんしつ)の改善を徹底できない。

「歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となることによる原子力安全についての監視・監督機能の崩壊」が起きた点に求められると認識する。何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなくあきらかに「人災」である。」(国会事故調報告の「結論」より)

すなわち、これまで繰り返し述べてきたように、この国に原発を管理する資格はない。

67年目の誓い

我が国は、67年前の今日を境に3度、核に被曝した。2度の“被爆”は戦争によるものだったが、政府は被爆者の補償すら満足にしてこなかった。3度目の“被曝”は天災に端を発するが被害を拡散する結果を招いたのは“人災”だった。

我が国の政府は、核から国民を守る意思を有していない。

だからこそ、核被爆67年目の今日、新たに誓おう。

今度こそ、全国民を核の恐怖から守る政府を選択しようと。
今度こそ、全国民を核の脅威から守る行政を創ろうと。
今度こそ、全国民を核の危険に曝すことを許さない立法府を創ろうと。
そして今度こそ、教訓を学ぼうと。

4度目の被曝を経験しないために。

だが、現政権・体制には、これらの理想を実現する意思も力もない。

震災後1年強、行政・立法・当局・産業の対応・議論・施策により、
現体制への評価はもはや決した。すべてを作り替える必要がある。

まずは、行政を構成する立法府からはじめよう。
その為に、現政府は退陣しなければならない。

2012年8月6日

平和を祈念する原爆記念の日に
4度目の被曝回避を祈念して

転載元転載元: GivingTreeの雑記帳

開く トラックバック(1)

イメージ 1
世界大会が行われたカナダ・ウィニペグ大学の表札(前方)
会場のウィースリー・ホール(後方)

はじめに

2012年7月10日から11日の二日間、カナダのウィニペグで開催された第26回世界連邦運動世界大会(XXVI WFM Congress)では分科会(Commission)が開かれ、世界連邦運動協会からは四つの分科会についてそれぞれ代議員(Delegate)が参加した。

「平和、人間の安全保障、紛争解決」に関する分科会(COM2)には、犬塚直史(いぬづか・ただし)国際委員長と同委員会委員の私が入り、国際委員会が本年度の活動方針とする国際緊急人道支援部隊(HRTF)の設立に関する決議の成立を目指した。

「国連改革とグローバルガバナンス」に関する分科会(COM4)には、阿久根武志(あくね・たけし)当協会事務局長が参加した。COM2において私は報告者を務め、二日目の報告検討会において当該分科会で合意された二つの決議についての報告を行った。

これら当協会代議員が参加した分科会の他に「国際正義と国際法治と人権」に関する分科会(COM1)と「グローバルな経済・環境ガバナンス」に関する分科会(COM4)があったが、事前登録制のため、今大会においては当協会からは誰も参加することができなかった。しかし、COM4においては、福島原発事故を経験した日本社会にとって重要な議題が検討されていた。

それは、「原発に依存しない社会」を目指す決議を採択するというものであった。 

決議案提出の経緯

COM4の委員長を務めた米国のルーシー・ウェブスター(Lucy Law Webster)代議員は、委員長として福島原発事故に関するなんらかの決議を採択したいと考えていた。しかし、同会の報告者である英国のピーター・ラフ(Peter Luff)代議員は、福島原発事故に関して事前に提出された決議案はないとして、委員長の提案を拒否した。

分科会において事前に決議案が提出されていないからといって、会のテーマに沿った新決議を提案してはならないという規則はない。そこでウェブスター氏は、何とか福島に関する決議案を同会の決議案に挿入することはできないかと、私に相談を持ちかけた。私は事態を重く受け止め、自身がCOM2の報告者を務める傍ら、議場で決議案を書き上げた。

ウェブスター氏は短時間で書き上がった決議案を検討し、これを決議案に挿入するべく動き出した。私はここで注意を払い、分科会の全員に確認する時間はなくとも、せめて報告者であるラフ氏の了解を得るべきだとウェブスター氏に忠告した。

ウェブスター氏は会議の合間にラフ氏に確認をとり、「分科会決議ではなく個人提出決議としてほしい」と要請されこれを承諾した。

決議案の発表

まもなくCOM4の発表時間となった。

ラフ氏による分科会決議の報告の直後、ウェブスター氏は「関連決議」として個人提出決議を大会に提示。その主旨を読み上げ、決議は会場のスクリーンに映し出された。決議の内容は、次のようなものだった。(日英併記
 
国家の根幹的エネルギー・インフラとして、原子力発電所を建設予定、或いは既に長年に渡りこれを保有及び運用する各国政府に対し、原子炉のさらなる安全と運用の確保並びに将来的な脱原発社会の実現に向けて次のことを呼びかけることを世界連邦運動に求める。 
 
