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恋人にだまされた織香は、大きな衝動買いをした。一人乗りのヘリコプターMewだ。
心躍る飛行体験が、彼女の前に新しい世界を拓いてゆく(表題作)。
猫の首輪に付けた超軽量カメラ。猫目線の隠し撮り映像には、思いもかけないものが映っていて…(「カムキャット・アドベンチャー」)。
人とテクノロジーの関わりを、温くも理知的な眼差しで描く、ちょっぴり未来の五つの物語。
表題作である『煙突の上にハイヒール』のほか、『カムキャット・アドベンチャー』、『イブのオープン・カフェ』、『おれたちのピュグマリオン』、『白鳥熱の朝に』の5編を収める短編集です。
どの物語もごく近未来のテクノロジーや起こりうる事態を背景としており、淡く優しい物語で、このあたりは作者らしい雰囲気でした。小川一水の小説というと、悪い人が出てこない印象があるのですが、今回の短編集もまさにそのようなエッセンスの詰まった物語です。
面白かったのは『おれたちのピュグマリオン』でした。よくある人間型ロボット開発の物語なのですが、やがて人間型ロボットは現実世界の「アバター」として機能していきます。しかし、それを発明したその理由は…オチがなかなか面白かったですね。ちょっと意外なオチでした。そのうち『世にも奇妙な物語』あたりでやりそうなお話でした。
SFの旗手が描く近未来のちょっとした物語をお楽しみください。
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