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あらすじ |
フィルムな日々
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あらすじ
保険外交員の女性の遺体が発見される。
事件当初、捜査線上に浮かび上がったのは地元の裕福な大学生だったが、当人の供述と新たな目撃者の証言から、やがて容疑の焦点は土木作業員・清水祐一(妻夫木聡)へと絞られる。
しかし警察の目を逃れ、彼は別の女性・馬込光代(深津絵里)を連れ、逃避行に及ぶ。
吉田修一の同名小説を映画化した、殺人犯の青年と共に逃げる女の切ないラブストーリー。
原作も面白かった『悪人』。まもなく劇場公開も終わってしまうということで観に行ってきました。
原作と多少細かいところで変わっている点や割愛しているところもありましたが、
原作者が脚本に参加していることもあり、原作の世界観がそのまま映像化されていて違和感を感じませんでした。しいて言えば、灯台の雰囲気はちょっと原作とイメージが違ったかなぁ。
深津絵里の演技も良かったですが、個人的には石橋佳乃を演じた満島ひかりの演技がよかったです。
むしろ満島ひかりに助演女優賞をあげたいw
それにひきかえ、主演の妻夫木聡は演技がやっぱりイマイチでしたねぇ…。
ドラマ『ブラックジャックによろしく』でこの人の演技に絶望して以来、彼の演技を観ることはなかったですが、
あんまり成長していないなぁという感想でした。
方言がわざとらしく聞こえるのと、感情の爆発のさせ方があざとい。
深津絵里のほうはその辺がスムーズな印象を受けました。
光石研、松尾スズキ、モロ師岡、でんでんなどちょい役にすばらしいバイプレイヤーを据えているのも良かったですね。特に松尾スズキには笑ったw
映画も面白いですが、やはりこの作品は映像化してしまうとイメージが固定化してしまって、ただの「恋愛ドラマ」に堕してしまいますね。
美男美女がスクリーンで演じる以上それはこの作品に限ったことではなく、原作の映画化(つまり、テクストのヴィジュアライズ)というシステムに内在するアポリアなので、そこを言っても仕方ありませんが、原作も併せて読むことをお勧めします。
女優陣と脇を固める名優の演技に圧倒されてください。 |
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あらすじ |
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あらすじ
16世紀のイタリア。
ローマにやってきた画家のカラヴァッジョは、やがて絵の評判を聞きつけたデル・モンテ枢機卿の援助により、教会の絵に着手することになる。
完成した聖堂の絵は多くの人々の賞賛を浴び、彼の名声は高まる。
その一方、無名時代からの友人たちとの放蕩三昧、喧嘩、娼婦たちとの付き合いに眉をひそめる者たちもいた。やがて権力者の庇護も失い、決闘で相手を殺してしまったカラヴァッジョは死刑の判決を受け…。
映画館に久しぶりに足を運びましたが、運んでよかったと思うに足る作品でした。
今年はカラヴァッジョの没後400年だそうで、日本でこの作品が公開される運びとなったとのこと。
本国イタリアでは、2夜モノのドラマとして作られたそうですが、クオリティの高さにびっくり!
