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在日米軍再編見直し 〜玄葉外相に問う〜(前編)

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国谷キャスター
こんばんは、『クローズアップ現代』です。

日本の国土の0.6%にアメリカ軍基地の74%が集中する沖縄にとって、基地問題の象徴となっているのが、普天間基地の問題です。

普天間基地の返還が合意されたのが、1996年。日米両政府は、「普天間基地の機能を名護市辺野古に作る新しい施設に移す」としてきましたが、地元や環境団体等の反対を受け、移設計画は進んでいませんでした。

事態の打開を目指して、2006年に合意されたのが、こちらです。

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  1. 名護市辺野古に代替施設を建設し、普天間基地を移設すること
  2. 8000人の海兵隊員をグアムに移転させること
  3. 嘉手納基地より南にある5つのアメリカ軍関連施設の返還
この3つを一体として進めるという「パッケージ」です。

つまり、1番目の、普天間基地が辺野古に動くということが実現しないと、他の2つも進まないという仕組みが作られたのです。

ところが、それでも事態が膠着し続けてきたことから、今月、突如として打ち出されたのが、この「パッケージ」の分離です。

海兵隊のグアム移転や、アメリカ軍関連施設の返還という、沖縄にとっての負担軽減を、普天間移設に先行して進めると発表したのです。

今夜は、この「パッケージ」の見直しに取り組んできました、玄葉外務大臣に起こし頂いています。

見直しは、沖縄、そして日本の安全保障にとって、どんな意味を持つのか、のちほどじっくりと伺って参ります。


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冒頭で紹介されたときの玄葉氏の表情

対談

国谷キャスター(以下、国谷)
玄葉外務大臣(以下、玄葉)

注: 「あの…」などの間を保つ表現は取り除いてあります。


「パッケージ分離」の意味とは


国谷
ここから、玄葉外務大臣にお訊きして参ります。

突然発表されました、この「パッケージ」の見直しですけれども、アメリカが積極的に中国の台頭を受けて太平洋戦略を見直して、軍をそのトランスフォーメーションに早く乗り出したい。もう普天間の移設問題に待ってられなくなった、というのが見直しの契機だ、ということでよろしいんでしょうか。
玄葉
もちろん、新しいアメリカの国防戦略指針と関係があります。例えば、06年のロードマップが先ほどVTRで出ておりましたけれども、あれも、03年に米軍再編の問題が出てきて、グアム移転という話になってきたんです。

いまの日本の状況、アメリカの状況。お互いに、困難な問題を抱えている。VTRにもありましたけれども、米国は対議会の関係。日本は対沖縄との関係で、それぞれ問題を抱えていると。したがって、「お互いに知恵を出し合おう」と言ったのが、まさに日米外相会談だったわけです。事実上、そこからこの問題はスタートしているということです。

これは、先ほど申し上げましたけれども、当然、アメリカの国防戦略指針も関係していますし、刻々と安全保障環境が変わっております。当然、我が国の安全保障の環境も変わっておりますから、お互いにそういったことを勘案しながら、柔軟に物事を考えようと。今回は、「パッケージ」を外すということで、沖縄の負担を先行して軽減していくと、いうことを考えたわけです。
国谷
アメリカの戦略的な変化も大きかったということですけれども、一つ確認させて頂きたいのは、「パッケージ」が、その枠組みが出来て以降、普天間基地の県外移設が実現しなければ、海兵隊のグアム移転というのは実現しないということが繰り返し強調されてきました。この条件は今回の「分離」ということで、明確に条件が外された、という理解でよろしいのでしょうか。
玄葉
はい。基本的には「パッケージ」を切り離すと考えて頂いてよいと思います。これは、いわば、「てこ論」というのがあって、普天間の移設が進まなければ、グアムへの海兵隊の移転も進まないし、その結果として生じる嘉手納以南の土地の返還も進まないと。合わせて行うことで、普天間の移設も進める、ということであったわけですけれども、残念ながら、膠着状態に陥っていたわけです。それならば、やはり、できることからやっていく。沖縄の負担の先行軽減というのをやっていく、ということです。

