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内容
13―14世紀、日本の歴史はひとつの根本的切断を体験した。
「日本的近世」なるものを準備したこの切断の意味を、自然=ピュシスの力と直接わたりあう「悪党」的人々を座標軸として解き明かす、歴史のボヘミアン理論。
歴史のボヘミアン理論、なかなか興味深かったです。
叔父である網野善彦の研究を背景に、13世紀から14世紀の日本史の断章にどのような考え方の転換があったのか、それを「悪党」という考えを軸に読み解く作者の思想は面白かったです。
自然=ピュシスから直接「力」や「冨」、「権力」を取り出そうとする思想の頂点にいたのが、網野善彦により「異形の王権」と呼ばれた後醍醐天皇であったという見方は思想的には面白いと思います。
真言立川流も同じ時期に宗教界(とくに密教界)を席巻したのも同様の背景によるものという説明はなるほど、と思いました。
自然=ピュシスとの関係性から日本史を俯瞰してみてみるとまた違った風景が見えてきたような気がしました。
話は全く違うのですが、作者の思想を眺めてみると、「大阪」のもつ特異性が薄ぼんやりと理解できそうな気がします。大阪がいかに自然=ピュシスとダイレクトに取り結び、乱れ流れる「なめらかな空間」の中で発展を遂げてきたか。その荒々しさに繋がる「性」が大阪をして日本の中の異空間としてきたのかもしれないと思いました。
新しい歴史理論として、より実証的な研究につながると面白いかと思います。
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はじめまして。履歴から参りました。
こちらの本は私が高校生の頃に読んでその後の進路にとても影響を受けた一冊です。
最終章の「黄色い狐の王」が特に好きで、今でもたまに読み返しています。
この本を取り上げられていてなんだか嬉しくて突然で失礼ながら書き込みさせて頂きました。
2013/2/16(土) 午後 3:24 [ よっしぃ ]
よっしぃ様
ご訪問&コメントありがとうございました。
どの論考も興味深いですよね。私は「妖怪画と博物学」が好きです。
またぜひ遊びに来てください。
私もお邪魔しますね〜
2013/2/17(日) 午前 10:43 [ コーダンテ ]