    1. 福島原発事故について、日本の国会独立事故調査委員会がまとめた最終報告、及び、米国原子力規制委員会の委託調査により福島原発事故調査特別チームによりまとめられた 『21世紀の原子炉の安全性実現に向けた提言』の内容を真摯に検討すること、及び
    2. 1と並行した、継続的に再生可能エネルギーの研究・開発・導入の推進を実践すること
抗議の辞任

同決議案について、大会は賛成12・反対16・棄権11の反対多数で否決する採決を下した。これを受け、議案起草者の私は翌日7月12日付けで抗議の辞任を決断。新任の理事会及び資格承認指名委員長に対し、国際理事辞任の意、並びに同日予定されていた執行理事選挙への指名辞退を伝える書簡を送付した。

突然の辞意の表明に対し、理事会では13日の会議で全会一致で私の慰留を求めることに合意。新任のアルゼンチンのフェルナンド・イグレシアス(Fernando Igelesias)理事長をはじめ各理事が慰留を求めるも、私は固辞。理事及び執行理事指名の受託の条件として、世界連邦事務局専務理事名で、世界連邦運動として、核の軍事利用及び平和利用に関する方針の歴史的経緯並びにこれに基づく公式見解の発表を要請。米国際事務局のビル・ペイス(Bill Pace)専務理事はこれを実現することを私に約束した。

私がこのような要請を行ったのには確固とした理由があった。

議案の採決時、議場からは反対意見のみが寄せられた。その内容は「当運動として、あるいは所属団体において、この決議の内容を公式方針として表明することはできない」という明確なものだった。後ほど各理事との意見交換で判明したのは、反対表明には主に次の理由があるということだった。

  1. 核の軍事利用(核兵器)への対論として核の平和利用があるのであり、運動は長きに渡ってこの立場を守ってきたため立場の転換は難しい。
  2. 運動はその政策方針として核拡散条約(NPT)体制を支持しており、体制下においては核保有を禁止するかわりに核の平和利用が認められるため、公に核の平和利用を否定できない。
  3. 核の平和利用を全面的に否定することは、地球温暖化対策の一環でのクリーン・エネルギーとしての原子力エネルギーの利用をも全面否定することになるため承伏できない。
  4. 規定の議案提出手続きを経ておらず、また十分な議論が行われていないため、公式な決議として拙速に認めることはできない。

棄権者との意見交換によると、殆どの代議員は(4)の理由で棄権していたことが判明している。一方、反対者との意見交換では、主に(1)及び(3)の理由が反対理由として挙げられた。即ち、反対票の殆どが「核の平和利用」という基本方針との矛盾を理由に投じられていたことが判明したのである。

世界の恒久平和を目指す世界連邦運動において、このような主義主張の膠着があるようでは世界連邦の実現はあり得ない、私はそう判断し、固辞することを決めた。

終わりに

 
福島原発事故以降、世界は大きく動いた。

原発安全先進国のスイスでは、事故以降に安全性の総点検がなされ、さらには、2030年までに全ての原発を停止する「脱原発」宣言がなされた。米国は事故発生後わずか四カ月で、前述の特別チームを編成し、事故の教訓を元に提言をまとめた。各国で原発依存の脱却を求める市民運動が活発化し、原発依存の低減の必要性を認める政策転換が相次いだ。

そうした中で、原発の安全性とクリーン・エネルギーとしての有用性を天秤にかけ、人間の安全保障を最優先とするパラダイム転換を要請する社会運動が活発となった。

このような中で、世界で最も先進的である世界連邦政府樹立を目指す世界連邦運動は、未だに旧来のパラダイムにしがみつき、原子力に関する先見性のある政策検討を行えないでいるのである。

また当協会が平成24年度総会で採択した宣言にあるように「持続可能な社会を継続できるよう、全世界の課題として脱原発に向けての論議」を進めるという見通しも立たない。私の辞任はこれを見越したものである。

2012年度世界連邦運動協会第67回総会宣言(抜粋)
「東日本大震災では、津波による甚大な被害に加えて、深刻な原子力発電所事故が起きたことから、エネルギー資源のあり方が根本的に問われることになった。私たちは持続可能な社会を継続できるよう、全世界の課題として脱原発に向けての論議を進めなければならない。

世界連邦運動が真に世界に先駆けた先進的な運動となり、世界連邦樹立の牽引となるためには、あらゆる重要地球規模課題に関する政策分野においてこれを先導する必要がある。旧来のパラダイムに囚われて先見的な議論ができない現在のありようは、「核の平和利用」を推進するという基本方針が内包する根本的問題を表しているといえよう。


