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侵略犯罪に関するローマ規程の改正条項

(※Wikipedia掲載前の部分的自己コピー)

侵略犯罪(しんりゃくはんざい、Crime of Aggression)は、国際刑事裁判所規程に定められる国際刑事裁判所管轄犯罪の一つである。2010年6月11日カンパラで開かれたローマ規程再検討会議において、その定義及び管轄権行使の手続きに関する改正決議(RC/Res.6)が参加国111カ国のコンセンサスにより採択された。但し、改正は2012年5月現在発効していない。

定義

国際刑事裁判所規程(以下、規程)における定義は、次の通りである。

抄訳

第8条の2 侵略犯罪
一、この規程の適用上、「侵略犯罪」とは、国の政治的または軍事的行動を、実質的に管理を行うかまたは指示する地位にある者による、その性質、重大性および規模により、国際連合憲章の明白な違反を構成する侵略の行為の計画、準備、着手または実行をいう。
二、第1項の適用上、「侵略の行為」とは、他国の主権領土保全または政治的独立に対する一国による武力の行使、または国際連合憲章と両立しない他のいかなる方法によるものをいう。以下のいかなる行為も、宣戦布告に関わりなく、1974年12月14日国際連合総会決議3314(XXIX)に一致して、侵略の行為とみなすものとする。
a. 一国の軍隊による他国領域への侵入または攻撃、若しくは一時的なものであってもかかる侵入または攻撃の結果として生じる軍事占領、または武力の行使による他国領域の全部若しくは一部の併合
b. 一国の軍隊による他国領域への砲爆撃または国による他国領域への武器の使用
c. 一国の軍隊による他国の港または沿岸の封鎖
d. 一国の軍隊による他国の陸軍海軍または空軍若しくは海兵隊または航空隊への攻撃
e. 受け入れ国との合意で他国の領域内にある一国の軍隊の、当該合意に規定されている条件に反した使用、または当該合意の終了後のかかる領域における当該軍隊の駐留の延長
f. 他国の裁量の下におかれた領域を、その他国が第三国への侵略行為の準備のために使用することを許す国の行為
g. 他国に対する上記載行為に相当する重大な武力行為を実行する武装した集団、団体、不正規兵または傭兵の国による若しくは国のための派遣、またはその点に関する国の実質的関与

管轄権

認定

規程の適用上、侵略行為の認定(決定)は、国際刑事裁判所又は国際連合安全保障理事会の決定により行うことができるが、国際刑事裁判所は、裁判所以外の機関による「侵略行為」の決定に影響されない。(第15条の2)

行使

規程の適用上、国際刑事裁判所は次の3つの方法で「侵略犯罪」に関する管轄権を行使できる。(第15条の2及び3)
  • 自発的行使: 予審裁判部の許可がある前提での検察官の職権による捜査の開始(第15条の2)
  • 国の自発的付託による行使: 第13条(a)および(c)項に従った行使(第15条の2)
  • 安全保障理事会の付託による行使: 13条(b)項に従った行使(第15条の3)

発効

ローマ規程の適用上、規程の改正には30の締約国による個々の改正条項への批准が必要となる。侵略犯罪については、再検討会議において以下の発効要件が合意された。(第15条の2及び3共通)
  • 30の締約国が改正条項の批准または受諾を行った1年後
  • 締約国の多数により2017年1月1日以降に行われる決定に従うこと