嘉手納以南の施設の返還について


国谷
先ほどのVTRからも、沖縄の方々からは「期待しても裏切られることが大きかった」と。「だからあまり期待できない」という声もあったんですけれども、普天間基地の移設が進まなくても、グアムへの移転、そして嘉手納以南の5つの関連施設が還ってくる。しかも、普天間返還が実現しなくても、実現しなければ、実は還ってこないものもあるんではないですか?
玄葉
基本的には、還ってくると考えていただいていいと思うんです。とくに沖縄が強く要望しているのは、牧港補給地区。これは「キャンプ・キンザー」と言いまして、さらには「インダストリアル・コリドー」と、これは「キャンプ瑞慶覧」の中にあるんですけれども、国道58号線沿いなんですね。これは沖縄の振興に結びつくということで、私たちはとくにこの点に留意しながら協議をしなければいけないと思っています。

ただ、部分的に、「普天間の移設が進まないと返還しにくい」というところも、出てくる可能性はあるんです。これからの協議次第です。それは、例えば何かといいますと、「桑江タンクファーム」というのがあるんですけれども、陸軍貯油施設で、油なんかを、燃料を貯めておく所です。その「桑江タンクファーム」からは、普天間に燃料を送っているわけです。そうすると、「普天間の移設が進まないと」ということころも、全くなくはないので、ですから、部分的にそういったところが出てくる可能性はあるんです。でも、協議次第ということです。

基本的には切り離されている。ただ、グアムの移転が進んで、あるいはさらにグアム以外への海兵隊の移転が進んで、そうすると、「施設区域の統合」というものが必要になります。正確に申し上げると、例えば牧港補給地区だったら、そこには住宅とか倉庫があるわけです。そうすると、その住宅とか倉庫を、他の嘉手納以北の米軍施設に移す作業が必要なんです。それらを行って「土地の返還」ということになるものですから、できるだけ早期にそれらの土地の返還ができるように、全力を尽くしたいと考えております。
国谷
5月頃に新たなロードマップが発表されるのではないか、と見られていますけれども、具体的に、どこの施設がいつ頃還ってくるというのが分かってくるのは、どういうスケジュールで分かってきますか?
玄葉
現時点ではまだ明示的には申し上げられないんですが、これから協議の中で、できれば一定の時期を、いくつかの土地の返還について示すことができないかという思いは、私の中には・・・
国谷
(語尾を遮る形で)たとえば、年内・・・とか?
玄葉
 (苦笑して)先ほど申し上げたように、そう簡単ではなくて、つまり移転が進んで―海兵隊の移転が進んで―さらに施設区域の統合があるものですから。これまでも、返還された土地というのは、実は、時間はやっぱり若干かかるものですから。ただ、普天間の移設について、例えば、埋め立ての許可がなければダメだとか、そういう話になってくると、なかなか見通しが立ちにくいということがありましたので、そういう意味では、私は、沖縄の負担軽減という意味では、さらには、更なる日米同盟の深化という意味では、かなりの前進ではないかと思ってます。

先行移転は新たな“てこ”なのか


国谷
先行して関連施設の返還、そしてグアムへの海兵隊移転、ということが行われるということを先ほど“てこ”と仰いましたけれども、今度もそれを“てこ”に普天間移設をなんとか沖縄に認めてほしいという政府の思惑というのもあるのでしょうか?
玄葉
結局、強行できるという状況じゃないと思うんですね。また、してはいけないと思うんですね。丁寧に、沖縄の皆様に、あらゆる努力を尽くして、説明をして、理解を求めていく、ということしかないと思うんです。

主に二つありまして、一つは「地理的優位性」―これは、東アジアの潜在的紛争地域にほぼ等しく近いのが沖縄です。ですから沖縄の皆様には、日本全体の安全保障を負っている、ということなんですね。 ですから私は、一般論でいつも申し上げているのは、できるだけ全国で分かち合わきゃいけない、ということです。

