☆ワンダ・ランドフスカ:ゴルトベルク変奏曲☆ 今日の音楽は、ワンダ・ランドフスカ演奏によるバッハのゴルトベルク変奏曲です。 ランドフスカといえば、チェンバロそのものを20世紀に復活させその演奏を世に再び広めた人です。チェンバロ復興の先駆者です。プレイエルという会社と共にモダン・チェンバロを製作しました。ピアノの長所を応用したチェンバロは、現在ではオリジナルのチェンバロとは別物だとされ、ピリオド楽器主義者から批判されています。 私は本作で初めてモダン・チェンバロという楽器の音を聞きました。私が持っているヒストリカル・チェンバロ(歴史考証を基に製作されたもの)演奏のCDと比べ、音が違います。チェンバロはヒストリカルなものでも使用するものによって音が異なります。ヒストリカル・チェンバロの各々の音の違いを無視しても、本作の音はヒストリカルなチェンバロのそれとは違いますね。何となくですが、電気で増幅したチェンバロという感じに聞こえます。昔のシンセサイザーっぽく聞こえなくもありません。ヒストリカル・チェンバロ演奏では多分聞かれない、ピアノ的、時にはオルガン的な面が時折顔を出しています。「モダン」(現代的)なのに「ヒストリカル」(歴史的)なチェンバロの方が新しく聞こえます。まあ録音やリマスタリングのせいかもしれませんが。ちなみに本作のゴルトベルク変奏曲の録音は何と1945年です。ランドフスカは1933年にもゴルトベルクの録音を行っています。それが同曲の世界初録音だそうです。本作のゴルトベルクは63年前の録音ですが、リマスタリングがいいせいか古さを感じさせません。ヒストリカルなチェンバロにはない独特の味わいは悪くないですね。 ランドフスカは相当な技量を持っていた人のようで、モダン・チェンバロかピアノでなければできそうにない、スピーディーでシャープな演奏をいくつかの変奏で披露しています。グールドが登場するずっと前に、ランドフスカは彼を予見させるような演奏を既に行っています。面白いです。もし彼女のピアノ演奏によるゴルトベルクが録音されていたらどういう感じになっていたでしょうね。 このCDにはゴルトベルクだけでなく、バッハの他の曲も収録されています。「協奏曲ニ長調 BWV.972」(原曲はヴィヴァルディの協奏曲集)、「幻想曲ハ短調 BWV.906」、「前奏曲、フーガとアレグロ変ホ長調 BWV.998」です。どの曲もなかなか興味深い演奏です。チェンバロが苦手な人でも聞きやすいです。 ランドフスカのチェンバロ演奏を聴いた人の中にはあのトルストイがいたそうです。今聞くとちょっと古く、そして電気的な感じがするチェンバロの音ですが、当時は新鮮な驚きを与えたのではないでしょうか。
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