関連条項

(a) 締約国が次条の規定に従い、これらの犯罪の一又は二以上が行われたと考えられる事態を検察管に付託する場合
(b) 国際連合憲章第七章の規定に基づいて行動する安全保障理事会がこれらの犯罪の一又は二以上が行われたと考えられる事態を検察管に付託する場合
(c) 検察管が第十五条の規定に従いこれらの犯罪に関する捜査に着手した場合 
第15条の2 侵略犯罪についての管轄権の行使(国の自発的付託)
  1. 裁判所は、この条の規定に従うことを条件として、第13条(a)および(c)項に従って侵略犯罪についての管轄権を行使することができる。
  2. 裁判所は、侵略犯罪に関する管轄権については、30の締約国が改正条項の批准または受諾を行った1年後にのみ行使することができる。
  3. 裁判所は、規程の改正の採択のために必要とされるのと同じ締約国の多数により2017年1月1日以降に行われる決定に従うことを条件として、本条に従って侵略犯罪についての管轄権を行使するものとする。
  4. 裁判所は、締約国が、裁判所書記に対して行う宣言によりかかる管轄権を受諾しないことを事前に宣言していない限り、第12条に従って、締約国が行った侵略行為から生じる、侵略犯罪についての管轄権を行使することができる。かかる宣言の撤回は、いつでも効力を有することができ、また3年以内に当事国により検討されるものとする。
  5. 本規程の当事国でない国に関しては、裁判所は、その国の国民またはその領域において行われた侵略犯罪についてその管轄権を行使しないものとする。
  6. 検察官が、侵略犯罪に関する捜査を進める合理的な基礎があると結論する場合には、まず最初に安全保障理事会が関係国により行われた侵略行為について決定を下したか否かを確かめるものとする。検察官は、あらゆる関連情報および文書を含む、裁判所における事態を、国際連合事務総長に通知するものとする。
  7. 安全保障理事会がかかる決定を下した場合には、検察官は侵略犯罪に関する捜査を進めることができる。
  8. 通報の日から6か月以内にかかる決定が下されない場合には、検察官は、予審裁判部が第15条に規定する手続に従って侵略犯罪に関する捜査の開始を許可したこと、および安全保障理事会が第16条に従って別段の決定をしていないことを条件として、侵略犯罪に関する捜査を進めることができる。
  9. 裁判所以外の機関による侵略行為の決定は、本規程の下での裁判所独自の認定に影響を及ぼすものではない。
  10. 本条は、第5条に言及されている他の罪に関する管轄権の行使に関する規定に影響を及ぼすものではない。
第15条の3 侵略犯罪についての管轄権の行使(安全保障理事会の付託)
  1. 裁判所は、この条の規定に従うことを条件として、第13条(b)項に従って侵略犯罪についての管轄権を行使することができる。
  2. 裁判所は、侵略犯罪に関する管轄権については、30の締約国が改正条項の批准または受諾を行った1年後にのみ行使することができる。
  3. 裁判所は、規程の改正の採択のために必要とされるのと同じ締約国の多数により2017年1月1日以降に行われる決定に従うことを条件として、本条に従って侵略犯罪についての管轄権を行使するものとする。
  4. 裁判所以外の機関による侵略行為の決定は、本規程の下での裁判所独自の認定に影響を及ぼすものではない。
  5. 本条は、第5条に言及されている他の罪に関する管轄権の行使に関する規定に影響を及ぼすものではない。

各国の立場

日本

日本政府は2010年の再検討会議において、次の3つの理由から規程改正の採択のコンセンサスには参加せず、但しそれを阻止することも行わない対応をとった。
  1. 現行ローマ規程の改正手続との関係で疑義が残ること;
  2. 締約国間及び締約国と非締約国間の法的関係を複雑なものとすること;
  3. 非締約国の侵略行為による侵略犯罪を必要以上に裁判所の管轄権行使の条件から外していること.
政府代表団の団長である小松一郎政府代表(駐スイス大使)は、規定改正に関する投票を行うその前後の『投票理由説明』においてこう述べた。
  • 採択前: 「きわめて不承不承ながら、各国代表団が本改正案を現行案のまま支持するというのであれば、日本政府はコンセンサスを妨げることは致しません。(... it is with a heavy heart that I declare that, if all the other delegations are prepared to support the proposed draft resolution as it stands, Japan will not stand in the way of a consensus.
  • 採択後:「政府代表団の団長として、この岐路に置いて申し述べておかなければならないことがあります。それは今後の我が国のICCへの協力は、我が国が疑義を唱える改正手続に関する問題の解決にかかっているということであります。(As the head of my Delegation, appointed to represent Japan in this Review Conference, it is my duty to register, at this juncture, that the future cooperation of Japan with the ICC will hinge upon whether the ASP can deliver on this with your cooperation. )」