 もう一つは、普天間の問題というのは実は、普天間飛行場だけを移せばいいという話ではありません。海兵隊の特長として、結局、例えば沖縄の「キャンプ・ハンセン」とか、「キャンプ・シュワブ」にいる陸上戦闘部隊を、普天間のヘリ―CH−46とかCH−53とかあるんですけれども―それで運ぶ。そして、更に、補給とか整備とか、そういうことをする部隊、これ「全体」でひとつの「ユニット」となっているわけです。すると、どこかに移すということになると、「全体」で移さなきゃいけない。

 ですから、どうしても、沖縄の県内の皆様にご理解を頂かないといけない。大変心苦しい話なのでありますけれども、いまそれがなくなってしまうと、やはり周辺諸国に対して誤ったメッセージを送ってしまいます。やはり、外交・安全保障を預かる立場としては、やっぱりどうしても、日本の抑止力というものは維持をしなければいけない、ということです。
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「大変心苦しい話なのでありますけれども」と言いながら頭を垂れた玄葉氏

後編に続く)

転載元転載元: GivingTreeの雑記帳

13日のヘイル国防次官の記者会見内容を検証

「米国防総省のヘイル次官(経理担当)は13日、2013会計年度国防予算案に関して記者会見し、在沖縄海兵隊のグアム移転費について「新たな計画ができれば、改めて予算措置が必要か検討する」と述べ、日米両政府の今後の協議でグアムの規模が決まるなどすれば、追加要求する可能性に言及した。」
時事通信(2012年2月14日)より問題箇所のみ抜粋

時事の「追加要求する可能性」という書き方はおかしい。
国防省側は「追加要求する可能性」について言及したのか、実際の会見のソースを検証してみた。

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国防総省報道記者会見記録の該当箇所

記者会見ではグアムに関する言及は、部分の中で一度のみであることを確認した。
結果として、「追加要求」に類する文言は確認できなかった。
Q: Hi, I believe that only $26 million was requested for the Okinawa-to-Guam realignment plan. Is that number accurate? And also, if you reach a new agreement with the Japanese government about how to carry out the realignment, will you be requesting supplemental funding for that for FY13? (再編の実施について日本政府と新たな合意に至った場合、13年度予算に追加の予算請求を行うのか)

(中略)

I think the answer is that we've come up with a plan, we will need to look again at our financial needs in fiscal '13, and, yes, we may have to adjust them.
「新たな計画ができれば、改めて予算措置が必要か検討する」(時事訳)
「当初の計画があった。13年度については財政ニーズを再検討しなければならない。したがって、そう。おそらく調整する必要は生じるだろう」(改訳)

新合意の為の「追加要求」ではなく旧合意の「調整」に言及したヘイル次官


時事報道では「新たな計画ができれば、改めて予算措置が必要か検討する」とされているが、上記の通り、ヘイル次官は協議の結果新たな合意に至った場合、「追加の予算請求を行うか」という記者側の質問に対して「現行の計画から調整する可能性はある」と述べたに過ぎない。

またもや、報道側が誘導質問したのに対し、米担当者側がその意図を察知してはぐらかし、「新たな合意に対する“追加要求”(supplementary request)」ではなく「現行計画に対する“調整”(adjust)」のみに言及したことがこれで判明した。

また、会見の音声記録を確認して、最後の質問に対する回答で、もう一つのことを確認した。

ヘイル次官がこの回答で"if"と一瞬でも言っていれば、回答の主旨は変わっていた。"if"があれば、それは新合意のことを示すことになるからだ。が、この"if"がなかったことで、「追加の予算」ではなく、あくまで請求済みの予算の「調整」が必要になると回答したことがハッキリとした。請求済みの予算の調整は、予算を増やす可能性もあれば減らす可能性もあることを、時事は意図的に論じてない。

