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午前二時 浅い眠りのはざま ゆめかうつつか どこかで みいぃ と声がした ああ お前なのね まだいたのね 長いこと 一緒に来た 胸に棲む猫よ お前の声を聞くのは 久しぶりだね 眉をしかめつつ 抱き上げた 懐かしい手触りに 頬を寄せた それにしてもお前 ずいぶんと 小さくなったものだね あれほど獰猛に 狂うほど啼いたお前が 生まれたての子猫のように みいと啼くなんて いなくなったのだと 思っていたよ 土に還ったのかと 思っていたよ だから 私は 旅支度をほどき ここを終の栖と決めた。 それはもう せんのこと けれど いたんだね ここにいたんだね ずっとお前は ここにいたんだね また お前を抱き 旅に出ようか それとも ここで 共に棲もうか 是なのか 否なのか はきとはしらぬ 胸の中 猫はまた みいぃ と啼いた |
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