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心のないやさしさは敗北に似ている―

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内容(「BOOK」データベースより)
弘仁元年(八一〇)、平城上皇を操って謀反を起こしたと言われる「薬子の変」。
その稀代の悪女・藤原薬子とは何者か?事件の真相を追うは、若き真言密教僧の空海とライバルである天台宗の高僧・最澄。二人の知恵比べに型破りな推理が錯綜する…。
「いろは歌」、さらに「かたらむ歌」四十七文字に隠された驚愕の真相とは!
これはもしかして歴史上の大発見。

なんとなく古本屋で買った一冊。
いちおう、歴史ミステリーですが、ライトで読みやすかったです。

面白かったので、この作家の他の本も買ってみました。

「薬子の変」にスポットを当てたのはなかなかマニアックですね。
この事件取り扱ったミステリーなんて他にあるのでしょうか。

余談ですが、高校のころ、日本史でこの「薬子の変」が出てきたときに、薬子は男だと信じて疑いませんでした(小野妹子的な感じで…)。薬子が女性だと知ったのは高校卒業間近のころだったと思います。

それはさておき、平安時代初期、藤原北家が式家を凌駕していくきっかけとなり、一方で嵯峨天皇が権力を確立していくこことなったこの事件。

その背後に一体何があったのか、それを空海がホームズ役、橘逸勢がワトソン役となって解決していきます。

嵯峨天皇、空海、橘逸勢、最澄、坂上田村麻呂、藤原冬嗣と日本史の教科書で習う人たちが続々と登場するのも面白さの一つでしょう。

事件そのものの謎と、その途中に出てくるトリックの謎と二つの謎を用意して、さらに、それが空海の書いた「いろは歌」の謎とリンクするという、手の込んだ謎のラーメン構造がこの作品の面白さでしょうか。

会話文の連続で物語を続けていくというのは、どこか国枝史郎の小説を思わせます。
歴史好きの方は読んでみてもいいのではないでしょうか。

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