いかにメディアが日本側の負担増を印象付けようと必死であることがよく判る一件であった。

国防省13年度予算概算要求資料の内容確認

上記、国防省ヘイル次官による「予算の追加要求」(時事)に言及したとされる記者会見では、『2013年度予算概算要求』のPPTスライドが配付資料として公開された。この瞬時に情報公開する文化は、防衛省も米軍の“一体化”政策の一環として是非模倣してもらいたいものだ。

余談だが、この国防省スライドPDF、Acrobatがあれば別のファイル形式に書込みすることもできる。すると何ができるかというと、この資料そのものを上書き翻訳できてしまう。実際、セキュリティがかかっていないのでAcrobatでWORDへの書き込みに成功した。これは、官僚に頼らずに国会議員及び一般が一次情報を得る方法の一つだ。官僚は、国会でこれらの資料について説明する場合、全訳を行わずに都合のよい場所だけを切り合わせ「要旨」を作る。
殆どの国会議員は、この情報の精査を行わず、「要旨」の中身のみを事実として捉え、予算を承認してしまう。国会議員に政策立案能力を求める場合、こうした情報精査能力の拡充が最優先とされる所以である。

13年度のグアム移転に係わる建設計画予算


本年度要求では軍事建設計画関連予算が前年度から約2億ドル削減されて9.6億ドルとなっていることが判る。資料によると、11年度が14.8億、12年度が11.4億とのこと。(配付資料p22)

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カテゴリー別予算動向(基本予算)

国防省が使い分ける"maintain"と"sustain"の表現の違い


国防省13会計年度資料から、米軍が太平洋シアターの陸軍・海兵隊の兵力展開を"sustain"する方針であることが確認できた。尚、これはこれまで報道されている「維持」とは違う意味を持つ。概算要求報告関連資料を読むとわかるが国防省は二つの表現を使い分けている。

PPT資料で"maintain"と"sustain"を検索すると、国防省が補償制度は"maintain"するとしている(p17)が、陸軍・海兵隊兵力は"sustain"するとして(p11)、表現を使い分けていることが判る。

この使い分けには明確な意図がある。

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軍事補償制度についての変更の実施

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アジア太平洋/中東シアターにおける兵力バランスの再考


内外への政治的配慮による表現の使い分け


国家機関の制度等に対する表現でmaintainとする場合、これは「保持」を意味する。つまり保ち続けることを意味する。対してsustainは「維持」の意味もあるが、これは「持続させる」という意味が本来の解釈となる。つまり、努力目標に対して使用する表現である。

予算の概算要求の資料でmaintainを使用する場合、これは「現行水準を保持する」ことを意味する。他方、sustainは「持続させる(維持する)よう努力する」ことを意味する。つまり更なる削減の余地を残しつつ削減に対する内外の反発勢力に配慮した政治的表現なのだ。

以上のように、国防省が議会・財務省向け説明として(それが「概算要求」の位置付け)太平洋シアターの陸軍・海兵隊の兵力展開を"sustain"するとしているのは、内向けには「維持するよう努力する」、外向けには「更なる削減にも応じる」ということの表明にほかならないのである。

戦力が現行のまま「維持」されるという報道は誤り


つまり、国防省は、国内外で繰り返し繰り返し様々なソース(国防省内の人物)を通じて語れたと報じられているように、陸・海兵隊の戦力を文字通り「保持」する積もりはなく、「維持する」(所存である)ことを繰り返し表明しているのである。このニュアンスを取り違えてはならない。

海兵隊が更なる人員削減を“予期している”点については、過去にもまとめたが、その背景に、この概算要求書の議会に配慮した内容が、議会の重鎮が重視しているケイトー研究所の予算削減案に“呼応している”かに見られる所以がある。
故に、米軍が太平洋シアターの海兵隊戦力を現行のまま「維持」すると表明しているかのように思わせる報道は誤りであり、米軍が“これまでと変わりなく”太平洋シアターの安保を重視しているという偽りの希望によって海兵隊が撤退する高い蓋然性を打ち消しているに過ぎないのである。

外交に携わる者は、報道官の発表やメディアの誘導質問に回答する関係者の発言等の信頼性の低い情報よりも、相手国政府「内」で配布される文書で使用される文言の機微に注目し、そのターゲット(対象)が誰かによって相手国諸機関の思惑を推し量る。