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リヒテンシュタイン、改正ICC規程の侵略犯罪条項の最初の批准国に
特定兵器使用禁止条項〔ベルギー提案)にも批准

PGA(地球規模問題に取組む議員連盟)国際本部より以下の発表がありました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/liechtenstein/image/map.gif
2012年5月10日付けのプレスリリースによると、リヒテンシュタイン公国が8日、2010年のカンパラ再検討会議で会合参加国の総意により採択された「侵略犯罪」の定義と管轄権行使の手続きに関する改正条項の批准書を付託。121のICC締約国初の改正規程の批准国となったそうです。
2010年に採択された規定に基づき、改正規程は30ヶ国の批准を経て発効します。リヒテンシュタインの批准により、残り29ヶ国で改正ローマ規程が発効する見通しとなりました。さて、発効まで何年かかるでしょうか。
PGAはさらに、同国が非国際的武力紛争における特定兵器の使用を禁止するいわゆる「ベルギー提案」を採用した改正条項についても批准したことを歓迎しました。同国は同追加条項については、2011年に批准したサンマリノ共和国に次いで2ヶ国目の締約国となりました。

画像:リヒテンシュタイン公国(外務省)より

リヒテンシュタインが批准した主な改正条項

(第5条ほか)侵略犯罪に関する規定
  • 定義及び管轄権行使の条件
  • 管轄権行使の手続き

    • (a) 1)締約国付託及び検察官の職権による捜査の開始については、国連安全保障理事会による国家の侵略行為の認定がない場合であっても、予審裁判部門の許可がある場合には、安全保障理事会がローマ規程第16条に基づき別段の決定を行う場合を除き、管轄権の行使が開始される。
          2)安全保障理事会による付託がある場合には、それにより管轄権の行使が開始される。
    • (b)ただし、実際の管轄権の開始は、当該改正条項を30か国が批准又は受諾を行ってから1年が経過した時点、又は、2017年1月1日以降に行われる管轄権行使開始についての締約国団による別途の決定の時点、のいずれかより遅い時点となる。

(第8条)非国際的武力紛争における一定の武器の使用の犯罪化
非国際的武力紛争における戦争犯罪を定めるローマ規程第8条2(e)に、「毒物又は毒を施した兵器」、「窒息性、毒性ガス又はこれらに類するガス及びこれらと類似のすべての液体、物質又は考案物」及び「人体において容易に展開し、又は扁平となる弾丸」のそれぞれの使用を対象犯罪とする。


以下、PGAプレスリリース本文の抜粋です。

New York/The Hague, 8 May 2012

Parliamentarians welcome the First Ratification of the New System to contribute to the Prevention of the Illegal Use of Force through a permanent and independent International Criminal Court

Today the Principality of Liechtenstein deposited at the United Nations its instrument of ratification to the two Amendments to the Rome Statute of the International Criminal Court (ICC) which were adopted by consensus by the Review Conference that met in Kampala in 2010. This constitutes the first ratification of the amendment that included a definition for the Crime of Aggression and a procedure for the International Criminal Court to exercise its jurisdiction over individuals who, as leaders of States Parties, plan, prepare, initiate or execute an attack against another State Party of the ICC. Additional 29 ratifications and a vote by the Assembly of States Parties are required to allow the ICC to exercise its jurisdiction over individuals who commit this crime.

The adoption of the Kampala Amendment on the crime of aggression was a historic event and a diplomatic feat. The formula guarantees the independence of the ICC from the Security Council–which has the prerogative to take action against States that violate the prohibition of the use of force contained in the UN Charter. 

The negotiations were successful largely due to the determination and skill of the Liechtenstein Mission to the United Nations, led by Ambassador Christian Wenaweser, who served as President of the Assembly of States Parties until 2011.

PGA also welcomes the ratification of Liechtenstein of the so-called “Belgian amendment,” that gives jurisdiction to the ICC for the war crime of using certain weapons in armed conflicts not of an international character. This is the second ratification to the Belgian amendment, after San Marino in 2011.