日本だとアレですかね、狩野永徳あたりのドラマをNHKが2夜連続のスペシャルで作った感じでしょうかw
カラヴァッジョは好きな画家の一人です。
そして、その破天荒な人生についても多少知識があったつもりですが、
この作品のように映像で見るとその波乱万丈加減がよくわかります。
幼き日のペストの恐怖、死の臭いが生涯にわたりカラヴァッジョを縛りつけます。
生まれ故郷のミラノ近郊を出て、ローマに来た若きカラヴァッジョは、その見事な静物画が
(↓コレ)
工房主の目にとまり、画家としての活躍を始めます。
友人(であり、大切な恋人)のマリオ・ミンニーティをモデルにした作品を描くなど、
(↓こんな作品)
貧困にあえぎながらも、画家としての地歩を固めます。
そんな中、彼は(ちょっと衆道の気がある)デル・モンテ枢機卿の知遇を得、
一躍、貴族階級に認められる画家に…
一方、彼の生きた時代のローマは、宗教改革やイタリア戦争の結果フランス派とスペイン派が
熾烈な争いを繰り広げていました。
ローマの巷にもまた死があふれ、そのイメージはカラヴァッジョの作品に大きな影響を与えていきます。
あの、ベアトリーチェ・チェンチの処刑が『ホロフェルネスの首を斬るユディト』に
(↓この画)
影響を与えているという筋書きはなかなか興味深かったです。
ジョルダーノ・ブルーノの焚刑のシーンも出てきたりと、思えばこれって
彼の時代のローマで起きていたことなのかと気づかされました。
あいかわらずの放蕩三昧におぼれるカラヴァッジョでしたが、そこにデル・モンテ枢機卿が
持ち込んだ仕事が、サン・ルイジ・ディ・フランチェージ聖堂を飾るための作品の依頼でした。
そして、彼は畢生の大作『聖マタイの召命』
(↓これ)
と、この作品と対をなす『聖マタイの殉教』を描き上げ、称賛を浴びます。
この『聖マタイの召命』の完成をカラヴァッジョが見るシーンは見事!
思わず全身に鳥肌が立ちました。この作品の全編を通じて言えますが、
カラヴァッジョの作品同様「光」の使い方に徹底的にこだわっています。
それはまるで、カラヴァッジョの作品を観ているかのようです。
称賛を浴びる一方、その言動を快く思わない画壇の権威や聖職者たちも多く、
作品の受け取りを拒否されたりもしたカラヴァッジョ。
乱闘騒ぎを起こし捕縛された彼を救う力は、庇護者であるデル・モンテ枢機卿にはもうありません。
クレメンス8世の死後、新たに教皇の位についたデル・モンテ枢機卿と同じく
メディチ家出身の教皇レオ11世が在位わずか26日で死去。
替って登位した教皇パウルス5世はデル・モンテ枢機卿のライバルやボルケーゼ枢機卿と
同じ家門だったのでした。
新教皇に取入るべく、デル・モンテ枢機卿の働きにより、カラヴァッジョは新教皇パウルス5世の
肖像画を描きます。
(↓この人)
しかし、新教皇の覚えもめでたくなったのもつかの間、教皇に献呈した『ロレートの聖母』
(↓この作品)
が、市井の娘レナをモデルにしていたことから教会は彼を非難。
レナにも危害が及んでしまいます。逆上したカラヴァッジョは決闘の末
レナを襲った男を殺害。死刑の判決が下りました。
彼を逃がしたのは、カラヴァッジョのもう一人のパトロン、コロンナ侯爵夫人でした。
彼の息子がマルタ騎士団であるつてで、マルタ島へとカラヴァッジョは脱出します。
マルタ騎士団ゆかりの聖ヨハネの作品を描いたカラヴァッジョは
(その時に描いたのがこれ↓『バプティスマのヨハネの斬首』)
その功績と名声により、マルタ騎士に叙任されます。
(この叙任式のシーンがかっこよかった。というか、マルタ騎士のコスチュームがかっこよすぎて萌え死ぬ)
晴れて教皇からの恩赦が下るかに思われた時、また彼は挑発に乗って暴行沙汰を起こしてしまいます。
マルタ騎士団長のお目こぼしもあって、マルタ島を脱出しシチリア島のシラクーザへのがれた
カラヴァッジョのもとに、教皇からの特使が恩赦の知らせを持ってきます。
ローマへの帰路に就いたカラバッジョはしかし、誤認逮捕の末に足止めを食らい、
ローマへ向かう船を追いかけるなか、その生涯を終えました。
光の使い方が本当にすばらしい作品です。
カラヴァッジョなくしてバロックの「劇的」はなく、
彼なくしてルーベンスも、ジョルジュ・ド・ラトゥールもフェルメールもなかったかもしれません。
時に歴史は彼のような人物を輩出するものです。
どことなく、モーツァルトを思い出しました。
劇中にカラヴァッジョの作品も多々登場するのも楽しみの一つ。
ヨーロッパ史好き、絵画好きは必見の名作です!
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内容(「キネマ旬報社」データベースより) |