今回示したのは、そのほんの一例である。


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転載元転載元: GivingTreeの雑記帳

「先行移転」の意味を論じないメディア

国内メディアが、日米が在沖縄海兵隊の先行移転に大筋合意した「意味」を論じないことを不思議に思う。当初合意の約半数(4,700名)を先行移転するということは、当然、合意費用の約半額の先行拠出が生じることになる。拠出済みの約900億円の上に相当額が上乗せされ支払いを要請される。

この「意味」だ。

米上院外交委員会東アジア・太平洋小委員会委員長を務めるジム・ウェッブ(Jimmy Webb)上院議員は、大統領選の最中に行われた今回の合意について議会でグアム移転が議論されるのは「1〜2年先になるのでは」と見ているという。

「…11月予定の大統領選を念頭に「(辺野古移設を含め)グアム移転
が本格的に議論されるのは1〜2年先になるのでは」―ウェッブ議員
(11日付け沖縄タイムス)

また議会の審議が先送りされ結論も出ない状況にあって、日本政府は合意額の半額を一挙拠出するのだろうか?あるいは、全額か?

問われる国会の法案審査能力

肝心なのは、もし政府が先行拠出を検討してグアム協定の改訂と批准の国会承認を求めるのであれば、国会議員の法案審査能力が問われるということだ。

これが海兵隊が先行することの「意味」である。

野党時代、民主党の多くの議員は協定承認に反対したが、立場逆転して与党となり、党議拘束がかかれば今度は賛成する側に回ることになる。報道によれば、政府は今国会中に日米間の見直し協議を終え、国会に改訂されたいわば「新グアム協定」を提出する可能性があるという。
「今後の日米協議で見直しが確定すれば、それを反映した条約の
批准のため今国会で審議される可能性がある。」(9日付け朝日新聞)

国会議員の責務

これが「移転」費用の全額或いは「ロテーション」を含めた全額の費用拠出の先行支払いを求めるものであるならば、国会議員はこれを容易に承認してはならない。

日本は未曾有の自然災害からの復興財源の確保を目指し、また経済浮揚のため、増税を余儀なくされようとしている。無駄な支出を一切避けなければならないこの現状にあって、「旧グアム協定」「旧自公政権」が犯した愚と同じ轍を踏むことは許されない。

国会議員にはこの意識が必須である。

党議拘束により政府提出の閣法に賛成する義務を負う与党議員らは、我が国の現状にあっては合理的でない財政支出を行っている余裕はないことを肝に命じ、予算承認の責任と義務を至上の義務として捉え、真摯な姿勢で新グアム協定の法案審査に臨み、予算合理化の義務を果たして頂きたい。

単に与党であるという理由のみで政府閣法に賛成することしか能がない国会議員など不要。

とくに予算が関わる外国との取引に係る法案の審査であれば、米議会の与党を見習って是々非々で、法案によっては党が割れるようでも、国会議員としての信念を最前に持ってくる覚悟 で法案審査には臨んで貰いたい。

有権者としての姿勢

そして我々有権者も、メディアの情報に踊らされずに冷徹に国会議員が何を為すかを自らの価値判断で監視し評価する意識が必要である。今年中にも総選挙があるのなら尚更、今国会を我々有権者がどう見て、評価するのか。総選挙の前哨戦はもう始まっているのだ。

その緊張感で今後の国会審議を注視しよう。

転載元転載元: GivingTreeの雑記帳

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一縷の希望は政治主導により紡がれた

はじめに

普天間返還問題については、外交政策を担当する現役秘書時代から取り組んできた一大政策テーマだった。「県外移設」訴える鳩山政権では首相官邸の政府案の1つを提案するブレーンも務めた。当時から、鳩山総理の残した「遺産」はいつか実を結ぶと一縷の希望を、諦めない沖縄の人々とともに持ち続けてきた。その希望が、リーマンショックに始まる米国の国内事情の激変により遂に紡がれた。日本が遂に、政治主導で日米外交の主導権を握る政策を打ち出したのである。以下は、そうした歴史的功績を認め深い視点で論じない国内メディアの視野狭窄への批判とともに今年に入ってからの報道から得られた洞察をまとめあげたツイート録をブログ用に再編したものである。