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@kingo999 さんよる書き起こしテキストの改訳・校正


独ZDFテレビ『フクシマの嘘』登場人物一覧(登場順)
名嘉幸照氏(東北エンタープライズ社長)
菅 直人氏(元首相)
ケイ・スガオカ氏(元GE点検主任)
佐藤栄作久氏(元福島県知事)
河野太郎氏(自民党衆議院議員)
松本純一氏(東電原子力・立地本部長代理)
島村英紀氏(地球物理学者・武蔵野学院大学特任教授)
白井 功氏(東電福島事務所・福島県災害対策本部技術・広報担当)
ナレーター:
我々は放射能から身を守り、警察から外人と見破られないよう防護服を着こんだ。
汚染され、破壊された原発が立っているのは立ち入り禁止区域だ。
そこに連れて行ってくれることになっている男性と落ち合った。
なにが本当にそこで起きているか、彼に見せてもらうためだ。

名嘉幸照(なかゆきてる)氏は原子力分野のエンジニア会社の社長で
もう何十年間も原発サイトに出向いて働いてきた。福島でも、だ。

私たちは見破られることなく、無事チェックポイントを通過した。
作業員たちが作業を終え、原発から戻ってきたところだった。

3月11日に起こったことは、これから日本が遭遇するかもしれぬことの
前兆に過ぎないのかもしれないことが次第にわかってきた。

そしてその危険を理解するには、まず過去を理解する必要がある。

(タイトル) フクシマの嘘
(監督) ヨハネス・ハーノZDF記者

ナレーター:
私たちは立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から約7キロ離れたところにいる。

名嘉氏はここで生活をし、福島第一と福島第二を股にかけて仕事をしてきた。名嘉氏と彼の部下は、何年も前から原発の安全性における重大な欠陥について注意を喚起してきた。しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

名嘉社長:私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけで
その人たちの言うことなど誰も本気にしません。
日本には、強い影響力を持つある集団が存在します。
「原子力ムラ」といわれるものです。彼らの哲学は、経済性優先です。
この「原子力ムラ」は東電、政府、そして大学の学者たちからなります。
重要な決定は彼らがすべて下すのです。

ナレーター:
私たちは東京で菅直人と独占インタビューした。
彼は事故当時首相で、第二次世界大戦以来
初の危機に遭遇した日本をリードしなければならなかった。

彼は唖然とするような内容を次々に語った、たとえば
首相の彼にさえ事実を知らせなかったネットワークが存在することを。
マスメディアでは彼に対する嘘がばらまかれ、辞任に追い込まれた。
原子力ムラに対抗しようとしたからである。

菅元首相:最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前にしておかなければいけないことがあったのに、何もしなかったことです。原発事故を起こした引き金は津波だったかもしれないが、当然しておくべき対策をしなかったことが問題なのです。この過失は責任者にあります。つまり、必要であったことをしなかった、という責任です。

ナレーター:
では原発事故の原因は地震と津波ではなかったのか?
「原子力ムラ」の足跡を辿っていくと、嘘や仲間意識によって
固められた犯罪的エネルギーに満ちた網の目に遭遇する。

調査は2つの大陸にまたがった。
まずカリフォルニアに飛んだ。
目的地はサン・フランシスコである。

私たちはある男性と話を聞く約束をしていた。
彼は長年原子炉のメンテナンスの仕事で
福島にも何度も来ており
かなり深刻なミスや事故を東電が隠蔽する現場に遭遇した。

福島の第1号原子炉は70年代初めに
アメリカのジェネラルエレクトリック社が建設し
それ以来アメリカのエンジニアが点検を行ってきた。
そして福島原発には何度も問題があった。

ハーノ記者:東電は、点検後、あなたに何を求めたのですか?

