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何年かおきに読みたくなる本の一つが夏目漱石著「吾輩は猫である」。
夏目漱石といえば、まず屈指の文豪。いまでもランキングに上位にあるのは間違いない。
《吾輩は猫である。名前はまだ無い》で始まる冒頭の文章は、誰もがご存知のはず。
後世、文豪の名を冠せられたが、若いころは詩歌に親しんだ学究の徒だった。
この本、いつ読んでも文学書には思えない。が、読後になるほど、と感じるところが文学なのだろう。
雲仙公園で仕事をしていたころ、漱石氏の来仙を記録で読んだ。
当時の漱石氏、夏目金之助(だったかな?)と本名で熊本の高等学校教師の職を得ており、
その高校の修学旅行に帯同して熊本から海路小浜、徒歩にて雲仙温泉に泊。
明治二十九年十一月のことだから、雲仙が国立公園に指定される以前のエピソードである。
当時の雲仙には大型宿泊施設がなく、総勢230人は分宿を余儀なくされている。
翌日一行は島原に下って更に1泊し、再び海路で熊本に戻っている。
二泊三日の修学旅行だった。
何年か前、松山に旅する機会があり、漱石氏が松山で教鞭をとっていた当時の住まいを見てきた。
松山は、これも漱石氏の代表作でもある「坊ちゃん」の舞台となった街。
有名な道後温泉周辺や松山城には、坊ちゃん、マドンナ、赤シャツなどの扮装のガイドがおり、
これがまた親切丁寧にガイドしてくれる。マドンナ嬢と記念写真に納まりもした。
なによりも市内を走る坊ちゃん電車がレトロで楽しい乗り物だった。
名物の「讃岐うどん」も美味しかったが、どちらかと言えば蕎麦派の私である。
また松山行きは種田山頭火終焉の場所へ行くのがメインでもあったのだ。
「吾輩は猫である」の一節に、お天気良い日曜日、主人が筆と硯を持ち出し、
原稿用紙に題名を書いたまま苦吟する情景がネコによって語られている。
まさにその通り。題名が出れば半分出来上がりなんて通俗作家はいうが、これ間違い。
格言「間違いと気違いはどこにでもある」
我が家のネコはPC(さしづめ筆と硯か)が好きで、キーボードに乗っかる。
これで書きかけの原稿を飛ばしたことも再三である。
これに飽きると寝るモードに入るが、机上である。仕事をさせない気らしい。
読んだ「吾輩は猫である」は現代文。旧かな使いの本もあったのだが・・・
発行は昭和42年の重版で、版元は旺文社。200円(当時)の文庫本であった。
本の題名からして曲は「the cat」しかない。演奏もさまざまだが、
ここはやはり元祖オルガンのジミー・スミスのブロウして貰おうか。
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