文責・世界連邦運動協会 勝見貴弘

開く トラックバック(1)

イメージ 1

14年目の「国際司法の日」を迎えるに当たり、日本政府に苦言を呈す。

英語版 
今日から14年前1998年日7月17日、ローマで行われた国連全権外交使節会議において「国際刑事裁判所ローマ規程」が採択されました。その後、国際司法の発展に大いなる貢献をしたこの日は「国際司法の日」として記憶されるようになりました。そして、10年前7月1日、ローマ規程が発効し、国際刑事裁判所(ICC)は今年で設立10周年を迎えました。

今日から5年前2007年7月17日、日本政府は国際刑事裁判所ローマ規程への批准書を国連に寄託。世界で105番目の締約国となりました。政府は国際的な名誉ある日として「国際司法の日」を批准書付託の日に選択。同日、憲法に云う「国際社会における名誉ある地位」を占めるに到りました

しかし、国際刑事裁判所ローマ規程に批准してから5年が経過した今日7月17日になっても、日本政府は規程の管轄犯罪を国内で犯罪化することや、ICCとの協力及び特権免除を規定する「国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(APIC)」の批准といった作業を未だ進めていません。まさに、批准5周年の喫緊の課題といえます。

願わくば、批准5周年の今年こそ政府が形ばかりの国際的名誉にこだわらず、真に名誉ある国家として、正々堂々と自国内の犯罪を自国で裁けるよう、国際刑事裁判所ローマ規程の管轄犯罪である「戦争犯罪」、「人道に対する犯罪」、「集団殺害犯罪」、そして「侵略犯罪」を国内で犯罪化する名誉ある行動に到らんことを。

さらに、国際刑事裁判所に対する十分な協力を確保するため、現行の国内規則のみに甘んじることなく、ICCとの司法共助関係を定める「特権免除協定(APIC)」についても、これを速やかに批准し、必要な協力体系を確保することを改めて日本政府に要請します。

2012年7月17日

国際刑事裁判所問題日本ネットワーク
事務局長

勝見貴弘


関連祈念ツイッターまとめ:【国際刑事裁判所と福島原発事故】
イメージ 1
2012年7月5日、 国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 (国会事故調)が最終報告書をまとめた。2011年12月8日「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」に基づき設置された国会事故調は、報告書をまとめるまでの6か月の期間に、延べ19回委員会を開催。法令に基づく文書の提出請求権を13度行使して情報収集に当たった。法令上、国政調査権の発動権限も有していたが、必要とされる参考人等全てから協力を得られたため、権限を発動することには至らなかった。

国会事故調は、両院の議員運営委員会が合意した「設置の基本的考え」に基づき、情報公開を徹底して全てを公開で行い、その過程・結果・報告に至るまでの全てを常に公表してきた。2012年7月5日にまとめられた 最終報告書では、11の結論が導き出され、これらに対する7の提言が発せられた。
以下は、最終報告書(『要約』『ダイジェスト版』)に基づきその調査の概要、結論と提言、及び個人的評価をまとめたものである。但し、必ずしも『要約』及び『ダイジェスト版』あるいは『本編』の順序通りには記載していない。

Ⅰ. 調査の概要

国会事故調が行った調査の概要は次のとおり。
  • 延べ1167 人(900 時間)を超えるヒアリングを実施
  • 各関連発電所に対し、9回の視察を実施
  • 被災住民に対し、3 回のタウンミーティングを開催、400 人超に対するヒアリングを実施
  • 被災地である12 市町村を訪問し、ヒアリングを実施
  • 「被災住民アンケート」を実施し、1 万633 人の回答を得た
  • 福島第一原発において作業する従業員アンケートを実施し、2,415人の回答を得た
  • 海外調査を3回実施し、報告をまとめた
  • 委員会で38人に対し、参考人招致を行った
Ⅱ. 結論と提言

