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☆コノノNo°1:コンゴトロニクス
(Konono No°1:Congotronics)
今日の音楽はコンゴ共和国のぶっとんでいるセンスの集団コノノNo°1(以下コノノ)の作品です。
コンゴ共和国(以下コンゴ)はアフリカ大陸にある国の1つです。アフリカを代表する楽器の1つに「親指ピアノ」があります。クラシックやジャズでおなじみのピアノとは全然違う形状です。簡単にいいますと、長方形の木の板に細長くて平たい金属の棒が数本とりつけられたものです。ジャケットの画像がそれです。オルゴールの中にある、音を鳴らすための金属のクシのようなものに似ていますね。ピアノのように鍵盤らしきものが並んでいて、主に親指で演奏する事から親指ピアノと呼ばれています。この楽器はアフリカの各地で使われていて、各地で呼び方が違います。コンゴではリケンベと言われるそうです。ジンバブエではムビラまたはンビーラです。洋楽ロックで親指ピアノと言えば、キングクリムゾンの名作「太陽と旋律」のパート1のイントロで聞ける音が親指ピアノのそれですね。
コノノはそのリケンベを自動車の廃品の部品や産業廃棄物の部品を使って作りました。上のジャケットがその手製リケンベです。彼らはそれを自らの手で作るだけではなく何とアンプやマイクまで作ってしまいました。廃車のバッテリーその他を利用して作ったそうです。その手製アンプでリケンベの音量を電気的に増幅してスピーカーから流すのですが、その音は歪んだ音です。チープとさえいえる音です。本来カリンバは美しく素朴な音色を出す楽器です。しかし手製のお粗末な(失礼)アンプを通す事で割れたような音に変わっています。その音を延々と鳴らし続けながら自作のマイクとメガホンで叫び、早口で語り、歌います。そのメガホンから聞こえる声も歪んでいます。親指ピアノをアンプををとおして演奏するなんて凄いことを思いつくなぁ、と感心します。
コノノの音楽は基本的にはコンゴの伝統的な歌だと思います。しかし前述のハンドメイドのリケンベとアンプを使用することにより凶暴で粗野なトランスミュージックに変貌しています。リケンベの歪んだ音は欧米の音楽で言うところの「インダストリアル」な音です。
強烈としかいいようがありません。アフリカ音楽が持つグルーヴにインダストリアルでローファイな荒々しい攻撃性が加わった事で聴き手の脳はあっという間に麻痺してしまいます。高揚感で心がすぐに満たされます。クラブで聞くトランスミュージックとして非常に素晴らしいと思います。シーケンサーによる自動演奏が主流の最近のトランス系音楽やインダストリアル系音楽とは違い、コノノの音楽には生の演奏による躍動感があります。
先日行きつけのディスクトランスにお邪魔したところ、何と本作の第2弾「コンゴトロニクス2」がありました(笑)。正確に言えばコノノの2枚目と言うわけではなく、コノノと似たような音楽を行っているコンゴのアーティストの曲とコノノの新曲を収録した編集盤です。こちらは本作に比べて全体的に聴きやすいです。DVDつきで、コノノの演奏を見ることが出来ます。
日本はもとよりヨーロッパのクラブ系や音響系、ローファイ系の各方面で高く評価されたそうです。2006年の夏にこの無茶なサウンドをだすコノノが来日してライヴを行うそうです。うーーーん、体験したいですね。
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