スガオカ氏:亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは単純です。
つまり「黙れ」ですよ。「何も話すな、黙ってろ」というわけです。

ナレーター:
問題があるなど許されない
日本の原発に問題など想定されていない
アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏も
それを変えようとすることは許されなかった。

スガオカ氏:1989年のことです、蒸気乾燥機についてビデオ点検をしていて
そこで今まで見たこともないほど大きい亀裂を発見しました。

ナレーター:
スガオカ氏と同僚が発見したのは、それだけではない。

スガオカ氏:原子炉を点検している同僚の目がみるみる大きくなったと思うと、彼がこう言いました。「蒸気乾燥機の向きが正反対に取り付けられているぞ」と。

ナレーター:
もともとこの原発の中心部材には重大な欠陥があったのだ。
スガオカ氏は点検の主任だったので
正しく点検を行い処理をする責任があったのだが
東電は、彼の報告が気に入らなかった。

スガオカ氏:私たちは点検で亀裂を発見しましたが、東電は
私たちにビデオのその部分を消すよう注文しました。
報告書も書くな、と言うのです。
私はサインしかさせてもらえませんでした。
私が報告書を書けば、180度反対に付けられている蒸気乾燥機のことも
報告するに決まっていると知っていたからです。

ハーノ記者:では、彼らは嘘の文書を書くよう求めたわけですか?

スガオカ氏:そうです、文書の改ざんを要求されたのです。

ナレーター:
スガオカ氏は仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。
GE社に解雇されて初めて彼は沈黙を破り
日本の担当官庁に告発した。
ところが不思議なことに、告発後何年間もなにも起こらなかった。
日本の原発監督官庁はそれをもみ消そうとしたのだ。

2001年になってやっと、スガオカ氏は「同志」を見つけた。
それも日本の福島で、である。

18年間福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏は
当時日本の与党だった保守的な自民党所属だ。
佐藤氏は古典的政治家で
皇太子夫妻の旅に随行したこともある。

始めは彼も、原発は住民になんの危険ももたらさないと確信していた。
だがその信頼は徐々になくなっていった。

(つづく)


※ヤフーは文字数制限があるので全文掲載できませんでした。続きはコチラで。

転載元転載元: GivingTreeの雑記帳

困った顔

「ニュースサイトの転載」はサービス終了になりました。

国際刑事裁判所(ICC)で、初めての終局判決が昨日出されました。コンゴ民主共和国(DRC)の内線に関するルバンガ事件で、少年兵の利用に関する戦争犯罪が起訴されていたものです。結論としては有罪判決です。判決書は624頁に及ぶ膨大なものです。

NGOは、ようやく出た判決を一様に歓迎。例えば、CICC(
ICC連合)のリリース

しかし、ルバンガ事件の審理の過程で明らかとなった手続き上の問題点を指摘するコメントもあります。例えば国際法曹協会(IBA(の声明など(会員限定)。JNICCのメンバーでありICB(国際刑事弁護士会)理事の東澤弁護士によると、今回の判決の特徴は以下の通りです。

  1. 非国際的紛争における少年兵の強制的徴用と志願編入について、ルバンガ被告を共同実行行為者として有罪とした
  2. 検察局が捜査に用いた現地の仲介者による手続の濫用に対しては厳しい批判を行い、元少年兵らの証言や被害者証人の信用性の大半を否定した。しかし、その他の証言や証拠から犯罪事実を認定した
  3. 予審の犯罪事実確認の際と同様の、「共同計画」(common plan)への不可欠の貢献と認識という枠組みを用いて、ルバンガ被告の共同実行行為者としての関与と責任を認めた。これに対しては、規程上はそこまでの厳しい要件は必要とされないが、審理が「共同計画」(common plan)への不可欠の貢献と認識という枠組みのもとでなされてきた以上、被告人への不利益変更はできないのでその枠組みで審理した、という裁判長の個別意見がついています。 

文責:東澤靖弁護士
編集:勝見貴弘


「原発事故は防げた」という内部告発の正当性

Japan’s nuclear regulators and the plant’s operator, Tokyo Electric Power, or Tepco, have said that the magnitude 9.0 earthquake and 45-foot tsunami on March 11 that knocked out cooling systems at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant were far larger than anything that scientists had predicted. That conclusion has allowed the company to argue that it is not responsible for the triple meltdown, which forced the evacuation of about 90,000 people.