これら調査の結果まとめられた国会事故調の結論と提言は次の通り。

■11の結論
  1. 【事故の根本的原因】 歴代の規制当局と東電との関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となることによる原子力安全についての監視・監督機能の崩壊」が起きた点に求められると認識する。何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなくあきらかに「人災」であると結論(提言1に対応)。
  2. 【緊急対応時の問題】 事故の進展を止められなかった、あるいは被害を最小化できなかった最大の原因「官邸及び規制当局を含めた危機管理体制が機能しなかったこと」、そして「緊急時対応において事業者の責任、政府の責任の境界が曖昧であったこと」にあると結論(提言2に対応)。
  3. 【被害拡大の要因】 避難指示が住民に的確に伝わらなかった点について、「これまでの規制当局の原子力防災対策への怠慢と、当時の官邸、規制当局の危機管理意識の低さが、今回の住民避難の混乱の根底にあり、住民の健康と安全に関して責任を持つべき官邸及び規制当局の危機管理体制は機能しなかった」と結論(提言2に対応)。
  4. 【住民の被害状況】 「被災地の住民にとって事故の状況は続いている。放射線被ばくによる健康問題、家族、生活基盤の崩壊、そして広大な土地の環境汚染問題は深刻である。いまだに被災者住民の避難生活は続き、必要な除染、あるいは復興の道筋も見えていない。先の見えない避難所生活など現在も多くの人が心身ともに苦難の生活を強いられている」と認識。また、その理由として「政府、規制当局の住民の健康と安全を守る意思の欠如と健康を守る対策の遅れ、被害を受けた住民の生活基盤回復の対応の遅れ、さらには受け手の視点を考えない情報公表にある」と結論(提言3に対応)。
  5. 【運転上の原因】 「過酷事故に対する十分な準備、レベルの高い知識と訓練、機材の点検がなされ、また、緊急性について運転員・作業員に対する時間的要件の具体的な指示ができる準備があれば、より効果的な事後対応ができた可能性は否定できない。すなわち、東電の組織的な問題である」と認識(提言4 に対応)。
  6. 【事業者】 「規制された以上の安全対策を行わず、常により高い安全を目指す姿勢に欠け、また、緊急時に、発電所の事故対応の支援ができない現場軽視の東京電力経営陣の姿勢は、原子力を扱う事業者としての資格があるのか」との疑問を呈す(提言4に対応)。
  7. 【規制当局】 「規制当局は組織の形態あるいは位置付けを変えるだけではなく、その実態の抜本的な転換を行わない限り、国民の安全は守られない。国際的な安全基準に背を向ける内向きの態度を改め、国際社会から信頼される規制機関への脱皮が必要である。また今回の事故を契機に、変化に対応し継続的に自己改革を続けていく姿勢が必要である」と結論(提言5に対応)。
  8. 【問題解決に向けて】 事故原因を個々人の資質、能力の問題に帰結させるのではなく、規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である「組織的、制度的問題」がこのような「人災」を引き起こしたと考える。この根本原因の解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称を変えるだけでは、再発防止は不可能であると結論(提言4、5 及び6 に対応)。
  9. 【法規制】 「原子力法規制は、その目的、法体系を含めた法規制全般について、抜本的に見直す必要がある。かかる見直しに当たっては、世界の最新の技術的知見等を反映し、この反映を担保するための仕組みを構築するべきである」と結論付けた(提言6に対応)。
  10. 【事故の直接的原因】 「安全上重要な機器の地震による損傷はないとは確定的には言えない」、特に「1号機においては小規模のLOCA が起きた可能性を否定できない」との結論に達した。しかし未解明な部分が残っており、これについて引き続き第三者による検証が行われることを期待する(提言7に対応)。
  11. 【認識の共有化】 「事故は継続しており、被災後の福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という)の建物と設備の脆弱性及び被害を受けた住民への対応は急務である」と認識する。また「この事故報告が提出されることで、事故が過去のものとされてしまうこと」に強い危惧を覚える。日本全体、そして世界に大きな影響を与え、今なお続いているこの事故は、今後も独立した第三者によって継続して厳しく監視、検証されるべき(提言7に対応)。

■7の提言
  1. 【規制当局に対する国会の監視 】 国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会等を設置する。
  2. 【政府の危機管理体制の見直し 】 緊急時の政府、自治体、及び事業者の役割と責任を明らかにすることを含め、政府の危機管理体制に関係する制度についての抜本的な見直しを行う。
  3. 【被災住民に対する政府の対応 】 被災地の環境を長期的・継続的にモニターしながら、住民の健康と安全を守り、生活基盤を回復するため、政府の責任において以下の対応を早急に取る必要がある。
  4. 【電気事業者の監視 】 東電は、電気事業者として経産省との密接な関係を基に、電事連を介して、保安院等の規制当局の意思決定過程に干渉してきた。国会は、提言1に示した規制機関の監視・監督に加えて、事業者が規制当局に不当な圧力をかけることのないように厳しく監視する必要がある。(略)
  5. 【新しい規制組織の要件 】 規制組織は、今回の事故を契機に、国民の健康と安全を最優先とし、常に安全の向上に向けて自ら変革を続けていく組織になるよう抜本的な転換を図る。(略)
  6. 【原子力法規制の見直し 】 原子力法規制については、以下を含め、抜本的に見直す。(略)
  7. 【独立調査委員会の活用 】 未解明部分の事故原因の究明、事故の収束に向けたプロセス、被害の拡大防止、本報告で今回は扱わなかった廃炉の道筋や、使用済み核燃料問題等、国民生活に重大な影響のあるテーマについて調査審議するために、国会に、原子力事業者及び行政機関から独立した、民間中心の専門家からなる第三者機関として(原子力臨時調査委員会〈仮称〉)を設置する。また国会がこのような独立した調査委員会を課題別に立ち上げられる仕組みとし、これまでの発想に拘泥せず、引き続き調査、検討を行う。
Ⅲ. 個人的評価