きっかけ:「移転」と「ロテーション」の予算の仕分け

若い市民のための新パンセ(2012年01号)
(12/02/10)梅田正己(高文研顧問)

米側は共同発表後、数を出すのは「時期尚早」としていたが、当初リークされた数値が具体的だった所為かも知れない。「4700」という数の端数については私も不思議に思っていた。

“No decisions will be announced until the details of the way forward are agreed upon by both countries,” Little added. “Therefore, right now, it's premature to discuss troop numbers or specific locations associated with the relocation of Marines from Okinawa.”

「両国により今後の協議の進め方が合意されるまで決定事項の発表は行わない。したがって、現時点において、沖縄から移転する海兵隊の移転人数及び移転先について論じるのは時期尚早である
━国防総省リトル報道官のコメント
米国防総省ニュースリリース(2012年2月8日)より抜粋翻訳

米側が共同発表後にいち早くこのようなコメントを発表したのは日本側によるリークに歯止めをかけるためだったのだろうと合点がいく。ただ、この高文研顧問・梅田正己氏のブログの内容で少し違和感を持ったのは、 移転とロテーションとの間では予算の扱いが違うのではないかという点だ。

移転は再編計画に基づいて1度行われるものだが、ロテーションは数回に分けて行われるものだろう。

まず1点目は、ロテーションは複数回になるばかりでなく、文字通り何度も巡回する。固定の予算を付けられる訳がない。2点目は、移転は再編計画に基づいて行われるが、ロテーションは単に配置計画のみでなく軍事作戦であるという点。これに日本政府が拠出するのは道理が合わない。

疑問のポイント
①ロテーションは複数回に及ぶ→1回限りの予算は付けられない
②ロテーションは軍事作戦→再編計画と関係なく継続される

移転費用の負担割合は増えない筈

当初から日本の分担割合は減りはしても増えはしないと踏んでいた。
増えるとしたら、そこにはまたカラクリがあると見ていい。

これを公正なものに戻すのも再協議の目的の筈だ。

マスコミが“大々的”には報じない「事実」

大々的には報じられていないが、今回の再協議のきっかけを玄葉外務大臣が自ら昨年12月のうちに野田総理に進言していたという「事実」を私は嬉しくも思い、重要視もしている。

今回の交渉は、一般には米側から持ちかけたことになっているが、逆だった。
日本がイニシアティブをとったのだ。

①再編の仕切り直しは日本主導だった

官僚と玄葉外相のどちらが機先を制したのかは定かではないが、琉球新報毎日新聞が同11日に総括した限りでは、米国の経済状況、予算凍結の動きを察知して政治主導で物事が動いたように見える。

琉球新報
「その方向でいい」。昨年12月19日のクリントン米国務長官との会談を控えた玄葉外相は野田佳彦首相にパッケージの切り離しを進言。首相からゴーサインが出たことで、クリントン長官と「お互い本格的な議論をしよう」(玄葉氏)と解決に向け協力を確認した。
(中略)
玄葉氏が事務方にパッケージ見直しの検討を指示したのは、仲井真弘多知事と会談した11年10月。
琉球新報(2011年2月11日)より抜粋

毎日新聞
「パッケージを外そうと思います」。玄葉光一郎外相は昨年12月14日、5日後のクリントン米国務長官との会談をにらみ、野田佳彦首相に「切り離し」の具体案を伝えた。「その方向で進めてください」。首相の了承を得た玄葉氏は、日米外相会談でクリントン氏に「互いの困難を克服する方策を考えましょう」と協議開始を提案し、クリントン氏も受諾した。
(中略)
転機は、オバマ米大統領が新国防戦略を打ち出した昨年11月。外務、国務両省は「新戦略に沿った在日米軍再編計画の見直しもあり得る」とみて、事務レベルで検討を開始した。
毎日新聞(2012年2月10日)より抜粋