(要約)東京電力は、震度7を超える巨大地震や13メートルを超える巨大津波は東北大震災は科学者達が予測したどれよりも規模が大きかったので、約9万人の人々の避難を余儀なくさせた3度に渡るメルトダウンは同社の責任ではないと主張している。

But some insiders from Japan’s tightly knit nuclear industry have stepped forward to say that Tepco and regulators had for years ignored warnings of the possibility of a larger-than-expected tsunami in northeastern Japan, and thus failed to take adequate countermeasures, such as raising wave walls or placing backup generators on higher ground.

(要約)ところが、東電や(原子力保安院等の)規制当局が、東北地方で予想外の巨大津波が発生する可能性を示唆する幾つもの警告を長年に渡って無視し続けていたからこそ、より高い防波堤の設置や高知に発電機を置くなどの適切な対策が取れなかったという非難の声が、堅固に癒着した原子力産業の中からも漏れはじめた。

震災等による全電源喪失は「想定外」ではない

地震や津波の「規模」は想定外であっても、地震そのものは想定外ではない。その「規模」が問題なのではなく、地震立国であるなかであらゆる地震に対する対策を講じなかったことが問題なのである。とくに、全交流電源喪失といういわゆるシビアアクシデント(過酷事故)は、20年前の1980年代には「基本中の基本」の概念だったのだ。スイス原子力会議の現役の副議長が、9日の番組でそう述べている。


1989年 アメリカ
この認識の下、アメリカでは原子力規制委員会(NRC)提言を発し、地震の殆ど無い東部に展開している福島第一原発と同型機のマークⅠを配置する米原発にベントの導入を勧告した。導入は義務化されず、自主的な導入を促すに留まった。これに呼応して

1992年 日本
日本でも原子力安全委員会が同様の勧告を発行して、自主的な電動ベントの導入を促した。アメリカでは、「これは日本には適用できない」と認識されているにも関らずだ。

日本の規制当局は、地震立国である前提がありながら、独自の適切なリスク評価を行わずに立地環境のまるで違うアメリカの方針を模倣したのである。そればかりか、過酷事故が起きる可能性について完全に否定し、備えを怠ることの予防線を張っていたことを示す記録すらある。

「シビアアクシデントは現実に起こるとは考えられないほど発生の可能性は十分に小さいものとなっており、原子炉施設のリスクは十分低くなっている」(92年の原子力安全委員会の決定)

同時期 スイス
一方で、同型機マークⅠが配置されているミューレンベルク原発を抱え、昨年末に脱原発を表明したスイス手動式ベント多重構造の自立式緊急冷却システムと2系統の緊急電源システムを装備。全交流電源喪失に備えマニュアルのない抜き打ち訓練も行って安全対策を何重にも多重化してきた実績を持つ。さらに、ミューレンベルグ原発では放射性物質の放出量を抑えるために薬品フィルターを実装し、放出される放射能を1000分の1にまで減らす努力をしている。

9-11後にシフトするアメリカの安全対策

2000年9月
同時多発テロを受け、アメリカは原発の安全策の変更を余儀なくされる。アラバマ州のブラウンズフェリー原発では、テロ等の不可測事態による全交流電源喪失に備え、非常用電源カートが常備されるようになる。この非常用電源により、最高8時間の電力供給が可能となる。同原発の作業員曰く、外部電源が全て失われた場合の「予備の予備の予備」の備えである。

1995年にオウム真理教による地下鉄サリン事件を経験した日本は、事件の直後は言うに及ばず、9-11以降もこうした対策を怠っていたことになる。最早、地震立国である以前の危機意識の問題である。
福島原発事故後の各国の対応