過去半年のうちに国会事故調が行ってきた「調査」の内容は、与えられた期間、資源、権限の中で行われたきたものとしては十分に評価できる内容と考える。7つの「提言」を導くに至った11の「結論」についても、まさにこの国会事故調報告書でもたびたび言及される「規制の虜」(規制当局が事業者の「虜」となって被規制産業である事業者の利益最大化に傾注する状況)の病巣をえぐりだし、その根本的治癒を図ろうとするものであると評価できる。しかし、原子力を推進する議員が多数派を占める現国会において、国会内での改革を重視した形の①常設委員会の設置や、②法規制・③規制組織の要件・④制度の抜本的見直し、⑤事業者の監視、さらには⑥被災住民への対応といったことが、果たして政策として、あるいは制度として立法化され、実施される保証があるのだろうか?

今回活躍した、独立調査委員会のような存在、⑦第三者機関としての原子力臨時調査委員会(仮称)は、「規制の虜」の円の中にある国会とは独立した存在なのだから、期待したいと思う。だが、かといって、国会内の①〜⑥の取り組みが機能不全に陥る時にいち第三者機関にそれらを取り扱う権限を与えるわけにもいかないし、いち機関で取り扱うには作業負荷や責任範囲が大きすぎ、またそのマンデートもこの提言には定められていない。

つまり、7の提言のうち6つは、国会でこれら提言を十分に推進する下地があって初めて機能する。仮に、現国会がこれら提言を全て、あるいは部分的に受け入れて、提言が求めるように「実行計画」を策定しこれが採択、施行されたとしても、立法作業の過程で「規制の虜」の状況が再発し、穴だらけの法制・規制・監視になってしまう可能性はないだろうか?現に、それが過去40年行われてきた原子力行政や国会監視の姿ではなかったのか?

国会に関連する6提言を実施する上で必要不可欠になるのは人材の刷新である。これは奇しくも、事故調が行ったヒアリング対象者の評価に現れている。「結論8」において、国会事故調は結論の前段としてこう述べている。
「本事故の根源的原因は「人災」であるが、この「人災」を特定個人の過ちとして処理してしまう限り、問題の本質の解決策とはならず、失った国民の信頼回復は実現できない。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な組織、制度、さらにはそれらを許容する法的な枠組みであったまた関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思いこみ、常識)であった。」
事故調はこの前段の下、「事故原因を個々人の資質、能力の問題に帰結させるのではなく、規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である「組織的、制度的問題」がこのような「人災」を引き起こしたと考える」とし、その根本原因の解決を提言している。だが、その根本原因こそがやはり人質(じんしつ)であり、その解決となるのは人材の刷新であることは明らかだろう。しかもこの解決は、規制当局だけでなく、これを監視する役割を負う国会議員に対しても行われる必要があるということだ。でなければ、「規制の虜」の輪は閉じない。

私はこの最終報告書を高く評価する。一方で、この報告書の提言を実現するには人質の刷新が不可欠であると、個人的に結論付ける。国会の人質を刷新するということは、つまり選挙である。総選挙を行い、この期に及んでもなお報告書が指摘するような「マインドセット」を持ち続ける国会議員を立法府から一掃し、その上で行政上の改革が行われなければ、この素晴らしい提言は全く生かされないであろうと確信する。

以上が国会事故最終報告に対する私の個人的な評価である。

脱原発社会の実現を再び祈念して
2012年7月6日


転載元転載元: GivingTreeの雑記帳


.
アバター
etranger3_01
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

検索 検索

世界的(Globalist)

現実的(Pragmatist)

国粋的(Nationalist)

平和的(Pacifist)

政治的(Political)

一般的(General)

人間的(Human)

娯楽的(Leisure)

参考(Resource)

未分類(TBD)

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事