②仕切り直しは政治主導で行われた

おそらく9日付けの時事で最初に明かされたこの「日本主導」の事実は、大手各社により外務・防衛の主導権争いの構図へと摺り返られた。だが重要なのは、膠着状態を脱するイニシアティブを「日本政府」がとったこと、これが政治主導で行われたことである。

時事通信
対米交渉は、野田佳彦首相から「一任」を受けた玄葉光一郎外相ら外務省主導で進められた。
(中略)
昨年12月19日、ワシントンで行われた日米外相会談で、玄葉氏はクリントン国務長官に、普天間移設と在沖縄海兵隊のグアム移転が両立する方策を模索すべきだと提案。クリントン氏も賛同した。
(中略)
外相就任後、沖縄を訪問した玄葉氏に対し、仲井真弘多知事は5施設・区域の早期返還実現を要請。日米外相会談に先立ち、玄葉氏が首相にパッケージ分離案を説明すると、首相は「再編問題の細かいことは任せる」と応じた。
時事通信(2012年2月9日)より抜粋

再び政治主導で日本外交を動かした「功績」

政治主導の外交を誇るべき

メディアは、日本政府にこの栄誉を素直に認めようとしない。

多くの人は毎日や時事の「日本主導」の事実の報道をさらりと読み流してしまっているだろう。そう読めるように書かれているからだ。だが、機先を制して政治主導で日本外交が動いたということは、本来誇るべき事実なのだ。否、単に「誇るべき事実」ではない

自公政権ががんじがらめにしてしまった移設・移転の魔のパッケージの「切り離し」という打開案を構想し、実行した「民主党政権の功績」といってもいい。

少なくとも、沖縄県の人々には(この事実が正しく伝われば)そう捉えられる筈だ。

米側に起因する再交渉、機先を制した日本側

昨年12月の「提言」 でもまとめた通り、「普天間固定化」は米側の望む所ではない。それはパッケージを切り離しても同じことだ。米側はいま、議会を説得させられるアジア太平洋地域の兵力態勢と予算分担割合を策定するのに死に物狂いである。

10日付けの沖縄タイムスがまとめたように、米側には議会の予算凍結を解除するために解消しなければならない
2つの大きな課題ある。 これは、沖縄メディア以外どこも報じてこなかったもので、私がこれまで一貫してメディアの落ち度として指摘してきたものだ。

国防権限法に定める米軍再編に関する資金拠出の要件:
①海兵隊総司令官が太平洋の最適な米軍配置計画を議会に提出する
②海兵隊が提示する計画や独立委員会による太平洋の米軍の体制に関する研究報告を踏まえ、国防長官が6月までに議会に見解を報告する
沖縄タイムス(2012年2月10日)より抜粋・再編


この2点の条件はグアム移転に係る一切の予算が削除された2012年米国防権限法に付随する米両院協議会報告書という文書の中で詳述されている。その抜粋箇所がこれである。

政権を負のイメージに固定するメディアの作為

私の知る限り、この5つの条件を国内メディアが全て報じたことは、沖縄メディアを含めて一度もない。なぜ沖縄メディアが報じなかったのか、それが視野狭窄によるものかは定かではない。だが大手メディアが報じないことには私は作為を感じていた。メディアが使う手法には、いくつかある。

手法①:ありのままを伝えない

大手メディアはこの5つの条件のうち1つ(普天間移設の「具体的進展」に係る項目)のみを取り上げ、後の条件を完全に黙殺。一切報道せず、日本側の責任で米側が痺れを切らし予算凍結が行われたかのような印象操作を行った。

だが事実は違った。米側の事情がより多分にあったのだ。

以上のような理由で、米側は普天間移設どうこうのよりも、①最善の兵力態勢を割り出し②予算負担割合を減らした合理化されたマスタープランを議会に提出しなければならない。

