あづまもぐらのブログ

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京浜急行が、9月22〜24日と10月6〜8日の期間限定で、
臨時列車「ホリデー・ウィング号」の運行と、
有効時間帯運行の2本の定期快特列車へ途中駅の川崎と横浜から座れる指定席ウィングシートの設定を行うとの由。
指定券は三崎マグロ切符との併用で、ホリデーウィング号指定席利用者にはペットボトルのお茶付きとある。

東京〜横浜〜横須賀の都市間鉄道でありながら、昔から三浦半島先端部のみならず、汽船連絡ながら伊豆大島や南房総等の観光地をも控える京浜急行は、その観光輸送をも念頭に置いて来た。
以前、クロスシート車の系譜としてその経緯を書いたが、古くは明治時代のまだ横浜以南開通以前に遡る。
それは大師線と現空港線の穴守線の川崎大師と穴守稲荷を巡る回遊乗車券の発売であった。羽田に海水浴場もあり、都市圏の拡がりがずっと狭い時代であった。
この回遊券は国鉄の周遊券よりも先立っての企画であった。
横浜以南が開通すると、昭和10年には一気に伊豆大島へと視野を拡げ、急行大島号を運行していて、女子アテンダントを乗務させていた。三浦半島は多くの軍事施設が観光地化を阻んでいたから、大島へ目を向けるのも頷けはする。
その後は、大東亜戦争絡みで京浜工業地帯への職員輸送に追われ、戦後も一息付いた昭和24年になると、休日には早速軍事的制約の解かれた三浦半島へハイキング急行が運行され、それが特急となり、セミクロスシート車500形を20輌増備し、昭和27年には4輌に増結され、更に座席指定制(回遊券利用客へ座席指定証無料配布)となり、昭和29年には土曜日午後には週末特急をも運行し、6輌編成で運行するに至った。この間に南房総も対象エリアに加わっている。
昭和31〜33年には初代700形クロスシート車を40輌揃え、休日には朝7〜9時台に品川から20分間隔での運行となった。
通常の特急すらも待避させて韋駄天走りのハイキング特急、週末特急は、正に観光輸送の華であった。
一方で、経済復興と共に通勤輸送も増加して、更に創業以来の悲願であった都心部への乗り入れも整い、昭和43年の都営1号線(後に浅草線と名付けられる)直通相互乗り入れを迎えた。
戦前の観光輸送が戦争で遮られた様に、今度は高度期を含む経済成長に遮られる事となって、以後は通勤輸送力増強に追われる羽目となった。
又、当時の乗り入れ協定では、都心直通列車は都内では最低3km以内に一駅へは停車する条件があって、新たに青物横丁へ停車となった特急は、最早湘南横須賀線列車に抗するもので無くなり、新たに京浜間川崎のみ停車の列車が20分間隔で設定された。社内では快速とする案で進んでいた(当時の運転課長談)が、最終的に快速特急とされた。これはハイキング特急、週末特急を代替しうるものでもあって、アッサリ廃止となってしまった。
唯一、週末特急の名残は、土曜日に限り品川13:07発の快速特急に残された後部2輌の座席指定車であった。
入線前になると1番線プラットフォームの6〜7輌目の境の箇所に看板を提げて、小さい机を置いて指定券を売り始めるスタイルであって、前売りは可能ではあったが、ほぼ全利用客はそこで指定券を買い求めていた様だ。指定券には席番が記入されている場合と号車番号だけの場合があったから、もしかしたら席番迄入っている時は前売り客があったのかも知れないが、根拠なき憶測である。因みに50円で、同じ固定クロスシートの6000系使用の東武快速の指定券は70円と記憶している。
この快速特急は数年後に再度南房総号と名付けられたが、それも昭和50年前後と推測される(正直不明ながら2000形登場のとっくに前に)が消えてしまった。

あれから半世紀の時を経て、この度の休日観光列車の復活には感慨深いものがある。
昭和30年代前後の健康的なハイキングからこの度は飽食?のマグロへの変化に時世の流れを覚えるものだ。

2100形登場時ですら既にヘッドマーク掛けすら廃されていたから、半世紀どころか20年前でさえも想定出来ぬ展開と判じる事が出来よう。
浅草線相直以来、通勤輸送での輸送力増強に追われ、次いで快適通勤とかの時流に押されての着席列車、それが帰宅時から出勤時へも波及して、座席指定システムの設置へと至り、その活用としての面も後押しとなってのこの度の企画とも取れる。持てる資源の活用に惜しむ理由はない。

ウィングシートの設定は、正に13:07快速特急を彷彿とさせる。
興味深いのは川崎、横浜各24との席数です。
2号車は補助席を除き56席あるが、上大岡からは一般乗車も可能な為、優先席8席は指定席から除外されている。
川崎、横浜では、やはり看板を提げて係員が予め発券しておいた指定席券を手売りすると推測されるが、川崎、横浜に発券器はないと思われ、事前に支度しておくのであろう。

一概に比較は出来ぬが、京阪のプレミアムシートの年間座席占有率は6割程との結果がでた。
国際的観光地を控える路線ではあるが、JR西日本ですらグリーン車復活を検討するに至っていて、着席保証需要は少なからずあり、首都圏ならば関西圏よりも一層と云え。える
京浜急行快特にあってはそれ以前に増結の余地があるから、早計な展開は別としても、将来的には含みのある今回の企画ではある。

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