2011年3月11日、一年前の今日起こった福島原発事故を受けて、世界各国は現状の改善を対応を検討した。

2011年7月 アメリカ
オバマ大統領は震災の起きた同月、原発推進を改めて宣言した。だが同時に、NRCの下に福島原発事故を検証する特別作業チームを編成し、報告をまとめさせた。この報告の中で作業チームは、以下を提言した。
この報告を提出した約2週間後、NRCは特別な説明会を開催して作業チームに提言の説明を求めた。
そこでは、次のようなやりとりが行われたが、NRCの委員らには最終的な理解は得られなかった。
委員側:提言は新たな法律を作って規制を強化するという意味なのか。
チーム:法律の整備や規制の基準作りこそNRCの重要な役割だと考える。
委員側:それ以外の方法はないのか。たとえば通達とか。
チーム:そうして自主的に任せるやり方ではなく法律による規制が必要だと考える。
同委員会のヤッコ委員長は、「提言はNRCの主体的な行動が重要であり、業界の自主努力には限界があると強調している。特別チームは、福島後の世界で原発の安全対策に何が必要かを明確に示している」と述べ、唯一理解を示したのだが、多勢に無勢で力及ばず提言はNRCの方針として採用されなかった。

2011年9月 アメリカ
原発推進を決定したアメリカは34年ぶりに原発の増設を検討する。ジョージア州のヴォーグル原発だ。NRCは、東芝の完全子会社のウェスティングハウスが2基建造予定の次世代型軽水炉AP-1000の建造を許可するかどうかについて、検討会議を開いた。即日投票が行われ4対1(NRC委員会は5人制)で建造は許可された。この時、唯一反対票を投じたヤッコ委員長はその反対理由を次のように述べた。

「福島の教訓から学ぼうと様々な安全対策の強化が提言されている。やるべきことがたくさんあるのである。まるで福島がなかったかのように建設を許可することは私にはできない」(改訳)

規制側の中でも主張のせめぎあいがあるアメリカとは対照的に、スイスでは安全策の強化が進められただけでなく、遂に国策として脱原発を掲げるに至った。

2011年3月 スイス
前出のミューレベルク原発では、福島原発事故で必要な物資や設備の輸送に時間がかかったことから、軍の大型倉庫を借用して非常用備蓄倉庫として使用。いざというときにヘリで緊急輸送できるよう非常用電源ケーブル、移動式発電機、防護服、ホース、移動式ポンプなどを常備するようになった。それでも今年3月、スイスの連邦行政裁判所は「耐震性などに問題がある」として同原発に運転停止を命令。福島第一と同型の原発4基を抱えるスイスでの反原発運動は福島事故を受けてますます高まった。

2011年5月 スイス
スイスのIAEA代表は閣僚級会合で2034年までに国内全ての原発を廃止することを宣言。それが、安全対策を何重にしてもリスクが残る中で、そのリスクを許容できるのかを検討したスイスの出した答えだった。狭い国土で万が一福島と同じような事故が起これば、国家の存亡に関るとして、脱原発を世界に先駆けて公言した。

その時の言葉は、日本人がいま政府から一番聴きたい言葉だろう。


※以上の詳細はTogetterにもまとめてある。

結論:この国に原発を管理する資格はない

仮に能のない政策模倣を行うにしても、地震の少ないアメリカ式ではなく、あらゆる事態を想定して多重化したスイス式を選ぶべきだった。その程度の想像力と管理意識、危機意識(危機管理意識とは別)しかないこの国の管理当局にもはや原発管理は任せられない。
何にも増して歯痒いのは、福島原発事故を教訓に安全対策の見直しが実施されスイスでは確かな安全対策の見直しが行われ実践されているというのに、当の日本が未だに事故調報告止まりで何ら具体的策を実施せずに言った言わないの責任転嫁合戦を繰り広げていることだ。管理当事者であるにもかかわらず!

そんな日本の原発規制当局に次の言葉を今日、この日にかみ締めてもらいたい。
前出のスイス原子力会議のペロー副議長のものだ。

常に立ち止まらず改善する努力を続けていても、「完璧」とは言えない。
原発の安全性を高めるには常に、「本当に安全であるか」を考え続けれなければならない。
原発を運営するということは、それだけ重い責任が伴うということなのである。(改訳)
まさに至言である。

脱原発社会の実現を祈念して
2012年3月11日

転載元転載元: GivingTreeの雑記帳


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