この2点が米側の最優先事項なのである。

よって、現在行われている協議もこのことを中心に進められていると私は見る。
米側にとっての最優先考慮事項
①最善の兵力態勢の割り出し
②合理化されたマスタープランの議会への提出

手法②:本質を政局に摩り替える

国内メディアはこうした本質を全く捉えずに、日本が今回の「仕切り直しを実質主導した功績」を「外務・防衛の主導権争い」に置き換え、日本が提示した「パッケージ切り離し」を「普天間の固定化」に置き換えて、野田政権に対する負のイメージの正に「固定化」を図っているのである。
最近の報道に見られる本質すり替えのパターン
①「仕切り直しを実質主導した功績」→「外務・防衛の主導権争い」→政治的無関心の誘引
②「パッケージ切り離し」→「普天間の固定化」→不安・不信の助長

手法③:入り口情報の占有

現在行われている協議の実際の内容は、殆ど日本国内のメディアを通してしか漏れ伝わってこない。英語での発信すら、日本のメディアが総力を挙げて海外他社に先駆けて行われている。なので情報は一遍通りにしかないように錯覚してしまう。

だが、国外メディアが報じない(論じない)からこそ「穴」がある。

メディアの「穴」に斬り込む

そのメディアの報じない穴は、米側の公式文書、とくに議会文書などの絶対的な記録などに現れる。公聴会の証言などを端折って報道される際も、議会の委員会の記録辿れば簡単に検証できる。私の「仕切りなおし」案は、正にその集大成であった。

個人の力量でメディアを超えることは可能なのだ。

終わりに

私は、今後の「仕切り直し」再協議の推移も、注意深く見守っていくつもりである。

かつて与党内にあって首相官邸に政策提言まで行って関与してきた身として、今後も在日米軍再編問題は他の問題と並んでライフワークとなってゆくだろう。それが政治に関ったことのある人間の責務だと思っている。

以上、ここまでのご精読感謝いたします。


米上院で可決された2012会計年度米国防権限法案に付随する両院協議会報告書におけるグアム再編に係る箇所(p.928-929)の抜粋粗訳。絶対承認条件は5つあり普天間移設計画の具体的進展の報告を求める条件はその1つ(下記太字にて重要箇所を強調)。※因みに、国防権限法それ自体には同条件の記載はないので、国防権限法案に記載されたとするマスコミの報道は実体として誤りである。
第2207節 グアム再編

(a) 資金使用の禁止。本項サブセクション(c)に記載の定めを除き、下記条件が満たされるまで、本法律による歳出を承認されるいかなる資金、及び国防省所管で現地において実施される軍事建設事業に関して日本政府が負担したいかなる金額についても、2006年5月1日に調印された「再編実施のための日米ロードマップ」の実施のためにこれを割り当てることを禁ずる。

(1) 海兵隊司令官が、両院の軍事委員会に対し、米太平洋艦隊司令官との協議に基づき、米太平洋艦隊司令部の任務領域に最適と考え得る部隊配置計画を提出すること。
(2)国防長官が、両院の軍事委員会に対し、 海兵隊司令官がグアムにおいて最適と考え得る部隊配置計画を実施するために建設する施設及びインフラ並びに同建設プロジェクトに係る費用及び日程が詳述されマスタープランを提出すること。
 (3)国防長官が、両院の軍事委員会に対し、普天間海兵隊飛行場の移設について具体的進展があったことを証明すること。
(4) 両院の軍事委員会に対し、再編により影響を受けるグアムの非軍事公共設備、施設、インフラの建設の完了、修理及び修繕に係る作業の詳細、費用、及び日程について、関連する全ての連邦政府機関との調整が図られた計画書を提出すること。及び、
(5) 国防長官が
(A) 両院の軍事委員会に対し、本法律の第346節の定めに従い、極東及び太平洋地域における米軍の兵力配備に関する評価報告書を提出すること。又は
(B) 両院の軍事委員会に対し、当該節の定めに従った当該評価報告書の提出期限は満たされていないことを証明すること。 


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